FC2ブログ

Admin   *   New entry   *   Up load   *   All archives

ようこそいらっしゃいました。すてきな書物と美味しい食べ物をどうぞ。

『京都寺町三条のホームズ11 あの頃の想いと優しい夏休み』望月 麻衣 




『京都寺町三条のホームズ』シリーズ第十一弾。
大丸京都店での修行を終えて次の修行までの短い夏休みを「蔵」で過ごす清貴と、大学二年生になった葵。
ふたりの元に、清貴の高校時代の先輩が尋ねてくる。共に向かったのは、紅葉で有名な永観堂で。
その他、円生の生い立ちと清貴への複雑な感情、香織の恋の行方など、これまでのシリーズの魅力が多方面から楽しめる一冊。


『京都寺町三条のホームズ』シリーズの新作を新年早々読むことができて、うれしいです。ふふふ。
アニメとか各種コラボ企画とか楽しそうと思いつつ乗り切れておらず、どんどん人気作になっていく勢いになんだか自分から遠い存在になったようでほんの少し寂しいような、そんな気持ちも正直あるのですが。
でもでも原作小説版、やっぱり大好きですので!!
それに作品全体が盛り上がっているのは、はたからそっと眺めているだけでも楽しいですし。
そういうエンターテイメント性というか、お祭りめいた雰囲気が、嫌味にならずにばっちりはまる作品だと思うのです。
あれかな、清貴君の京都を背負った究極のおもてなし精神かしら(笑)。

そんな自分でも整理のついていない思いもあるのですが、それはさておき。
今回のお話は、シリーズの本筋はいったん小休止といいますか、まさに「夏休み」。
修行の合間にのんびりお休みを楽しむホームズさんと葵ちゃん、そして今までのシリーズの流れからすくい上げられてきた、各視点からのエピソード集。といったところでした。
はらはらどきどきサスペンス的な展開はひかえめで、サブタイトル通り、終始のんびり優しい雰囲気で読むことができました。
ラブラブの清貴君と葵ちゃんのふたりの姿に、読み終えて幸せ~な気分にひたれました。

円生の過去とか、清貴君と葵ちゃんが出会った場面の清貴君視点からの振り返りとか、シリーズファン的には嬉しい読みどころがいくつもあったのですが、個人的に特に印象的だったのは、やはり香織ちゃんの恋の決着でした。
カラー口絵のふたりにどういう展開になるのかけっこう心配していました。そっか。まあやっぱり、そうだよね~。(ため息)

ではでは、追記以下に、ネタばれあり各話感想を書いてゆきますね。


そしてここ二週間弱の間にそれぞれの記事に拍手くださった方々、どうもありがとうございました♪

-- 続きを読む --

カテゴリ: ミステリー・日常の謎系

タグ: 望月麻衣 

『京洛の森のアリスⅡ 自分探しの羅針盤』望月 麻衣 




『京洛の森』で本屋の店長として、新しい暮らしをはじめたありす。
しかしある日想い人の蓮が、突然老人の姿になってしまう。
戸惑うありすは彼を病院に連れてゆくのだが、その帰り道に、元いた世界から迷い込み老人になってしまった女性二人と出会い——。


『京洛の森のアリス』第二弾です!!
一巻目がとても好みなお話だったので、続きが読めて嬉しいです。
庭春樹さんのパステルカラーのファンタジックな表紙イラストがとても素敵で、読む前からワクワクドキドキ楽しくなってきちゃいます。
きれいなピンクのお花もお茶の準備をするナツメも本を読むハチスも、山羊さんも大きな猫さんも、読み終えて改めて眺めると物語のキーポイント。
お着物にふりふりのエプロンのありすもかわいらしい。

