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ようこそいらっしゃいました。すてきな書物と美味しい食べ物をどうぞ。

『鳥居の向こうは、知らない世界でした。3~後宮の妖精と真夏の恋の夢~』友麻 碧 




『鳥居の向こうは、知らない世界でした。』シリーズ第三弾。
異界「千国」に迷い込み、薬師である零先生の弟子として生きる千歳は、ある日王宮から呼び出しを受ける。
第三王子・透李に嫁ぐ西国の王女のお茶係になるようにとの命令で、複雑な思いを抱きつつ異国からやってきた王女の世話をし体調を整え気遣う千歳。
そして街で流行する危険な「惚れ薬」が騒動をまきおこしてゆく。千歳も薬について調査を命ぜられ——。


『鳥居の向こうは、知らない世界でした。』の新刊だ~!!やったー、読めて嬉しい♪
『かくりよの宿飯』『浅草鬼嫁日記』に比べるとゆっくりペースの刊行で雰囲気もちょっと違いますが、私は個人的にはこのシリーズ大好きなので、続きを読むことができて、本当にうれしく幸せに思います。
特に今回はサブタイトルやあらすじが、ロマンティックな響きで恋の香りもして、そういう少女小説的な展開が大好きな私としては、一層楽しみにしていました。
帯の宣伝フレーズが「臆病で愛しい恋は、焼きたてのスコーンの香り。」で、スコーンとお茶が大好きな私としては、これはもう、心をがしっとつかまれました(笑)。

優しくてほどよくゆるやかで、親しみやすい異国情緒があって、ほのかに文学の香りが漂うこの作品世界の雰囲気は、改めて、独特だと思います。
読んでいるとじんわり心が癒される。
加えて大人しいけれど芯が強くて頑張り屋の美少女・千歳がますます私好みのヒロインですし、千歳を我が子のようにいつくしみ守る毒舌家の零先生との関係も素敵で、馴染みやすい中華風、和食っぽいのも程よくミックスされた薬膳料理も相変わらずとってもおいしそうで。
音楽や不思議なお花のモチーフも乙女心をくすぐります。
そこに、前々からなんとなくそうかな~?と思っていた千歳とトーリさんの恋愛めいたお話も進んできて、これはもう、私好みの構成要素しかない(笑)。

トーリさんのお妃候補が異国からやってきて複雑な思いを抱いたことで、自分の恋心に気づいた千歳ちゃん。
ジゼル王女は仲良くなってみると気位の高いお姫様だけど気立てのいい娘さんで、トーリさんもジゼル王女も大好きな千歳ちゃんは誰も憎むことができず二人の仲を頑張って応援するしかなく、自分の想いを自分の中だけに押し隠してしまう彼女の姿が、読んでいて胸がぎゅっとして切なかった。
あげく体調をあそこまで崩してしまって……。つらい。
そんな千歳ちゃんを気遣い美味しい料理を作って甘やかす零先生の情が心に染み入りました。香りのごちそうですね。
お花の天ぷらの種類のあてっことは心にくい。さすが零先生!桜ご飯はどんなに千歳の傷ついた心を癒したことでしょう。

一方で千華街に広まる不穏な惚れ薬。
千歳を妹弟子と呼んだ緋澄さん、今回結構嫌いじゃなかったです。
青火王子、そして初登場の左京さん。第二王子はこういう人だったのか!確かに彼は宰相キャラっぽいので納得してしまった(笑)。
お母さんの日記を手がかりに、フェアリーバイオレットの謎を突き止め解決策を見出し、そして土壇場で大切な人を救うことができた千歳ちゃん。
とにかく、彼女の土壇場での機転と勇気と真心に、心を打たれずにはいられませんでした。
最後にぽろりとこぼれた愛の告白にも泣いてしまった。
そして今回本当、緋澄さんも結構頑張ったよね。
シェイクスピアの悲劇エンドにならなかったのは緋澄さんのおかげなんですよね。
零先生とちょっと仲直りができたようで良かったです。千歳ちゃんのおかげですね!

