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ようこそいらっしゃいました。すてきな書物と美味しい食べ物をどうぞ。

『“文学少女”の追想画廊 2』野村 美月、竹岡 美穂 

“文学少女”の追想画廊2“文学少女”の追想画廊2
(2011/05/30)
野村 美月、竹岡 美穂 他

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『文学少女』シリーズのイラスト集2冊目です。
前回に引き続き、描き下ろしイラスト、本文中その他のイラスト、短編、文学語りまとめ等の内容。


やっぱり結構なお値段がしましたが…、いえ、これはもう、本当に良かったです。
『文学少女』シリーズ大好きで、竹岡美穂さんのイラストも大好きな私には、たまらない内容でした。
買ってきた日の夜は、ほとんどの時間、イラスト集の世界にぽーっとひたっていました(笑)。

はじめの描き下ろしイラスト、どれもすごく良かった。
特に桜の樹の下の菜乃ちゃんのイラスト、モノローグ込みで大好きです。淡い桜の色と菜乃ちゃんの表情がなんともいえない…。
その次の、青色の図書館(?)のイラストも、主要キャラクター勢ぞろいで、皆良い表情していて大好き。遠子先輩と心葉君のふたりが何というか「先輩と後輩」で、見ていると嬉しくなってきます。色も透明で美しい。

続くカラーイラストで、特に印象的だったのは…菜乃ちゃんかなあ。
正直言うと、遠子先輩の大ファンの私は、『卒業』を読むまで完全には好きになれないキャラクターだったんですが(ごめんね…)、今イラストですべて見つめ直してみると、彼女の想いが胸にぐっときて。
この子、表情がどれも一途でかがやいていて、本当に良いですねえ。惚れ直してしまいました。
『見習い』シリーズの後に続くイラストが、『半熟作家と文学少女な編集者』なのも、憎いですね(笑)。
後、『恋する挿話集』1巻目の遠子先輩と心葉くんの部活動のイラスト、やっぱり大好きです。
いや、もう全部良いんですけれどね!

文庫収録以外のイラストや、文学少女のスケッチブックも、どれも素敵なイラストばかりでうっとり…。
お花と女の子のDVDのイラストとか、メリー・ポピンズの遠子先輩とか、なんてかわいいの!ドレス着てソファに座っている遠子先輩もきれいで大好きです。
DVDのイラストが載っていたのは、購入していない私には特に嬉しかったです。素敵過ぎますよ!イラスト集に収録してくださって本当にありがたい…。
キャラクターのラフスケッチや竹岡先生、野村先生のコメントも、じっくり目を通してしまいました。反町くんと森ちゃんやっぱり好きだなあ…。作家くんのイラストも良いな。

本文の挿絵で私が一番好きな巻は、『恋する挿話集』の3巻目なのかなあと、ちょっと思いました。
夕歌ちゃんも晴音ちゃんも好みだし、遠子先輩と紗代ちゃんのイラストも好きだし、千愛ちゃんと流人くんのイラストとか、見ているだけで胸がいっぱいに…。

そしてお待ちかねの、書き下ろし短編。
…あ、甘ーい…。期待以上の甘さに、読み返すごとにくらくらきます(笑)。幸せいっぱい。
「遠子さん」のひとことでもう直球にきました…。

快斗くんを心配して学校まで様子見に行ったときのお話、ああやっぱり菜乃ちゃんだ…と微笑ましくなったり、やっぱり快斗くんにやきもちを焼いていた心葉くんににやにやしたり、プロポーズ一連の種明かしにくすぐったくなったり。
心葉くんは当たり前ですけどやっぱり、快斗くんに比べてスマートというか、賢いなあ。
あの片っぽの三つ編み、心葉くん、わかっててわざとやったんですねきっと…。
プロポーズと指輪のタイミングも良すぎ(笑)!(『半熟作家』をちょっと読み返してみた)
指輪のやりとりで遠子さんに言い負かされた心葉くんは、ちょっと面白かった…。それにしてもあの指輪、ちゃんとふたりの元に戻ってきていたんですね。ほっとしました。
「心葉くんのお嫁さんになるんだもの」と言ってるシーンとか、ラスト近くの台詞とか、読んでいる私がとろけそうです(笑)。遠子さんの口からこんな言葉が出てくると、もう可愛すぎて仕方がありません。
「尊敬の倍くらい、愛情を込めるよ…」以下のやりとりも微笑ましいな。良いのかしら遠子さん(笑)。
それにしても快斗くんはふられる予想ですか。クールですね心葉くん(苦笑)。