一巻目同様、京洛の森の独特の仕組みやファンタジー世界観が、読んでいてたいへん楽しい。
現実世界の京都と重なりもありつつ、現実世界では難しいことが、魔法のようになんなくしゅっとできてしまったりすると、びっくりしちゃいます。値段を気にせず美味しい中華料理をお腹いっぱい食べている場面が楽しかった。(←食い意地が張っている私)
しかし、ある意味理想郷な「京洛の森」ですが、一歩間違えると、めちゃくちゃ怖い世界だな。というのも、改めて。
思えば『ふしぎの国のアリス』だって、そういうお話ですよね。(私は子供の頃アリスの物語が怖くて読み返せなかった)
「自分を偽らない」って、物語として読んでいるだけでも、簡単なようでとてもとても難しいことだと思います。
蓮のこと、そして春香さんと夏美さんのふたりのことでは、色々考えさせられてしまいました。
それでもひたむきに前向きにがんばるありすと蓮、見守るナツメ、彼らの姿に読んでいる私も元気になれるような、基本明るくてのびやかな空気につつまれた、すてきなおはなしでした。
想像の余地がある物語って楽しいですよね~。


以下若干ネタばれあり感想ですので、お気をつけて。


幼い日からの想いを通じ合わせた蓮、そしてふたりを見守りサポートしてくれるナツメとの、「ありす堂」での共同生活、スタート。
蓮とありすの初々しいカップルのやりとりに、読んでいてほのぼの微笑ましくなっていたのですが。
甘い雰囲気に浸りきる前に、連の身に、大事件が。
こんな一見わがままで自分の好きなように生きている感じの蓮でも、そういうことになっちゃうのか~。
いやいや、そうじゃないよな。ありすのことが大切で守りたくてずっとそばにいたかった彼だからこそ、歪みを抱えちゃったんだよな。
想いあってる男女が単純に一緒に暮らせない事態も起こりうるって、なんてシビアな世界なんだ。
と、ちょっと戦慄してしまった。
どっちも心から充足感を得られていれば何の問題もないけれど、あれ、でもどちらかが少しでも心に無理をかかえているとしたら、愛し合っていたとしても別の仕事を持って別に暮らした方が、本当は良いのか……?
……色々ぐるぐる考えてしまいました。

そしてもうひとつ、春香さんと夏美さん、ありす達との、出会いと関わりと。
見事に対照的な道を辿ってゆく二人に、これまた考えさせられました。
春香さん本当にお花屋さんが似合うなあと思いました。生き生きした彼女の姿が拝めて良かった。
夏美さんのスタイルも、京洛の森には合わなかったのだけど、物語として否定はされていなかったのも、良かったと思います。
菖蒲姫のヘルプに呼ばれていったときの夏美さんは、格好良くて有能で良き魔法使いでしたもの。
春香さんと夏美さんの友情、女同士の友情に多かれ少なかれこういうのってありますよねえ。
最終的にはふたりそれぞれ幸せな道を見出してその道に進めそうで、ふたりの友情も損なわれていなくて、良かったです。
ありすの立場からのアドバイスも、むずかしかった!!
彼女の側に大人の落ち着いたナツメさんがいてくれたのがいつでも心強かったなと今回思いました。

連の方も、ありす堂の仕事とは少し距離を置きながら、自分のやりたいことを見出していってくれました。
そっかあ、本を作る人か!!それはいい!!
マダムの物語に遠慮なしにばしばしダメ出しをしている場面がおかしかった。でも彼は物語への愛情もまっすぐにぶつけてゆくものだから、読んでいて気持ちがいいなあ。マダムがほだされる(?)のもわかる。
しかもありすの仕事にも関わりがあるのが、なんというか、読者的にはやっぱり嬉しいわけです。
これならふたりこれから、関わり合って側にいられるということにつながりそうですし。
第一王子としての役割にひとつの決別の答えを出したのも、良かったなと思いました。
柊君、できた弟さんだな……感心してしまいました。

やっぱりこの世界でも、ロマンス小説は女性に好まれるのね、とうんうん頷いて読んでいました。
京洛の森に本が届くシステムがやはり独特で、そういうことか~。面白いです。
私的には、『ジェイン・エア』とか『赤毛のアンシリーズ』とか『落窪物語』とかも推したいなあ。(勝手に考える)
『月の見えない夜に咲く花』も、素敵ですねえ。私も読んでみたくなりました。
そして確かに、どうして今までこの世界では、本屋さんが存在しなかったのだろう?
ふしぎ。
そしていつもおだやかにありすと連を守って側にいてくれるナツメのことも、じわじわとふしぎに思えてくるのです。
いつかもっと謎が解けてほどけてゆくといいな。

