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ようこそいらっしゃいました。すてきな書物と美味しい食べ物をどうぞ。

『わが家は祇園の拝み屋さん』シリーズ 望月 麻衣 




東京に住む小春は、中学の終わりに、ある理由から不登校になってしまっていた。
そんな小春は、京都に住む祖母の吉乃の提案で、祇園の和雑貨屋「さくら庵」で住み込みの手伝いをすることに。
吉乃や叔父で和菓子職人の宗次朗、美貌のはとこ・澪人などにぎやかな家族にかこまれて、少しずつ小春は心を開いてゆく。
そんなさくら庵は、実は少し「不思議な」依頼がやってくる店で——。


『京都寺町三条のホームズ』シリーズの作者さん、望月麻衣さんのもうひとつのシリーズもの。
ホームズさんの方と同じく、関東で育った少女が京都に移り住み、少女の視点からながめる京都の街やひとびとのすがたが楽しい。京都ネタも程良くお話に織り込まれ京都弁の響きが良いのも、ホームズさんシリーズと同じ。
登場人物が皆癖があっても嫌味がなく人が好く、読んでいて癒されるのも、おんなじ感じ。

なんというか、ホームズさんの方に比べて、より少女漫画チックというか、女の子の物語という感じ。
ホームズさんの方は、葵ちゃん視点から語られる「ホームズさん」が主体だけれど、こちらはヒロインの語り手の少女「小春ちゃん」が主体ということかな。小春ちゃんは葵ちゃんに比べてロマンス面でもやや積極的でかわいい。
友風子さんの美しくて透明感のある水彩画タッチの表紙のイメージそのままに、はんなりと優しい印象を受けます。
(いえ、小春や澪人が抱える秘密はかなり重たく辛かったりシリアス成分もしっかり描かれているのですが、読み心地は重たくなりすぎず読後感はふんわり優しく可愛らしくて、バランスがとても良いと思います。)
あとこちらのシリーズはファンタジー要素あり。一巻目の時点では日常の物語に不思議要素少し、という感じでしたが、シリーズが進むにつれて、不思議要素もしっかりと描きこまれてきて、もともと和風歴史ものファンタジー、特に日本古代もの大好きな私にはかなり美味しい展開になってきました。

基本生真面目でがんばりやで可愛らしい女の子の小春ちゃんも、ミステリアスな美貌の青年澪人くんも好きだし、宗次朗叔父さんも吉乃さんも好きです!
個人的に宗次朗さんと吉乃さんの勝気な頑固者親子がいつも繰り広げるぽんぽん遠慮のないやりとりが好きです(笑)。和みます。
あと宗次朗叔父さんの作る和菓子がどれも非常に美味しそうなのです!

各巻ごとに少し感想メモを。特に4巻目はネタバレご注意ください。

1巻目
シリーズ顔見せ的な。小春の抱える秘密が少しずつわかってくるごとに辛くて胸がきゅっと痛くなって、そんな彼女が京都の祖母の家でにぎやかさにかこまれて少しずつ癒され自分を出せるようになってゆく過程が、とても良かったです。
吉乃さんのもうひとつの顔が普通ではないんだけれどそんなに気を張ってなくて、あくまでふわっと普通のお店の日常の一部という感じが、なんかこのシリーズの持ち味というか、いいな。弥生さんと吉乃さんの関係も微笑ましい。
東西の魅力を組み合わせた桜餅にミニあゆがまさにこういう和菓子を食べてみたかったの!というツボをことごとくついてくる感じでとってもおいしそうです。
憧れの人にパジャマ姿を見られうろたえる小春ちゃんがかわいい。杏奈さんとの女子トークもかわいいです。
最終章の不思議な夢から思いがけず大きな展開になりびっくりしました。
神泉苑、荻原規子さんの『薄紅天女』を読んで以来個人的にも好きなところだったので、こういうかたちで登場してなんだか嬉しかったです。




2巻目
小春が両親に秘密を明かす場面は痛々しくてとても辛かったけれど、最終的には和解できて、本当に良かったです。
再会したクラスメイトとのやりとりも胸がえぐられましたが、颯爽と登場した杏奈さんが語った宗次朗さんの62頁の台詞がすごく良かった……。祝いの言葉を言ってくれる表の顔も妬みの裏の顔も、どっちも本心なんだから、片方だけで判断するなって、目から鱗。十代の私に聞かせてあげたかったです。
そして塔の少女のお話、真相はいくぶん優しくて、何より小春ちゃんにお友達ができたのが良かったな。
若宮君が小春ちゃんの頼れるナイト役で普段の姿が可愛らしくていいなあ。ふふふ。
そして澪人さんの背負っているものが重たくて、しんとした心地になりました。このあたりからの澪人さんと宗次朗さんのイケメン京男二人組の場面がなんか味があって良い。
栗茶巾も黒豆チョコもおいしそうです。