うーん、このお話だけでご飯が何杯も食べられそう。心から、ごちそうさまでした(笑)。
やっぱり心葉くんのあのプロポーズは、最高ですね。それを受けてのラストの遠子さんの台詞も素敵でした。
ふたりとも、お幸せに!

―短編にちょっと語りすぎました私(笑)。


大きいサイズのイラストがどれも本当に素晴らしくて、見返すごとにお話のひとつひとつのエピソードを改めて思い返してはひたれるので、まだしばらくは楽しませていただこうと思っています。
本当、シリーズを一から再読したくなってきましたよ…(笑)。


心残りがあるとすれば、大人になった心葉くんと遠子さんのふたりをイラストで拝めなかったとか、まあそれくらいでしょうか…。「想像」でおぎなうことにします(笑)。
後はもう十二分に満足しました。繰り返しですが、本当に良かったです!


カテゴリ: 『文学少女』シリーズ

タグ: 野村美月  竹岡美穂 

『半熟作家と“文学少女”な編集者』野村 美月 

半熟作家と“文学少女”な編集者 (ファミ通文庫)半熟作家と“文学少女”な編集者 (ファミ通文庫)
(2011/04/30)
野村 美月

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売れっ子高校生作家・雀宮快斗の元に新しくやってきた担当編集者・天野遠子嬢は、清楚な美人。
けれどもいきなり本棚の前でグルメ批評をはじめたり、ほんわか笑顔で容赦なく原稿修正を指示してきたり、俺様作家であったはずの快斗は、何かと振り回される毎日。
そんな時、快斗の元に、脅迫状じみたファンレターが届いて…。


『文学少女』シリーズ、待ちに待った、編集者になった遠子先輩のお話!
きゃー、読めて嬉しいな!
早く読みたくて仕方がなくて、発売日前に駄目もとで書店に足を運んでみたら、幸運なことに新刊がもう並んでいて、嬉しさににっこりしてしまいました…(笑)。

今回のお話は、本編のようなダークさはほとんどなく、ひたすら明るくてお茶目で、読んでいてあちこちで胸がきゅんきゅんして仕方がありませんでした。
ああ、幸せいっぱい!楽しいなあ。

本当にこのシリーズの作品は、お話の構成がお上手だなあと思います。初恋の人の正体とか。ロマンスの匂わせ方とか(笑)。

以下、ネタばれありの感想、というか単なる語りです。
いつもながら長くて読みにくい文章なので、それでもいいよーと言ってくださる方のみ、追記よりどうぞ♪

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カテゴリ: 『文学少女』シリーズ

タグ: 野村美月 

『“文学少女”と恋する挿話集4』野村 美月 

“文学少女”と恋する挿話集4 (ファミ通文庫)“文学少女”と恋する挿話集4 (ファミ通文庫)
(2010/12/25)
野村 美月

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『文学少女』シリーズ、短編集第4作目。
次の本で、このシリーズは本当の最終になるようです。
私はこのシリーズ、『恋する挿話集』の3作目が出た時点で一気読みして以降の、期間としては短いお付き合いだったので、シリーズが終わってしまう!という実感みたいなものは、正直あんまり感じないのですが(苦笑)。
とはいえ、今の私はすっかり大ファンなので、これ以降の物語が読めなくなると思うと、やっぱり切ない。

さて今回の短編集は、とにかく本当にたくさんのキャラクターたちのお話が、一冊の本の中にぎゅっとつまっていて、お得感たっぷりでした(笑)。あのひとやあのひとのお話まで読めるとは、思っていなかった…
そしてなんといっても私は、他でもない、遠子先輩が大好きなのですが(笑)、今回の本は、その点からも、存分に楽しませてもらえました。
はじめの1頁、めくって裏の頁…これだけ読んだだけでもう、恋する気持ちに胸がきゅーっとちぢんで、なんともいえない幸せに満ち足りた思いでいっぱいに。
竹岡美穂さんのカラーイラストも、どれも素敵です!