アカシア先生のバイオリンと過去の恋物語がまさかそうつながるとは!!
ロマンティックで、月夜にひとりぼっちで見ていた悲しい夢の続きから、ようやく目覚められたような。すてきでした。
現実は小説より優しかった。
マダムのツンデレっぷりが可愛らしく思えました。ふふふ。
あと紅葉さんや牡丹さんたちともちらりと再会できてうれしかったり。
亮平さんも、やっぱり蓮が悔しくなってしまうのも分かる、頼もしくて格好いい人です。男の子は特に憧れちゃうのかな。
お話に出てくるめぐみさんがやはり素敵でした。
あと、山羊さん二人組がかなり印象的でした。『狼と七ひきの子ヤギ』、改めて読むと確かに残酷ですよね……お気に召して良かった。

三巻目もきっと読めますよね??
望月麻衣さんのもうひとつの「京都」を舞台にしたものがたり、楽しませていただきました♪
できれば初々しいカップルにもう少し進展がほしいかも(笑)


この一週間くらいにそれぞれの記事に拍手くださった方々、どうもありがとうございました♪

カテゴリ: ファンタジー(和風)

タグ: 望月麻衣 

『京都寺町三条のホームズ10 見習い鑑定士の決意と旅立ち』望月 麻衣 




『京都寺町三条のホームズ』第十弾。
葵の二十歳の誕生日の記念に、ゴールデンウィークに旅行にいくことになった清貴たちふたり。
しかし旅を楽しんでいるのもつかの間、かつて大原の宗教施設での事件に関わっていた雨宮史郎が、ふたりの前に姿を現す。
彼の手には、盗難にあい海外のオークションに出品されていた、清貴たちの旧知の画家の作品である掛け軸が——。


『京都寺町三条のホームズ』待望の新刊です!!
最近はアニメ化もついにはじまり各種イベントも目白押しで、ますます盛り上がり人気シリーズになってきた感じ。
もともとお祭り騒ぎとかわいわいにぎやかさとも親和性が高いおはなしだと思うので、なんだか私も楽しくなってきます♪
加えてコミカライズ二巻目も同時発売。ますます気分も盛り上がります。

今回のお話は、Web版でもばっちり読ませていただいていた、葵ちゃんのお誕生日祝い・清貴君と葵ちゃんふたりの豪華列車旅行編♪
待ってました~!!!の展開です!!
というか、書籍版でこのお話が読めるとは、実は思っていなかった(笑)。(基本甘々なWeb版の中でもトップレベルで甘いお話だったので……私は大好きなのですが!)
書籍版では、さすがにというか、Web版ほどの甘さはありませんでしたが、葵ちゃんが二十歳と年齢が進んでいる分、彼女も大人になっており、ふたりの精神面での結びつきがしっかり丁寧に描かれていて、Web版とはまた違った品がある落ち着いた雰囲気で読み応えもあり、これまたとても良かったなと思いました。
それに書籍版の展開でも十分甘いですし(笑)。私は大満足です。
最初に「恋愛色が強くなる」と説明書きがあるのも、心構えとワクワク感を持ってお話を読み進められるので、親切で良かったなあと思いました。サービスが行き届いてるのも相変わらずこのシリーズらしいです。
くわえて前回のお話で例の円生の不穏な前振りがあったので、清貴君と葵ちゃんの今後は大丈夫なのか???と、はらはらどきどき要素もあり。結局最後まで安心して読めなかったです。書籍版ならではの良きスパイスでした(笑)。

というわけで、メインが旅行編な分、京都ネタはちょっとひかえめ。
といいつつ清貴君の修業エピソードも一話分しっかり入っているし京都お留守番組のミニエピソードもあったりするので、いつも通り京都に憧れを募らせつつ楽しむこともできました。
私の贔屓キャラの香織ちゃんの秘密の恋にも、ひとつの答えが。