3巻目
表紙の着物&エプロン姿の小春ちゃんと愛衣ちゃんがとても可愛らしい。これは学園祭のときのですね。
宗次朗叔父さんの助言を得ての小春の学園祭のお話が楽しそうでとても良かったです。抹茶栗大福すごく美味しそう。
小春と澪人、それぞれが色々惑いつつも、一歩前進、成長を感じた巻でした。まさか澪人さんがそっち方向にイメチェンするとは……(絶句)。達観しているようにみえるけれど、澪人さんもまだ一大学生だったんだな。
吉乃おばあちゃんの過去エピソードがしんみりと切なくて、そして小春の血筋の秘密の一部が明かされおおっとなりました。小春のお祖父ちゃん只者じゃないな……。
小春が見るようになった過去の夢。ロマンティックで私が大好きな平安時代っぽくて何より幸せそうで素敵。
吉乃おばあちゃんから受け継がれてきた柚子のお粥のエピソードが良かったです。三色串団子も美味しそうです。
狐さんのお話も心温まり良かった。狐さんと巫女さんたちの場面を想像するととても微笑ましく可愛らしくて頬がゆるみます。




4巻目
意味深なタイトルに背中合わせの表紙のふたり。まさに急展開!
お正月に訪ねた賀茂のおうちは、私が思っていたよりは堅苦しくない家庭的なおうちでした。(色々普通ではなかったですが。吉雄さん、さすが吉乃さんの弟さんなだけあって只者ではない。)
そして小春の夢の秘密が明らかに。
玉椿と若宮と……前世においてはそういうことだったのか。と。雅な世界観にうっとり。(平安もの大好物な上に前世ものにも弱い私)
ひたむきに若宮を慕う玉椿がいじましくてとても可愛らしくて、読んでいて幸せでした。それだけにあの結末は辛い。玉椿も辛いし左近衛大将も辛かったです。
現世における若宮君とのつながりが気になっていたところに、ラスト付近で思いがけないところからいくつもつながりの矢印があらわれて、ええっいったいどういうことなんだろう!(混乱)
澪人のお兄さんがキーパーソン?と思ったところで、ラストの澪人の発言と落ちた椿の花の場面はどういうことだ!まさか小春ちゃんへの接し方も過去の何かが理由なの?
バレンタインの小春ちゃんは、本当につらかったけれど、でも正面切って逃げずに勝負に挑んだ小春ちゃんは、すごくよく頑張った。えらかったです。
そして分からないのが三善君。絶対何か裏の顔がありそうなんだけど……。
あと前世における若宮のお天気についての言葉は、結局どういうことだったんだろう。このタイミングで若宮君が姿を消しているのも気になる。
椿の花の落ちるころ、とラストの澪人の和歌の場面が、ひどく美しくて切なかった。
これは続きが気になるよ~!!!
コウメちゃんとお別れするのも寂しいし。

望月麻衣さんのブログや、かつくらの特集などで、シリーズの裏話や設定集など色々読めたのも楽しかったです。
ホームズさんシリーズとのコラボ短編は笑いました。(清貴君のギャップが面白すぎて)

さらさらととても読みやすく可愛らしいお話で、ちょっと軽めのお話が読みたいとき、心が疲れているときなどの読書におすすめです。
京都、陰陽師もの、時代もの、現代学園もの、いろんな要素がほどよく取り入れられていて、世界観に深みがあるので、意外とと言ったらなんですけれど、読み応えありますよ。
友風子さんの表紙イラストにピンときた方なら、ぜひぜひ。


この一週間くらいにそれぞれの記事に拍手くださった方々、どうもありがとうございました♪

カテゴリ: ファンタジー(和風)

タグ: 望月麻衣 

『鳥居の向こうは、知らない世界でした。 癒しの薬園と仙人の師匠』友麻 碧 




孤独な女子大生・千歳は、二十歳の誕生日に、神社の鳥居を越えて「千国」という異界に迷い込む。
イケメン仙人薬師・零に拾われて彼の弟子になった千歳。口は悪いが面倒見のいい零師の下で修業し薬膳料理を作る日々を過ごすうち、次第に自分の居場所を見出してゆく。
しかしそんな中、夢で自分を探す家族の姿を目撃し——。

『かくりよの宿飯』シリーズや『浅草鬼嫁日記』を楽しく読ませていただいている友麻碧さんの新作。
薬膳メインの異世界トリップもの和風ファンタジー小説でした。

うわあ、このお話、ものっすごく良かった!!!
今まで読んできた作者さんのお話の中でいちばん好き!
世界観もキャラクターもすべてが慕わしく、読んでいて楽しくて心癒されました。お料理もおいしそうだし小物遣いも絶妙。
なにより、不遇な生い立ちの心根の美しい娘さんが、ひとの優しさに触れて生き生きとよみがえってゆくお話が私は好きすぎる。
現実世界の私がちょうど心の中に抱いていた寂しさとかやるせなさとか、そういう感情にダイレクトに響いてくる物語でした。
先週ちまちま読み進めてゆき読書が本当に楽しくて、ヒロインの弟の姉への愛情とかピアノとかいろいろなものが心にぶわっと押し寄せてきて、読み終えて涙があふれました。心が浄化されました。ほんとうによかった。

表紙イラスト、物語を読み終えた後で眺めていると、またじわじわきますね……。
千歳が美少女で零先生がイケメンで、千華街のはなやかであたたかみのある橙色の色味が絶品です。少し微笑みを浮かべたような千歳の表情がいい。


