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ようこそいらっしゃいました。すてきな書物と美味しい食べ物をどうぞ。

『浅草鬼嫁日記五 あやかし夫婦は眷属たちに愛を歌う。』友麻 碧 




前世で鬼の姫「茨木童子」だった女子高生茨木真紀は、かつての夫で「酒呑童子」だった天酒馨、「鵺」だった夜鳥由理彦と、次第に身の回りに集まってきたかつての眷属たちと共に、人として、愉快でまずまず平穏な日常を送っている。
京都の地で千年前から過去を今一度見つめ直した真紀と馨は、今までとは少し距離感が変わってきていて。恒例行事のバレンタインのチョコの準備にも思うところがある真紀だが——。


『浅草鬼嫁日記』の新刊~!!今回も楽しみにしていました!!
今回の表紙イラストも素敵です。
桜が美しく咲く浅草の街を、笑顔でたわむれる真紀ちゃんと馨君、眷属たち。
真紀ちゃんとおもちちゃんが最高に可愛らしい!
(多分)イラストでは初登場の熊ちゃんが、けっこう今どきのお姉様というスタイルで格好良く素敵!虎ちゃんはわりとイメージ通りで彼も素敵!
そして皆を後ろから見守るスイの大人びたおだやかな表情が、物語をラストまで読んだ後に見返すと、しみじみ染み入ります。
(さらに遠くから見守る不機嫌そうな凛音君も、なんだかんだ真紀ちゃんへの愛情が伝わってくるよう)

今回はシリアスモードだった三巻、四巻目に比べて、いつもの皆の基本のほほんとした日常パートがメインになった、箸休め的な巻だったでしょうか。
タイトル通り、真紀ちゃんと馨君と、眷属の皆さん方の昔から揺るがない絆が、前面にぐっと押し出されていました。
千年たっても酒呑童子と茨木童子のふたりに忠誠と愛情を注ぎ続け、人として生まれ変わった二人の幸せを心から願う、一途で強く頼もしいあやかし達に、しみじみ心が温かくなりました。
そんな彼らに対する真紀ちゃんと馨君の想いも素敵です。ぐっときてしまいます。皆の頼れるお姉様で女王様な真紀ちゃんが最高に格好良すぎる。初期に比べて酒呑童子であった自分を自然体にすっと受け入れている馨君の姿もいい。

そんなふたりですが、今世ではとりあえず、ぴちぴちの十代の高校生でもあって。
バレンタインデー関連で、改めて、お付き合いをはじめましょう。という流れに、このふたりだからこそ、きゅんとときめいてしまいました。
照れ屋な馨君の方から言い出したというのがまた微笑ましくときめきますね!
チョコブラウニーといい、ファミレスでのメニューの選択といい、ふたりともお互いの好みを当たり前のように知り尽くしていて、ふたりの今世でも積み重ねてきた絆を感じます。
真紀ちゃんが普通の男の子に告白された!ということで、馨君はかなり動揺したんだろうな。
(そして今までは確かに馨君がそれとなく真紀ちゃんの身辺に目を光らせていたんだろうというのも、納得。絶対そうだ)
真紀ちゃんに普通の女の子のお友達ができて楽しそうにしているのも、読んでいて嬉しいなーと思います。

本文中にもあったように、今までは真紀ちゃんがあえて横暴に鬼嫁っぽく振舞って馨君の尽くし体質を押えていたのでしょう。
それが今まで通りの振る舞いがいまいちできなくなってしまったという真紀ちゃんが、なんだかとても可愛らしいなと思ってしまいました。今までの振る舞いにも茨木童子の千年越しの愛情をひしひしと感じてぐっときますが。

由理彦君が今までと立場がガラッと変わって、なんだか性格もちょっと変わっていて、面白かった(笑)。
叶先生のところでこき使われていて大変そうだけれど、なんだかんだ式神たちにも可愛がられているようで、とりあえず、よかった、かな。スマホのメッセージに個性を感じて笑ってしまいました。
私としては葛の葉さんがお気に入り。ミクズの肉親だったとは!
ああでも、若葉ちゃん達も、くもりなく元気で暮らしているといいなあ。