まずは表紙イラストのふたりがラブラブで素敵……お互いのしぐさと表情に、相手への信頼と愛情が満ちていて、素敵です。
葵ちゃんのすっかり大学生な大人びた服装も良いものです。
そしてカラー口絵のふたりの距離感と雰囲気に……一層どきどき。ふたりの服装がラフなのにもどきどき。
葵ちゃんの長い髪と横顔がきれいで、それを見守る清貴君の表情が優しくて、はやくもよろめきました。
あと利休君の物憂げな美少年っぷりが絵にはまりすぎです。

では、続きの感想はネタばれ込みということで、追記に格納いたしますね。


この一週間くらいの間にそれぞれの記事に拍手くださった方々、どうもありがとうございました♪

-- 続きを読む --

カテゴリ: ミステリー・日常の謎系

タグ: 望月麻衣 

『わが家は祇園の拝み屋さん8 祭りの夜と青い春の秘めごと』望月 麻衣 




澪人が作った対策チームの頑張りによって平和が戻ってきた京都。
ついに澪人と付き合い始めた小春だが、彼の態度はなぜかそっけなく目も合わせてくれない。
彼の態度に不安を覚えながらも、小春はチームのみんなで祇園祭を楽しもうと準備するのだが——。


『わが家は祇園の拝み屋さん』シリーズ第八弾。
新章スタートとのことで。
表紙イラスト、本を手に顔を少し隠す小春ちゃんの表情と仕草がかわいらしくて、ときめいてしかたありません。
どことなく愁いを秘めた澪人さんの表情も、素敵です。

前世の事、京都に迫る危機の事にひと段落がつき、ファンタジー要素は控えめ。物語はささやかな日常に戻ってきた感じ。
ただ小春と澪人をはじめ、チームのメンバー達それぞれの人間関係の変化もあり、ロマンスももちろんあり、とても楽しく読めました♪
このシリーズはいつもながらに比較的薄めの文庫本一冊に、すらすら馴染みやすい文章で楽しみどころがぎゅっとつまっていて、満足感が高いのです。
澪人さん達のはんなり京都弁もこのシリーズ独自の魅力。

なんといってもお付き合いをはじめたての小春ちゃんと澪人さんのことがいちばん気になっていたのですが。
確かに澪人さん、そっけない……。おーい……。
それは確かに、戸惑いとかあるのも推測できるけれども、こんなに小春ちゃんがそっけない態度に悩み傷ついているのに、いっこうに態度を改善させない澪人さん、読んでいて正直もどかしくてしかたなく、だんだん腹もたってきました(苦笑)。
とにかくもう、ひとり不安に悩みまくる小春ちゃんが、読んでいてかわいそうすぎて。身を引くところまで思い詰めてしまうなんて!
……最後の祇園祭のときにようやく本音を言ってくれて、安心しましたけれどね。
確かにまあ、澪人さんと小春ちゃんならではの悩みですよねそれは。しかたない。納得。好きでたまらない相手に自分の本心を奥深くまで見抜かれるかもというのは、確かに怖い。
それでも覚悟を決めて、自分の過去や本心を語る澪人さんの場面にきゅんときました。
彼が動物に対して持っている特殊能力の秘密も明らかに。最後に母に戻った狐さんのエピソード、素敵でした。
なにより素敵だったのははじめてのキスの場面でした。
作中で語られた、特殊能力持ちの人間にとってはなによりも特別で大変な行為だというキスシーン、ふたりとも相性よく幸せ感がよく伝わってきて、読んでいる私もじわーっと幸せでした。良かったねえ。
そして最後の最後に出てきたコウメちゃん、グッドタイミングすぎます。まあ今のところはこのあたりがふたりにとって、妥当ですよね(笑)。
いやあ、それにしても、あのはんなりやわらかで色気のある京都弁で切々と愛を語る澪人さん、本人があくまで真面目で真剣なだけに、破壊力がすごい。読んでいるこちらがちょっと恥ずかしい(笑)。