ここから先は若干ネタバレ注意でお願いします~。


中華風の日本といくらかつながりのある「千国」の世界観が、まずはとても良かったです。
異国情緒ふんだんで、どこか懐かしくてあたたかくて優しくて。
そんなにシリアス過ぎないきさくで親しみやすい描写は『かくりよの宿飯』にも通ずる作者さんの持ち味だなと思いました。
『星の王子様』やヘッセの作品の一部が引用されていたり黒ウサギが『不思議の国のアリス』ちっくだったり、いくらか文学的な香りがするのが、作品世界をより魅力的なものにしていて、また良し。
千国の初代の王様が日本人かあ。なんだかとてもときめく設定です。
華ランタンや着物や料理や不思議なお花や、各種アイテムの描写がとにかく読んでいて非常に楽しくて、ワクワクしました!
音楽を聞かせて育てる不思議の花のランタンで灯りをまかなっているとか素敵にロマンティックな設定。
あと豆狛という生き物の存在自体が可愛すぎる!
どこかのんびりとしていて異邦人の千歳もおおむねおおらかに受け入れる人々の気質、生活の描写も良かった。
まあ、王宮内の人間模様などは、シリアスそうでしたが。

ヒロインの千歳さんは産みの母を亡くして新しい家庭には馴染めず色々なものを諦めて生きていて、彼女の孤独に胸がきゅっと痛くなりました。
異世界に来てしまっても感情の起伏の乏しさで心が死んでいるような淡々としている感じが辛かった。
そんな彼女が零先生のお弟子になり、美味しくて身体によい薬膳料理や人に優しいお薬を作りだしていく毎日の中で、徐々に生気を取り戻して生まれ変わってゆく様が、読んでいる私も心癒されてほんっとうに良かったです!
優しさと賢さと勇気を備え、修行を怠らずに研鑽を積み重ね、やがて身に着けた自分の力で何度も人を救ってゆく千歳さんは、なんて素敵なヒロインなんだろう。大好きです。
黒髪ロングヘアの薄幸の美女設定も私好みストレートで美味しい(笑)。
千歳さんに零先生が買ってくれた千国のお着物はすっごく似合うだろうな!ふたりのお買い物場面好きでした。

毒舌で過保護なイケメンおじいちゃん仙人零先生も、読んでいくごとに味が出てきてにまにま(笑)。安本丹!を連発し修行の師としてはとても厳しいけれど、千歳のことをまるで孫娘みたいに大切にし過保護な零先生が本当にツボでした。遠足のおやつ……(笑)。
赤毛の爽やかなイケメントーリさんも大好き!笑顔で辛い境遇もやり過ごす彼の強さが痛々しくもあるのですが、同時にとても凛々しく惹かれました。
千歳と零先生とトーリさん、三角関係では全然ない三人がそれぞれ「家族」として楽し気な時間を共に過ごしている感じが、良かった~!一緒に千歳のご飯を食べている場面がどれもとても好き。
「家族」という言葉にじわじわ静かに感動している千歳さんが本当にいじましくていとしくて。
(ところでこの世界の人の寿命事情が若干気になる。零先生が特殊なのかな?)

男勝りで王女様の武官になった商家のお嬢様・花南さんも、花南さんが仕える主のいい意味で型破りなお姫様・蝶姫ちゃんも、千歳が仲良くなった女の子の脇役キャラもみんなよかったです。可愛らしくてきゅんきゅんです(笑)。
かつての零先生のお弟子緋澄さんも、なんだかひたひたと怖い人だったけれど、トーリさんの話を聞いていると単純に悪人という訳でもない気がします。(でもやっぱり不安感ばりばりですが……。)

千国の生活に馴染んできた千歳を揺るがしたのは、異国の少年エド君が運んできた「ピアノ」と見捨てられたと思い込んでいた家族の存在。
零先生の言葉もあり思い悩んでいた千歳は眺めていてまた辛かったですが、連れてこられた王宮で、大事な人と居場所を救うためにピアノを弾き「奇跡」を引き起こし、同時に自分の人生の選択をなした彼女、すごく良い場面でした。すべての描写が美しい。美しくて優しい。
その後での零先生と確かな家族となる会話もしみじみ良かったです。

このお話に何回か挿入される異母弟の優君視点が、また泣ける……。
千歳の母と父、優たちの母の三人の間で、過去にどんなことがあったんでしょうね……。なんにせよこんな大人の事情に巻き込まれ散々傷つけられ放り出された千歳が不憫すぎる。
異母姉を大切にできなかったことを後悔し、行方不明になった彼女を必死に探し、ただただ姉の幸せを願う優君の姿は、シンプルに胸を打ちました。
お父さんもなんか色々ダメだったけれど、千歳へのメールと毎夜の涙は、やっぱり切ない。千歳を大事に思っている家族がこちらの世界にもちゃんといたことが、物語の大いなる救いでした。
ラストで千歳の母の衝撃の事実が発覚し(まさかそうつながるとは思わなかった)、優君自身が異世界にゆく流れになるのかな?とても気になります。
優君は血のつながりにも疑問を持っていますが、耳のかたちとかの描写もあったし、まあ、血はちゃんとつながっているんじゃないかしらと私は思ってます。
千歳の生まれた場所は、でもきっと千国なんだろうな。名前が「千歳」だしな。お母さまの名前を貰ったのもあるだろうけれど。
そう考えると、千歳がこの世界で生きる選択をしたということにも、深みが増すというか。上手く言えませんが。

