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ようこそいらっしゃいました。すてきな書物と美味しい食べ物をどうぞ。

『ヴィヴィア・バベルと屍人姫』(World -Memoriae-) 

私が愛するno-seen flowerさまのMemoriae シリーズ内の、某長編シリーズ完結後の番外編収録の同人誌。

『ヴィヴィア・バベルと屍人姫』

「ヴィヴィア・バベル」という人名がタイトルに入っているのを見たら、読まないという選択肢はない。
通販が早々にはじまっているのにだいぶたってから気づき、お取り寄せして読ませていただきました。

童話調の表紙イラストがとてもとても素敵です。
可愛らしくて繊細でやわらかなタッチに、ホラー成分も自然に組み込まれていて。ひとつの世界が編み上げられている。

お話は中編で今までのご本に比べても薄め。
ただし内容自体はさくさくと読める……類のものではなく、なんといいますか、このシリーズ特有の「得体のしれないざらっとした何か」のお目見え編、というか。後味もそんなにはよくないかな……。
ただヴィヴィアさんとか例のあのひととかの日常の物語という側面もあり、やはりファン的には読めて良かった!!やっぱりこのひとたち大好きだー!!というお話でもありました。
なにより今この名前を名乗って彼女が生きて日々を過ごしているというそれ自体が、何よりうれしいこと。といいますか。

どこの切り口からいってもネタバレを踏んでしまうのがこのシリーズなので、追記以下に、ネタバレ込みでちょっとだけ感想を語ってみます。

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カテゴリ: オンライン小説

タグ: no-seenflower 

『灰の見る夢』感想(Unnamed Memory) 

大好きな大好きなno-seen flowerさまのmemoriae シリーズの同人誌が出ましたので、さっそくネットでお取り寄せ。
今回は特に、シリーズ内でも私が一番大好きな『Unnamed Memory』の直接の番外編的なお話。
いつものふたりが主人公!わーい、そんなの楽しみに決まってます!

あとがきとかにも書かれていたように、シリーズ未読でも楽しめるお話かと。おとぎ話風味でボリュームも控えめでとっつきやすいです。それでいてMemoriae シリーズの緻密な世界構成と端正な文章と魅力的なキャラと各種読みどころはしっかり楽しめます。
そしてお気に召されたらぜひぜひ本編も読みましょう!読んで!

そしてもしシリーズ既読の方で興味を持たれた方も、ぜひぜひ、読んでみられることをおすすめします!
良かった。すごく良かったです。届いてから何度目かの再読を終えた私は、今とても幸せ。

以下はMemoriae シリーズネタばれ込みの私の簡易感想メモです。


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カテゴリ: オンライン小説

タグ: no-seenflower 

『Fal-reisia 2』他感想 

夏コミから一週間。
残暑厳しくてちょっと辛いです。湿度が高いのがよろしくない。

さて、そろそろ『Fal-reisia』2巻目のネタバレ感想を書いても良いかしら!とやってまいりました。
以下は追記にたたみます~。
no-seen flowerさまのMemoriaeシリーズ(特にUnnamed Memory)ネタばれですのでお気をつけくださいませ。
ちなみに私の最愛キャラはティナーシャです。


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カテゴリ: オンライン小説

タグ: no-seenflower 

『Babel 異世界禁呪と緑の少女』古宮 九時 




ごく平凡な文系女子大生・水瀬雫は、夏休みに突然異世界に飛ばされた。
砂漠で行き倒れていた雫は人に救われ、魔法文字を研究する魔法士の青年・エリクに出会う。雫は彼に元の世界の言語を教える代わりに、帰る方法を求めて共に旅に出ることに。
その大陸は二つの奇病——子供の言語障害と謎の長雨による疾患で混迷を極めていて——。


祝・『Babel』書籍化!!!


まずはこれにつきます。
大好きな大好きな藤村由紀さん(古宮九時さん)のMemoriaeシリーズを、書籍のかたちで読むことができる日が来るなんて、感激です。
サイト様(no-seen flower
このシリーズの中でいちばん書籍化が馴染むのは『Babel』だろうなとは、前々から思ってはいましたが。いやはやめでたいです。
明日コミケに行って、同じMemoriaeシリーズ内の別作品同人誌を入手する前に、できればブログで感想というか宣伝を書いておきたかった!