「文学少女見習いの、発見」
ネット上でリアルタイムに読むことができた唯一の短編でした。
菜乃ちゃん視点での『銀河鉄道の夜』。
菜乃ちゃんは何も知らないのに、心葉くんの心をなぞらえているかのような「想像」を導き出して、ああ、この子すごい…と改めて思いました。

「文学少女と物思ふ公達」
ひさびさに、遠子先輩と心葉くんの、文芸部での普通の日常エピソード。嬉しいー!
「藤の君」のかんちがい話、ラストで「実は…」と明かされた本当のエピソードが素敵です。きゅんときました。
伊丹キャプテン格好良いです!藤の君もおかわいらしい。ふたりを結びつけた遠子先輩も、粋なお仕事しましたね(笑)。
それにしても、無意識に嫉妬している心葉くん…どう考えても、遠子先輩に特別な感情を持っているのにね(苦笑)。
ラストのフォークダンスのシーンが好きです。ロマンティックで、ふたりとも楽しそうで幸せそうで、お気に入り。
『堤中納言物語』は、柿の葉寿司なのですね。『更級日記』もたしかお寿司でしたっけ。

「文学少女の今日のおやつ~『かもめのジョナサン』~」
その写真、結局買ったんだ、心葉くん…と、思わず笑ってしまいました。

「文学少女と幸福な子供」
傷ついた心葉君をつつむこむ、遠子先輩の愛情が、ぬくもりが、じんわりと心に染みるお話でした。
「悲しみの真珠」のお話は、遠子先輩のお家の事情に思いをはせて読むと、また別な風に感じるものがあります…
「…真珠の味がするわ」のラストのひとことも、意味深。

「文学少女と騒がしい恋人たち」
これは、すごいかんちがい話…そこまでかんちがいって、普通ありえるのでしょうか(笑)。
『ばらとゆびわ』、面白そうなお話ですね。いつか図書館で探してみましょう。
薔薇のマカロン、遠子先輩の語りがいつになく、甘く女の子好みでかわいらしい。お話の内容を反映しているのでしょうか。
遠子先輩が想いを自覚し始めたきっかけ、当時の心葉くん視点で読むと、淡々としているけれど、ロマンティックですね。思わずきゅんとしました。

「アトリエの内緒話」
遠子先輩と麻貴先輩、こんな会話をしていたのね…遠子先輩、切ない(泣)。
そんな遠子先輩をなんだかんだで気にかけてアドバイスする、麻貴先輩の友情がすてき。
運命の人と出会う七年後…さて、指輪の行方はいかに。

「不機嫌な私と檸檬の君」
「初恋はレモンパイの味」…ああ、アンがギルバートと絶交して、ずっと意地をはっていて素直になれなかった、あのあたりのエピソードかあ。(『神に臨む作家』の上巻をちょっと再読。)
確かに、今回の舞花ちゃんのお話にまたとなくぴったりかも。
レモンパイって、ただ甘いだけのお菓子じゃないんですね。
酸っぱくて切ない気持ちが、よく伝わってきました。
(どうでもいいですけれど、レモンパイを普通に作れる中学生って、すごくないですか?結構手間がかかるお菓子ですよね。私は『赤毛のアン』シリーズやお菓子のレシピの本を読んであこがれるばかりで、未だに挑戦したことがありません…)

「美羽~戸惑いながら一歩ずつ」
折り紙の水仙のシーンが、『たけくらべ』の世界ときれいにリンクしていて、じーんとしてしまいました。
芥川君、苦労しつつも幸せなら、それでいいのかな(笑)。