『かくりよの宿飯』ほどお料理メインではなかったですが、千歳が作りだす身体に優しい薬膳料理もまた、読んでいてすごく美味しそうで魅力的でした。身体に優しい料理は読んでいて心も癒されるなあ。
きんぴらごぼうを炒める順番もちゃんと修行の一環で、私も学ぶところが多いです(笑)。
きんぴらの卵とじとトマトスープ、土鍋ご飯の朝ごはん、白きくらげ肉あん入りでんぷん団子に薬草ゼリーのおやつの時間、はちみつミルク珈琲や杏仁珈琲、さいころポークジンジャーに塩レモンの肉団子スープで夕ご飯、みんなおいしそう……食卓を囲む場面がまた楽しそう。
あとリンネおばあさんのパイナップルケーキとか。私昔台湾のお土産でいただいたパイナップルケーキの美味しさに感動してから大好きなんですよね!食べたいなあ。
あと豆腐花みたいなエキゾチックな屋台のおやつもおいしそうだし、最初に出てきたトーリさんが買ってきてくれた肉ちまきもおいしそう。千華街を私も買い食いに繰り出したいです。
花と果実の飲物の清涼感もたまらなかったなあ。あとチョコレートはこちらの世界にも伝わっているんですね!蝶姫さまのパイナップルチョコレートすてきでした。
千歳が作りだすのは料理だけでなくお薬も重要で、使う人にやさしい日焼け止めの発想は、千歳ならではだなあと思いました。
彼女の薬草園を舞台にしたお弟子さんライフ各描写がとても楽しかったですよ。

どうやら続編も出るの決定みたいで、わーい!すごく楽しみー!!
ロマンス要素ほぼ皆無でも十二分に楽しかったですが、今後そういう展開になっても楽しいなあ。
個人的にはトーリさんと千歳がなかなかいい感じだったと思うので、そっと推してみたいです。お似合いですもの。
でも王宮のあのシリアスな人間関係はこれ以上関わると絶対きつそうですけどね……でも千歳は今回すでに正妃様にあんなことしてるし……大丈夫かな。なんにせよ、ちょっと波乱の予感がしますね。
零先生が忠告して隠してきた、千歳が異界人であることが、あの場で知れわたってしまったのが、どう転ぶのかな。

心の中の癒しの楽園として大切にとっておきたいような、そんな一冊になりました。
おススメです!


ここ一週間くらいの間にそれぞれの記事に拍手くださった方々、どうもありがとうございました♪

カテゴリ: ファンタジー(和風)

タグ: 友麻碧 

『浅草鬼嫁日記 あやかし夫婦は今世こそ幸せになりたい。』友麻 碧 




浅草に住む高校生、茨木真紀と天酒馨は、幼馴染にしてとある秘密を共有していた。
ふたりは前世では、平安時代に名をとどろかせたあやかし「茨木童子」と「酒呑童子」であり、夫婦であったのだ。
真紀は今世においても、渋る馨を連れまわし、ブラックバイトに苦しむ手鞠河童や老舗蕎麦屋を営む豆狸一家など、悩めるあやかしのために、元気に駆け回る——。


『かくりよの宿飯』シリーズの作者さんによる、もうひとつの和風あやかし婚姻譚。
カクヨムさんで連載されていたものの書籍化。
私はカクヨムさんで途中から連載を読んでいて、好きなお話だったので、書籍化されてすっごく嬉しい!
『かくりよの宿飯』の新刊共々楽しみに発売を待っていました。

『かくりよの宿飯』と世界観が繋がっていると分かる箇所がいくつかあって、そういうのを見つけるのも楽しい。
まったく別の物語なので、どちらか未読でも全然大丈夫なのですけどね。
個人的には『かくりよの宿飯』シリーズがお好きなら、こちらも読んでみることをお勧めしたいです。
あやかし成分もたっぷりですし、強くてたくましく頑張る女の子も出てきますし(こちらの方が色々ぶっとんでます)、何よりこちらの作品も、とにかく食べ物が!みんな!おいしそうなのです~!!

とにかく最強鬼嫁女子高生の真紀ちゃんの活躍っぷりが、読んでいて楽しすぎます。
豪快で情にあつくて浅草のあやかしたちの頼れるお姉さま!格好いい!葵にも通ずるどこか古風でおしとやかな口調が真紀ちゃんのキャラにもまたぴったりです。
そして前世の旦那様で真紀ちゃんに振り回され続けている馨君も、そっけないけれど優しくて強くてこれまた格好いいのなんの。
ふだん口では文句ばかり言いながらも、真紀ちゃんのことを本当に大事に思っていていざというときはばしっと決める馨君が、本当に好き!
この前世夫婦で現在高校生のふたりの距離感が、もう絶妙で。読んでいてときめいて仕方ないのです~。ごろごろごろ。
たまに挿入される馨君視点の語り、馨君が内心では真紀ちゃんのことすっかり妻同然に見なしていて将来のこともすでにもう考えている感じなのが、何とも言えないときめき感。
あと、ふたりの平安時代の回想、藤原の家に生まれながら不遇のお姫様だった茨姫と、酒呑童子の出会いが、私すごく好きでした。
真紀ちゃんの大輪の花の笑顔に、馨君が前世での妻の姿を重ね合わせて息をのむ場面が、あざやかで。
この平安時代の貴族社会な雰囲気がほんのりきちんと漂ってくるのが、平安時代もの大好きな私的にはまた美味しいのです。
(カクヨムで読んでいた頃の私の頭の中のイメージは、高屋奈月さんの少女漫画『幻影夢想』の水月華と比良達でした)