スイとミカのでこぼこ兄弟眷属コンビもだいぶ馴染んできましたねえ。
ふたりとも相変わらず揺るぎなく茨木童子様一筋でまったく隠そうともしないのが、微笑ましくて愛おしいです。
スイの仕事は相変わらず多岐に及んでいました。あの薬の正確性にはびっくり……。
人魚のエピソードは切なかった。そしてこれは確かに真紀ちゃん達とあやかし達の生きる年月の違いを考えてしまう。ミカ君泣ける……。
熊ちゃんと虎ちゃんの、酒呑童子とのまさに気の置けない「お頭」と「子分」な関係も、やっぱり好きだなと思います。
熊ちゃん視点の裏エピソードが今回かなりお気に入りでした。彼らの静かな本気の戦いにふるえました。やっぱり分かっていた馨君とのやりとりも。
まんがを描くことで、彼らはかつての狭間の国を、いま一度、共同で作り上げているのだなあ。それもしみじみすごいことだ。

大和さんの気になる裏事情、大黒先輩との七福神めぐり、平和な日常の中に少しずつ染み出てきている不穏な空気。
とりあえず大和さんの疲れっぷりがちょっと気になる。
真紀ちゃんの苦境に颯爽と現れ遠回しに真紀ちゃんを救っていった凛音君、やっぱり今でも真紀ちゃん愛してますよね?
ううう、やっぱり凛音君の真意も気になります。きっと悪い子じゃないんだよな……。

バレンタインデーではじまったので、ホワイトデーでしめる。いかにも人の世っぽくていい。
九龍球っていかにもスイのイメージぴったりな中華系の手が込んだスイーツですね、素敵……!!!
あ、今回も浅草美味しいもの巡りが堪能できて、楽しかったです。ほっくり蜜の染みた大学芋食べたいな~。

そして最後はスイこと水連視点の語り。
三巻目でスイこそが茨姫を鬼にした元凶だとさらりと描かれていてさらりと衝撃的でしたが、今ではすっかり茨姫に忠実でむしろお父さんのような愛情を注ぎ続けているスイ。改めてぐっときてしまいました。
かつてのスイをこてんぱんにぶちのめした茨姫の台詞が格好いいな!そして確かにスイのあやかしとしてのあり方や頭脳はその後ずいぶん皆の助けになったんだろうな。
今回スイはかなりのピンチに置かれていますが、どうなるのでしょう……。
そしてまさかの木羅々ちゃん初登場。よ、読めないキャラだ……。茨姫の四眷属であったからには頼もしいあやかしなのだろうと期待しています。

今回の敵「狩人」?は、厄介そうですね。というか、ミクズが陰で暗躍しているの?なんて懲りない女狐なんでしょう!!
あと気になるのが真紀ちゃんの「出会い」と馨君の無自覚だという「嘘」ですかねえ。
色々気になります。続編は少し間が空きそうですが、早く読みたいですー!!

コミカライズも一巻目を読んでみました。
初期の鬼嫁な真紀ちゃんがなんだか新鮮です。そして大旦那様の出番が何気に多くてほくほくしてしまいました(笑)。
真紀ちゃんも一度、葵ちゃんの手料理を食べる機会を持つとよいと思います。
彼女たちは実際に会えば意気投合しそう。美味しい料理を食べるのも作るのも好き同士ですしね。


この一週間くらいにそれぞれの記事に拍手くださった方々、どうもありがとうございました♪

カテゴリ: ファンタジー(和風)

タグ: 友麻碧 

『星をつなぐ手 桜風堂ものがたり』村山 早紀 




桜野町の小さな書店「桜風堂」を任され、かつて務めた銀河堂書店のメンバーを含む人々と『四月の魚』をヒットに導いた青年・月原一整。
変わらず誠実に書店の仕事に打ち込むも、人気作品の配本がない等、小さい書店ならではの苦労にも直面する。
そんなある日、銀河堂書店のオーナーに店長とともに呼び出された一整は、思いがけない提案を受け——。


『桜風堂ものがたり』の続編にあたる一冊。
一整さんはじめ銀河堂書店の人々、桜野町の人々、その周りの人々。
新しい物語の中で、彼らにまた再会できるのが、とてもとても嬉しくて。楽しみにしていました。