そんな小春ちゃん達の側でぎこちなさを感じてそれぞれ心配するチームのメンバー達も、皆もうこのシリーズのキャラとしてしっくり馴染んでいて私も愛着がわいていて、読んでいていとおしくてなりませんでした。
朔也君と澪人さん、なんか一見正反対に思えるのだけれど、案外着実に友情を育みつつあるようで、うん、良いですね。彼らならではの悩みを共有できるのっていいですね。澪人さんの麗しの君な外見の裏にある「くそまじめ」さを朔也君がちゃんと認めて尊敬して心配している感じが伝わってくるのがいい。
賢くてしっかり者で情にあつい愛衣ちゃんも、可愛いもの大好きな自分を段々認められるようになってきた由里子先輩も、それぞれ大好きです。
由里子先輩と朔也君は、前巻くらいからかな、姉弟みたいな関係かな~。お似合いだな~。とひそかに胸の内で思っていました。
ふたり相性よさそうなので、ロマンスに発展しても、素敵だな。
由里子先輩の意外にちょっと抜けているところを朔也君がさりげなくフォローしているところとか、読んでいてほっこりします。
あと今回新たにちょっと気になったのは、愛衣ちゃんと和人さんでしょうか!
このふたりはまだちょっと未知数ですが、年の割にしっかりしていてファザコンっぽい愛衣ちゃんには(笑)、和人さんみたいな人はお似合いかもなあと思います。

そうそう、和人さんと澪人さんの兄弟関係も、今回やっぱりいいなあと思いました。
和人さんの澪人さんへの愛情にちょっとほろっときました。
小春ちゃんが澪人さんに前世の親子関係のことを打ち明けた場面も、付き合いたての初々しいカップルにはなんだかあべこべな会話でしたが、でもしっくり馴染んでいて彼の感謝の気持ちがひしひしと伝わってきて、また胸がいっぱいになりました。
キャベツの千切りが不得意な末っ子澪人さんのエピソードにほのぼのしました。
(そしてその後しれっとスライサーを取り出した小春ちゃん達女性陣ににくすりと。笑)

ミステリー研究会の瞳ちゃんのおうちのおじいさんとおばあさんの会話にしんみりしました。(あのお話で隠れていた小春ちゃんのこと「斎王」と呼び共によろしくお願いされる場面が好きでした)
あと、吉乃さんと弥生さんの昔語りも良かったですねえ~。
松子さんを救った吉乃さんのきっぱりした態度と台詞に読んでいる私も救われる思いでした。
その後の宗次朗さんの台詞も重ねて、そうですよね、完璧な人間なんて人間じゃないですよね。未熟なところを持っててもいいんですよね。うんうん。
吉乃さんだって完全な人間ではなく現に親子関係ではいざこざもあったりしましたしね。そして傍らにいる弥生さんの存在もやはり尊い。

あとこのお話で特に印象だったのは、祇園祭の描写。
『寺町三条のホームズ』シリーズの一巻目のいちばん盛り上がるところでしたものね。やっぱり思い出して重ね合わせてしまいます。(それにしても清貴君の方は付き合いはじめのあたりも少なくとも外面は本当にそつがなかったですよね……と今回澪人さんとやっぱりちょっと比べてしまいました。澪人さんの不器用さがいとおしいです。いや、清貴君の器用さも好きなのですが)
吉乃さんのひまわりの浴衣を身に着ける小春ちゃん、小春ちゃんらしいです。ふふふ。
(あのお着換えの場面の事件、ラストまで読んでから読み返すととてもたのしい……吉乃さんも慌てたでしょうねえ)
やっぱり祇園祭、一度この目で見物してみたいなと改めて思いました。
焼きそばやたこ焼きやアメリカンドッグ、さくら庵でのプチ縁日も、楽しそうだしおいしそうでした!