ふたりのやっぱり幼馴染で前世では鵺であった由理君も交えて、三人一緒に前世の記憶も抱えつつしょっちゅうあやかし関係のあれこれに巻き込まれつつも、あくまで普通の高校生として今の生活を楽しんでいる雰囲気が、とても好きだなと思いました。
おだやかで優しくてしょっちゅう口げんかするふたりをなだめるのが基本だけど、ときどき何気に黒い由理君のポジションもとてもいいですよ。
三人それぞれの今の家族への想いがきちんと本物で、心に沁みました。
馨君の不仲な両親への複雑な思い、それを分かったうえで接する真紀ちゃん、このふたりが夫婦同然にご飯の世話をし合い暮らしを営んでいる様が、好きですねえ。あくまで健全な高校生の関係を決して超えない、考えもしない真面目なあたりがいっそういい。

かくりよのチビの仲間かもしれないあざと可愛い手鞠河童の集団や、商売上手のお蕎麦屋の豆狸父子、男運の悪い雨女の明美ちゃん、若干胡散臭い薬屋スイさんに盲目的に茨姫を慕うミカ、あと苦労性の大和組長にぬらりひょんの食えないおじいさん、魅力的なあやかし(一部人間)キャラがたくさん登場してきて、にぎやかでとても楽しかった。
みんなの姐さん的存在として頼られ愛されている真紀ちゃんのポジションがとてもいいよ!(彼女のあらっぽい活躍の後片付けに追われる馨くんや組長たちは不憫ですが……。)
現代版アレンジされた百鬼夜行というイベントも楽しかったです。

陰陽局の不敵な若者として登場した津場木茜氏の存在が、とても気になる。
彼は葵の親戚かなにかですよねきっと。名前も若干似ている感じが。
津場木家ってそういうお家なの?葵の不遇な生い立ちもそこに由来しているのかな?まさか史郎さんの人でなしな活躍っぷりがこのシリーズにまでかかわってきたりして……色々想像を膨らませてみる。
そういえば大旦那様もちらっと登場してきましたね。存在感ばりばり。

焼き芋ようかんや、鴨せいろ蕎麦や江戸前天丼、浅草グルメが美味しそうで美味しそうで、私もあまじょっぱいたれがからんださくさく大あなごの天ぷらを食べたくて仕方がありません。
しかし一番私が心惹かれたのは、真紀ちゃん自家製・たまごやハムもたっぷりはいったごろごろ具だくさん正統派ポテトサラダでした。馨君のアルバイトと真紀ちゃんの手料理で成り立っているふたりの食卓の場面があたたかくてとても好き。

けがをした馨君が真紀ちゃんに最後の最後に語ったストレートな想いにきゅんときて、平穏な日常がひとまず戻ってきて……なところで、若干不穏な影が。のラストでした。
続きが気になる~!どうやら続きがちゃんと読めるようなので嬉しいなあ。


ここ何日かにそれぞれの記事に拍手くださった方々、どうもありがとうございました♪

カテゴリ: ファンタジー(和風)

タグ: 友麻碧 

『かくりよの宿飯五 あやかしお宿に美味い肴あります。』友麻 碧 




『かくりよの宿飯』シリーズ第五弾。
銀次と共に「天神屋」のライバル宿「折尾屋」に攫われてきた葵だが、持ち前の度胸と料理の腕でたくましく居場所を作っていた。
銀次と乱丸の行く末を心配する磯姫との邂逅を経て、「海宝の肴」作りを買って出た葵。
早速献立の考案や食事集めに奔走する葵と銀次。しかし呪われし南の地には、それを快く思わない存在がいて——。

『かくりよの宿飯』シリーズの続編です。わーい!
今回は折尾屋編・後編にあたるお話。
表紙イラストがなかなかの迫力で、書店で手に取って思わずうなりました……。
正面切って料理を提供する葵がまず格好いいし、左右に控える紅白の美形組の存在感がばしばしと……(ぎ、銀次さんか……!!)(本編読了後)

今回も分厚い文庫で、内容が濃くて、読み応えばっちり。
読み進めるにつれぐいぐい面白さが加速してゆき、ものすごく満足感のある読書のひとときでした!!
はじめはいけ好かなかった折尾屋の面々もどんどん愛着がわいてゆき、読み終えるころには乱丸以下みんな情がうつってしまい離れるのが本気で寂しかった(笑)。
一方天神屋の面々も随所にゲスト出演してきていて、特に大旦那様の活躍もちょいちょいあって、やっぱり嬉しくなったり。
葵の作るあやかし好みの料理の数々もやっぱり全部おいしそう!
お酒の肴ということで、しっかりした味付けの食べ物メインだったかな。
私は基本お酒を飲めない人間なのですが、あやかしの特別なお酒の味わい、料理との相性とかの描写も魅力的に書かれていて、私みたいなのでも十分楽しめました。