そしてトーリさんと元気になった千歳ちゃんが想いを確かめ合い未来の約束をする場面、ストレートな言葉が格好良くてきゅんときてしまいました。トーリさんはさすが王子様だな。
その前の場面で、トーリさんの隣に立つ存在として青火王子が千歳ちゃんを認めたところも良かったですねえ。まさに千歳ちゃんの捨て身の行動を、ちゃんと見ててもらえてたわけだ。
実力主義者で分かりづらくも弟の幸せもちゃんと気遣っている彼の言葉にじんときました。
そして、確かにお母さんの事がずっと引っかかっていたトーリさんにとっては、とても大きな決意だったのだと思う。
ああ、何にしても本当に良かったです。
何かあったら即座に零先生が飛び出してきてトーリさんをがみがみやりそうだな(笑)。

ジゼル王女からの最後のお手紙にも、じーんときました。
緑の妖精のような、けれども強くて自分自身で輝いているお姫様。ふたりの間でしっかりと結ばれた友情が尊い。
『果てしない物語』がお話のモチーフとして上手くはまっていて素敵だなと思いました。

ジゼル王女のお国から持ち込まれてきたスコーンとアフタヌーンティー、非常に美味しそうでした。
そこに千国の芒果ジャムを添えてというのが心にくいですね。
小ぶりな肉まんじゅうやりんごの緑茶、ジゼル王女をいたわるメニューが千歳らしくてとても良かったです。おいしそう。
そしてお祭りのときに千歳が食べていた、杏仁茶にパイを浸して食べるお菓子?が、いかにも異国情緒漂い気になりました。おいしそうだな~いいないいな。
同じ零先生の弟子でもお茶にはあんまり興味がない緋澄さんと千歳の対比もちょっと面白かった。

正王妃の陰謀はまだ完全に解決してなさそうだし、千歳とトーリさんの今後も気になるし、また続きを読みたいです。
あ、青火王子のお妃も気になります。彼も奥さんには弱かったりするんだろうか。
千歳のお母さん千香さんの過去の物語も気になりますね。彼女の恋は切なく哀しいものばかりだったのであろうか。それだけではないと思いたい。

シェイクスピアの『真夏の夜の夢』のあらすじにもイメージぴったりな幻想譚、第三巻でした。
千歳の冒険と恋の物語は、私の心のオアシスでした。


ここ一週間くらいにそれぞれの記事に拍手くださった方々、どうもありがとうございました♪

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『かくりよの宿飯九 あやかしお宿のお弁当をあなたに。』友麻 碧 




『かくりよの宿飯』シリーズ第九弾。
黄金童子様に導かれて北西・文門の地でようやく大旦那様と再会を果たした葵。
大旦那様は拍子抜けするほど普段通りの様子で、つかの間の穏やかな日々をすごすふたり。
「お弁当と引き換えに、真実を、一つずつ教えよう——」大旦那様の提案により、大旦那様の過去、祖父との関係、そしてかつて自分を救ってくれたあやかしの正体等、葵は真実を手にしてゆく——。


『かくりよの宿飯』シリーズ最新刊。
サブタイトルがシリーズの核心をついてきていて発売前から色々内容が気になるところでした。
そして今回の表紙!なんというか、ここ最近の「大旦那様を探せ」的な、キャラがにぎやかに勢ぞろいな表紙と、全然違う!
どこからどうみても完全な、大旦那様と葵ちゃんのツーショット!微笑み合って幸せそうなふたり。
しかもさりげなくペアルック……とかどきどきときめきながら、ふたりが穏やかに幸せそうに寄り添っている姿が、とても貴重なものに思えて、あまり茶化したら悪いな、という気持ちになるといいますか、じーんと浸ってしまいました。

さて今回のお話、大旦那様の正体から史郎おじいちゃんと大旦那様の馴れ初めから、葵ちゃんと大旦那様の過去にいったい何があったのかまで、これまでのシリーズの根幹をなしていた謎の数々が、葵のお弁当と引き換えに、どんどん明らかになってゆく一冊でした。
怒涛の大旦那様ターンです。
すっごく読み応えがあって、すっごく面白かったです~!!!
とにかく最初から最後まで大旦那様と葵ちゃんがラブラブで仲睦まじくて、今までシリーズを読んでいて、大旦那様派として若干物足りなく思っていた部分が、すっかり満たされてしまいました。しあわせ。

さて今回の感想はネタばれ含みということで、続きは追記に収納いたします。


この一週間くらいにそれぞれの記事に拍手くださった方々、どうもありがとうございました♪

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『浅草鬼嫁日記五 あやかし夫婦は眷属たちに愛を歌う。』友麻 碧 