和菓子の描写が今回ちょっと少なめだったかな?夏色団子の涼し気な見た目とさわやかな美味しさが伝わってきて、この蒸し暑い夜に、私もいただいてみたいです。

それにしても気になるのがラストの宗次朗さんの衝撃発言。
宗次朗さんと吉乃さんのいつものやりとりがなくなって、いつも店ででんとかまえて揺るぎなかった宗次朗さんがいなくなるのは、ちょっと気掛かり……。どう転がってゆくのか。
続きがとても気になります。

最後の掌編、私は既読のものでしたが、文庫にこうしてきちんとおさめられたのは、嬉しいです!!

7月に出るらしいホームズさんの新刊も併せてとても楽しみにしています。


昨日それぞれの記事に拍手くださった方々、どうもありがとうございました♪

カテゴリ: ファンタジー(和風)

タグ: 望月麻衣 

『京都寺町三条のホームズ9 恋と花と想いの裏側』望月 麻衣 




『京都寺町三条のホームズ』シリーズ第9弾。
一月になり大学にも慣れてきた葵だが、修行中の清貴とはなかなか会えない日々。
清貴の修行先・伏見の老舗酒造で起こった家宝の徳利紛失事件、そしてほぼ同時期に、香織が所属するフラワーアレンジメントサークルで葵が直面した先輩達の仲違い。
二つの出来事の裏には、それぞれ切ない想いが秘められていて——。


『京都寺町三条のホームズ』の新刊!!待ちわびていました。ようやく読めました。
今回は特に事前でネット版をごく一部しか読んでおらず大部分まっさらな状態で読むことになったので、内容に関するハラハラドキドキ感もひとしおでした。
(ただそのごく一部の既読分がここでそうくるかーー!!と読んでいて叫びそうになりました。かなり盛り上がりました。)


結論から申し上げますと、今回も最初から最後までめっちゃ楽しかったです!!
サブタイトルにもあるように、清貴君と葵ちゃんの主役カップル、そしてサブキャラたちのロマンスが随所にちりばめられていて、お花や和歌や骨董品や美しく雅な小道具も随所で光っていて、ときめき度満載でした。
今回はシリアスな事件ネタは控えめで、よりロマンス面に重きが置かれていたように感じました。
この歳になっても甘々少女小説を愛好している私としては、今回のこの盛り上がりようはたまらなかったです。ふふふ。

遠距離恋愛でも葵ちゃんと清貴君はちゃーんとラブラブで、読んでいて微笑ましく幸せでたまらなかったです。
なかなか会えない寂しさを募らせ葵ちゃんが見せた涙にぐっときました……。清貴君の「尊い」、私も分かる(笑)。
一方途中で円生がとんでもない爆弾を落としていきました……わあ、これは一体どういうストーリーにつながっていくのやら。
その後の秋人さん話で彼の屈託のない明るさと友情にだいぶ救われて楽しく読めました。


ではではさっそくここからネタバレ交じりの感想です~。
長くなってきたので追記にたたみますね。


その前に、コミックス版の書影も、ぺたり。



-- 続きを読む --

カテゴリ: ミステリー・日常の謎系

タグ: 望月麻衣 

『京洛の森のアリス』望月 麻衣 




幼いころに両親を亡くして、引き取り先の叔母の家でも身の置き所のないありす。
かつて両親と暮らしていた京都で舞妓修行に出ることを決意し、迎えの車に乗ったありすだが、老紳士に連れてこられた「京都」はどこか「不思議」な場所だった――。
人間の言葉を話す、カエルのハチスとウサギのナツメと共に、ありすは舞の修行に明け暮れつつ、京洛の森の謎に触れてゆく。


望月麻衣さんの新作のおはなし。
これまでの作者さんの作品とは少し雰囲気の違う、おとぎばなし風味ファンタジーな一冊でした。
とはいえありすが足を踏み入れた「京洛の森」は京都の別世界バージョンという感じで、現実世界の京都ネタも読んでいてちゃんと楽しめるのが、作者さんの作品らしいです。
現代の京都要素にプラスして、昔の京都を思わせる設定もそこかしこにあったりして、日本史ネタ的にも楽しめました。