ここからはネタバレ注意でお願いします~。


まずは折尾屋の若女将のねねと葵の女子お悩み相談会&ショッピング&カフェの和スイーツに舌鼓。が良かったです!
天神屋のお涼が出張してきてまさかの華麗な大活躍。お涼、ばりばり仕事できるこだったんだな……(失礼)。
そんなお涼にねねが憧れ劣等感を抱いていたなんて。なんだかねねもお涼も一気に好感度が上がりました!
はまぐりのクラムチャウダーとひとくちおにぎりをちまちま食べてる火鼠姿のねねちゃん、すっごくかわいらしい……癒されます(笑)。チーズ入りクラムチャウダーおいしそう。
葵に打ち解けるにつれて生来の人の良さと真面目さが出てきて葵に意地悪なふるまいをしたことをちゃんとあやまるねねちゃん、街の人にも名を知られ親しまれているねねちゃん、いいこだなあ……。
ナタデココとフルーツ入りあんみつも美味しそう!乙女は和スイーツに弱いのです。
というか大旦那様がまさかこんなところでも登場するとは……ねねに真面目に心配されているのがおかしく微笑ましい。
そして口ではケンカしつつもお互いのことをちゃんと理解し大事に思っている秀吉とねねのカップルにも、ひっそりときめきました。
ココナッツオイルでヘルシーパイ生地を作るとはさすが葵の工夫が光ってます。

前巻ではちょっと出番少な目だった銀次さん、今回は葵と共同作業で料理を作っているのが基本ポジションになっていて、それがもうしっくり馴染んでいる感じなのがとても良かった。一巻目から続くこのコンビはとても安定感がある。
そして鶴の双子達もますます頼れる相棒役に!相変わらずこのふたりのゆるい感じが癖になります。
お互い得意分野が異なる料理人として信頼し合い、双子達が得意な部分は双子達にまるっと任せちゃう葵の采配が良かった。やっぱりあのいかしゅうまい美味しそうでしたもん!
ローストビーフもベーコンもお肉感がすごい。おいしそう~。
鮭と味噌とトマトの組み合わせは自分でもやってみたい。

そんな順調な滑り出しの中で、邪魔を入れてきたのが、雷獣様。
本気でいけ好かない……。葵につきつける悪意が無邪気で罪悪感などかけらもなくて、胸が悪くなりました。
たしかにあやかしは無条件で誰もかれも信頼できるものじゃないんだろうけれど。けれどさ!
結果声と味覚をなくしてしまった葵が痛々しくて、もう、辛かったです。
そんないけ好かない雷獣様でしたが、まさかの白夜様の鉄槌、あと最後の方での大旦那様の睨みで、溜飲が少し下がりました。
いい気味だ!これで済まなさそうなのも気掛かりですが。
白夜様って何気にすごいあやかしだったんだな……改めて感心しました。
和風オムライスが結局ちびと管子猫に美味しく食べてもらえてよかった。
というか、縫の院様と律子様が再登場でこれまた嬉しかったです!ラブラブおしどり夫婦に和みました。

味覚をうしなった葵を気遣うあやかし達、特に銀次さんの心遣いが読んでいて染み入りました。
特に銀次さんが葵のために作った見た目や食感も楽しめるいなり寿司は良かったなあ。なんだかシリーズ一巻目の出会いのいなりずしを思い出しました。
乱丸と銀次さんの蓬莱の玉の枝探しに料理人として同行する葵。それでこそ葵でした。
不思議な世界の不思議な冒険といった感じで楽しかったです。
食いしん坊二人組が食材を見かけてはふらふらして乱丸を苛立たせているのがおかしかった(笑)。
お弁当のローストビーフサンドイッチがおいしそう!パンも葵の手作りなんて贅沢すぎます。
ヤマメご飯もおいしそう~しかし私が一番惹かれたのはココナッツミルクで作ったココアだったりしました。南国育ちの乱丸が甘いもの大好きというのもなんだかツボにはまります。
なかなか素直になれなかった乱丸と銀次さんもだいぶ距離が縮んできて良かったな。
獣姿になったふたりが揃って可愛すぎる(笑)。

そして海坊主へのおもてなし、本番。
純粋に美味しいものを楽しんでもらいたいと葵と、それを理解し柔軟に協力する双子達(プラス、怖いもの知らずのチビ)のチームワークが抜群で、最高のおもてなしになっていて、最後はみんな一緒に美味しいものをおいしそうに食べていて楽しそうで、とても良かったです。
皆が恐れていた海坊主の真の姿と優しい心には、胸が締め付けられました。
海老のコク旨味噌マヨネーズ炒めが確かに魅力的すぎます(ごくり)。海老マヨおにぎりまで食べたいです。
あとかぼちゃの煮物の和風カレーキッシュも心惹かれます。肉豆腐もいいなあ~ココナッツアイス最中も。
海坊主とチビと葵の内にひめた孤独な心が共鳴し合っている感じなのが、何とも言えなかった。

