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ようこそいらっしゃいました。すてきな書物と美味しい食べ物をどうぞ。

最近のオンライン小説読みの記録(2017年冬~早春編) 

この冬くらいからのオンライン小説読了簡易感想メモです。

うちには騎士がおりまして』皐月さん
塾の事務員として働く優には、とある秘密がある。
毎週金曜日の夜。優の部屋にやってくるのは、異世界の騎士。名をシズレー。
彼とたわいない話をする仲になった優。そんなある日、彼が遠征に行くのだと言い出し——。

連載中。
一風変わった異世界トリップもの。職を持つ大人同士の地に足の着いたロマンスが好感度高い。
塾の事務員として理不尽なことにも耐えて頑張って働く優さんに必死にエールを送りつつ、想い合っているのにすれ違う恋人たちの姿にやきもきしつつ、異世界で優さんが事務員スキルを武器に頑張っている姿に小気味よい気分になりつつ(笑)。
殿下に振り回されつつも向こう側の世界で正統に評価され生き生きと頑張っている優さんの姿が好きだな。
とことんすれ違っている優さんとシズレーさんが不憫すぎるので、なんとか色々上手くいきますように!!更新のたびにお祈りしています(笑)。はやくふたりでたわいない楽しい語りあいのひとときを取り戻してほしいです。あわよくばその次のステージも期待したい。殿下のロマンス話(?)も気になります。

碧の独善』 花売りの少年

政略結婚で他国に婿入りした王子と、彼に仕える女騎士をめぐる、分かちがたい絆と罪と愛の物語。完結済。
シリアスモードな異世界ロマンスものファンタジー。
文章や世界観、各固有名詞の硬質で透明感のある美しさ、人の生きざまの激しさ、愛する心の強さ、狂おしさ、色々なものがせめぎ合っていて、サディアスの側に凛とたたずむアンジェリカが不憫で、とにかく幸せに、幸せになってほしい!!と、一気に読んでしまいました。
なかなかえぐい展開にもなりましたが、その中でも特に女性たちの強さが光っていたように思います。
アンジェリカがいちばん好きですが、クラリッサもすごい辛い思いして頑張って成長して大好きでしたし、複雑な立場で誇りかに戦うミシェーラも良かったですし、ニーナとノーマもだいすきです!
こちらの作品にとにかく惚れ込んでしまって冊子版も購入させていただきました。表紙の青が本当に美しくて感激です。
サイト様の別作品もまた読ませていただきたいです。

運命は時が連れてくる』 Tiny garden

失恋したばかりの女性が、アパートの隣に引っ越してきた美容師の男性とふとしたきっかけで知り合って……からはじまる現代ものロマンス。完結済。
お馴染みTiny garden様の新作シリーズ。完結済。
こちらのサイト様らしい、穏やかで優しくて読んでいて幸せになれるラブロマンスでした。
ベタといえばベタなお話ではありますが、そこがいいのです。
クロノくんの甘い微笑みと優しさにすっかりほだされてしまいました……。美容師さんという職業も似合っている。
都さんにクロノくん、名前の響きがきれいで素敵だなと思いました。プラネタリウムや星のエピソードとも上手く絡められていて。
癒されたいときに読むにはとてもいいです。

最近のTiny garden様のお話の中では、『ナインカウント』のバレンタイン&ホワイトデー番外編が、ときめき度満載で読んでいて幸せでとても良かったです……!!豆腐二十丁分の愛ですね!

赤い糸、白い羽』はなさん

ほんのちっぽけな特別な力を持つ「私」が、ある日地下鉄の車内で出会ったイケメンさんと、おかしな関わりを持つようになるお話。完結済。
はなさんの作品、やっぱりいいなあ(ほわわん)。
お人好しで不器用で世渡り下手な女性が報われるお話が、私は大好物です。
こちらの作者さんのこの作風のお話は、川原泉さん漫画の世界と似た空気を感じて、特に好き。
ワコさんと加納さんの飲物のチョイスのエピソードが和みます。
後日談のお友達視点のエピソードも、ほっこり心温まりました。おしあわせに!