前世で鬼の姫「茨木童子」だった女子高生茨木真紀は、かつての夫で「酒呑童子」だった天酒馨、「鵺」だった夜鳥由理彦と、次第に身の回りに集まってきたかつての眷属たちと共に、人として、愉快でまずまず平穏な日常を送っている。
京都の地で千年前から過去を今一度見つめ直した真紀と馨は、今までとは少し距離感が変わってきていて。恒例行事のバレンタインのチョコの準備にも思うところがある真紀だが——。


『浅草鬼嫁日記』の新刊~!!今回も楽しみにしていました!!
今回の表紙イラストも素敵です。
桜が美しく咲く浅草の街を、笑顔でたわむれる真紀ちゃんと馨君、眷属たち。
真紀ちゃんとおもちちゃんが最高に可愛らしい!
(多分)イラストでは初登場の熊ちゃんが、けっこう今どきのお姉様というスタイルで格好良く素敵!虎ちゃんはわりとイメージ通りで彼も素敵!
そして皆を後ろから見守るスイの大人びたおだやかな表情が、物語をラストまで読んだ後に見返すと、しみじみ染み入ります。
(さらに遠くから見守る不機嫌そうな凛音君も、なんだかんだ真紀ちゃんへの愛情が伝わってくるよう)

今回はシリアスモードだった三巻、四巻目に比べて、いつもの皆の基本のほほんとした日常パートがメインになった、箸休め的な巻だったでしょうか。
タイトル通り、真紀ちゃんと馨君と、眷属の皆さん方の昔から揺るがない絆が、前面にぐっと押し出されていました。
千年たっても酒呑童子と茨木童子のふたりに忠誠と愛情を注ぎ続け、人として生まれ変わった二人の幸せを心から願う、一途で強く頼もしいあやかし達に、しみじみ心が温かくなりました。
そんな彼らに対する真紀ちゃんと馨君の想いも素敵です。ぐっときてしまいます。皆の頼れるお姉様で女王様な真紀ちゃんが最高に格好良すぎる。初期に比べて酒呑童子であった自分を自然体にすっと受け入れている馨君の姿もいい。

そんなふたりですが、今世ではとりあえず、ぴちぴちの十代の高校生でもあって。
バレンタインデー関連で、改めて、お付き合いをはじめましょう。という流れに、このふたりだからこそ、きゅんとときめいてしまいました。
照れ屋な馨君の方から言い出したというのがまた微笑ましくときめきますね!
チョコブラウニーといい、ファミレスでのメニューの選択といい、ふたりともお互いの好みを当たり前のように知り尽くしていて、ふたりの今世でも積み重ねてきた絆を感じます。
真紀ちゃんが普通の男の子に告白された!ということで、馨君はかなり動揺したんだろうな。
(そして今までは確かに馨君がそれとなく真紀ちゃんの身辺に目を光らせていたんだろうというのも、納得。絶対そうだ)
真紀ちゃんに普通の女の子のお友達ができて楽しそうにしているのも、読んでいて嬉しいなーと思います。

本文中にもあったように、今までは真紀ちゃんがあえて横暴に鬼嫁っぽく振舞って馨君の尽くし体質を押えていたのでしょう。
それが今まで通りの振る舞いがいまいちできなくなってしまったという真紀ちゃんが、なんだかとても可愛らしいなと思ってしまいました。今までの振る舞いにも茨木童子の千年越しの愛情をひしひしと感じてぐっときますが。

由理彦君が今までと立場がガラッと変わって、なんだか性格もちょっと変わっていて、面白かった(笑)。
叶先生のところでこき使われていて大変そうだけれど、なんだかんだ式神たちにも可愛がられているようで、とりあえず、よかった、かな。スマホのメッセージに個性を感じて笑ってしまいました。
私としては葛の葉さんがお気に入り。ミクズの肉親だったとは!
ああでも、若葉ちゃん達も、くもりなく元気で暮らしているといいなあ。

