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ようこそいらっしゃいました。すてきな書物と美味しい食べ物をどうぞ。

『おこぼれ姫と円卓の騎士 新王の婚姻』石田 リンネ 




『おこぼれ姫と円卓の騎士』シリーズ最終巻。
フリートヘルムをかつぎあげて軍師ゼノンが引き起こしたクーデターへの反撃の準備は整った。
争いが続けば必ず犠牲が出ることを心に刻み、レティは己の王の専属騎士達と王都奪還を目指す。
しかしやはりゼノンのやり口は巧妙で——。


『おこぼれ姫と円卓の騎士』シリーズ、とうとう完結巻!
今となっては何年も続きを追いかけているほとんど唯一の少女小説シリーズ。なんだかちょっと寂しいな。
……なんて、そんな気分を吹き飛ばすような、最初から最後まで読み応え抜群の、とってもいい最終巻でした!!
あとがきの作者様のことばを借りるならば、このシリーズを今まで読んできて、良かった。本当に良かったです。

美しく潔いレティひとりの表紙イラストも、読み終えて、納得。
『新王の婚姻』というサブタイトルも、納得。
これ以上ないほどすべてがおさまるべきところにおちついたラストで、何より気になっていたレティとデュークの関係のことも読めて大満足で、すでに何度も読み返してはきゃーきゃーときめいて転がっています(笑)。


以下でネタばれ感想をちょっと語ってみる。


レティの残りの騎士は、そうであってほしいという、予想通りで、ああ、本当に良かった。
フリートヘルム殿下が、途中でレティのためにゼノンを裏切り、レティのために反逆者への道を自ら進んでいく姿が、なんというか、胸に来ました。クーデターが起きてから私の中でフリートヘルム殿下の株は正直かなり落ちていましたが、くー、それでもやっぱりお兄ちゃんはお兄ちゃんだった。良かった。
グイード殿下とレティの決着もこちらはとても静かで淡々としていましたが、良かったです。
エピローグのエピローグ、フリートヘルムとグイードのふたりの酒盛りの場面で、幼いころの「夢物語」が叶ったんだなあというのに、じわじわとこみあげてくるものがありました。(そしてちっちゃな三人で眠るイラストが可愛すぎる)
もともとこのシリーズの、表面では仲悪そうにいがみあってるように見えるけれど、実際にはちゃんと仲の良いお互い理解し支え合っている兄弟関係が、そういえば私はとても好きだったなと、思い出しました。
それがここにきてようやく戻ってきたんだな、兄弟ようやく争わずにいられるようになったんだなあ。と思うと、ものすごくほっとしたし、良かったです。
考えてみればグイードの宰相もフリートヘルムの外交官もはまりすぎです、確かに(笑)。
特にフリートヘルムとレティの決着をつける場面はもう胸が痛くなったけれど、それでもレティのやり方は上手でした。

でも残り三人のうちひとりがオスカーになるとはちょっと予想していなかった。
レティのこれまでの努力の積み重ねがまたひとつ活きましたねえ。テレジアさんも再登場で元気そうで良かったです!

レティの騎士はみんなみんな大活躍していましたが、なかでも笑ってしまったのはクレイグさんの「戦友」でした。
あの荒業作戦とそれにこたえてちゃんと脱出できた三人、すごすぎる……さすがレティの騎士達なだけあります。
クレイグさんの年の功には永遠に叶う気がしないと思ってしまいました。
シェランもレオンハルトも派手ではなくてもそれぞれよい見せ場があり格好良かったです!
第一席にふさわしくそつなく難しい任務をひとりでこなしソレスに文句を言われているデュークもやっぱり最高に格好いい~。

今回のこの反撃の戦い、レティの戦いであると同時に、メルディとゼノンの因縁の戦い、でもありました。
ゼノンの頭脳に必死に反撃作戦をはりめぐらせていたメルディが、最終的にはゼノンよりふっとワンステップ高みに乗り越えていった瞬間が、良かった。
ゼノンはもう最後までえげつなくてどうしようもないなこのひと……と思っていましたが、彼の最後は、ある意味彼にふさわしかったと思います。まあ歴史に名を残したいなんて、そんな上手くいかないですよ。こんなものだ。

失恋王ルートガーがレティに語った隻腕王オズヴァルトのエピソードがかなり印象的で、良かったです。
今回は王の会議の間もちらりちらりと出てきて楽しかったです。
王になってからは一度もこの会議の間に来ていないなんて、レティは本当に大した女王様ですよ……。

あとレティとデュークのふたりの関係も、今回とても良かった!!まだごろごろもだえています(笑)。
アイリーチェのレティへの忠告「男は、どんなに紳士的に見えても、自分に脈ありだと判断したら途端に手が早いです」とその後の場面の「嬉しい接触事故」には笑いました。
アストリッドとの扱いに差がないのを地味にごねているデュークとレティの捨て身のキスも、可愛い。
しれっとした顔でぐいぐい押していくデュークとあわあわしているレティのふたりにときめいてときめいて仕方がなかった!