酷暑としか言いようがない一週間の、電車通勤のお供に、夜のひと時のお供に、少しずつ少しずつ、大切に読んでいました。
暑さと眠気で頭がぼーっと溶けそうな間にも読んでいたので、なんか伏線とか抜け落ちていたかもとかちょっと不安ですが。
それでも美しくて優しくて心地の良い文章は、すうっと私の心にしみわたっていくようで。
少しずつ少しずつ、癒しの成分を摂取していっている感じでした。
そして一整達の仕事に打ち込む真摯な姿勢は、読んでいるとごく自然に、私もお仕事頑張らないとな。と辛くならずに思うことができる。
おかげで一週間、暑さに心荒むことなく、おだやかな心持ちで過ごせたと思います。
大感謝です。

物語の中だからこそ、優しくて心根の美しい真面目にこつこつ頑張る人達は、報われて愛されて幸せになってほしいものです。
まさに一整や苑絵さんや渚砂さん達のような。
一巻目に引き続き、たくさんの人々のたゆみのない努力を下敷きに生み出された、優しい奇跡の物語でした。
美しくて上品でていねいな文体で紡がれる、大人のためのおとぎばなし。
作品世界に安心してひたりきることができました。

書店や本というものにたいして、様々な立場から関わる人々が新しく何人か登場してきて、みんな魅力的な人達で、それぞれの人生の物語を新たに読むことができたのも、良かったです。
そして書店や出版業界に関する現在の様子を、垣間見ることができるのも、良かった。
やはり厳しいものなのだなあと、私自身の仕事にも重なる業界なのもあり、骨身にしみて実感せずにはいられない。
それでも人の誠実でたゆみない手に支えられて、ひとつ生み出された、明るくて幸福なひとつの書店の物語が、ここにありました。
明るく優しい未来を信じられるのって、幸せですよね。

一整たち若者世代をある意味上回るくらい、人生を重ねてきた大人達の物語がどれも格好良かったな~!と思いました。

『序章 白百合の花』
なるるさんの定宿の旅館のエピソード、とても好きで印象に残りました。
なるるさんというひとりの女性の生き方が好き。
がっつり心つかまれたのは、ちょうど私自身が旅行の計画を立てていてホテルをネットで色々探していたタイミングで、心情的に重なったからかもしれない(笑)。
私も人生の心の糧になるような読書をしてゆきたいなあ。

『夏の終わりの朝に』~『遠いお伽話』
『紺碧の疾風』というシリーズがすごくおもしろそうなのですが!!読んでみたいです!!食べものがおいしそうな作品は絶対楽しい。
久しぶりに柳田店長に会えて良かった。一整さんが星野百貨店に、銀河堂書店に、あたたかく出迎えてもらえていて、私の心も温かくなりました。
オーナーに会いに行くのにちょっとびびっている店長がなんかおかしかったり。ふふふ。
実際のオーナーは渋い魅力がある貫禄もあるすごいひとで、でも優しいひとで。オーナーの過去の物語もずしりと印象深いものでした。ここで星野家の人々が出てくるのか!
オーナーの提案は正直私には知識がなく良いものかどうか判断がつかなかったのですが、でも最後まで読むと色々結果につながっていて、良かったんだろうな。銀河堂書店良い書店ですものね~。
そして高岡源先生も、桜風堂に颯爽と助けの手をさしのべに現れる姿は、まさに冒険活劇の世界から抜け出してきたヒーローみたいでした!格好いい!

