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ようこそいらっしゃいました。すてきな書物と美味しい食べ物をどうぞ。

『かくりよの宿飯 六 あやかしお宿に新米入ります。』友麻 碧 




ライバル宿の「折尾屋」からようやく「天神屋」に帰ってきた葵。
食事処「夕がお」を再開し、すっかり気心の知れる仲間となった天神屋の皆と一緒に、秋の味覚を堪能したり、新作お土産菓子を考えたり、にぎやかな日々を過ごしていた。
そんなある日、葵は大旦那様から果樹園デートに誘われた。いつものお誘いと変わらないはずが、折尾屋での件を経た葵は、大旦那様のことをもっと知りたいという自分に気づき——。


『かくりよの宿飯』シリーズ六巻目。
折尾屋編前後編を経て、ようやく舞台が天神屋に戻ってきました!
ホームに帰ってきた安心感があって、気心の知れたメンバーとのたわいないやりとりや信頼関係が、読んでいてとても良かったです。
季節は秋で今(五月)とはちょっとずれているのですが、葵の作るご飯はやっぱりひたすらおいしそうで、夜に読んでいるとどんどんお腹が減ってくるので困っちゃいました(笑)。
あと葵と大旦那様のふたりの関係に、ここにきてようやく若干の進展が!読んでいてごろごろときめいて仕方がなかったです(笑)。
料理に関してはあやかし相手に一歩も引かずに不敵な葵ですが、自分自身の恋心やそういう駆け引きには疎くて、彼女と大旦那様との不器用な心の通わせ合いが読んでいてもどかしくとても可愛いかったです。
しかしそんな和やかな日々がまた一気に突き崩されてしまったラスト一連の流れ!!
徐々に明らかになってきた隠世のあやかしたちの勢力図もなかなか複雑で、どうなってしまうのやら。

序盤の新米イベント。気心の知れたメンバーと美味しい炊き立てご飯をひたすら楽しむ場が読んでて楽しく心和む……。卵かけごはんに鮭フレークに自家製なめたけの魅惑。
そして大旦那様との果樹園デート。味覚狩りは楽しいしなんだか天神屋ならではという感じがします。途中トラブルが入り若干(?)変な方向にいってしまいましたが。
ちょっとマヨネーズを入れた卵焼きとおにぎりのお弁当がまた美味しそう。
そして山賊退治のために葵が腕を振るった、山羊チーズのピザ(焼き豚きのことさつまいもりんごの二種類)がおいしそうすぎる~。私はスイーツピザの方にシロップをかけていただきたいです。
単なる誤解による人さらい事件ではなく、きな臭い事情もからんでいて、そういうときに大旦那様はやはりとても頼れる。
葵に指示され嬉しそうに手伝いに精を出している大旦那様とのギャップが良いですね(笑)。
あと美女を侍らせる山賊の姿に、史郎さんを思い出してなんともって、史郎さんは隠世でいったいどんな生活をしていたんだ……。
あとアイちゃんの化け姿を提案した葵にときめきました。わあ、葵は無自覚だろうけれど読んでいるこちらも恥ずかしい(笑)。表紙のはつらつとした可愛い女の子はアイちゃんだったんですね!

折尾屋の秀吉とねねちゃんが婚約というおめでたいニュースに続き、春日のおうち事情にびっくり仰天。
ぱたぱたよく動き気が利き要領も良く可愛い春日はお気に入りキャラだったので、天神屋を去ることになってしまうというのは寂しかったけれど、葵と二人で頑張っている姿を今回たくさん読めて嬉しかったな。
春日自身の初恋の君がお相手のようで、それならばひとまずは素直に彼女の幸せを応援したい。
でもなかなか大変な道なのでしょうね……。そこのところ踏まえてお涼も春日のこと心配していて、ラストの一連の春日とお涼のやり取りが、とても良かったなと思いました。お涼はなんだかんだ言って格好良く仕事ができて頼れる若女将の器なんですよねえ。
春日が事あるごとに、葵を同じ八葉の嫁として将来も交流があるだろうから、みたいなことを当然のように言っていて、それに戸惑いつつもなんか否定もできない葵のとまどいと距離感にもときめいたり。
地獄まんじゅう開発エピソードも面白く読みました。というかこの蒸しケーキのようなおまんじゅう絶対美味しいですよ。米粉と酒種生地でたまごにチーズも入れて、温泉の蒸気で蒸して日持ちするようにも工夫して……ああ、こういうの読んでいるの私すごく楽しい。天神屋のメンバーの絶妙なサポートでどんどん商品化に向け改良されていくのも楽しい。