レティの結婚相手が「ソルヴェール国」だというのは、想定外でした。そうくるか!
そんなレティを、デュークが「片手間の恋愛しかできない同士」と口説き落としてゆく場面が、なんだかとても好きです。ふたりの真摯な想いと誠実さが伝わってきます。自分の想いをぽつりときちんと言葉にしたレティも良かったです。
あんなに嫌がっていた「愛人王」の諡はもう不可抗力だったのだ、ととうとう諦めたレティも、うんうん、幸せになるんだよ。
愛人王といってもね、生真面目な仕事人間な二人なので、凛とかっこいいイメージは損なわれていないのが、いいんですよ。表裏どちらも清廉潔白な女王様レティには、むしろほどよい人間味というか親しみやすさという面でプラスになっているんじゃないかと。
(でもウィラードの「君はろくでもない男だね」(267頁)にも、こっそり賛成します。笑。デュークは真面目で堅物な顔していてこういうところは策士でもあるのが、ときめくし、安心します。恋愛に奥手すぎるレティの相手はこれぐらいはできないとつとまらないですよねきっと)

カラーピンナップの皆勢揃いのイラストが途中に挟まっているのも粋なつくりですね!美しい!堪能させていただきました。

「エピローグのその後で」で、コルネリアやオスカーのエピソードがそれぞれ補完されていたのも良かったな。
アストリッドも「複雑」という気持ちを覚えたか。切ないですよね。
面白い性格しているシスコンの変人学者のレオンハルト殿下が戻ってきたのもなんだかほっとしました(笑)。
締めはレティとデュークの夜のエピソード。
……きゃー、最後の最後で糖分が増量された!!デュークの言動に振り回されあせりまくっているレティが可愛すぎて、ああもう、ごちそうさまでした!!としか。
イラストもときめきます。レティの長い髪が広がっているのがほんのり艶めかしい。
デュークとアイリーチェの会話を想像するとまたにまにま楽しい。

誇り高く優しく賢く、努力を常に怠らず必死に戦ってきた女王様レティが、最後まで大好きでした。どこまでもついていきますよ!
巻が進むごとに増えていく騎士達もみんな愛着がわいて格好良くて頼りがいがあって大好きでした。
じれじれの恋愛模様も本当に微糖でしたが(特に初期は)、堪能させていただきました。とても私好みのロマンスの匂わせ方でした。
これにて完結ですが、本編では語られなかったキャラの色んなエピソードの番外編とかでないのかなあ。出ると嬉しいんですけれど(笑)。
まあ、しばらくは、本編完結の余韻に浸っていたいと思います。

あと石田リンネさんの同時発売の新作にはいっていた交換小話も読みました!
シャルロッテ姫とデュークのお話。さすが恋愛に関してはレティよりはるかに上級者。あなどれない……。そしてノーザルツ公とクレイグの会話も笑える。

昨日それぞれの記事に拍手くださった方々、どうもありがとうございました♪

カテゴリ: ビーズログ文庫

タグ: 石田リンネ 

『おこぼれ姫と円卓の騎士 反撃の号令』石田 リンネ 




『おこぼれ姫と円卓の騎士』シリーズ第16弾。
白魔の山脈を超えイルストラ国にたどり着いたレティーツィア。
フリートヘルム、軍師ゼノンに対抗するため、第一王子ヴィクトルと交渉にのぞむレティ。着々と体制を立て直してゆく。
一方散り散りになったレティの騎士達も、自らの信じるレティのために、それぞれ行動を起こしてゆく——。

『おこぼれ姫と円卓の騎士』の新刊!
クライマックス直前らしいです。次が最終巻。えええー!(動揺)

今回、発売日前からネットで見ることができた表紙イラスト、レティとデュークの甘やかな雰囲気に、読む前から撃沈……。
こんな前代未聞な(笑)ラブラブな雰囲気を醸し出しているのならば、お話の内容にも、ものすごく期待しちゃうじゃないですか。
本当に今回、実際に本を手に取り読みはじめるまで、レティとデュークの仲の進展がいったいどうなっちゃうのか気になって気になって(いや、それ以外ももちろんありましたけど)、そわそわ落ち着きませんでした……(笑)。

前回と同様、一つ間違えれば全てが崩れてしまうぎりぎり綱渡りの展開がずっと続く、シリアスモード。
レティや騎士達がひとつひとつ頑張って前に進み成功を重ねるごとにほっと胸をなでおろしつつも、常にゼノンの不気味な影におびえつつで、まったく気の休まる暇もない。最初から最後まではらはらどきどきでした。

でも、まさに今回は『反撃の号令』なのです。とことん追い詰められたレティ達が、それぞれの場所で反旗を翻す。
レティがこれまでの巻で国内外で様々なところに赴き、精いっぱい体当たりで困難を乗り越え困っている人を救い人脈を築き上げ、こつこつ頑張り積み重ねてきたものが、ひとつひとつ報われていっている各場面に、読んでいてじわじわ感動がわきあがってきました。
レティの騎士たち一人ひとりもそれぞれの場所でそれぞれの特性を生かして、実にいい仕事しています。レティと騎士達、騎士達同士の信頼関係もすごく良くて、こちらもこれまでこつこつレティが築き上げてきたものの大きさを改めて思いました。