月の花』はなさん

感情表現が苦手で口下手な高校二年生の鏡花と、陽気で顔もアイドル並に可愛くて、自分の気持ちと欲求にも素直な一つ年下の拓海、そんな二人の日常。完結済。
一話ごとに、主役二人、その家族や友人達、視点がひとりずつ移り変わっていくスタイルで描かれる、高校生カップルのロマンス。
幼馴染もの、年の差ロマンス、不器用で無愛想だけど心根の優しいお姉さんヒロイン、お姉ちゃん大好きでその彼氏を敵視している妹、ヒロインにべた惚れなヒーロー、個性的で気のいい友人達……。諸々、私好みの要素てんこ盛りの、素晴らしい作品でした。
月の花、という美しいタイトルの通り、わいわいにぎやかで楽し気な日常の中に、ひどく美しくて切ない純度の高いラブロマンスが描かれていて。読んでいて心打たれました。
鏡花ちゃんみたいなヒロインはやっぱりというべきか私の好みストライクで、彼女が感情表現下手なりに、拓海くんにちゃんと恋していて想いをあらわしているところが、もう本当に可愛らしくって!じたばたします。
拓海君のどこまでもあけっぴろげで積極的な愛情表現も楽しい。周囲に冷たく突っ込まれ続けてもめげないぶれない拓海君が大好き(笑)。
拓海君の友人ふたりがなんかいい味出していて好きでした。和葉ちゃんとか雪菜ちゃんとか鏡花ちゃんラブな女の子達も大好き。雪菜ちゃんの彼氏君もちゃんと報われるといいな……。

あとは、『京都寺町三条のホームズ』シリーズのエブリスタ版を読んでいたり。『no-seen flower』様の小話を読んでいたり。
気になっているオンライン小説、他にもかなりあるので、ぼちぼち読んでいきたいところです。

カテゴリ: オンライン小説

『鎌倉香房メモリーズ 5』阿部 暁子 




花月香房にようやく戻ってきた雪弥。
彼との距離に戸惑う香乃だが、そんなふたりと花月香房には、香りにまつわる謎が今日もぽつりぽつりと持ち込まれる。
祖母の古い友人が持ち込んだ香木、行方不明になった仏像、源氏香で書かれた暗号。
雪弥と共に、親しい人に関わる謎を紐解いてゆく香乃が、やがて見出すものは——。

『鎌倉香房メモリーズ』シリーズ第五弾にして完結巻。
表紙の桜と、満開の笑顔で手をつないでいるふたりのイラストが、美しくて幸せいっぱいで、ただ眺めているだけで心が満たされます。
実際に読みはじめても、最初から最後まで、とにかくすべてが愛おしくて。
満ち足りた気持ちで読み終えることができました。
香乃ちゃんと雪弥さん、良かった。本当に良かったです。

前巻で辛い別離のときを乗り越えた香乃ちゃんと雪弥さんのふたりは、何があってももうお互いの手を放すことはけしてないだろうなと、ある意味安心して読み進めることができました。
相変わらずのスローペースさにもう!ともどかしくなりつつも、ふたりらしかったです。
ほんのときたま、想いが目に見えるかたちであらわれるときめきポイントが挿入されていて。
あまりの奥ゆかしさとかわいらしさにどぎまぎしたり、ちょっとおかしくて笑ってしまったり。やっぱりそのすべてが幸せで。
ふたりを見守る三春さんや友人達の姿にもまたあたたかく優しい気持ちになれました。

ひとはどうしても強く正しくばかりは生きられなくて、弱い心に逃げたり迷い間違えて後悔してばっかりだけれど、そういう部分もすべて否定せずに優しくくるみこんでくれるこの物語の持つ空気が、やっぱり本当に大好きで愛おしいなあと思いました。
おどおど内気でやっぱりちょっと世間からずれてる香乃ちゃんが内に持つ懐深さや優しさにもう私は感動を覚えずにいられない……!!

お香についての小ネタ、鎌倉の街の描写、今回は仏像や茶道のことや、色々なうんちくもさらりと楽しく読めて満足。


さて、ここからはネタばれありの感想語りです。


『花守の送り歌』
三春さんと桜子さんの女学校時代からの因縁のバトルに笑いました。たじたじになっている若者ふたりがおかしい。
そうは言うものの話を聞いてみるとお互いちゃんと認め合いはしているようで。桜子さんのとことん素直じゃないところが愛おしいなあと思いました。ふふふ。過去エピソードの三春さんがいかにも三春さんです。
桜子さんの秘め恋は薄々感じ取れるものではありましたが。切ない。歌が切ない。
あと花野さんと桜子さんのふたりのエピソードも、迷い苦しむ花野さんが道を見出していく過程がいかにもこのシリーズらしくて、とても良かったなあと思いました。
あと香木ができるまでの過程のエピソードが印象的で。傷ついてこそ人に愛される香りを生み出すとは。いいな。
ラストの雪弥さんの「お手をどうぞ」がさらりと格好良くてときめきました……!香乃ちゃん可愛すぎですよね。めろめろですよね!