イラストの雫とエリクが、私の中のイメージにびっくりするほどすんなり馴染んで、嬉しい。
派手すぎないやわらかな質感のイラストが素敵です。特にエリクの淡々とした端正なたたずまいが……。雫の異世界バージョンの平民の(ですよね?)服装もすごく可愛らしいし、彼女の凪いだ、それでいて何かを探し求めるような瞳が彼女らしいと思い気にいりました。
カラー口絵から連続しての「歴史に残らぬ少女と魔法士の旅路が、今始まる。」という、サイトにもあった導入の文章がまた格好良くて、もう満足感いっぱい、おなかいっぱい(笑)。

本編を読んでいって、ああ、やっぱりこのお話私大好きだ!と、あらためて叫びたくなりました。
Webでの初読時は、今から思うと「『Unnamed Memory』の後の時代のお話」という意識で読んでいたので、今回こういう独立したひとつの物語、というかたちで読んでいると、『Babel』独自の面白さをしみじみ実感できました。
じっくりじんわり時間をかけて、読了。

雫とエリクの学術的(?)少々ずれた会話と、保護者のようなパートナーのような独特の距離感が、やっぱり大好きです。
華のある姉と妹に挟まれ、自分を見いだせずにいた雫の胸の内に自然に共感し、彼女が突然放り込まれた異世界で、他人の助けを借りつつ、彼女のやり方でひたすらに頑張って頑張って頑張りぬく姿が、まぶしく愛おしい。
研究者肌で淡々とクールだけれど、誠実で頼もしく人の好いエリクも大好き!
書籍版だと、雫の普通の女の子としての内面の屈折の描写がやや前面に出てきていたのかなという印象。
あと指輪のエピソードってたぶんこんな書かれ方していなかった気がするので(あれ、覚えてないだけ?)ちょっとどきどきしました!
なんというか、読んでいて、心がほんわりあたたかく優しくなるふたりなのです。

メアもやっぱりかわいいな~。お妃様のエピソードはせつない。
ターキスはなんかこうもっと殺伐としていた気がしなくもないけれど、人懐っこさが私は好きでした。
物語のこんなに初期段階でこんなにえぐい危機に直面していたんだっけと、改めて青ざめました。(だってティナーシャの時代から皆を苦しめていた代物じゃないですか……。)雫もエリクもメアもひとまず無事で本当に良かったです。
雫のスキルは、方向感覚の鋭さと、あとお料理ですね。
料理スキルは絶対今後必要ですよ。
異世界で見知らぬ食材にかこまれてる中でアップルパイを作れるなんて本物です。
そうか、お勉強で頭を使うと脳に糖分がほしいというやつか……だから『Babel』のふたりはしばしば雫の手作りおやつを食べているんだな。

「大幅な加筆修正」が今後どう効いてくるのか、気になって仕方がないです。
個人的に何より気になるのは『UM』つながりが書籍版ではどこまで描かれるのか。魔女の描写も例のドラゴンもすこーし出てきたし、まったく書かれないということもなさそうで、そうなってくると色々気になって気になってしかたないのでした。
続きめちゃくちゃ読みたいです。本当に続編出て!出てください!天に祈ります。
この感じだと、書籍版だとシリーズ全四巻くらいでしょうかね。

天に祈るだけではなく、この一巻目の売れ行き次第で続編がどうなるかも決まるとも聞きましたので、このブログに書いてどこまで効果があるのか謎ですが、宣伝させてくださいませ。
こちらの『Babel』、『はなのみ亭』的、この夏休みの推薦図書です。
ファンタジー好きさんには一押し!いわゆるライトノベルをあまり読まない方でも読みやすいと思います。表紙イラストの雰囲気が違和感なければまず大丈夫かと。
派手さはあまりないですが、非常に緻密なつくりの世界観の美しいファンタジーです。文章もすらすら読みやすい。
タイトルから分かる通りに「ことば」にまつわるファンタジーで、そういうのがお好きな方には特におすすめ。
真面目で努力家の女の子が頑張るいつもの私の好みポイントもばっちり。
図書館好き、書物好きさんにもおススメ。
異世界に行って生命の危機に何度も瀕しても、なお大学図書館で借りていた重たい本を最後まで持ち歩いていた雫は、特殊な力がなかろうが十分すごいです。これだけですでに雫はただものではない。ちなみにエリクも雫と出会った時点では図書館勤めの青年です。
あと雫が出会った「不思議な本」も物語のキーポイントですので。このざらざらした違和感!