レティの優しさやお人好しさは、レティ本人が散々思っているように「欠点」ではあるかもしれないけれど、同時に彼女最大の「武器」でもあるんじゃないかと。
レティに救われ彼女を敬愛する人々が彼女に手を差し伸べ救っていく展開に、どんどん確信が増していくようなお話の流れが、読んでいてとても心地よい。
賢さや誇り高さや美貌も武器にしつつ、その人として一番大切な部分は昔からまるでぶれのないレティ。
そんな彼女だからこそ女王様に一番ふさわしいと、思っている人は、きっといろんなところでいっぱいいるんだよ。
お城の武器職人さんや城下町の人々のレティ評を読み胸をあつくしながら思っていたこと。


ここからはネタバレあり感想メモで、お願いします~。


序盤のヴィクトル王子との駆け引きは、さすが王族間といったところ。したたかで頭の切れる女王様レティ格好良かった。
シャルロッテ姫との女子会もあったようで、心和みました。シャルロッテ姫は恋愛に関しては本当にするどいなあ。さすがです。彼女の存在がサヴェリオを優秀なひとに成長させたのだとすると、なにげに侮れない。
その次はノーザルツ公。優秀で苛烈なお人なのですがもはや可愛い要員にしか思えなくなってきた(笑)。共同戦線を組むと頼もしいですね!
あとソレス王子とアナスタシアとのそれぞれの再会の場面、挿絵込みでとても印象的で、今の状態のレティにとって本当に彼らの応援が心強くて、こみ上げてくるものがありました。
レモンが似合う爽やかな好青年というイメージをまといつつソレスはなんて頼もしいんだろう。安心感が違いました。
女帝アナスタシアの無償の優しさと友情もまた、染み入りました。

今回グイード殿下もコルネリア姫もそれぞれ良かった。レティ似の妹姫コルネリアは地味に私の贔屓キャラだったので嬉しいです。イラストのコルネリア姫可愛らしくて満足です。
グイード殿下の思惑を遠く離れたところではっきり理解し受け止めたレティがさすがだと思いました!
ようやく初登場の王様。何だかいろいろと感慨深い。
フリートヘルムの方にはそんな噂があったのか。確かにグイードとレティがそっくりならばそういう考え方もあるか……。

高潔なイメージそのままでどんな場所でも年長者ならではの余裕を失わずお茶目なクレイグさん健在。そのイメージをそこで使うとはさすが!最終的に上手くいったようで胸をなでおろしました。
アイリーチェとシェランの二人のエピソードは印象に残りました。彼がそんな風に思っていたとは。
ウィラードもデュークもみんなそれぞれの仕事ひとつひとつは地味なんだけれど、ひとつひとつ堅実に実行し、それぞれが効果を出し……、そういうのの積み重ねでひとつの大きな反撃の歯車が回っている感じなのが、読んでいて爽快で、これこそこのシリーズの魅力!とうなってしまいます。
騎士学校に仕組まれたネタにちょっと笑って和みました。

肝心の(?)レティーとデュークの甘々な場面は結局エピローグまで持ち越されましたが(笑)、いえ、十分に、堪能させていただきました!
物理的には「驚くほど何もありませんでした」なのかもしれないですが、こんなにまっすぐに気持ちが通じ合えた二人を拝めただけで、もう十分満足です。デュークの飾り気のない褒め言葉にあわあわしているレティが可愛すぎて、もう!
「寧ろ、面白みのないくらい普通の趣味……というか、良い趣味しているつもりだ」云々のやりとりがいかにもレティとデュークで、読んでいてきゅんきゅんしまくりましたし、やっぱりこの二人大好きだな!と改めて思ったのでした。
そして恋愛というものをまるで分かっていないアストリッドとメルディのふたりに適切な助言を与えるアイリーチェがまさに「女王様のできる侍女」としてはまりすぎで、さすが恋人持ちなだけはありますね。
アイリーチェといえば、デュークとアイリーチェのやりとりで、「貴方になにかあれば王女様が悲しみます」「そうだな」あたりの会話とアイリーチェのモノローグが、また大好きな場面でした。
人間として互いに認め合っている上での恋愛って、たしかに、とてもすてきです。
確かに障害ばかりのふたりかもしれないですが、こうやって腹をくくったふたりなら、どんな道でも開けるような気がしてきました。
(そしてアストリッドとメルディの二人コンビはやっぱりいいなあ。和みまくりました。)

ラストのゼノンの非道さ周到さにまた胸が悪くなりましたが……。フリートヘルムの方で、何か考えているね。
やっぱりフリートヘルム兄様はこれで終わってしまうキャラではないですよね!最後の最後でどんでん返しをしてくださると信じています!

レオンハルト殿下もグイード殿下もみんなみんな、ラストでは元気で笑顔でレティの側にいてくれるといいな。信じています。
きっとレティと彼女の騎士達ならなんだってできるよ。

初夏に出るという最終巻が、とても待ち遠しいです。
大好きなシリーズが終わってしまうのは寂しいけれど……。気が早いですが、番外編とか待っていますから!