「ななせ~天使へのコール」
ななせちゃんの想いの行方がどうなるのか、ずっと気になっていましたが…私的に、とても良かったです。
異国の夜の街中にて、ずっと自分を見守ってきてくれた天使、振り返って…と願うななせちゃんのシーン、彼女の気持ちがリアルに伝わってきて、どきどきしました。
オルフェウスのお話、昔、星座の本で読んで、子ども心に印象深かったせいもあるかな。
ななせちゃんと天使の、この先のものがたりが、幸せなものであると良いと願います。切実に。

「蛍~嵐の後の陽の中で」
『飢え渇く幽霊』に出てきた「蛍」のお話かと思って読み始めたら、ちょっと違いました。
この子、本当に、普通にかわいらしくて良い子だなあ…そんな蛍ちゃんを、大きなゆるぎない愛情をもって包み込む麻貴さんも、良いお母さんでした。
黒崎さんとワルツを踊っている麻貴先輩のエピソードが好きです。

「文学少女の今日のおやつ~『桜の森の満開の下』~」
遠子先輩、甘酒作ってたんですね。そしてそれはきちんと成功したんですね(笑)。

「シュークリームの秘密」
ついにシュー生地が上手く焼き上がったときの、満開の花のような笑顔をふりまいている遠子先輩が、可愛いったらないです。
このお話、存在を知ったのは後からで、もう読めないんだろうな…とあきらめていたのですが、今回読めて嬉しかったです。

「文学少女の今日のおやつ 特別編~『百年後』~」
これはもう、遠子先輩ファンとしては、たまらないー(笑)!
自分の口から想いをすっと言葉にした遠子先輩のシーンが、とても良かったです。イラストも、表情になんともいえない恋の甘さがにじみでていて、お気に入り。
タゴールの詩も、素敵ですね。

そしてそして、『半熟作家と文学少女な編集者』が、今から待ちきれなくて、もう本当に困ります(笑)。
予想していたのとは少し違う感じのお話っぽいですけれど、遠子先輩が幸せそうなお話を読めるならば、私としてはそれで十分満足です(笑)。
最後の頁に載っていた遠子先輩が、本当にきれいな大人の女のひとになっていて、いやでも期待は高まります…
「ミューズ」のルビ、芸術、文芸の女神さま。遠子先輩のイメージには、本当にぴったりだと思うのです。

正直に言うと、「どうして心葉くんは、こんなにもてもてなんだろう…?」と、少し(←?)疑問に思わないでもなかったのですが(苦笑)、色々と充実していて、本当に楽しい短編集でした。
春までどきどきしつつ、最終巻を待ちわびることにします…終わってしまうのは寂しいけれど、ああ、本当に楽しみ。


昨日、それぞれの記事に拍手下さった方、どうもありがとうございました♪

カテゴリ: 『文学少女』シリーズ

テーマ: ライトノベル - ジャンル: 小説・文学

タグ: 野村美月 

『“文学少女”と恋する挿話集 3 』野村 美月 

“文学少女”と恋する挿話集3 (ファミ通文庫)“文学少女”と恋する挿話集3 (ファミ通文庫)
(2010/04/30)
野村 美月

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『文学少女』シリーズ、短編集第3作目。現時点でのシリーズ最新作かな?
遠子先輩と心葉くんのエピソードに加えて、毬谷先生と夕歌ちゃんのお話と後日談的エピソード、大人になった千愛ちゃんと流人くんたちのエピソード…諸々、相変わらずバラエティーに富んだ、たいへん素敵な本でした。

遠子先輩と心葉くんが直接登場するお話は少なめでしたが、どのお話の登場人物たちも皆とても魅力的で、読んでいて素直に楽しかったです。
どれが一番お気に入りか、迷ってしまってひとつを選びだせない!