そして書籍版がお気に召されたら、Web版を最後まで読んでみるのもありだと思いますし、サイト内の他作品を読んでみるのもありかと。
(個人的には『Unnamed Memory』を少女小説好きさんには何度もしつこくおススメしたい……一緒に好き語りしたい!エリクが語るいわゆる「魔女」の物語です。)

あ、あと、書店限定特典の小話が欲しいあまりに同じ本を二冊買ってしまいましたが、後悔はしていない。布教用にします。
そして『電撃マガジン』まで買ってしまいました。ちょっとせつなくほろ苦いお話で、キャラクターのラフスケッチや作者さんのインタビューも読めてやっぱり買ってよかったです。

参考→ 『Babel』Web版感想私の好きな美味しい物語4 雫のパンプティングまたはフレンチトースト


この一週間それぞれの記事に拍手くださった方々、どうもありがとうございました♪

カテゴリ: ファンタジー(西洋風)

タグ: 古宮九時  no-seenflower 

『Rotted-S』no-seen flower 

またこちらのサイトさまの長編に、一週間のすべてをささげていました……。

Rotted-S』(no-seen flowerさま)
『Unnamed Memory』『Babel』と世界観を同じくする長編ファンタジーでした。

捨て子であった少年アージェには、物心ついた時より異質な感覚が備わっていた。
ひとつの事件の後に故郷を離れた少年は、傭兵の男と出会って旅をするうちに、一人の少女と巡りあう。
大陸最古の国ケレスメンティアと、国をおさめる女皇をめぐる、不思議な力。
神話の時代から続く伝説の世界に足を踏み入れ、アージェとレアリアが見るものは——。


以下、さらりとネタバレありで語っている感想なので(なるべく避けてはいるんですが)、要注意です。


『UM』や『Babel』と違って主人公が少年で、それゆえはじめのうちは読んでいて少し勝手が違うなあ……と思っていたのですが、いったん引き込まれてしまえばやっぱりノンストップで最後まで読みふけってしまいました。
現実世界を忘れてしまうというか、もうこっちのお話の世界の方がリアルに感じてしまうという、怖い怖い。

アージェの成長冒険物語であり、ひとつの国の神話と伝説の謎を追いかける物語であり、人の力をはるかに超えたままならない運命に必死にあらがう人々の物語であり。
いくつもの要素が複雑に絡み合って進んでいく物語。読み応え十分で、面白かったですー!!
大陸が違い神の姿勢が違うせいもあるのか、情け容赦のない残酷な展開も多め。
そんな中で、尋常ならぬ異能の主ながら精神は「普通」でありつづけ、淡々と真面目で根は優しいアージェと、可憐で寂しげなはにかみやの少女レアリアのふたりの関係とやりとりが、ほんわり優しくて微笑ましくて清らかで、うーん、とても良かったです。
アージェとレアがふつうに幸せに笑いあえるような未来を、もう無理なんじゃないか、と何度もあきらめそうになりつつ、ひたすら願って読み進めていました。
ヘビーな展開の中でも、キャラのかけあいの面白さは健在。

前半パートだと、ケグスとダルトンの傭兵コンビが格好良かった!ダルトンの重厚な魅力にはしびれました(笑)。
カタリナの普段ののんきさとたまに見せるちぐはぐな表情が不思議な魅力で。アージェへの情のあたたかみが好きだっただけに、最後は辛かったです。
後半パート、エヴェンがどんどん好きになっていきました。ミルザの「兄!」も良かったです。良かったです……(涙)。
ミルザとベルラは最後のあたり読んでいて、セットで昔大好きだった某少女漫画の侍女の女の子の姿にだぶって(たぶん服装がケレスメンティアのものに似ていたのもある)、もう涙がとまらなかったです。

アージェが自分の力をなかなか使いこなせず折り合いもつけられず苦しんでいる姿もつらかったですが、自分の力を飼い慣らして周りを容易にねじふせ殺戮を行うようになると、それはそれで、怖い。重い。
「彼女」の正体にはびっくりでした。親世代からのねじれも。
レアリアの戦いも孤独で泣きたくなるほど辛くて、近づきまたすれ違いを繰り返すアージェとレアのふたりの姿が切なかった。
クレメンシェトラとレアリア、アージェの関係も、ひとことで言い表せないものでした。
神話時代からの存在は、はじめはただ忌まわしく怖いものにしか思えなかったのですが、何か、情がうつってくるのでした。ダニエ・カーラですら。
無自覚に女ったらしで鈍感なアージェと、アージェ限定で挙動不審で揺れる乙女になるレアの小休止パートは可愛い。本当に可愛い。
傭兵として普通に生きてきてて普通に経験もある(おそらく)アージェに翻弄されまくっているレアが気の毒でした。ディアドと女皇の関係性にときめきますね!

