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ようこそいらっしゃいました。すてきな書物と美味しい食べ物をどうぞ。

『猫は秘密の場所にいる』全3巻 波津 彬子  

猫は秘密の場所にいる 1 (小学館文庫 はC 4)猫は秘密の場所にいる 1 (小学館文庫 はC 4)
(2010/10/15)
波津 彬子

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伯爵家の後とりで、若くて機知に富んだ美男子。これだけの好条件がそろいながら、コーネリアス・エヴァディーンは、なぜか未だに独身のまま。
英国社交界を舞台に、コーネリアスをはじめとする紳士淑女たちの優雅な日常、恋のかけひき、スパイスとしてミステリアスな事件、様々なお話が楽しめる、連作短編集。


羽津彬子さんの連作短編少女漫画です。
私が前々から少しずつ借りて読んでいた『うるわしの英国』シリーズが、文庫化されたもののようで。
文庫化されていたなんて全く知らなかったので、本屋さんでみかけたときは、ちょっとびっくりしました(笑)。

内容は、伯爵家の後とりの美青年なのになぜかいつまでも結婚できない(笑)コーネリアスが主役のお話をメインに、一見関係ないひと主役のお話も色々混じっていたり、とにかく英国紳士淑女の優雅な日常のお話を集めた感じ。
『うるわしの英国』シリーズ、タイトルまさにその通りのイメージ(笑)。
個々のお話は基本的に独立していますし、ドラマティックというよりは日常ほのぼの系のお話ですし、空き時間なんかに少しずつ気軽に読み進めて楽しむことができました。
私などは『うるわしの英国』シリーズ、刊行順でたらめに読んでいましたが、特に問題なく楽しめていました。

本当に気軽~に、英国上流界の人たちの生活のひとこまをのぞきみる気分で楽しめるのが、良いですねえ。
雰囲気も優雅でリッチな感じで、全然重たくないのがかえっていいです。
主役からほんの脇役にいたるまで、愛すべき素敵なひとたちばかりですしね。欠点にまで愛情がこもってる(笑)。
服装や建物の描写も丁寧でとても素敵です。女の人たちのドレス姿にときめきます(笑)。
解説によると、エドワーディアンが舞台だそうで、女の人たちのドレスは言われてみれば、優雅でありつつすっきりしています。動きやすそう。
ほんのり不思議系の要素も混じってきたり。でもお話に幽霊が出てきても全然怖くなかったし、ホラー系のお話が苦手な私にも問題なく楽しめました。雰囲気にしっくり調和していていいものです。

個々のお話を楽しみつつ、やっぱり気になるのは、「コーネリアスは、一体いつになったら結婚できるの?お相手は果たして誰になるの?」
そしてお話が進むにつれて、某猫さんの存在感が、ぐんぐん重みを増していく(笑)。
ついに文庫版のタイトルまで『猫』になっちゃってますよ(笑)。

ではでは一部のお話の感想を簡単に。
『ローランドの遺産』
いきなりコーネリアスがまったく出てこない(笑)。
突然見知らぬひとの遺産をゆずりうけることになったレイチェルがお屋敷で出会った不思議の物語。
見込まれただけあって、レイチェルがとても素敵な賢い女性です。幸せになってくださいね(笑)。
ローランド卿の秘密の想いは切なくて、でも彼の秘密のたくらみ(?)は、あたたかくて微笑ましくて。
私このお話、脇役のおしゃべりなリンジー・シェルバーン夫人が大好きです。ベリック卿とのコントのような会話が笑える…♪

『クレア嬢のお相手』
はねっかえりというよりはただただ好奇心旺盛で無邪気な女性・クレアがとても魅力的です。
クレアの容姿はとても私好み(笑)。

『グレイ卿の幽霊』
幽霊のお話だけど、幽霊の外見は一見グロテスクだけど、このお話好きなんですねえ。
全然怖がらずにすっかりなじんで仲良くなっているガートルードの姿が笑えます。いつの間にか良い雰囲気になっているし(笑)。かわいいカップルです。娘ほど積極的じゃないけど幽霊でも別に怖がっていないこの一家も愉快で好きです。
話のオチも、幸せになれそうで、なによりです。

『未亡人のお気に入り』『月の出をまって』も好きだなあ。お子様もかわいい。
『5番目のコーネリアス』、愉快なお家です(笑)。

第2巻

猫は秘密の場所にいる 2 (小学館文庫 はC 5)猫は秘密の場所にいる 2 (小学館文庫 はC 5)
(2010/11/13)
波津 彬子

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文庫版だと、意外にコーネリアスのお相手が見つかるのは早かったなと感じました(笑)。

『レディ・ダルリンプルの呪い』『under the rose』
アシュリー教授父子がまた愛すべきキャラクターで好きなのです。抜けてるお父様と、彼をあきれ顔でサポートする優秀な息子……♪でもお母さまのエピソードがちらりと出てきたときにはしんみり。
交霊会のうさんくささに笑っちゃいました。でも良いお話だな。

『ヴィルヘルムの待ち人』『扉をあける風』
そうかあ、やっぱりお相手は彼女でしたか…!
ばらばらに読んでいた時は全然気づきませんでしたが、文庫で順番に読んでいたら、ああ、なるほどねー。というか。
夫婦喧嘩に息子の結婚を巻き込む伯爵夫妻が笑えます。息子が災難だ……。お母さまが良い性格してる。
でもこのふたり、本当にベストカップルだと思うのです。お幸せに♪♪

『夢を見るひと』もお気に入りなお話です。

第3巻

猫は秘密の場所にいる 3 (小学館文庫)猫は秘密の場所にいる 3 (小学館文庫)
(2010/12/15)
波津 彬子

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『空中楼閣の住人』『はるかな緑の国』
『はるかな緑の国』のアンブローズさんとメルーディスさんは、このシリーズの中で一番ドラマティックというか、正統派ファンタジーっぽいロマンスをしているような……一見現実主義者っぽいのに、不思議の世界にとらわれている彼女に何のためらいもなく結婚しよう!と言いきった彼の姿が、とても格好良くて素敵でした。
もっと後になって、まるくおさまったようで、何よりです。ヴィクター共々お幸せに!!
それにしてもメルーディスさん美人だなあ。

『花の記憶』
この短編好きだったので、文庫版のしめくくりに読めて、嬉しくなりました。
エヴァンジェリンの現実主義な性格が好きです~。ロマンスもほどよくてお気に入り。こういう設定大好きです(笑)。
あとこのお話、脇役の黒髪の若奥様がかわいらしくてお気に入りです。締めのひとこともお上手!

できればコーネリアスのその後的なお話も読みたかったような……まあいいか(笑)。
羽津彬子さんの画集も欲しくなってきました。でも画集はお高い……ためらってしまいます(笑)。


関連してと言うか、羽津さんの漫画、冬辺りから色々集めて読んでみたりしました。
『うるわしの英国』以外での一番のお気に入りは、これは最近読んだものではありませんが、『異国の花守』。

異国の花守 (小学館文庫)異国の花守 (小学館文庫)
(2001/09)
波津 彬子

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優雅でちょっとミステリアスな和風ロマンス。アレックスがとても好青年で、恋の行方にどきどき。
読んでいて、金沢に憧れてしまいます。


昨日それぞれの記事に拍手下さった方々、どうもありがとうございました♪

カテゴリ: 漫画・その他の出版社

タグ: 羽津彬子