アニメイト限定特典のショートストーリーも楽しかったです。
「愛人王」!なるほどね!と膝を打つやりとりでした。レティの懐深さが格好良すぎるしメルディの言葉を聞いたとたん不機嫌になり発言を取り消す乙女心が可愛すぎました。


この一週間くらいにそれぞれの記事に拍手くださった方々、どうもありがとうございました♪

カテゴリ: ビーズログ文庫

タグ: 石田リンネ 

『おこぼれ姫と円卓の騎士 白魔の逃亡』石田 リンネ 




『おこぼれ姫と円卓の騎士』シリーズ第15弾。
レティの長兄フリートヘルムがついに革命を起こした。そこにはゼノンの影が。
女王になるはずだったレティは捜索の目をかいくぐり、一人逃亡する。
先の見えない不安と戦いつつも、どうにか己の騎士ふたりと合流。厳しさを増す追跡から逃れるため「白魔」と呼ばれる雪の山脈を超えようとするのだが——。

一見番外編と思いきや、最後にとんでもない爆弾が仕掛けられていた前巻。
その流れをくんでの、終始ハードでシリアスモードな一冊でした。
はらはらどきどき、でも読み応えあってやっぱりとても面白かったです!
レティが相変わらず最高に格好いいです。彼女の騎士ひとりひとりも頼もしくて格好良くて。
白く冷たく澄んだ雪と、クールビューティー王女様・レティは、視覚イメージ的に相性がいいなあ、と思った表紙。

ここから先はネタばれ感想です~。


フリートヘルム殿下は、クーデターを一度起こしてしまえば、もう、徹底的に貫く道を選んだようですね。
彼のその割り切りや野心もまた王の資質のひとつ、というのも確かに頷けるのですが、確かに彼には人を惹く強い力があるなと私も実感するのですが、なんだかなあ……。
政敵を徹底的に追い落とし弟を痛めつけかつての友の家族を人質に脅す彼の姿を読んでいると、複雑、というか、苦み走った感情がふつふつとこみあげてきました。
いや、もうはっきりと怒れてきました。デュークの言う通り、これまでレティがあんなに神経を張りつめひとつひとつ大切に築き上げてきたものを、すべて水泡に帰してしまうようなクーデターは、許せない。
デュークに語った「あのとき、俺はあいつを刺し殺せなかった」というのは、どういう意味だったんだろう。
王子の身分ではなく一度は騎士の身分を選ぼうとして、でも選びきれなかったということ?

そして、フリートヘルム殿下の影にいるゼノンがいちいち周到すぎて、読んでいてどんどん嫌~な気持ちになってきました(苦笑)。
レティ側の事情をどこまでつかんでいるのか底知れないところがあるのが本当に怖い。
このひとレティの最大の秘密・騎士王の力のこと、いくらか知ってるんじゃないの?とか今までを思い返すとなんかそんな風に読めたような気もするので、怖いです。薄氷を踏むような。

そんな王宮を脱出し、逃亡するレティ。
もちろんはじめての逃避行の中で、張りつめていっぱいいっぱいの中で精いっぱい冷静な判断をして行動していくレティが読んでいてはらはらですが頼もしい。
辛くもメルディとアストリッドと合流を果たし、そして次にはメルディとのふたり旅になりました。
レティとメルディのふたりそれぞれ得意分野を補い合いつつ、どんどん悪くなってゆく状況の下、ひとつひとつ着実に判断し、ときには非常に大胆な行動に出て目の前の困難を切り抜けてゆく様が、やはりこのシリーズらしくかっちりしていてとても良かったです。
メルディは本当に頭がいいな。しみじみ実感しました。
ゼノンという師匠を持ち、それでもメルディは師匠とは全然違う、人として大切なものの順位をよく知っている高潔な精神の持ち主で、そんな彼がレティの側にいてくれているということが、頼もしいったらないです。
ほどよい頼りなさというか脱力感も彼の味です。

レティの騎士王の力も、雪山に来てこそ、真価を発揮というか。
今までも地味に騎士王の力を使いこなす訓練を怠らずに来たレティだからこそ、いざというときこんなにスムーズに使いこなせるわけですよね。すごいです。
雪山の死線を切り抜けていく様がダイナミックで魅せてくれます。

ゼノンの策略に踊らされ無力をかこつレティですが、それでも今までの彼女を見てきて、彼女に救われ、彼女に王になってほしいと心から慕い、レティに夢を見た人々が確かに存在していて。(テレジアさんの協力は染み入りました。)
メルディの言葉の押しもあり、レティがようやく本当に「王になる」と自分自身で決意した場面は、銀世界の清らかさもあいまって、とてもいい場面でした。
(そして垣間見えるお人よしで無私な一面に改めて惚れ込んだり。ふふふ。
王位なんて遠かった心優しい王女様時代から今まで、こういう心の根っこの部分はまるで変わらずきたんだなあと思うと、いっそうレティがいとおしいです。)
アストリッドとの再会も感激の場面でした!あああ、本当に良かった!