「文学少女と炎を上げる牛魔王」
牛園くん、再登場(笑)。
いやあ、でも、今回の彼は、色々と切なかったです…ええ人やなあ。
『潮騒』が題材になっていて、三重県民の私にとっては、言葉とか身近で嬉しいです。
浴衣姿の遠子先輩が、もう素敵過ぎてたまりません。口絵イラストがあって良かったです!すみれ色が本当にぴったり。
遠子先輩も確かに鈍いけれど、デート(?)を尾行したり、花火にひとりやさぐれたりしている心葉くんも、いい加減自分の気持ちに素直になりなよ…とか思ってしまったのでした。遠子先輩が単なる先輩だったなら、そこまでしないでしょ普通。

「文学少女の今日のおやつ~好色五人女~」
『好色五人女』、昔読んだ某歴史もの少女小説のキャラクターたちを、懐かしく思い出しました。このお話が下敷きになっていたのね。

「文学少女と恋しはじめの女給」
わあ、紗代ちゃんですね!彼女はお気に入りのキャラクターだったので、再登場してくれて嬉しい。
別荘に強引に連れてきた麻貴先輩を、遠子先輩が「山椒大夫」とたとえているのには、うっかり吹き出してしまいました…(笑)。なんて文学少女らしい的確なたとえなんでしょう。
まあそれはともかく、紗代ちゃんたったひとりだけに、こっそりと本心を吐露したシーンの遠子先輩が、いじらしくて可愛らしすぎました。
「好き」という言葉は、さながら魔法のよう。

「文学少女の今日のおやつ~谷間~」
遠子先輩、本当に、苦手なんですね(笑)。まあ私も、人のこと言えなかったけれどさ。

「傷ついた紳士と穢れなき歌姫」
マリちゃんこと毬谷先生と夕歌ちゃんの、出逢いからはじまる恋物語。
どこにも文句のつけようもないほどに、お似合いで幸せな恋人たちであるふたりのお話、その後の結末を知っているだけに、何とも言いようのない気分になってしまいました。
ピンカートンと蝶々さんの歌をふたりで歌っているシーンが、とっても楽しそうでしあわせそうで、素敵だったなあ。

「卵の歌姫と彷徨える天使」
毬谷先生の後日談的なお話。
「さまよえるオランダ人」って、良いお話ですね。あらすじを思い浮かべるだけでほろりときます…
晴音さんは、普通の女の子だけれど常にからりと前向きで、読んでいて心地の良い子でした。
人を救いたい、愛したいという純粋な想いが、相手の心に希望の明かりをともすことができるのだと、信じたいですよね、本当。

「遠子おばタンの秘密」
いつもはどちらも人を振り回すタイプの遠子先輩と流人くんの姉弟が、麻貴先輩と叶子さんの間で凍りついた空気を、フォローしようとふたりして必死になっている姿は、かなり笑えました…イラストもコミカルで良い感じ(笑)。
それにしても、遠子先輩と叶子さんの仲は、少しずつ着実に良くなってきているようで、安心しました。
なんとなく、日高万里さんの『V・B・ローズ』にでてくるカナさんを連想してしまった…(笑)。

「迷える仔鹿と嘘つき人形」
中学校の先生になった千愛ちゃんとその教え子の仔鹿ちゃん、相変わらずな(笑)流人くんのお話。
イケメンで軽そうな男の人なのに、文学作品についても造詣が深かったり、そのギャップが流人くんの魅力のひとつかな。
色々あったけれど、ラストできちんと前向きになれた仔鹿ちゃんに、きゅんとしてしまいました…その調子だよ!

「頑張る仔鹿と臆病な旅行者」
仔鹿ちゃんも可愛いけれど、ホリーちゃんも大好き。私の視点から見ると、どうしても微笑ましさの情が出てきてしまうのだけれど、当人たちは本当に深刻に悩んでいるんだよね。死んでしまうことも考えるくらい。比べられる話ではありませんが、私も中学生の頃は、あれこれ悩み続けて辛かったです。
千愛ちゃんがホリーちゃんを救ったシーンは、この後の短編も合わせて読んで、じーんときてしまいました…

「道化のつぶやき」
千愛ちゃんの心情は、つきつめて思いをはせるのは私には正直辛いので、さらりとだけ読みました。
それでも、さっきも書いた、自分の生徒を実際に救うことができたシーン、さらに流人くんとのラストシーンには、ああ、本当に本当に良かったね…と、しみじみかみしめてしまいました。