薄幸の少女が異世界に招き寄せられ、自分自身の力で頑張って、周囲の協力を得つつ成長して自らの居場所を作り上げていく、私の大好きな王道パターンのストーリー。
なによりヒロインのありすが、頑張り屋で健気でどんなときでも人へのやさしさを忘れない、実に私好みの女の子で、とっても楽しめました♪
「京洛の森」というオリジナルの作品世界がかなり独特のルールのもと成り立っているのですが、作品世界の説明に読んでいて引っかかることがほとんどなく、すらすらとても読みやすいファンタジー作品だったように思います。
ひねりはききつつシンプルで王道なストーリー、魅力的で力のあるキャラクター。文庫本としてはあっさりしたページ数に過不足なく収まっていて手に取りやすく読みやすい、ぐいぐい引っ張られ楽しんで読みすすめることができる。作者さんの持ち味がよく出ていて素敵だなと思いました。
……なんというか、「ありす」という名の読書好きの少女が、ウサギとカエルをお供に、異世界に冒険の旅に出る!!というシンプルなあらすじが、メルヘンでファンタジックでとっても良いのです。乙女の夢です(笑)。

本当にありすの身の上はつらくて(長いおさげ髪の由来がやりきれない)そして京洛の森にやってきてすぐのころは努力が空回りしていて、読んでいて胸が痛かったのですが、ナツメやハチスたち、紅葉屋の師匠や橘たち、いいひとたちに囲まれ支えられていて、読んでいて次第次第に心があたたかくなりました。
京洛の森のシステムは、おとぎばなしの楽園のようでもあり、めちゃくちゃシビアで怖い世界のようでもあり。
上手く波に乗れるとすいすい良い方向へゆけるけれど、一つ間違えれば落とし穴にはまってしまいそうというか。
ありすの中に心から好きなものがちゃんと存在していて、それをたつきに次第にこの世界で認められ人を笑顔にしてゆけるようになって、本当によかったな~と心がしみじみ満たされました。
読書好き人間なもので、そのたつきが「本」であったところも、やはりうれしく思うのですよ。
紅葉や橘や牡丹さんみたいに舞を生業にしている女性たちの姿も素敵でした。彼女たちにもまたそれぞれの事情が裏にあるんだろうな。

おとぎばなしといえばやはり王道は、格好いい王子様に見初められて恋に落ちる、という。
王大使殿下の巡業にはしゃぎ憧れをつのらせるお嬢さんたちとか、現実の京都とファンタジー世界のほどよくロマンティックで堅苦しすぎないアレンジ具合がお見事です。
それにしてもありすの初恋の君はいったい何をしているんだ???と若干憤りを覚えつつ読んでいたのですが、そういうことかーーー!!!まったく気づきませんでした。名前も言われてみればこそで。
というか、もう結婚のことは確定で周囲も了承済なんですね。そうですよね、幼い日にしっかり約束してましたもんね(笑)。特殊なおうちの事情があるとはいえ、さりげなく外堀をすでに全部埋めている彼がちょっとかわいいです。
妹の菖蒲姫もお妃さまも従者のひとたちも気に入りました。

地図屋の亮平さんのエピソードも印象的でした。彼の手助けはとりわけ頼もしかった。奥さんのエピソードも印象的で、最後の彼女の助けにほろりと。バーベキューおいしそうでした。
あとありすの叔母さん一家についてもその後の便りがあってよかったです。

ところで庭春樹さんの表紙イラストが淡く繊細でにじみでるようなパステルカラーでとってもきれいでかわいらしくて、おとぎ話風味のファンタジー世界にとにかくぴったりで、表紙にぴんときたひとは読んでとにかく間違いない、と言い切れるのがいいですね(笑)。

不思議要素込みの和ものが好きな方、少女の異世界トリップものが好きな方、あとそんなにファンタジー得意じゃない……という方にも、おすすめできそうな一冊。
あと安定の京都に行きたくなる作品でした。


この一週間くらいのそれぞれの記事に拍手くださった方々、どうもありがとうございました♪

カテゴリ: ファンタジー(和風)

タグ: 望月麻衣