スイとミカのでこぼこ兄弟眷属コンビもだいぶ馴染んできましたねえ。
ふたりとも相変わらず揺るぎなく茨木童子様一筋でまったく隠そうともしないのが、微笑ましくて愛おしいです。
スイの仕事は相変わらず多岐に及んでいました。あの薬の正確性にはびっくり……。
人魚のエピソードは切なかった。そしてこれは確かに真紀ちゃん達とあやかし達の生きる年月の違いを考えてしまう。ミカ君泣ける……。
熊ちゃんと虎ちゃんの、酒呑童子とのまさに気の置けない「お頭」と「子分」な関係も、やっぱり好きだなと思います。
熊ちゃん視点の裏エピソードが今回かなりお気に入りでした。彼らの静かな本気の戦いにふるえました。やっぱり分かっていた馨君とのやりとりも。
まんがを描くことで、彼らはかつての狭間の国を、いま一度、共同で作り上げているのだなあ。それもしみじみすごいことだ。

大和さんの気になる裏事情、大黒先輩との七福神めぐり、平和な日常の中に少しずつ染み出てきている不穏な空気。
とりあえず大和さんの疲れっぷりがちょっと気になる。
真紀ちゃんの苦境に颯爽と現れ遠回しに真紀ちゃんを救っていった凛音君、やっぱり今でも真紀ちゃん愛してますよね?
ううう、やっぱり凛音君の真意も気になります。きっと悪い子じゃないんだよな……。

バレンタインデーではじまったので、ホワイトデーでしめる。いかにも人の世っぽくていい。
九龍球っていかにもスイのイメージぴったりな中華系の手が込んだスイーツですね、素敵……!!!
あ、今回も浅草美味しいもの巡りが堪能できて、楽しかったです。ほっくり蜜の染みた大学芋食べたいな~。

そして最後はスイこと水連視点の語り。
三巻目でスイこそが茨姫を鬼にした元凶だとさらりと描かれていてさらりと衝撃的でしたが、今ではすっかり茨姫に忠実でむしろお父さんのような愛情を注ぎ続けているスイ。改めてぐっときてしまいました。
かつてのスイをこてんぱんにぶちのめした茨姫の台詞が格好いいな!そして確かにスイのあやかしとしてのあり方や頭脳はその後ずいぶん皆の助けになったんだろうな。
今回スイはかなりのピンチに置かれていますが、どうなるのでしょう……。
そしてまさかの木羅々ちゃん初登場。よ、読めないキャラだ……。茨姫の四眷属であったからには頼もしいあやかしなのだろうと期待しています。

今回の敵「狩人」?は、厄介そうですね。というか、ミクズが陰で暗躍しているの?なんて懲りない女狐なんでしょう!!
あと気になるのが真紀ちゃんの「出会い」と馨君の無自覚だという「嘘」ですかねえ。
色々気になります。続編は少し間が空きそうですが、早く読みたいですー!!

コミカライズも一巻目を読んでみました。
初期の鬼嫁な真紀ちゃんがなんだか新鮮です。そして大旦那様の出番が何気に多くてほくほくしてしまいました(笑)。
真紀ちゃんも一度、葵ちゃんの手料理を食べる機会を持つとよいと思います。
彼女たちは実際に会えば意気投合しそう。美味しい料理を食べるのも作るのも好き同士ですしね。


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『かくりよの宿飯八 あやかしお宿が町おこしします。』友麻 碧 




『かくりよの宿飯』シリーズ第八弾。
大旦那様を取り戻す協力を得るため、仲間たちと北の地へと向かう葵。
美しくも閉ざされた雪国で葵を待っていたのは、北の美味しい名産品の数々と、この地に嫁いでいた春日との再会。
そして葵は、天神屋に協力する見返りに、雪国復興のための観光名物料理をプロデュースしてほしいと持ち掛けられる——。


お話はますます盛り上がり核心に迫ってきた感のある、かくりよの宿飯シリーズ。
もう八巻目とはすごい。安定の面白さがあります。そして安定のおいしそうなごはん。
別シリーズ『浅草鬼嫁日記』と連動して思いがけないところからお互いの伏線が少しずつ紐解かれていく感じなのも、読み応えあってどきどきです。

表紙イラストが相変わらず皆勢揃いでにぎやかで楽しい。
仲睦まじい若夫婦の様子にときめきます。春日のくりっとしたおめめがかわいい~!
そしてかっぽう着姿の葵ちゃんの仕草もとても可愛らしい。彼女を見守る銀次さんのまなざしの優しいこと。
そして大旦那様……雪ダルマ?デザート??(笑)