『ケンタウロスとお茶を』
優しくて繊細で感受性の強い漫画家のたまご・くるみさんのエピソード。
読んでいて心が痛くなりました。こういうことって起こり得るよなあ。つらい。
『ケンタウロスとお茶を』私はそのままのかたちの作品がとても素敵だと思うし、読んでみたいな。

『人魚姫』
苑絵さんと渚砂さんの親友ふたりの物語。
やはり「そのえさん」という名前の響きからとても素敵で読んでいてふるえる。(響きが好きといえば、『ポワソン・ダブリル』の響きも読むたびに美しくて浸ってしまう)
苑絵さん自身心根の美しい可愛らしいお姫様みたいなひとで、なんというか、とても好きです。彼女の絵の描写も相変わらずとても魅力的。
そして渚砂さんのお父さまへの複雑な葛藤と彼女自身の秘め恋の物語も、ひどく印象的で、切なかった。
母と自身を守るため、大好きな親友を守るため、強く格好良く生きることしかできなかった彼女の姿が、なんだか痛々しい。
大きな救いになっているのが、やはり、蓬野先生の存在です。
渚砂さんの辛い時に優しく大人の態度で寄り添ってくれる彼の頼もしさよ!!本当に王子様みたい。
苑絵さんも渚砂さんもそれぞれ子ども時代に辛い経験をしたひとで、でもふたりの辛さは比べられるものではないしそういうのがあってもふたりは無二の親友で揺るがないし、そういうのが、今の年齢の私的にはよくわかるなと思ったし、良いなと思いました。

『Let it be』『神様の手』
桜風堂に、新たな頼もしい仲間がふたり。
毬乃さんとくるみちゃんの姉妹仲にじんわりきたり。
くるみちゃんが、苑絵さんの絵をはげみに、新たな一歩を踏み出せた一場面が、とても好きです。
すずめ書店さんの魅力もすごく伝わってきました。
藤森先生の存在も素敵。

『星をつなぐ手』
最後はとってもにぎやかな、まさかの(笑)三人合同サイン会。
規模がどんどん大きくなっていって、読んでいて正直ちょっとドキドキしていたのですが、頼もしい助っ人が色々なところから大勢来てくれて、みんな一整がこれまで誠実に仕事をしてきた中でできたつながりで、しみじみ浸ってしますよねえ。
桜野町って改めて素敵なところだな。私も観光に行ってみたい。
星祭りの鞠姫様の伝説も、ロマンティックで厳しさもはらんでいて、心に残りました。『天空のミラクル』や『はるかな空の東』に出てくるお姫様達を心の中で重ね合わせてしまいます。
そして一整と苑絵さんのふたりも良い雰囲気で、ふふふっと微笑みたくなりました。
実際にどうこうなるには、奥手同士なふたり、まだ時間がかかりそうですけれど。
そしてやっぱりここで気持ちを打ち明けないのが渚砂さんだよな、となんか納得してしまった。彼女の隣に蓬野先生がいて、重ね重ね、良かった。彼女こそ、幸せになってほしいのです。

ここで『桜風堂ものがたり』完結とは、正直ちょっと寂しい。
特に渚砂さんと蓬野先生がくっつくまでは見届けたかったな~!!とか思ってしまいますが(笑)、いつかどこか別の物語の中ででも、その後の彼らに出会えると、嬉しいな。

そして胡蝶堂さんや星のカケスさんの書評ブログに憧れの気持ちを抱かずにいられないです。
私のブログは書評なんてとても言えない適当な行き当たりばったりのブログで更新もとぎれとぎれですが、それでも本を愛し祝福をできればという気持ちはあってその場を消すことだけはしたくなくて、これからもせめて続けられるだけは続けてゆきたいと、読んでいて改めて思いを新たにしました。
Twitterや読書メーターで短い感想を書くのとても便利で楽なのですが、私はやっぱり、この形のブログがとても好きで、人さまのブログを読むのもとても好きで、ひとつでも火を消したくないし、続けてゆきたいので。
なんてちょっと脱線してしまいましたが。

蒸し暑い夜にげみさんの表紙イラストの夜空と雪の結晶のひんやりした美しさが染み入りますねえ~。ふう。
そして帯にあるように、優しい人が幸せであるように、祈りたい。
ほんとうに。


この一週間くらいにそれぞれの記事に拍手くださった方々、どうもありがとうございました♪

カテゴリ: 村山早紀さん

タグ: 村山早紀 

7月の読書メーターまとめ 

週末台風が過ぎ去りまた暑い日々が戻りつつあります……。
いつのまにか7月終わってましたね。
週半ばだといまいち実感がうすい。

さて先月分の読書メーターまとめを、いつもの通り追記に格納します。

ブログに書いていない作品で特に良かったもの
小説  『おいしいベランダ。マンション5階のお引越しディナー』『菜の花食堂のささやかな事件簿 金柑はひそやかに香る』『なんちゃってシンデレラ』
まんが  『君と僕の大切な話』『7SEEDS』『モブ子の恋』『コードネームはセーラーV』