数日の後に発売されるという、『文学少女見習いの、卒業。』が、気になって仕方がありません…ああ、早く読みたいです。

カテゴリ: 『文学少女』シリーズ

テーマ: ライトノベル - ジャンル: 小説・文学

タグ: 野村美月 

『“文学少女”と恋する挿話集 2 』野村 美月 

“文学少女”と恋する挿話集 2 (ファミ通文庫)“文学少女”と恋する挿話集 2 (ファミ通文庫)
(2009/08/29)
野村 美月

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『文学少女』シリーズ、短編集第2作目。
今回の短編集は、表紙をかざっているななせちゃんと、そのお友達の森ちゃん、そして森ちゃんに恋する反町くんたちがメインで進んでいく感じでした。遠子先輩もしっかり活躍しているので、嬉しい(笑)。

本編のダークさが混じったストーリーとはちょっと雰囲気が違って、ひたすらごく普通の、おもしろおかしくときにきゅんと切ない高校生ライフを繰り広げている反町くんと森ちゃんカップルは、何も考えずにとても楽しんで読んでいけました。

かと思えば、途中あたりから、本編最終話のシリアスモードな展開と時間が並行してお話が進んでいく感じだったので、ああ、このときは、外から見ればこんな感じだったのか、ななせちゃんはこんな思いをしていたのか、友達の森ちゃんはこんな風にななせちゃんを案じていたのか…ということがいちいち感じ取れて、本編をまた別な視点で楽しむこともできました。
というか、森ちゃんと反町くん、真剣に良い人たちすぎます。ななせちゃんのそばにこのふたりがいてくれて、本当に良かったなあ。
加えて、反町くんと遠子先輩の関係も、なんだか良い感じで好きです。

「文学少女と愛を叫ぶ詩人(ハイネ)」
親切のかたまりだけれどとってもはやとちりな女の子・森ちゃんに想いをよせているのに、本人にもクラスメイトにも誤解されている反町くんが、哀れで仕方がなかったです。
けれど、遠子先輩にハイネの詩を押し付けられて、いつの間にかはまっていく姿とか、かなり笑えました…ああ、ほんとおかしい。
このお話とは直接関係ありませんが、荒木とよひささんの『四季の歌』は、歌詞だけみれば『文学少女』シリーズにぴったりだと常々思っていました。
春を愛する人は、「すみれの花のような僕の友達」ですし、秋を愛する人は、「愛を語るハイネのような僕の恋人」ですし。
ラストシーンは、とっても幸福な気分になりました。本当によかったね、反町くん、森ちゃん。

「文学少女と今日のおやつ~ロリータ~」
『ロリータ』という文学作品について、はじめてあらすじとか知りました。へええ…
お話のからくりは、まあ何となくわかってしまいました(笑)。ラストのいたずらなロリータのイラストが、とっても可愛らしい。

「文学少女とキスを待てない詩人(バイロン)」
ああ、どんなギャグでも楽しく笑える森ちゃんが大好きです。
お馬鹿なことをたくさんできるのは、高校生の特権でしょうかね。
水着のラストは、…当事者の立場で想像すると、非常に恐ろしい(笑)。

「文学少女と今日のおやつ~飛ぶ教室~」
このストーリーと『飛ぶ教室』という文学作品との組み合わせを読んでいると、三浦しをんさんのエッセイが脳裏にちらついて仕方がない(笑)。

「ななせの恋日記」
ああ、ななせちゃん、あのときやあのときの言葉や態度の裏では、こんな乙女心を隠していたのね…いじらしくて可愛らしすぎる。
それにしてもななせちゃんって、本当に本当に、心葉くんしか見えていないなあ。うーん、恋は盲目ですね。