例によってネタバレ交じりで感想をつらつら書き連ねていきます。


まずは私、お嫁入りしていった春日のその後がずっと気になっていたので、今回彼女の嫁ぎ先がメインになって、嬉しかったです!
若奥様になっても春日は変わらず人懐っこく相手によって態度を変えないちゃっかり目端のきく女の子で、当たり前のように葵ちゃん達の味方でいてくれていて、嬉しいなあ。うんうん。
最初のうちはキヨ様やお城の古参の人達とあまりうまくいっていない感じで心配だったのですが、葵ちゃんが作った二人の思い出のお菓子をひとつのきっかけにして、気持ちをちゃんと通じ合わせることができたようで、良かった~!!
幼馴染カップルのロマンスは大好物な私です。
キヨ様も優しさだけではない強さを特に今回の件で確実に身に着けつつあるようで、信頼できる人達も確かにいるようだし、まずは大丈夫かな。イタキさんが好きでした。ちょっと天神屋のサスケ君みたいな。
キヨ様と春日のかつての現世デート、500円を渡した人物の正体、絶対あの人ですね。五百円という半端な金額が絶妙にらしいというか……。そしてふたりともちまっと可愛い顔して当たり前に葵ちゃんよりずっと年上だという事実にううむとうなったり。

あと今回何気に頑張っていたのがお涼。そうか、雪女だから彼女のふるさとでもあるのか……。あまり明るくはない過去をさらっと語り全然湿っぽくないお涼が、なんか、らしい。それでも確かにふるさとなんですよね。
葵と春日とお涼の天神屋三人組の女子会っぽい雰囲気を久しぶりに味わえて、懐かしくも嬉しくなりました。
お涼と春日の先輩後輩の関係も変わってないのがいいですね。ほっとします。
そして男性陣の中でやっぱり今回何気に頑張っていたのは乱丸。特にキヨ様とは全然タイプの違う者同士だからこそ、キヨ様にいい影響を与えられたんじゃないかなと。
乱丸と銀次さんの嫌味交じりの応酬も今となっては微笑ましい。

大旦那様の秘密が終盤でかなり核心に迫ってきた感じで、銀次さんの意味深な台詞もあり、おおお、そういうことだったのか……。心の中で盛り上がりまくりました。
葵ちゃんの呪いというのは、やはり、史郎さん関係のものなのかしら。『浅草鬼嫁日記』を読んでいる限り相当やっかいそうな呪いですし、もしかして史郎さんは孫娘を救うために、大旦那様と契約したということなのかしら。分からないけれど。
確かに借金のかたにお嫁入り~という当初の設定をもはや誰も覚えていないんじゃないか、というほど天神屋の欠かせない一員にいつのまにかなっている葵ちゃんですが、借金を返してしまえば、解放されるという選択肢も現実味をおびてくるんですよねえ。
大旦那様の思惑が完全にはまだ読めなくてもどかしい!
次巻は大旦那様のパートみたいですし、ここら関係のもやもやが明らかになるかしら。早く読みたい。
葵ちゃんへの愛情は、なにもかもぼんやりとしかわからないなかでも、たしかにつたわってくるのに、じんときます。
ほとんど実際に登場していないながらにこの存在感、さすが、天神屋の大旦那様だけあるな~とも思うのでした。

一方大旦那様と葵ちゃんの距離感が近づいていく様を気持ちを隠して優しく見守る銀次さん……切ない!!
葵ちゃん救出に間違いなく重要な役目を担っていたのに常に身をわきまえて一歩引いている銀次さん、切なすぎる。
私は葵ちゃんにはやっぱり大旦那様と一緒になってほしい派なのですが、ですが!銀次さん自身の幸せは、どうにかならないかなあ。ううう。
身を挺して葵ちゃんを守り抜く彼の姿にこみ上げてくるものがあります。

さてこのお話のメインはなんといっても美味しい葵ちゃんのお料理。
かくりよではまだちょっと珍しいものもある食材がどれもこれもきらきら豪華でおいしそうで、がしっと心をつかまれてしまいました。特にチーズ推しがすごい。読んでいてチーズのかたまりを食べたくて食べたくて仕方なくなってきました……。
醤油が隠し味の和風チーズフォンデュも、あんこ重ねの和風ティラミスも、ツナカレーもアイス大福も油揚げ入りチーズドリアも、みんなおいしそうです。ううう。
チーズが受け入れられたのはまずはチーズケーキ、お菓子からだった、というのは、なんだかちょっと納得しました。
折尾屋の双子達再登場も嬉しかったです。相変わらずのゆるさと料理への情熱が好きだなあ。
雪ん子たちのたんぽ鍋の場面もほこほことても美味しそうでした。