一方離れ離れになったレティの騎士たちも、それぞれの場所で現時点でできることを冷静に判断しこなしていて、お互い信頼し協力し合っていて、頼もしかったです。さすがレティの騎士なだけはある。みんな。
フリートヘルムにもともと近かったデュークのレティへのかたい忠誠心が何より嬉しく染みました。
(それにしてもちらりと出てきたデュークの家族のあれこれがなかなか格好いいです。デュークの名前はこの家族あってこそだったのか……いつかこのひとたちのエピソードも読んでみたいと思いました。)
デュークと正反対というか、同じ派閥ながらもともとフリートヘルムと仲が悪かったウィラードとの会話も、対比がきいていてなかなか面白かった。アイリーチェの演技もお見事。
フリートヘルム殿下の方は、(当たり前だけど)ゼノンと完全な信頼関係を築けておらず心安らかでない感じなのが、ちょっといい気味です(笑)。
それにこのひと、ノーザルツ公のこともソレスのことも、その他国外でレティが築き上げてきた高貴な人々との絆や信頼関係のことも、ちょっと甘く見すぎだと思います。エピローグのあたりで確信しましたが。
彼の中ではレティはまだ頼りない心優しいだけの女の子のままなのかなあ……。そこが甘さになってるか。

グイード殿下もあとレオンハルト殿下も、なんとか無事でいてほしいですね。ほんと。

あとは、この巻の読みどころは、女子高生の恋バナですね(笑)。
レティが思い切って打ち明けた「好きな人」話に、とことん冷静に分析してレティの心情を慮るメルディが、メルディらしかったです。
そうか、デュークは「普通」か。まあ、客観的に見ればそうかあ。身分差とかしがらみは横に置いておいて、ちょっと力が抜けて楽にさせてくれる視点。
そのあとアストリッドと再開後のメルディとアストリッドの会話も楽しかった。このふたりの組み合わせやっぱりいいなあ。
報われない想いと薄々分かっているだろうに(たぶん)、悲壮感なくレティをきらきら慕ってデュークを先輩として尊敬するアストリッドも、やっぱりとても好きだなと思いました。

あとイルストラのシャルロッテ姫とレティのやりとりは、こちらは正統に(笑)、女の子同士の恋バナ。
シャルロッテ姫とのやりとりを読んでいると、女子力という面でも、人には向き不向きがあるんだなあと、改めて……。
デュークのあの「分かった」についての誤解をしっかり正してくれたシャルロッテ姫には、心からの拍手を贈りたいなと思いました。
駆け落ち事件でレティを振り回しまくった迷惑なお姫さまとばかり思ってました、ごめんなさい……。
花結びのお守りの効果がありますよう。
女王様として完璧に美しく着飾ったレティの姿を拝めるのはやっぱりうれしいです。これでこそレティ。

ゼノンの底知れなさは不気味なのですが、読んでいるうちにどんどん、レティとレティの騎士たちの頑張りが光ってきて、みんながいれば、この困難な事態だってきっと切り抜けられる!と信じられるようになってきたのが、とても良かったです。
きっとみんな幸せをつかめると願って!
次巻が非常に楽しみです。
ロマンスも進むと嬉しいです。


ここ一週間くらいにそれぞれの記事に拍手くださった方々、どうもありがとうございました♪

カテゴリ: ビーズログ文庫

タグ: 石田リンネ 

『おこぼれ姫と円卓の騎士 王女の休日』石田 リンネ 




ウルク帝国から帰ってきたレティーツィアと騎士たち。
そして間もなくレティの十八歳の誕生日。彼女が騎士たちにプレゼントされたのは、お忍びのための「休日」。
「親切な青年」デュークと共に、「花屋の少年」「本場の占い師」に扮した騎士たちのもとをめぐり、王都で休暇を楽しむレティだが、予定外の出来事もあり——。


『おこぼれ姫と円卓の騎士』シリーズ第14弾。
表紙の普通のお嬢様っぽい可愛らしい格好をしたレティと、あらすじや帯のコピーから、シリアスモードをいったん離れたほのぼの休暇編かなあと思って読んでゆきました。
……確かにほのぼの休暇編だったんですよ。ラスト直前まで。
レティとデュークのロマンスにも動きがあったし。ときめきましたし!