『おいしいベランダ』の年の差ロマンスが盛り上がってときめいて仕方なかったです……!!ずっと気になっていた涼子ちゃんがようやく登場して、かなりのインパクトでした。まもりのことを本当に大切に想っている亜潟さんが良いですねえ。
酷暑の週末と台風の週末に『7SEEDS』を何巻か続けて読んでいたら、外界の過酷な(気象)環境とまんがの中の過酷な環境がなんだかそんなに変わらないんじゃないか……と思えてきてちょっと怖くなってきました。大丈夫かな地球。
『君と僕の大切な話』やっぱり私相沢さんが好きです~やや古風で変わった女の子だけれど、彼女の人の良い美しい微笑みを見ているとこちらも癒されます。彼女の家庭環境が気になる。ケーキきっちり半分わけっこ技術が光ってました。
『腐男子先生!!!!!』のコミカライズもめちゃくちゃ楽しかったです!!先生が朱葉ちゃんを送っていくときにかけたCDで、ふたりが同時に同じ表情で歌いだす場面がなんか好きです。
セーラームーンの美奈子ちゃん主役の前日譚もにぎやかな漫画で良かった。ラストの過去を取り戻す場面は何度読んでもじーんときます。


この何日かそれぞれの記事に拍手くださった方々、どうもありがとうございました♪

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カテゴリ: 読書メーターまとめ(月別)

『RDG レッドデータガール 氷の靴 ガラスの靴』荻原 規子 




宗田真響視点のスケート宿泊実習で起こったあれこれのお話『氷の靴 ガラスの靴』、および相楽深行視点の短編を三本収録した、『RDG』シリーズのスピンオフ集。


荻原規子さんの『RDG』シリーズの新作、例によって大切にとっておきすぎて寝かせてしまっていたのですが、ようやく手に取って読了。
荻原さん作品やシリーズを愛する皆さまは、もうとっくの昔に読まれていて、今さら私がどうこうつけたすまでもないよな~と思っていたのですが、私の想像以上に楽しめた素敵な一冊だったので、簡単に感想をつづってみようと思います。

主人公が、自分の未熟さに悩み足掻きながら仲間と絆をはぐくみ恋をして成長してゆく、荻原さん青春もの小説の醍醐味を味わえて、大満足。
安定したファンタジー世界と洗練されている文章や日本語のことばひとつひとつも愛おしいです。
特に私は、賢くてしっかり者のヒロインが頑張るお話が大好物でしてね!(笑)
真響さんのお話は、ずっと読んでみたいなと思っていたのです。願いが叶ってとても嬉しい。
あと深行くん主役の短編もそれぞれはあっさりしたお話でしたが、良かった。
全体を通して、真響さんと深行くんの主にふたりの視点から、このシリーズの世界を見通している一冊でしたでしょうか。
泉水子ちゃんも真夏くんも真澄くんも高柳氏も、主要メンバーみんな頑張っていて、愛おしい世界でした。

最初の深行くん主役短編三本、時間と舞台が移るにつれ泉水子ちゃんへの気持ちや接し方がゆるやかに変わっていってる深行くんが、読んでいて楽しかったです。
どこの場所でも如才なくふるまえる彼ですが、それでも普通の男の子で、彼なりに色々考えてたんだな、と。
中等部時代の深行くんと真響さんの邂逅もちょっと面白かった。

そして『氷の靴 ガラスの靴』というサブタイトルでもある響きが、いい感じにひんやりと涼し気で、この猛暑の中で読むには、まさにぴったりでした!!
スケート場という舞台もひんやりしているし、物語の中を流れる清涼な空気も肌で感じられるというか、読んでいて心地が良かったです。