「文学少女と汚れちまった詩人(チューヤ)」
反町くんと森ちゃんとのラブストーリーは相変わらずでしたが(笑)、本編のストーリーがここにきて本格的に関わってきていて、何ともいえない気分でいっぱいになりました。
誰にも本心を悟らせまいと中庭でしょんぼりしていた遠子先輩やら、デートをすっぽかされて落ち込んでいるななせちゃんやら、暗い顔で涙をこぼす心葉くんやら…反町くん&森ちゃん視点から見ると、本編では見られなかった登場人物の様子が垣間見れて、発見の連続でした。
反町くんがサラダオイルを仕込ませていたシーンは、笑えたかと言えばそうでもなく、中也の詩と反町くんの胸の内が迫ってきて、ああ、きれいなばっかりではいられない恋愛って切ないね…と、しんとした気分になりました。

「文学少女の今日のおやつ~銀の匙~」
心葉くん、幸せ者…(笑)。
遠子先輩の優しさがほろほろと身に染みました。

「文学少女と祝福する詩人(タゴール)」
本編の最終話のさらに最後の方、ひたすら小説を書き続ける心葉くん~遠子先輩の卒業式までの期間の、ななせちゃん&彼女を見守る森ちゃん&反町くんのお話。
ななせちゃん、自分が振られそうになってどん底なのに、心葉くんが遠子先輩に振られてしまったらと案じているなんて…本当に良い子だな。もう文句なしに良い子。そんな感想しか出てこないです。
そしてそんなななせちゃんに輪をかけて、反町くんが格好良すぎました。ななせちゃんを泣かせてあげた姿は本当に惚れ惚れしましたし、「恋をしろよ!文学少女!」と遠子先輩にエールをおくっていたのも、最高です。
遠子先輩の本編のラストでの行動は、いくばくかは、ななせちゃんや反町くんたちに背中を押された影響も、あったんだろうな。

「ななせの恋日記 特別編」
こんなお話が最後にくるって一体…(泣)。
ななせちゃんとお付き合いしているシーンの心葉くんって、なんだか、完璧に優しくて理想的な彼氏ですね。
優しすぎてきれいすぎて、恋の情熱がいまいち伝わってこないというか…彼の遠子先輩への激情を読んでいなければ、純粋にほほえましい恋人たちのお話として楽しめたのかもしれないけれど…ああ、なんて不憫な。

繰り返し言っている気がしますが、ななせちゃんには、本当に、ぜひとも幸せになってもらいたい…このままではあんまりにもひどすぎますよ。

カテゴリ: 『文学少女』シリーズ

テーマ: ライトノベル - ジャンル: 小説・文学

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『“文学少女”と恋する挿話集 1 』野村 美月 

“文学少女”と恋する挿話集 1 (ファミ通文庫)“文学少女”と恋する挿話集 1 (ファミ通文庫)
(2008/12/26)
野村 美月

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『文学少女』シリーズ、短編集第1作目。
遠子先輩と心葉くん、そしてふたりを取り巻く個性豊かな面々との交流のあれこれがぎゅっとつまった、バラエティーに富んだ一冊でした。
最近の私は、ファンタジーや歴史物をたくさん読んでいるから、こういう高校生の青春ストーリー(笑)は、かえって新鮮です。

私、今回の本のこの表紙、今までのシリーズ中で一番好きです。
優しい笑顔と元気でいっぱいの遠子先輩と、彼女に若干引っ張られ気味(で少し照れている)心葉くんの関係が、よく表されている気がします。
この本を最初から最後まで読み通して、このふたりはやっぱり、ありとあらゆる面でベストカップルだ…!と、深々と納得した次第です。

というか、心葉くん、恋に気付くのが遅いよね(笑)。
わざと変な味のおやつを書いて遠子先輩を泣かせている心葉くんを読んでいると、好きな女の子をわざといじめて泣かせる小さな男の子っぽい心理が感じられて仕方がないんですけれど、私だけ?