『蓮のつぼみが開くとき』
もうもう、香乃ちゃんとチヨちゃんのふたりの友情が可愛すぎて最高でした……!!
雪弥さんにぽそぽそ嫌味を言い続けるチヨちゃんと何も言い返せない雪弥さんのふたりの図が新鮮(笑)。
チヨちゃん本当に香乃ちゃんのこと大好きね。でも香乃ちゃんと出会い友情を結ぶまでのことを知ると納得もしました。お互いがお互いに出会えて本当に良かったな~。としみじみしました。
女子会でアイスクリームの交換して「香乃ちゃん……」「チヨちゃん……」とお決まりの手に手を取り合い永遠の友情を誓い合うふたりの姿を思い浮かべるだけで可愛くてじたばたしてしまいます。
あとチヨちゃんのお兄さん、ずっと密かに気になっていました。なんというか自由なおひとで、でも読むごとに実は思慮深くて家族思いのいいひとだなあ、とじわじわ好感が。
ひいおじいちゃんのエピソードも胸がぎゅうっと痛みましたが、良かった。チヨちゃんと理久さんたち一家の家族愛も、香乃ちゃんの葛藤とそれを解きほぐす雪弥さんも、すべて。
伊助さんのお茶目なところがとても素敵だなときゅんとしました。ひいおばあちゃんと結ばれるまでのエピソードも良い。

『小さなあなたに祝福を』
なんだか懐かしいなあ……!響己さんお元気そうで安心しました。エカテリーナも。
そしてひな人形の贈り主の正体に、ほっこり。
響己さんの奥さんのナナさんのお人柄が格好良くて惚れ惚れしてしまいました(笑)。
しらすピザにプリンが食べたくなってきました。

『ふたり、手をつないで』
最終話、高橋さんだー!やっぱり高橋さんが出てきてくれると嬉しいです。
結局最終巻まで「(自称)親友」の(自称)が取れないところが、不憫すぎる高橋さん……。プレゼントのことをうっかり当人にばらしてしまい、青ざめて催眠術をかけている高橋さんと、素直に必死に忘れようとしている香乃ちゃんの場面が可愛くておかしくて笑える……。
シノヤさんとクレアのエピソードと源氏香の暗号がとても上手く絡められていて、ロマンティックできゅんきゅんしました。
お寺めぐりでちょっと格好つけたり気遣ったりするシノヤさんが一大学生としてとても等身大で、恋に落ちた姿がとても可愛く映りました。でも彼の葛藤も分かるんですよね。
その暗号が次から次へと人の手を渡り、それを解き明かしたひとが、そうつながるのか!
なんというか、このシリーズのこれまでのいくつものひとのつながりを順にたどっていっているようで、最終話らしくていいなと思いました。鎌倉市民の味方・みずきさんが最後まで格好良すぎます(笑)。
各務さんは、実際に登場してきて香乃たちと言葉を交わす姿を見ていると、なんというか。普通のいい人だな。と。
過去にああいう経験をした彼だからこそ、シノヤさんにああいう風に背中を押すことができたのだろうし。
複雑な思いはあるのでしょうが、けして彼を嫌ってはいない雪弥さん、そんな雪弥さんをシンプルに肯定する香乃ちゃん。なんだか、良かったな。思っていたより優しい人間関係に、ほっとしました。
和馬さんの気持ちも分かるしね。素直じゃないなーこのひとも……。
香乃ちゃんの、最後の最後の自己肯定の場面も、ここまでたどり着けたのが、良かったなと。
最後の香乃ちゃんと雪弥さんのやりとりも最高でしたね!
それは確かに香乃ちゃんみたいな奥手の女子高生には、はっきり言わないと伝わらないよ~。
(そして殿岡君みたいな存在もいることを、雪弥さんはもう少し危機感を持っていた方がいい……。)
でもこれからこのふたりはずっと、けして手を離さずに、共に未来を歩んでいくんだろうな。
何の疑いもなく、信じて安心して頁を閉じられるのが、私もとても幸せだな。と思いました。
雪弥さんのことだから、今からとっても堅実な未来計画を、頭の中で組み立てていそうです。