しかし真響さんは、泉水子ちゃんのことが本当に大好きですねえ~。
女の子同士が仲良くしている様は読んでいて和むし楽しくなってきます。恋の打ち明け話がかわいい。
泉水子ちゃん大好きなあまり、深行くんに微妙な敵意を抱いている真響さんも、かわいかった(笑)。
そんな彼とスケート場で共同戦線をはる真響さんがさすがです。

真夏くんのおおらかで野性的で人の良いところも相変わらずで、読んでいてほっと和みました。
真澄くんのことや色々なものを抱えているけれど、やはり宗田家の三姉弟が、私はとても好きです。
宗田家の思惑も出てきたりして、おだやかならなかったですが。
克己さんの言葉に少しぐらっときた真響さんにははらはらしました。
結果とんでもない事態になってしまったわけですが、チーム姫神のみんなが当然のように姉弟のために頑張って体をはっていて、じんわり胸が熱くなりました。特に深行くんの真響さんへの叱咤が印象的でした。
深行くんと手をつないでスケートする泉水子ちゃんという図がとても好きです。
その前の場面で真夏くんとスケート特訓する泉水子ちゃんの場面もいい。相変わらず真夏くんは言葉にせずとも分かっているなあ。
おじいちゃんとの最後の場面があって、ここもとても良かったです。

泉水子ちゃんと深行くんの仲が真響さんでなくてもちょっと気になるところですが、少し吹っ切れたような泉水子ちゃんの覚悟と深行くんとの約束が、私の胸にも響きました。
女の子の恋の打ち明け話ってやっぱり大好き。
そしてココアで照れまくるふたりがやっぱりとても変わらしくて、このカップルやっぱり大好きです。
いつまでも仲睦まじくあってほしい。

バレンタインのちょっとしたエピソードも季節ネタで良かったです。
泉水子ちゃんの義理チョコをあげる相手が確かに人外ばかりで彼女らしい。その後深行くんと過ごしたバレンタインの様子もちょっとのぞいてみたかったです。
そして真響さん自身にも、ほんのりと恋の気配が。
彼女にはぜひ将来良い恋をして幸せになってほしいので、相手のひとにも頑張ってほしい。色々。

読んでからちょっと間があいてしまったので書きたかったことをだいぶ忘れてしまって悔しいですが、とにかく、良い読書でした。
荻原規子さん作品はいくつになっても愛おしくて大好きです。


ここ一週間くらいにそれぞれの記事に拍手くださった方々、どうもありがとうございました♪

カテゴリ: 荻原規子さん

タグ: 荻原規子 

私的本の情報メモ(8月) 

あついですね~。いやはや。
夜も寝苦しいので睡眠時間も短くて、毎日微妙に眠たいです。
涼しい部屋で寝転がってずっと本を読んでいたい。

さて来月の新刊購入予定メモメモ。

『招かれざる小夜啼鳥は死を呼ぶ花嫁 ガーランド王国秘話』久賀理世 8月1日

『桜風堂ものがたり 星をつなぐ手』村山早紀 8月2日

『浅草鬼嫁日記五 あやかし夫婦は眷属たちに愛をうたう。』友麻碧 8月10日

『人魚と十六夜の魔法 ぬばたまおろち、しらたまおろち』白鷺あおい 8月10日

『茉莉花官吏伝 四 良禽、茘枝を択んで棲む』石田リンネ 8月10日

『嘘解きレトリック10』都戸利津 8月20日

『腐男子先生!!!!! 2(コミック)』結城あみの 8月27日

『桜風堂ものがたり』や『ぬばたまおろち、しらたまおろち』の続編が読めるの嬉しいです。夏の読書に良さそう。(イメージ)
あと『浅草鬼嫁日記』の新刊ですかね~!!タイトルが意味深で気になります。
『腐男子先生』実はまだ物語世界から抜け出せない。あげはちゃんが~かわいくていいこなのです~!!
久賀理世さんの久しぶりのコバルト文庫は気になる。読んでみたいです。(倫敦千夜一夜物語の続きも読みたい……)
その前に積み本がますます増えてきたのを崩していかねば。