あと葵とお涼と春日と静奈ちゃんのぶりしゃぶ女子会エピソードも楽しかったです。程良く闇テイストで、でも女子会ってまあそんなもんですよね(笑)。気心の知れたメンバーで美味しいものをつつきつつぶっちゃけトークってなんでこんなに楽しいんでしょう。
ぶりしゃぶもおいしそうでしたがデザートのぶどうのカスタードタルトが美味しそうすぎてもうどうしましょう!というレベルでした。
ひたすらぶっちゃけるお涼と大人しくても言うことは言う静奈ちゃんとか色々楽しかったです。
銀次さんの秘密、春日それ本当にどうやって知ったんだ……。

大旦那様の秘密の空中庭園の場面は、どきどきしました。
大旦那様自身のことはいまだに謎だらけで、葵は分からないことだらけで、それでも大旦那様のことを知りたいと思う。という葵のとまどいとか色々せまってきて。
大旦那様の本心はやっぱりなかなか読めずもどかしいけれど、これまで葵をずっと陰日向でささえ続けてきた優しさや気配りを思うと、正体が極悪非道な鬼なんて、そんな言葉通りとはとても思えないんですよね。
葵も現世にはあまり未練なさそうだし(それはそれで悲しいことだけれど)、このままお嫁入りしてもいいんじゃないかときっともう天神屋のメンバー全員そう思っているけれど(それを認めさせた葵の実力が本当にすごい)、うー、どうなるのかしら。

大旦那様と違って、私かぼちゃが大好きなもので、秋祭りイベントのかぼちゃ尽くしメニューにもときめきました。
かぼちゃと七味唐辛子でぴりっとさせたメンチカツ、豆乳カボチャスープに隠世ツナのコッペパンサンドの組み合わせ、皆美味しそうです。たまらない。あと自家製ほしぶどうと手作りバタークリームのコッペパンサンドも非常に心惹かれる。

新キャラの(←すみません、間違いです。3巻ですでに登場されていました。)千秋さん、程良く力が抜ける感じのいいひとだったな。
暁が妹からの手紙を読んでいる場面もほのぼのしました。鈴蘭さん相変わらず史郎さん大好きで幸せなんだな。
銀次さん、今回出番少な目でしたが、やっぱり葵をしっかり支えてくれる彼の存在は読んでいるととても安心する。彼の本心を思うと切ない感じがしますが……。
チビは安定のチビでした。

それにしてもあのラストはいったいどう転がっていくのか!
雷獣がやはり本気でいけ好かなくてどうしようかと思いましたが、そうだ、天神屋なので白夜さんがいてくれたんだった(笑)。
当座はしのげたけれど、根本的な解決になっていない感じで、うーん、不安が募ります。
黄金童子様のこと、津場木史郎の呪いの件と大旦那様との約束、大旦那様の明かされていない秘密、あと葵の過去の回想にちらりと出てきた茜少年のつながりなど、気がかりなことがたくさんです。続きがとても気になる。
葵は今後自分の身の振り方について、どんな選択をするのかなあ。

『浅草鬼嫁日記』の二巻目も同時発売で買ってきましたので、これから読みます。楽しみ!!


ここ最近の間にそれぞれの記事に拍手くださった方々、どうもありがとうございました♪

カテゴリ: ファンタジー(和風)

タグ: 友麻碧