ラストで、あんなことが、おこらなければーー!!!
あああ、でもやっぱり、そうきますよねえ。
それにしても、展開が早い!(呆然)


ひとまず順番に感想を。ネタばれ注意でお願いします~。

まずはプロローグ、夜の砂漠でワティスタース・ダイヤモンドを探すレティとデュークの雰囲気がいい感じで、きゅんときました。
「わたくしとこの夜空だったら、どちらが綺麗?」なんてまさにレティしか許されないような無茶ぶりをされて、それでも生真面目に考えるデュークの返答、そしてさらに訂正を加えるレティ、ここのあたりのやりとりが、とってもロマンティック。
宝石と瞳の色になぞらえるあたりが、このふたりらしいです。
こんなに回りくどくほぼ意味なんて通じないたとえをして、ようやく気持ちを伝えられる、レティの生真面目で不器用な乙女心がいとおしいです。
デュークはどこまで分かっているのかなあ。ふふふ。

そしてレティに贈られた騎士たちのお誕生日プレゼント、とっても粋で、思わず拍手したくなりました♪
しかも実質的にレティとデュークのデート仕立てだし。
騎士たち一人一人がレティのために心よりそれぞれの役目を演じていて、そんな彼らのもとをめぐっていくレティがまた本当に楽しそうで幸せそうで、読んでいて頬がゆるみました。
アストリッドが花売りの少年って、なんか既視感が……と思ったら、昔のビーズログ文庫のアンソロジーの、イタリアマフィアものの役どころじゃなかったでしたっけ。アストリッドにぴったりすぎて強烈に印象に残ってました(笑)。
あとアイリーチェが臨時カフェ店員していたのは、彼女とウィラードがかつて来ていたカフェですよね。葡萄のお茶とベリーのタルト!
そして「気の利くカフェのお客様」に思わず吹き出してしまいました。ノーザルツ公ってなんでこんなに可愛いんでしょう……。そのあとのすっとぼけたクレイグとのやりとりも面白かった。
シェランもウィラードもみんなナイスです。脚本書きのメルディも!
あと乗り合い馬車でデュークより先に騎士のふるまいをして喝采をあびるレティが、やっぱりレティらしくて格好いい!さすがです。
薄々二人の想いに気づいているっぽい人々の見守り視線も微笑ましかったです。クレイグさんさらっと核心つきますね……。

メルディ脚本・レティとデュークの楽しい休日は、野うさぎ商会のザイーツの参加によって、筋書から離れた展開に。
善意がめぐりめぐってちょっとしたトラブルになり、そして最終的にみんなの有能さにつき無事に解決、めでたしめでたしな流れが、楽しかったです。
かつてレティが作ったお菓子から発展したザイーツとソレスからの贈り物もまた粋でいいですねえ。
本編ではなかなか見られない、ちょっと隙があるくつろいだみんなのやりとりが、読んでいて新鮮な感じでした。

そしてレティとデュークの二人の関係にも、はっきりした動きが。
二人の「幸せな」未来に早々に結論を出してしまったレティと、実は混乱しているばかりなのにうっかりわかったふりをしてしまったデュークの温度差が、ちょっと笑えました。
王の間でのご機嫌麗しくないレティの報告を聞いての微妙な雰囲気も……。
いや、レティの理屈も分かるんですけれどねえ。本当に、自分の恋愛面に関しては不器用な考え方しかできない娘だな、レティは。そこが好きなんですけれど!
でも、なんだかこのレティの行動をきっかけに、かえってデュークの心が定まったような気がするので、今後何らかの行動に出てくれそうな気がするので、うん、これは期待できそう。
自分が我慢するのはいいけれど、愛しい人が辛いのは、見過ごせない。というデュークに、ぐっときました。
メルディの、レティの結婚についてのかなり容赦ない持論展開のあとで、それでも彼の中で、デュークは破格の重要な位置にあることが分かったのも、良かったです。

そんななんとなく甘い雰囲気の中でお話はおしまいかと思いきや。
……ゼノンがやらかしてくれました。
フリートヘルム殿下の脇の甘さをつかれてしまいました。
これでデュークが動いてくれるかという期待もいったんすべてお預け、というかそれどころじゃない、過去最悪くらいのピンチ。
本当に、ゼノンがうらめしいー!!!
しかもコルネリア様や、フリートヘルムの下の兄弟まで巻き込むなんてたちが悪い。
グイード殿下の冷静な対応が格好良かった。
ゼノンは本当に嫌な敵ですが、お弟子のメルディが、頼もしい仲間の助けも得て、最終的には師匠を乗り越えて、上手く動いてくれると信じてる。
アイリーチェも、もちろんレティも騎士たちも、皆頑張ってくれると信じてます!
シェランの占いの「犠牲」が、ちょっと気掛かりなんですけどね。

これで最終章になるということで、終わりが近づいているのかあ。寂しいな。
でも確かに、これで兄妹達の関係にも白黒つきそうですし、恋愛面も動き出しそうですし、どんな結末に至るのか、読んでいくのがますます楽しみです。


ここ何日かにそれぞれの記事に拍手くださった方々、どうもありがとうございました♪

カテゴリ: ビーズログ文庫

タグ: 石田リンネ 

『おこぼれ姫と円卓の騎士 再起の大地』石田 リンネ 



『おこぼれ姫と円卓の騎士』シリーズ第13弾。
ウルク帝国にて、砂漠の女神が告げた「沼地の魔物」の意味もわからぬまま都に戻ろうとしたレティたちを、カリム皇子の兵が阻止してきた。
何か不穏なものを察したレティだったが、帝都で分かった事実は兄のフリートヘルムが死亡率の高い流行病に倒れたこと。
調停役、およびにカリム皇子と協力して病への対策にあたることにしたレティに、軍師ゼノンが近づいてきて——。