綺麗にまとまって完結していますが、これで終わりとはなんだかちょっと寂しくもあるのが正直なところだったりします。
なんといっても心残りはチヨちゃん。チヨちゃんがお婿さんを迎えるまでのエピソードは、ぜひ読んでみたい。
高橋さんが若干いい雰囲気なのかしら。二話目の冒頭、そもそも理久さん、高橋さんのこと偵察に来ていたんですよね。(多分)
うーん、スピンオフ集一巻くらい出ませんかね……。和馬さんとみずきさんの過去エピソードなんかも(怖いもの見たさで)ちょっと読んでみたい。

桜のほころび始める季節にふさわしい、幸せで元気を取り戻せる読書のひと時を過ごせました。
素敵なシリーズに出会えた奇跡に、あらためて、感謝。


ここ二週間くらい?それぞれの記事に拍手くださった皆さま方、どうもありがとうございました♪

カテゴリ: オレンジ文庫

タグ: 阿部暁子 

『灰の見る夢』感想(Unnamed Memory) 

大好きな大好きなno-seen flowerさまのmemoriae シリーズの同人誌が出ましたので、さっそくネットでお取り寄せ。
今回は特に、シリーズ内でも私が一番大好きな『Unnamed Memory』の直接の番外編的なお話。
いつものふたりが主人公!わーい、そんなの楽しみに決まってます!

あとがきとかにも書かれていたように、シリーズ未読でも楽しめるお話かと。おとぎ話風味でボリュームも控えめでとっつきやすいです。それでいてMemoriae シリーズの緻密な世界構成と端正な文章と魅力的なキャラと各種読みどころはしっかり楽しめます。
そしてお気に召されたらぜひぜひ本編も読みましょう!読んで!

そしてもしシリーズ既読の方で興味を持たれた方も、ぜひぜひ、読んでみられることをおすすめします!
良かった。すごく良かったです。届いてから何度目かの再読を終えた私は、今とても幸せ。

以下はMemoriae シリーズネタばれ込みの私の簡易感想メモです。


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カテゴリ: オンライン小説

タグ: no-seenflower 

『おこぼれ姫と円卓の騎士 反撃の号令』石田 リンネ 




『おこぼれ姫と円卓の騎士』シリーズ第16弾。
白魔の山脈を超えイルストラ国にたどり着いたレティーツィア。
フリートヘルム、軍師ゼノンに対抗するため、第一王子ヴィクトルと交渉にのぞむレティ。着々と体制を立て直してゆく。
一方散り散りになったレティの騎士達も、自らの信じるレティのために、それぞれ行動を起こしてゆく——。

『おこぼれ姫と円卓の騎士』の新刊!
クライマックス直前らしいです。次が最終巻。えええー!(動揺)

今回、発売日前からネットで見ることができた表紙イラスト、レティとデュークの甘やかな雰囲気に、読む前から撃沈……。
こんな前代未聞な(笑)ラブラブな雰囲気を醸し出しているのならば、お話の内容にも、ものすごく期待しちゃうじゃないですか。
本当に今回、実際に本を手に取り読みはじめるまで、レティとデュークの仲の進展がいったいどうなっちゃうのか気になって気になって(いや、それ以外ももちろんありましたけど)、そわそわ落ち着きませんでした……(笑)。

前回と同様、一つ間違えれば全てが崩れてしまうぎりぎり綱渡りの展開がずっと続く、シリアスモード。
レティや騎士達がひとつひとつ頑張って前に進み成功を重ねるごとにほっと胸をなでおろしつつも、常にゼノンの不気味な影におびえつつで、まったく気の休まる暇もない。最初から最後まではらはらどきどきでした。

でも、まさに今回は『反撃の号令』なのです。とことん追い詰められたレティ達が、それぞれの場所で反旗を翻す。
レティがこれまでの巻で国内外で様々なところに赴き、精いっぱい体当たりで困難を乗り越え困っている人を救い人脈を築き上げ、こつこつ頑張り積み重ねてきたものが、ひとつひとつ報われていっている各場面に、読んでいてじわじわ感動がわきあがってきました。
レティの騎士たち一人ひとりもそれぞれの場所でそれぞれの特性を生かして、実にいい仕事しています。レティと騎士達、騎士達同士の信頼関係もすごく良くて、こちらもこれまでこつこつレティが築き上げてきたものの大きさを改めて思いました。