葵の過去や海坊主のお役目など、とても大きな影の部分がお話の底の方でつながってきている感じなのが、気になる。
今回のお話で、この世界の成り立ちや謎がいくらか明らかになり、雷獣のたくらみも気になるし、大旦那様の抱える何かも気になるし、何より津場木史郎の呪いって何?意味深すぎるんですけれど。
そして葵の子供時代のあやかしの正体がついに明らかに。これは半ば予想通りで半ば予想外だったでしょうか。
乱丸が見抜いた銀次さんの気持ちにもぐっときました。そうだよねえ、なんにも思ってないにしては銀次さんは葵にあまりにも親身で絶対的な味方で甘やかしているから。本来の銀次さんはここまで誰にでも優しい博愛主義者じゃないだろうし。
しかし過去の事実が判明した今、どっちかというと大旦那様の方が恋に関しては優勢っぽいのが、皮肉というかなんというか。
私はどちらかというと大旦那様派なので応援したい気持ちでいっぱいなのですが、銀次さんも大好きなのでとても複雑。
まあ、当人の葵は、まだまだ本格的な恋には遠そうですけどね……。彼女は今のところ料理をしている時間が一番しあわせそう。
ひとまず、銀次さんと葵が天神屋に復帰するという結末を得られて、本当に良かったです。
折尾屋の面々、特に鶴の双子達とお別れなのは寂しいですけどね……。

次回は大旦那様がより活躍するようで、待ってました!とても楽しみ~♪


ここ何日かにそれぞれの記事に拍手くださった方々、どうもありがとうございました♪

カテゴリ: ファンタジー(和風)

タグ: 友麻碧 

『君の名は。』映画鑑賞の記録 

先月からネット上で評判がよくずっと気になっていたものの、流行りもの……ということでなんとなく観るのをためらっていた『君の名は。』連休中についに観てきました。

きれいな映画でした。
観終えてずっと余韻にひたっていたかった。何事も壊したくなかった。

自然の描写が美しくて慕わしい。
夜空と星の美しさよ。
三葉と瀧、周りの人々も、みんないい!

映画を観てすぐに書籍版とアナザーサイドの物語も読んでしまいました。
それぞれ映画で語られなかった部分を少しずつ補いあっていて、一つの作品世界をいっそう深く胸に落とし込むことができて、良かったです。
映画で私が特に感じたのは「自分ではどうしようもなくぽろぽろ欠落していく記憶への恐怖」だったので、なんというかその分、文字で書かれた物語を自分の手元に置けるっていいなと思いました。





以下、私の思いっきりネタばれ忘備録メモです。
本当に考えなしに好き勝手に語っていますし映画と書籍版の感想が何の説明もなく混じり合っているのでご了承ください。

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カテゴリ: ファンタジー(和風)

タグ: 新海誠 

『かくりよの宿飯四 あやかしお宿から攫われました。』友麻 碧 




『かくりよの宿飯』シリーズ第四弾。
あやかしの住まう隠世の老舗宿・天神屋で食事処を切り盛りする女子大生の葵。
そんな彼女は、突然やってきて銀次を連れて行こうとしたライバル宿の「折尾屋」に、否応なしに攫われてしまう。
チビ河童の助けを借りて地下牢から脱走しようとする葵。しかし彼女の前に乱丸はじめ折尾屋のあやかし達が立ちはだかり——。

あやかし風味和ものファンタジーと美味しい家庭料理が同時に楽しめる素敵なシリーズ、四巻目!
表紙イラストの葵の市女笠姿が様になっていて素敵です。

今回は天神屋を離れて折尾屋編(前編)ということで、世界が前巻までと比べて大きく広がって、いっそう楽しく読むことができました。

コツコツと居場所を築き上げてきた天神屋から理不尽に引き離され攫われて、葵は一体どうなることやら……とかなり不安だったのですが。
ふたをあけてみると、折尾屋の南の地でも、彼女はやっぱり、美味しい手料理であやかし達を着実に懐柔していっていました。
この彼女のぶれなさが最高に格好いいな!
折尾屋は南の地、食材もトロピカルで海鮮類も豊富で、天神屋編とはまた違ったバリエーションが読んでいて楽しかった。

まずは葵の強力な味方の松葉様の存在が、敵意だらけの地でナイスでした。
松葉様用の御膳、ガーリック風味のタコ入りゴーヤーチャンプルーもサバじゃが味噌煮も葵の一工夫が光っていてたまらなく美味しそうですし、タルタルソースたっぷりの揚げたてさくさく岩カキフライ!これはたまらない。うわあ、今すっごくカキフライ食べたい。
料理つながりで仲良くなった、鶴童子の双子たちもいいキャラしています。なんかこのゆるーい感じと料理人モードになるときりっとするギャップが好きだなあ。ふふふ。
雨女の淀子お嬢様とのもんじゃ焼き&自家製ポテトチップスパーティーも、ジャンキーな感じでおいしそう&楽しそうでした。
わがままで子供っぽい淀子様が自分で作り上げたもんじゃに得意になって皆に分けてあげる心理がとてもよくわかって、葵はこと料理に関しては本当に頭が回るなあ。策士だなあ。
明太もちチーズは本当にはずれなし。ローテンションな双子たちの、チーズを無茶なルートで入手してきた料理人魂もあっぱれでした。
しかしやっぱり葵が最初に食べていたいかしゅうまいも美味しそうで、食べてみたいです。こういうの、お弁当に入ってたら幸せでしょうねえ。