苦く切ない終末をむかえて、それでも確かにぬくもりもあるしめくくりで、本当に良かったです。
言葉にあらわせないものがじんわりと。
そしてそうか、後の作品とそうつながるのかー!!最後の文を読んで叫びました(笑)。
すべてを終えたふたりが背負ったものは、あんまりにも重たく辛いものだけれど、それでも。淡々とあっさりとレアと生死を共にする誓いを守り抜くアージェの姿が格好良く優しい。
後日談のじれじれ、微笑ましくてきゅんきゅんでした。レア本当にかわいい。
クラリベルのことも、良かった。意外とこの兄妹似ていてびっくりしました。
番外編で垣間見たレアリアのアージェに見せていた姿と女皇としての姿のギャップにもびっくり(笑)。
お弁当とか本当に可愛いです。(事実なので何度も繰り返す)

読み終えてまた設定集に読みふけって復習のお楽しみ。
リィアのその後が意外な感じでした。
あと、ルクレツィアさんの正体というかなんというか……はあああ、またうなってしまいました。
なんだかんだ言って面倒見のいいルクレツィアさんが大好きです。

そしてさらにUMサイドストーリー『神に背く書』『鳥籠の女』『Void』とかさらりと再読してまたひたってました。
セーロンのアリスティドとエルのコンビも好きです。エルの苦労女房っぷりが気の毒で大好きです。エルは自分の結婚どうするんだろ。アナとセノワのふたりはああつながっていったんだなあ。
シェライーデとルースのふたりの切なくてあまりに切なくて美しい夢も、何度読み返しても本当に!好きです。
あとティナーシャとオスカーとルクレツィアさんの『奇跡』も、ティナーシャの歌がきれいで物悲しくて切なくて。
後の時代に行くほど鬱屈としたものが漂うUMのふたりのお話も、それでもやっぱり何度も読み返してしまいます。
『青の部屋』の静かなラブラブっぷりが好きです。
リウクレアもヘルジェールも好きなんです。

まだショートストーリーその他すべて読み切れていないので、読みます!
この世界観のお話はこれですべて読めました(やったー!)次に気になっているお話も読みたいです。


この一週間それぞれの記事に拍手くださった方々、どうもありがとうございました♪

カテゴリ: オンライン小説

タグ: no-seenflower 

『Babel』その他お話 no-seen flower 

相変わらずオンライン小説にどっぷりな私の読了記録です。

Babel』 (no-seen flowerさま)
この前に感想を書いた『Unnamed Memory』(感想→こちら)と同じ世界の数百年後のお話。
こちらはいわゆる異世界トリップものの長編ファンタジーでした。
タイトルからなんとなくイメージする、ことばにまつわる物語。
『UM』とは、独立した全然別の物語でしたが、そこかしこに共通する設定や子孫やあれこれも出てきたりして、読んでいて二重に楽しめました。

以下の感想は、明らかにネタバレかなーという部分はすべて反転させました。

文系大学一年生の水瀬雫さんが、妙な穴に引きずり込まれて異世界の砂漠に放り出され、途方にくれてたどり着いたある町でひとりの魔法士の青年に出会い、帰る方法を求めて共に旅に出る……、物語はそんな風にはじまります。
真面目で芯が強い文系女子の雫さんと、研究者肌の魔法士エリクの、独特の淡々としたテンポの会話と、ふたりの間ににじみ出るお互いへの気遣いのあたたかみが、読んでいてとても好きでした。
特に言葉について知的探求心旺盛なエリクは、旅をしながら雫に日本語、英語、ドイツ語まで手ほどきを受けています。
対する雫の方も、大学一年生にしてはとてもとても教養が深くて、彼女の方もエリクほど極端でないにしろ、勉強が好きで勉強家なんだろうな、と思わせられました。私なんて学生の頃、四年かかっても雫の境地に至れてなかった気がする……。
雫の世界(つまり日本)のあれこれに対しての、エリクの斜め上の理解と突っ込み、そこに脱力しつつざっくりかえす雫の解説が、どれも妙に面白くって。
鮪なんて知らないくせに、鮪の字を気にいって何度も練習するエリクの姿は笑えました。

ティナーシャとオスカー達みたいに、本人たちがとんでもない力の持ち主ですべてをぶっ飛ばしていった(笑)姿に比べると、雫とエリクの旅の道行は、まだだいぶと落ち着いていましたが、それでも十分波乱万丈で、幾多の困難が待ち受けていました。
自分にできる以上のことを頑張って頑張ってそれが何でもないことのように微笑む雫の姿がいとおしい。
そんな雫を、保護者のような、パートナーのような距離感で、淡々とでもしっかりサポートし続けるエリクの姿が、読んでいて胸があたたかくなりました。