『おこぼれ姫』シリーズ、前巻からのウルク帝国編後編のおはなし。
前巻ラストで感じた通りに、フリートヘルム殿下の身が危うくなっていました。
美しい表紙で目をつむる彼の姿が不安感をかきたてる。

プロローグのソルヴェール留守番組小話(前編)。
メルディとシェランが何気にうまがあっているようで、ほのぼの……というと少し違うのですが、このふたりの会話の雰囲気が好き。
シェランの身の上調査、はじめは単純にシェランをレティのお婿さん候補にと考えているのかなとか思っていたのですが、ええっ、そっちの可能性?いや、確かにレティのそばの誰かが考えておくべきことではあるのか?(動揺)

なんて感じで砂漠のウルク帝国。
フリートヘルム王子が病に倒れ、それだけではなく、クレイグ、デューク、アストリッド、レティの騎士たちもひとり、またひとり、身動きが取れなくなり。
騎士王の力を持つがゆえに病にかからないレティは結果、たったひとりで、面倒くさい性格のカリム皇子と悪辣軍師のゼノン、ふたりと腹の探り合い、ぎりぎりのところでの駆け引き。
めちゃくちゃ大変そうでした。ラストまでつぶれずに戦い抜いたレティ、本当に、お疲れ様でした!ですよ。
特にゼノンは読めば読むほどやっかいな敵ですね。
悪事をすることが目的なのではなく、あくまで軍師としての優秀さを追求しているというのが、ただその手段を全く択ばない姿勢が、こんなにやっかいな人間となりえるのか。

ゼノンに打つ手の先回りをされ続け内心冷や汗かきつつも、それでも凛と姿勢を崩さず、持ち前の特殊な力と頭脳とお人好しさをフルに使って、ひたすら病の解決のために奔走し、やがてはカリム皇子の心をも動かしたレティが、やっぱりとっても格好いい!
それでこそ我らが女王様です。
カリム皇子とレティの心の奥底のなにか、国や民や大切なものを想う気持ちやその他いろいろが、重なり合ったと感じ取れる場面があって、それがとても私の心にも響きました。
それにしても虫よけのお香がそんなに重要な伏線だったなんて!(笑)何か意味はあるんじゃないかと思ってはいましたが。

カリム皇子のラストのレティへの「書簡」、永遠の友情宣言、なんだかとても爽快で一気にいろいろなものが報われた場面でした。
後々の世で深読みされすぎて恋のエピソードになっているのに笑いつつもしみじみ良かったです。
レティの「愛人王」伝説のピースのひとつですよね、確実に(笑)。
さすがに国に恋をした神官皇子さまは、レティの騎士にはなれないか。
レティに魅了されたも同然でしたけどね。レティが女神さまそのものみたいですもん。やっぱりイメージ的に。

デュークの出番が少ない……。でも行き詰っていたレティの力を適度に抜いたデュークはさすがです。
プロローグでメルディが不穏なこと言ってますが、やっぱりレティにとって、デュークのかわりになれるひとなんて、誰もいないんじゃないかなー。と思っちゃいます。(それともメルディはふたりの気持ちに気づいたうえであの可能性を考えているんだろうか……うわあ。)
クレイグもアストリッドも出番少なかったですが存在感はありました!アストリッドの身体能力が回復して良かったよかった。

ラストのフリートヘルムお兄様とゼノンの約束が不穏すぎる。
妹大好きで身の上を心配し支えようとするフリートヘルムは真実の姿だけど、やっぱり有能な第一王子としては何もかも納得したうえでのことではないんじゃないかな、とかも思ってしまうわけで、ゼノンの話の運び方が巧みすぎて寒気がします。

フリートヘルムと言えば、今回は、イモでした。イモのインパクトが強すぎて他のことがだいぶかすんでしまいました。
前巻のイモの皮むき伏線がまさかこんなところで回収されるとは。意外性がこのシリーズの面白さの一つですね。
あとなにげにフリートヘルムを親身に看病してくれていたメイドさんの存在が気になったのですが、特に意味はないのかしら。

そのころのソルヴェール国(後編)。
メルディの「本音」にレオンハルトと一緒に本気でずっこけました。
そしてアストリッド帰ってこい!と内心願うメルディに、このふたりの友情の進展を感じました。

次回はレティのお誕生日、王女の休日のお話のようで、殺伐とした環境で奮闘を続けるレティに、どうかほのぼの和むひとときをプレゼントしてあげてください……!
そしてもう少し糖分を!全然足りない!(笑)

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『おこぼれ姫と円卓の騎士 女神の警告』石田 リンネ 



『おこぼれ姫と円卓の騎士』シリーズ第12弾。
兄王子フリートヘルムが、南の大国ウルク帝国の砂漠で消息不明という知らせが。
兄の行方を捜しにウルク帝国に向かうレティ、しかし道中砂嵐に遭遇し、騎士たちと離れ離れに。
その後どうにか帝都に到着し、ウルク帝国の皇子に助けを求めるが、帝国の様子はどこか奇妙なもので——。