今回とりわけ印象的だったのが、天狗の松葉様と息子の葉鳥さんの険悪な父子の、今は亡き奥さんの手料理つながりエピソード。
笹良さんの母として、妻としての愛情がひたひたと染み入ってくる、良いお話でした。本当に素敵な方だったんだろうな。松葉様が奥さんのことを心から愛しているのが伝わってきて良かったです。
骨付き鶏のがめ煮、骨なし鶏のがめ煮の別バージョン。うちの母の味は骨なしの普通の鶏ももでしたが、骨付き鶏のがめ煮を一度でいいから作って食べてみたいです。良いお出汁が出るんだろうなー。
そして三色そぼろかしわ飯も、私がイメージしていたものよりひと工夫もふた工夫もひねりがきいていて、非常においしそうです。
いやあ、私、鶏肉大好きなんですよ。皆食べたくなってくる……(ごくり)。
そしてちらりと垣間見えた、葵自身の母との、過去の記憶。
普段気丈で取り乱したりなんてまずしない葵の動揺に、彼女の心の傷の根深さを感じて、ずきりとしました。
上手く言えないけれど、母の手料理を知らぬ葵の心づくしの料理と、大旦那様のサポートあってこそ、松葉様と葉鳥さんは今回無事に仲を修復できたのだと思いました。よくやりましたよ。

あと今回、折尾屋編の割には(?)、大旦那様の出番が多めで、葵との共同作業も多くて、どちらかというと大旦那様派の私には美味しかったです。というか魚屋さんナイスすぎる。
やっぱりホームの天神屋では責任ある立場だから、自由に動き回れないということか。天神屋にいるときよりもいっそう可愛らしくてなんだか子犬みたいな(笑)。
気配り上手の大旦那様のありとあらゆるサポートが読んでいて心強かったです。
サスケくんの登場も嬉しかったり。
大旦那様のホットケーキミックスが活躍の日の目を見たのも良かった。フルーツどら焼きですか!確かにどら焼きを懐に隠し持っていた大旦那様にはぴったり!
大旦那様自身にそこはかとなく見えた影の気配も気になる。

大旦那様とは逆に今回出番少な目だった銀次さん、彼と乱丸の生い立ちが、今回だいぶ明らかになりました。
折尾屋の秘密、来たる儀式の重要さ、銀次さんと乱丸のたいせつなひとのエピソードも。
「常世」との距離が近い、生と死の距離が近い地、という設定がなんかイメージとしてよくわかるなあと思いました。
葵とかのひとのお茶会の場面、良かったです。
黄金童子様のこともようやくいくらか腑に落ちました。かのひとはどこまで葵のことを分かっていらっしゃるのか。
威張り散らしているばかりだったイメージの乱丸も、嫌えなくなってきます。彼を慕う部下がたくさんいるのも、銀次さんが折尾屋を離れる辛い決断をしたのも、納得。せつない。

葵はなんだかまた大変なお役目を担うことになったようで、不安もありますが、確かに葵にふさわしい役どころですよね。きっと葵ならなんとか道を開けるはず!
そして次回は葵と銀次さんの「夕がお」コンビが復活しそうで、これは純粋に楽しみです。
多分今回仲良くなった折尾屋の面々も協力してくれるでしょうし。

今回出てきた梅肉とチーズのサラダ巻き寿司、チーズと梅肉の組み合わせに特に心惹かれた私は、お弁当にとりささみの梅肉チーズ巻きを作ってみました。(鶏肉も食べたかったので折衷案。)
この組み合わせ、料理本で見たことはあるものの、試すのははじめてでどきどきでしたが、美味しかったです!いろどりもきれいでしたし。さっぱりとした酸味とチーズのコクがどっちも楽しめるの嬉しいです。
そういえば、葵の眷属アイちゃんも、なかなか頼もしく良いキャラしてました。

あと、あとがきにもあった作者さんのカクヨムの連載『浅草鬼嫁日記 あやかし夫婦は今世こそ幸せになりたい』も、最新話まで読んでみましたが、これまた面白かった~!
日本史とあやかし婚姻譚と現代日本の高校生の日常のミックス度合いが絶妙でした。
『かくりよの宿飯』とほんの少しリンクしている部分があり、色々にまにましたり。同姓の彼はどういうつながりなんだろう!
色々な意味で最強女子高生真紀ちゃんが、豪快で情にあつい世話焼き女房でとっても素敵なヒロインで、ヒーローの馨くんともども、幸せになっていただきたいものです。
そしてこちらのお話も出てくるご飯が美味しそうでおなかが空いてくるところは変わらず。お鉢いっぱいのこんもりポテトサラダを作って食べたくなってきました。そして浅草に行ってお蕎麦食べたいです。


ここ何日かにそれぞれの記事に拍手くださった方々、どうもありがとうございました♪

カテゴリ: ファンタジー(和風)

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