雫に懐いた使い魔のメアちゃん、可愛い。出会いの話もちょっと切なくて好きでした。
例のファルサスの王様とその妹、ファルサス関係でエリクの過去も少し。
ファルサスというので重なりを期待していたら、予想外に冷たくて(まあ理由を考えれば無理はない……)、でも最終的には、やっぱりいいひとたちだな、と思いました。後に和解しても、どうしようもない困った王様でしたけれど!(笑)
そのあとまた理不尽な理由から連れてこられたキスクの王宮、最初は壮絶な環境に息をのみましたが、それでもひたむきに自分を信じる幼い少女をまもり頑張り、自分の信を貫き通す雫の姿に、暴君としてふるまっていた王妹オルティアはじめ周囲が少しずつ変化していくさまが、とてもよかったです。雫とオルティア、全然違う同い年のふたりは、全然分かり合えなかった始まりから少しずつ関係を変えていき、どちらも成長していきます。
Act3を読み終えてみれば、ファルサスの兄妹より、キスクのオルティア姫と従者のニケコンビの方が好きになっている私がいて、自分でもびっくりでした。(ファルサス兄妹ももちろん好きですが!)

お話の衝撃的どんでん返しが、この作品の場合は言語の相違に関することで(またネタばれなので詳しくは書けず……)、言語学系ネタに弱い私にはたまらない展開でした。ぞくぞくします!
『UM』ともかかわってくる世界の仕組みに、正面から抗って、人間としての誇りを守るために覚悟した雫。王様との会話に涙して、エリクの必死さにまた涙して……間に合って、良かった!!
(少なくとも本編の時点では)、ロマンス要素ほぼ抜きで、大事な選択をする雫。よいラストでした。本編のラスト自体は『UM』よりも好きだなあ。
何が好きって、図書館の本をあそこまで大切に持ち歩き続け、最後にはきちんと返却した雫の国宝級の律義さが、もうとっても好き!


その後の短編集も、どれもかゆいところに行き届く良いお話ばかりでした。
『幸福の色』なんともこのふたりらしい誤解からはじまる結末!それでいいのか!と若干思いつつ、ふたりがとっても幸せそうで、本当に良かったです。
あと裏に救いようのない不憫なひとがいた……(苦笑)。

里帰りのお話もよかったです。姉妹仲もまたあったかくて愛おしかった。
あと、雫が作中で作るおやつの数々が、どれもさりげなく美味しそうで、読んでいて自分も食べたくてしかたなくなりました。
フレンチトースト(パンプティング?)ににんじんケーキにどら焼きに蜂蜜レモン(デウゴ)……、あとチョコレートはやっぱり偉大ですね。
雫のお手製菓子を食べながらくつろぐふたりの場面は和みました。

あと、『UM』と『Babel』複合の企画もの番外編が、ものすごく充実していて、読んでも読んでも終わらない!(まだ読んでます)すごく楽しいです!!
皆キャラがしっかり立っているから、パラレルものも楽しくてしかたないです。
雫の帰省話の裏サイドのティナーシャ日本珍道中の話が特に好きです(笑)。雫たち日本人の視点でティナーシャの容姿を見つめなおせたことで、彼女の美貌が具体的に頭の中でイメージすることができるようになりました。ティナーシャ大好きな私には美味しすぎます。
帰ったあとにクマのパンケーキを食べつつ妻と会話するオスカー……。だめだ、笑いが止まらない。ギャップが可愛すぎます(笑)。
逸脱者の夫婦の元気そうな姿も拝めてよかったです。王と王妃であったときより自由にのびのびしているようでもあり。
どれほど時を重ねてもラブラブなふたりににっこり。こけしの媚薬の話のオチが……ごちそうさまです。
いつまでも損なわれないティナーシャの無邪気な可愛さと深い愛情が好きです。まるでこの世界での母親のように雫の相談に乗るティナーシャさんもよかった。
ティナーシャの両親のエピソードや、ファルサス王夫妻であったころのエピソードや、色々読みました。色々よかったです。


あと『将軍と黒猫』『Unnamed memory』のサイドストーリー、『Icy prayer』も流れ上読んじゃいました。
ずぶずぶとこの世界の沼にはまっています。幸せです。

ティナーシャと雫は、どちらもとても私好みのヒロインで、どちらがより好きかは、そのときの気分次第だな、と感じました。
図書館からはじまる異世界の旅もいいものです。図書館本の返却の行方はいかに。(え、あまり関係ない?)
……さあ、また続き読んでこようかな。(ループ)


ここ一週間くらいにそれぞれの記事に拍手くださった方々、どうもありがとうございました♪

カテゴリ: オンライン小説

タグ: no-seenflower