今回ちょっと思いましたが、史郎お祖父ちゃんとはチーズフォンデュやあたたかな思い出を持っている葵ちゃんだけど、祖父が死んだ今では、現世への執着をもはやほとんど持っていないっぽいのが、彼女、悲しいことだなと。
天神屋にお嫁入りするにはむしろ別れに迷い苦しむものなどない方がいいのは確かなのですが、『浅草鬼嫁日記』や『鳥居の向こうは、知らない世界でした』などと読み比べたりしていると、なんだか、考えてしまうなあ。

そんなこんなで葵ちゃんと大旦那様の約束の物語!!次巻が読めるのをたいへん楽しみにしております!!


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『かくりよの宿飯七 あやかしお宿の勝負めし出します。』友麻 碧 




大旦那様の帰りを待つ天神屋に現れた雷獣。鬼神の大旦那はもう戻らない、この雷獣が新たな大旦那になるのだと、不吉な予言を残す——。
消えた大旦那様、天神屋最大の危機の中、銀次たち従業員たちは団結して動き出す。
葵も大旦那様を捜すため、妖都へ向かう宙船ツアーの屋台で料理を振舞うことになり——。


『浅草鬼嫁日記』と同時発売だった『かくりよの宿飯』七巻目でした。
こちらの方もストーリーが大きく動いて、大旦那様達の過去や「隠世」のそもそもの成り立ちも明かされ、そして糖分増量(微増?)で、読んでいてとっても盛り上がりました!楽しかったです!!
そして葵が次から次へとこしらえるごはんが相変わらず美味しそうで美味しそうで。
葵が作る料理の「力」というか「存在意義」というか、そういう立ち位置がしっかり確立した、そんな巻でもありました。

表紙イラスト、今回は白系男子ということで。
確かに白夜さん今回大活躍でいらっしゃった……あと砂楽博士の外見がなんだかちょっと頼りなく優し気で知的で好みです(笑)。
そして大旦那様は一体どこに?……探しまくりました。
葵の影にあたるところなのですかね。なんて影の薄い……不憫(苦笑)。
ほとんど実際に登場している場面がなくても、それでもきちんと存在感がある、大旦那様ってある意味やっぱりすごい。

読んでから間が空いてしまったのですが特においしそうだった食べ物のこととかやはり感想メモとして書き残しておきたい!

追記以下はネタバレ含み感想ということで。


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『浅草鬼嫁日記 三~あやかし夫婦は、もう一度恋をする~』友麻 碧 




真紀と馨と由理の三人組の前に現れたのは、前世の宿敵・安倍晴明の生まれ変わり・叶冬夜。
三人がお互いに前世にまつわる重大な嘘を付いているという叶の言葉に、ぎくしゃくする真紀と馨。
お互い胸の内を伝えられないまま、京都へ修学旅行に向かう三人。
そこは前世で酒呑童子と茨木童子が出逢い共に過ごした宿縁の地であった——。


『浅草鬼嫁日記』も三巻目。
同時発売の『かくりよの宿飯』シリーズの最新巻とふたつまとめて一気読みしちゃいました。贅沢。

いやあ、どちらの最新刊も、盛り上がりました!めちゃくちゃ面白かったです!!
二冊それぞれ、ストーリーも大きく動いて伏線が畳みかけるように明かされ読み応え抜群でしたし、糖分増量もたまらなかったです~もうもう、読んでいてときめきがとまらなかった。
そしてどちらもやっぱりごはんがおいしそうで、コミカルで親しみやすい日常パートも健在で心和む、安定の仕様になっていました。素晴らしい。

どちらから感想を書こうか悩みましたが、今回は特にこの『浅草鬼嫁日記』の盛り上がりっぷりがたまらなく私好みでつぼをばしばし押されましたので、色々書き散らしていこうかと思います。
特に今回、平安時代ネタ&京都ネタが盛りだくさんで、前世ネタも併せて大好物の私には、ことごとく美味しい展開でした。
文字通り、千年越しの夫婦の壮大なラブロマンス。
せつない、そしてあまりにいとおしい。
真紀ちゃんの嘘と孤独、そして馨君の彼女への想いに泣きました。

ここからはネタばれ込みの感想を、追記にたたみます。


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