レティの優しさやお人好しさは、レティ本人が散々思っているように「欠点」ではあるかもしれないけれど、同時に彼女最大の「武器」でもあるんじゃないかと。
レティに救われ彼女を敬愛する人々が彼女に手を差し伸べ救っていく展開に、どんどん確信が増していくようなお話の流れが、読んでいてとても心地よい。
賢さや誇り高さや美貌も武器にしつつ、その人として一番大切な部分は昔からまるでぶれのないレティ。
そんな彼女だからこそ女王様に一番ふさわしいと、思っている人は、きっといろんなところでいっぱいいるんだよ。
お城の武器職人さんや城下町の人々のレティ評を読み胸をあつくしながら思っていたこと。


ここからはネタバレあり感想メモで、お願いします~。


序盤のヴィクトル王子との駆け引きは、さすが王族間といったところ。したたかで頭の切れる女王様レティ格好良かった。
シャルロッテ姫との女子会もあったようで、心和みました。シャルロッテ姫は恋愛に関しては本当にするどいなあ。さすがです。彼女の存在がサヴェリオを優秀なひとに成長させたのだとすると、なにげに侮れない。
その次はノーザルツ公。優秀で苛烈なお人なのですがもはや可愛い要員にしか思えなくなってきた(笑)。共同戦線を組むと頼もしいですね!
あとソレス王子とアナスタシアとのそれぞれの再会の場面、挿絵込みでとても印象的で、今の状態のレティにとって本当に彼らの応援が心強くて、こみ上げてくるものがありました。
レモンが似合う爽やかな好青年というイメージをまといつつソレスはなんて頼もしいんだろう。安心感が違いました。
女帝アナスタシアの無償の優しさと友情もまた、染み入りました。

今回グイード殿下もコルネリア姫もそれぞれ良かった。レティ似の妹姫コルネリアは地味に私の贔屓キャラだったので嬉しいです。イラストのコルネリア姫可愛らしくて満足です。
グイード殿下の思惑を遠く離れたところではっきり理解し受け止めたレティがさすがだと思いました!
ようやく初登場の王様。何だかいろいろと感慨深い。
フリートヘルムの方にはそんな噂があったのか。確かにグイードとレティがそっくりならばそういう考え方もあるか……。

高潔なイメージそのままでどんな場所でも年長者ならではの余裕を失わずお茶目なクレイグさん健在。そのイメージをそこで使うとはさすが!最終的に上手くいったようで胸をなでおろしました。
アイリーチェとシェランの二人のエピソードは印象に残りました。彼がそんな風に思っていたとは。
ウィラードもデュークもみんなそれぞれの仕事ひとつひとつは地味なんだけれど、ひとつひとつ堅実に実行し、それぞれが効果を出し……、そういうのの積み重ねでひとつの大きな反撃の歯車が回っている感じなのが、読んでいて爽快で、これこそこのシリーズの魅力!とうなってしまいます。
騎士学校に仕組まれたネタにちょっと笑って和みました。

肝心の(?)レティーとデュークの甘々な場面は結局エピローグまで持ち越されましたが(笑)、いえ、十分に、堪能させていただきました!
物理的には「驚くほど何もありませんでした」なのかもしれないですが、こんなにまっすぐに気持ちが通じ合えた二人を拝めただけで、もう十分満足です。デュークの飾り気のない褒め言葉にあわあわしているレティが可愛すぎて、もう!
「寧ろ、面白みのないくらい普通の趣味……というか、良い趣味しているつもりだ」云々のやりとりがいかにもレティとデュークで、読んでいてきゅんきゅんしまくりましたし、やっぱりこの二人大好きだな!と改めて思ったのでした。
そして恋愛というものをまるで分かっていないアストリッドとメルディのふたりに適切な助言を与えるアイリーチェがまさに「女王様のできる侍女」としてはまりすぎで、さすが恋人持ちなだけはありますね。
アイリーチェといえば、デュークとアイリーチェのやりとりで、「貴方になにかあれば王女様が悲しみます」「そうだな」あたりの会話とアイリーチェのモノローグが、また大好きな場面でした。
人間として互いに認め合っている上での恋愛って、たしかに、とてもすてきです。
確かに障害ばかりのふたりかもしれないですが、こうやって腹をくくったふたりなら、どんな道でも開けるような気がしてきました。
(そしてアストリッドとメルディの二人コンビはやっぱりいいなあ。和みまくりました。)

ラストのゼノンの非道さ周到さにまた胸が悪くなりましたが……。フリートヘルムの方で、何か考えているね。
やっぱりフリートヘルム兄様はこれで終わってしまうキャラではないですよね!最後の最後でどんでん返しをしてくださると信じています!