『おこぼれ姫』シリーズの新刊!わーい。
順調なペースで新刊が出てくれるので嬉しいシリーズです。いつの間にか12巻目なんですね。
登場人物紹介に騎士たちがずらずらっと並んでいて壮観で、レティの今までの頑張りが目に見える形で実感できて、良かったです。

砂漠の南の帝国、古の伝説や女神様の力が残る地。
いにしえの神秘的な雰囲気が、レティの持つ王の力やレティ自身の硬質で凛々しい雰囲気とよく合っていて、読んでいて楽しかったです。
表紙のヴェールをまとって異国の衣装に身をつつむレティが美しくて素敵です。
レティ自身が女神様のようです。
騎士王の生まれ変わりの力を持つレティは、この世界においてある意味確かに、誰よりも、女神様に近いのかもな、と思いました。

さて序盤で明らかになったのはフリートヘルム王子行方不明。
実は前巻の段階で、南に出かけたというフリートヘルム王子のこと、なんとなく心配だったんですが、やっぱりか!
勢力争いの均衡のぎりぎりあやういところで、争いの頂点にいるはずの兄妹本人たちが、円満な関係を保ち兄を救おうとシンプルに必死に協力し合う様が、やっぱりここの兄妹たちいいなあと思いました。

砂嵐のアクシデント時など、今回の巻ではレティとデュークがふたりきりで行動する機会が多くて、思えばけっこうひさしぶりな状況があれこれ美味しかったです。にぎやかな大所帯も楽しいんですけどね。
砂漠で再会したときのレティの無防備な笑顔の破壊力といったら!
でもその笑顔をそれぞれ違う意味にとって距離が縮まることは結局なかったレティとデュークがやはりもどかしすぎました。
あとやっぱり「あなたがわたくしの友達になってくれる?」発言と、とっさに勢いよく食いついてしまったデュークの場面が……きゅんきゅんしました(笑)。
確かに「お友達」は、今の時点でのレティの恋心の落ち着け処としては、ありかもしれないな、と私は思いました。
叶えられない「恋」心を持てあましてレティが誰にも相談できずに苦しんでいるよりは。少しでも気持ちが整理できて心安らかになれるのなら。
ただそこから先になんとか関係を発展させないと、結局はまた苦しいと思うので、ええと、頑張れ、デューク!
少なくともフリートヘルム王子ならば、デュークの友人としてまたレティの兄として、純粋に相談相手としてありなんじゃないかな、と今回私は思いましたがどうでしょう。立場もあるでしょうがこの兄妹なら。

そう、そのフリートヘルム王子、何気に物語のメインの流れに出てきたのははじめてだったのではないでしょうか。
レティとデューク、それぞれへの接し方がとても好もしく、人望があるのも納得の、文武人柄バランスのとれたよい王子様だなあと思いました。ジャガイモの皮むきやら笑える……。
レティのことを、フリートヘルムとデューク、どちらがよりよく理解しているか、のやりとりにもときめいてしまいました。

そしてもうひとりの今回のメインキャラ、ウルク帝国のカリム皇子。
面倒くさい性格で実は策士でラストはえええっとなりましたが、なんだかんだ、根はいいひとなんだと思います。
多分次巻では良い方向に向かってくれると取りあえず信じています。
レティとカリム皇子の面倒くささを回避しつつの頭脳を使ってのかけひきが面白かったです。ときにお兄ちゃんが台無しにしてしまうのもご愛敬。
あの虫よけのお香は何かの伏線なんでしょうか。

そしてアストリッドが今回もとてもいい味出してました。アストリッドとクレイグはこのシリーズにおいてそれぞれとても安定している。
序盤のアストリッドとクレイグ、深刻な状況下に置かれているのに会話の流れがあれこれおかしくて、本編につながったときのクレイグの発言が謎すぎて首をひねるレティがおかしかった!
アストリッドのメルディ様評価が悪気なくひどすぎて思わず何度も吹き出してしまいました。

今回のお話の中でひたひた続いていた怪異現象、まさかの正体でした。
得体の知れなさはそちら由来だったのか。そして彼らの目的が「警告」というのが、うっすらと不気味。
複雑なからくりを少しずつ解きほぐしていくレティの頭脳戦がいつもながらお見事でした。読んでいてどきどきしました。
そしてウルク帝国の闇はまだ別の部分にも深みがありそうで、レティ達一行、無事に乗り切れるといいなあ。

確かに、レティには、ふつうの「お友達」の存在もほしいよねえ。と私も思います。
アナスタシア姫は立場上なんでも打ち明けられる存在ではなくなってしまってるからな……。
アイリーチェも、今のところだと、お友達というよりは、「侍女」だしなあ。
このシリーズへの私のひそかな不満が、「レティ以外の女性キャラがやっぱり少ない!」というものなので、色々、今後に期待しています(笑)。
(デュークとの仲が発展するのならそれはそれで大歓迎ですし!笑)

友情と恋の進展に期待しつつ、次巻も楽しみです。


ここ一週間くらいにそれぞれの記事に拍手くださった方々、どうもありがとうございました♪

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