「文学少女と恋する牛魔王」
ああ、ラストの遠子先輩の勘違いっぷりが、強烈なインパクトでした…(笑)。
牛園くんは、うーん…悪い人ではないんだろうけどね。

「文学少女の今日のおやつ~更級日記~」
私、『更級日記』に関しては、自分自身で「こんな食べ物の味だろうなー」と、なんとなくイメージがあるのです。
ちょっと地味なあずき色した、口に入れるとしゃりっとほどける、お上品な甘さの干菓子。
…別に『更級日記』に詳しくて読み込んでいるとかではなくて、小学生のころに、ちょっと背伸びしたくて訳も分からず図書館で借りてきた『源氏物語・更級日記』の子ども向け本のカバーの色が、地味なあずき色だったんです。
あのころの私は、大和和紀さんの影響もあって『源氏物語』のはなやかさには惹かれたけれど、『更級日記』の良さはさっぱり分からなかったなあ。
今でもさほど詳しくはないけれど、『更級日記』のいくつかのエピソードは、確かにとってもお気に入りです。
遠子先輩が語っているように『源氏物語』に情熱を注ぐ作者の姿は、真剣に共感を覚えますね!

「文学少女と革命する労働者」
ボート部のひと騒動は、かなりぶっ飛んだお話でした(笑)。かなり怖いけどコミカルで笑えました。
ラストで、入部希望者を笑顔で切り捨ててしまった心葉くん…自分の気持ちをもう少し分析した方が良いよ。

「文学少女の今日のおやつ~万葉集~」
『万葉集』は、ちょっとだけかじったことがありますが、色々な解説やエピソードを読んでいると面白いですよね。(私が情報を仕入れたのは授業以外ではほとんど漫画ですが…)
本編等で語られた、前後の色々なエピソードを思い起こしつつ読むと、さまざまなことを感じずにいられない、遠子先輩と心葉くんの、1年目のバレンタインのエピソード。

「文学少女と病がちな乙女(クロエー)」
上のバレンタインのエピソード、今度は遠子先輩(の同級生の女の子)の方の視点から読むことができました。
こちらは色々と自覚している、恋する女の子な遠子先輩が、可愛らしすぎです。主人公の果歩ちゃんの恋も可愛い。

「文学少女と今日のおやつ~ムギと王さま~」
『ムギと王さま』って、なんだか面白そうですね!いつか図書館で借りてこようっと。

「無口な王子と歩き下手の人魚」
芥川くんと美羽ちゃんのエピソード、ときに切なくてほろ苦くも、微笑ましくて良かったです。
悲しいラストのお話をハッピーエンドに変えてしまう美羽ちゃんのエピソードがすごく好きです。それが良いことか悪いことかは私には分からないけれど、気持ちはたいへん分かります。
小川未明の童話、昔図書館で1冊だけ借りてきたことがあるけれど、悲しいイメージしか残っていないなあ。どんなお話でしたっけ。
美羽ちゃんの変化や成長が読みとれて、読んでいる私が泣けてきました…

「文学少女と扉のこちらの姫」
一年生時代の遠子先輩と麻貴先輩のエピソードは、なんだか色々と新鮮で良かったです。
小南部長の未来に希望の明かりを灯した遠子先輩が、すごく素敵でした。
それが彼女にできたのは、彼女自身が、光も闇も体験してきた女の子だったからなんだろうな、やっぱり。

「文学少女と浮気な預言者」
流人くん、文化祭で、そんな策略を練っていたんだ…びっくり(笑)。
テレビのグルメコーナーを録画するほどにお気に入りな遠子先輩の姿に、なんともいえない気分になりました。
彼女のいつもの素晴らしい蘊蓄は、こういう裏の努力(…と言うとちょっと違うか)で養われてきていたのかなあ。

「文学少女の今日のおやつ 特別編~スノーグース~」
大学生になった遠子先輩の短いエピソード。この短編集のなかで、一番のお気に入り。
私が何か書くと蛇足にしかならなさそうなので、何も書かないでおきます。
ラストシーンは、文章もイラストも、これ以上ない美しくて切ない愛情に満ちあふれている感じ。私までもらい泣きしてしまいました。


昨日と今日「『薄紅天女』文庫化」「リッシュギフト7~ライ麦バスケット~」(4回)の記事にそれぞれ拍手下さった方、どうもありがとうございました♪

カテゴリ: 『文学少女』シリーズ

テーマ: ライトノベル - ジャンル: 小説・文学

タグ: 野村美月