レオンハルト殿下もグイード殿下もみんなみんな、ラストでは元気で笑顔でレティの側にいてくれるといいな。信じています。
きっとレティと彼女の騎士達ならなんだってできるよ。

初夏に出るという最終巻が、とても待ち遠しいです。
大好きなシリーズが終わってしまうのは寂しいけれど……。気が早いですが、番外編とか待っていますから!

アニメイト限定特典のショートストーリーも楽しかったです。
「愛人王」!なるほどね!と膝を打つやりとりでした。レティの懐深さが格好良すぎるしメルディの言葉を聞いたとたん不機嫌になり発言を取り消す乙女心が可愛すぎました。


この一週間くらいにそれぞれの記事に拍手くださった方々、どうもありがとうございました♪

カテゴリ: ビーズログ文庫

タグ: 石田リンネ 

『わが家は祇園の拝み屋さん』シリーズ 望月 麻衣 




東京に住む小春は、中学の終わりに、ある理由から不登校になってしまっていた。
そんな小春は、京都に住む祖母の吉乃の提案で、祇園の和雑貨屋「さくら庵」で住み込みの手伝いをすることに。
吉乃や叔父で和菓子職人の宗次朗、美貌のはとこ・澪人などにぎやかな家族にかこまれて、少しずつ小春は心を開いてゆく。
そんなさくら庵は、実は少し「不思議な」依頼がやってくる店で——。


『京都寺町三条のホームズ』シリーズの作者さん、望月麻衣さんのもうひとつのシリーズもの。
ホームズさんの方と同じく、関東で育った少女が京都に移り住み、少女の視点からながめる京都の街やひとびとのすがたが楽しい。京都ネタも程良くお話に織り込まれ京都弁の響きが良いのも、ホームズさんシリーズと同じ。
登場人物が皆癖があっても嫌味がなく人が好く、読んでいて癒されるのも、おんなじ感じ。

なんというか、ホームズさんの方に比べて、より少女漫画チックというか、女の子の物語という感じ。
ホームズさんの方は、葵ちゃん視点から語られる「ホームズさん」が主体だけれど、こちらはヒロインの語り手の少女「小春ちゃん」が主体ということかな。小春ちゃんは葵ちゃんに比べてロマンス面でもやや積極的でかわいい。
友風子さんの美しくて透明感のある水彩画タッチの表紙のイメージそのままに、はんなりと優しい印象を受けます。
(いえ、小春や澪人が抱える秘密はかなり重たく辛かったりシリアス成分もしっかり描かれているのですが、読み心地は重たくなりすぎず読後感はふんわり優しく可愛らしくて、バランスがとても良いと思います。)
あとこちらのシリーズはファンタジー要素あり。一巻目の時点では日常の物語に不思議要素少し、という感じでしたが、シリーズが進むにつれて、不思議要素もしっかりと描きこまれてきて、もともと和風歴史ものファンタジー、特に日本古代もの大好きな私にはかなり美味しい展開になってきました。

基本生真面目でがんばりやで可愛らしい女の子の小春ちゃんも、ミステリアスな美貌の青年澪人くんも好きだし、宗次朗叔父さんも吉乃さんも好きです!
個人的に宗次朗さんと吉乃さんの勝気な頑固者親子がいつも繰り広げるぽんぽん遠慮のないやりとりが好きです(笑)。和みます。
あと宗次朗叔父さんの作る和菓子がどれも非常に美味しそうなのです!