ところで昨日の私は、望月麻衣先生のサイン会に行ってきたのでした。京都まで。日帰りで。
日差しがきつくてめちゃくちゃ暑かったですが、良く考えてみれば名古屋だってめちゃくちゃ暑いのでした。
祇園祭のお囃子?みたいなのが街を歩いているとかすかに流れてきていてこの時期に京都に来たのがはじめてな私は新鮮でした。祇園祭といえば、やっぱり一巻目のラストのあのエピソードですよねえ。何度読んでもあそこはやっぱりとても好きです。
望月先生ならびに親切な皆さまのお世話になり、おかげで無事にサインをいただけて、楽しい時間を過ごせました。この場をかりて、心よりお礼申し上げます。


この一週間くらいにそれぞれの記事に拍手くださった方々、どうもありがとうございました♪

カテゴリ: 新刊メモ(月別)

『京都寺町三条のホームズ10 見習い鑑定士の決意と旅立ち』望月 麻衣 




『京都寺町三条のホームズ』第十弾。
葵の二十歳の誕生日の記念に、ゴールデンウィークに旅行にいくことになった清貴たちふたり。
しかし旅を楽しんでいるのもつかの間、かつて大原の宗教施設での事件に関わっていた雨宮史郎が、ふたりの前に姿を現す。
彼の手には、盗難にあい海外のオークションに出品されていた、清貴たちの旧知の画家の作品である掛け軸が——。


『京都寺町三条のホームズ』待望の新刊です!!
最近はアニメ化もついにはじまり各種イベントも目白押しで、ますます盛り上がり人気シリーズになってきた感じ。
もともとお祭り騒ぎとかわいわいにぎやかさとも親和性が高いおはなしだと思うので、なんだか私も楽しくなってきます♪
加えてコミカライズ二巻目も同時発売。ますます気分も盛り上がります。

今回のお話は、Web版でもばっちり読ませていただいていた、葵ちゃんのお誕生日祝い・清貴君と葵ちゃんふたりの豪華列車旅行編♪
待ってました~!!!の展開です!!
というか、書籍版でこのお話が読めるとは、実は思っていなかった(笑)。(基本甘々なWeb版の中でもトップレベルで甘いお話だったので……私は大好きなのですが!)
書籍版では、さすがにというか、Web版ほどの甘さはありませんでしたが、葵ちゃんが二十歳と年齢が進んでいる分、彼女も大人になっており、ふたりの精神面での結びつきがしっかり丁寧に描かれていて、Web版とはまた違った品がある落ち着いた雰囲気で読み応えもあり、これまたとても良かったなと思いました。
それに書籍版の展開でも十分甘いですし(笑)。私は大満足です。
最初に「恋愛色が強くなる」と説明書きがあるのも、心構えとワクワク感を持ってお話を読み進められるので、親切で良かったなあと思いました。サービスが行き届いてるのも相変わらずこのシリーズらしいです。
くわえて前回のお話で例の円生の不穏な前振りがあったので、清貴君と葵ちゃんの今後は大丈夫なのか???と、はらはらどきどき要素もあり。結局最後まで安心して読めなかったです。書籍版ならではの良きスパイスでした(笑)。

というわけで、メインが旅行編な分、京都ネタはちょっとひかえめ。
といいつつ清貴君の修業エピソードも一話分しっかり入っているし京都お留守番組のミニエピソードもあったりするので、いつも通り京都に憧れを募らせつつ楽しむこともできました。
私の贔屓キャラの香織ちゃんの秘密の恋にも、ひとつの答えが。

まずは表紙イラストのふたりがラブラブで素敵……お互いのしぐさと表情に、相手への信頼と愛情が満ちていて、素敵です。
葵ちゃんのすっかり大学生な大人びた服装も良いものです。
そしてカラー口絵のふたりの距離感と雰囲気に……一層どきどき。ふたりの服装がラフなのにもどきどき。
葵ちゃんの長い髪と横顔がきれいで、それを見守る清貴君の表情が優しくて、はやくもよろめきました。
あと利休君の物憂げな美少年っぷりが絵にはまりすぎです。

では、続きの感想はネタばれ込みということで、追記に格納いたしますね。


この一週間くらいの間にそれぞれの記事に拍手くださった方々、どうもありがとうございました♪

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カテゴリ: ミステリー・日常の謎系

タグ: 望月麻衣