各巻ごとに少し感想メモを。特に4巻目はネタバレご注意ください。

1巻目
シリーズ顔見せ的な。小春の抱える秘密が少しずつわかってくるごとに辛くて胸がきゅっと痛くなって、そんな彼女が京都の祖母の家でにぎやかさにかこまれて少しずつ癒され自分を出せるようになってゆく過程が、とても良かったです。
吉乃さんのもうひとつの顔が普通ではないんだけれどそんなに気を張ってなくて、あくまでふわっと普通のお店の日常の一部という感じが、なんかこのシリーズの持ち味というか、いいな。弥生さんと吉乃さんの関係も微笑ましい。
東西の魅力を組み合わせた桜餅にミニあゆがまさにこういう和菓子を食べてみたかったの!というツボをことごとくついてくる感じでとってもおいしそうです。
憧れの人にパジャマ姿を見られうろたえる小春ちゃんがかわいい。杏奈さんとの女子トークもかわいいです。
最終章の不思議な夢から思いがけず大きな展開になりびっくりしました。
神泉苑、荻原規子さんの『薄紅天女』を読んで以来個人的にも好きなところだったので、こういうかたちで登場してなんだか嬉しかったです。




2巻目
小春が両親に秘密を明かす場面は痛々しくてとても辛かったけれど、最終的には和解できて、本当に良かったです。
再会したクラスメイトとのやりとりも胸がえぐられましたが、颯爽と登場した杏奈さんが語った宗次朗さんの62頁の台詞がすごく良かった……。祝いの言葉を言ってくれる表の顔も妬みの裏の顔も、どっちも本心なんだから、片方だけで判断するなって、目から鱗。十代の私に聞かせてあげたかったです。
そして塔の少女のお話、真相はいくぶん優しくて、何より小春ちゃんにお友達ができたのが良かったな。
若宮君が小春ちゃんの頼れるナイト役で普段の姿が可愛らしくていいなあ。ふふふ。
そして澪人さんの背負っているものが重たくて、しんとした心地になりました。このあたりからの澪人さんと宗次朗さんのイケメン京男二人組の場面がなんか味があって良い。
栗茶巾も黒豆チョコもおいしそうです。




3巻目
表紙の着物&エプロン姿の小春ちゃんと愛衣ちゃんがとても可愛らしい。これは学園祭のときのですね。
宗次朗叔父さんの助言を得ての小春の学園祭のお話が楽しそうでとても良かったです。抹茶栗大福すごく美味しそう。
小春と澪人、それぞれが色々惑いつつも、一歩前進、成長を感じた巻でした。まさか澪人さんがそっち方向にイメチェンするとは……(絶句)。達観しているようにみえるけれど、澪人さんもまだ一大学生だったんだな。
吉乃おばあちゃんの過去エピソードがしんみりと切なくて、そして小春の血筋の秘密の一部が明かされおおっとなりました。小春のお祖父ちゃん只者じゃないな……。
小春が見るようになった過去の夢。ロマンティックで私が大好きな平安時代っぽくて何より幸せそうで素敵。
吉乃おばあちゃんから受け継がれてきた柚子のお粥のエピソードが良かったです。三色串団子も美味しそうです。
狐さんのお話も心温まり良かった。狐さんと巫女さんたちの場面を想像するととても微笑ましく可愛らしくて頬がゆるみます。




4巻目
意味深なタイトルに背中合わせの表紙のふたり。まさに急展開!
お正月に訪ねた賀茂のおうちは、私が思っていたよりは堅苦しくない家庭的なおうちでした。(色々普通ではなかったですが。吉雄さん、さすが吉乃さんの弟さんなだけあって只者ではない。)
そして小春の夢の秘密が明らかに。
玉椿と若宮と……前世においてはそういうことだったのか。と。雅な世界観にうっとり。(平安もの大好物な上に前世ものにも弱い私)
ひたむきに若宮を慕う玉椿がいじましくてとても可愛らしくて、読んでいて幸せでした。それだけにあの結末は辛い。玉椿も辛いし左近衛大将も辛かったです。
現世における若宮君とのつながりが気になっていたところに、ラスト付近で思いがけないところからいくつもつながりの矢印があらわれて、ええっいったいどういうことなんだろう!(混乱)
澪人のお兄さんがキーパーソン?と思ったところで、ラストの澪人の発言と落ちた椿の花の場面はどういうことだ!まさか小春ちゃんへの接し方も過去の何かが理由なの?
バレンタインの小春ちゃんは、本当につらかったけれど、でも正面切って逃げずに勝負に挑んだ小春ちゃんは、すごくよく頑張った。えらかったです。
そして分からないのが三善君。絶対何か裏の顔がありそうなんだけど……。
あと前世における若宮のお天気についての言葉は、結局どういうことだったんだろう。このタイミングで若宮君が姿を消しているのも気になる。
椿の花の落ちるころ、とラストの澪人の和歌の場面が、ひどく美しくて切なかった。
これは続きが気になるよ~!!!
コウメちゃんとお別れするのも寂しいし。

望月麻衣さんのブログや、かつくらの特集などで、シリーズの裏話や設定集など色々読めたのも楽しかったです。
ホームズさんシリーズとのコラボ短編は笑いました。(清貴君のギャップが面白すぎて)

さらさらととても読みやすく可愛らしいお話で、ちょっと軽めのお話が読みたいとき、心が疲れているときなどの読書におすすめです。
京都、陰陽師もの、時代もの、現代学園もの、いろんな要素がほどよく取り入れられていて、世界観に深みがあるので、意外とと言ったらなんですけれど、読み応えありますよ。
友風子さんの表紙イラストにピンときた方なら、ぜひぜひ。


この一週間くらいにそれぞれの記事に拍手くださった方々、どうもありがとうございました♪

カテゴリ: ファンタジー(和風)

タグ: 望月麻衣 

『かつくら vol.21 2017冬』 




かつくら』冬号、記事にするのは遅くなってしまいましたが、発売日前後にばっちり買ってきてました。読みました。

冬号恒例、マイベストブック記事がポイントです。毎年ながらに充実感いっぱい。
作者さんインタビューも楽しく読みました。
荻原規子さんの『RDG』のスピンオフというのが非常に気になる。
村山早紀さんの新作もとてもとても楽しみです。Twitterの方では私が中学生の頃からずっと愛している『はるかな空の東』関連の情報もキャッチしましたし!ついに!
編集者さんアンケートも読んでいると興味深い本がいくつも。
部屋の積み本の山との兼ね合いがね……(苦笑)。

そして今回特に楽しみにしていたのは、ちょうど『京都寺町三条のホームズ』シリーズにはまっていたところでの、作者さん望月麻衣さんのインタビュー記事。
すでにご本人様のブログやエブリスタ版の小エピソードや色々追っかけて読んでいる私には、すでに読んでいた内容も多かったりしたのですが(笑)、でもでもたいへんうれしく読みました。清貴の標準語&京都弁のバランスの成り立ちとか。
やっぱり今後の展開のカギは円生なのか……。とするとやっぱりシリアスな展開も避けられないよね……。書籍版の続きが早く読みたくて仕方ないです。(パラレルワールド・エブリスタ版のお話ももっと読みたいです。)
『わが家は祇園の拝み屋さん』シリーズの方も、ちょうど最新巻まで読んだところです。こっちのシリーズも好きなのでうれしい!宗次朗さんのキャラの成り立ちが予想外でした。

あと海野つなみさんのインタビュー記事も嬉しかったです。
過去作品リストの充実っぷりがよかったです。数年前くらいに、海野さん作品にはまり古本屋で探しまくってた時期があったのですが、見つからなかった作品のいくつか、やっぱり面白そうだな~。
日暮旅人シリーズのミニインタビュー的なページもあり良かった。

ブックレビューコーナーでは、永瀬さらささんの『嘘つき婚約コンツェルト』と白川紺子さんの『雪侯爵の銀灯師』が縦に隣り合っていて、最近Twitterでの作者さん方のやりとりを楽しくのぞき見させていただいている身としては、なんだか嬉しくなったというか、良かったです。ふふふ。『なんちゃってシンデレラ』も『桜風堂ものがたり』のレビューも嬉しい。
こちらでもいくつか興味深い本を発掘したのですが、部屋の積み本との(以下略)

あと『コバルト文庫で辿る少女小説変遷史』、年末辺りからずっと気になっている本です。まさに人生の半分コバルト文庫を読んで様々な出来事を経験してきた者としては。
ネット上で親しくさせていただいている方々のレビューも心惹かれるし、よし、読んでみようかな。
そういえば私、今号の特集にも取り上げられていた新井素子さんの作品は、なぜか機会がなくほとんど読んでいないなあ。とふと思ったり。


ここ何日かにそれぞれの記事に拍手くださった方々、どうもありがとうございました♪

カテゴリ: かつくら(活字倶楽部)

タグ: かつくら