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ようこそいらっしゃいました。すてきな書物と美味しい食べ物をどうぞ。

『わが家は祇園の拝み屋さん7 つながる想いと蛍火の誓い』望月 麻衣 




京都の護りの結界の補強に向けて、準備合宿をすることになった小春と澪人達チーム五人。
その夜異形のものに遭遇してしまい、澪人の力で事なきを得たものの、早く結界を張り直さないと京都に「魔」が入り込んでしまう。
一度目の「補強」の成功に続けて計画を進めていく中で、小春、そして澪人の兄の和人の側に影の気配が——。


『わが家は祇園の拝み屋さん』シリーズ第七弾。
表紙イラストのふたりの良い表情と雰囲気まさにその通りの、これまでの伏線がすべて、すっときれいに収まった巻になりました。
ああ、よかった。小春ちゃんと澪人くん、本当に良かった~!!!
読後感がとても幸せで思わず涙ぐんでしまいました。
雪が凍り付く寒い夜に、心があたたかくほこほこぬくもってきて、何といえばいいのかしら、まるで祇園の吉乃さん達のおうちの団欒の席に私も実際に混ぜてもらっているような。

改めて友風子さんの表紙イラストは毎回秀逸で、特に澪人さんのうるわしさ、色気のある格好良さ、それでいて凛ときりりとした雰囲気、涼やかな目、もはや友風子さんのイラスト抜きには成立しえない(私の中で)。
墨染の着物が本当に映えていらっしゃる。あざとくて素敵です(笑)。
あと小春ちゃんの幸せそうな笑顔の横顔がたまらないです!
蛍の淡い光も夏の夜の闇も、お話の雰囲気にとてもあっていて、優しくて可愛らしくてあたたかな雰囲気で、すてきですね。

あと、帯の「私を救ってくれた大好きな京都を守りたい——」というフレーズが、心に染み入りました。


ではネタバレ感想ご注意を~。(そして今回はあとがきネタバレ注意だそうです。)


サブタイトルの「つながる想い」、前世に「引きずられる」のではなく「受け継いでいく」というスタイルを主役ふたりが選択していて、ああ、ふたりらしいな、素敵だなと思いました。
無理のない自然な感じで登場人物がつねに前向きで未来を信じているところが、私がこのシリーズを好きな理由の一つ。
とはいえ、良く考えてみると、小春も澪人も、最初の頃と今の姿は、本当に変わったな~。とも思います。
前巻でようやく素直に生きようと腹をくくった澪人の雰囲気はぐっとやわらかく自然体になったし、小春ちゃんも本当に凛としたというか成長して素敵な女の子になりましたね。
前世を自分の中で受け入れて、そのうえで今をちゃんと頑張って生きている感じが伝わってきて、うん。

恋に素直に生きることにした澪人くん、なんだか本当に雰囲気変わって可愛らしくて、照れたり相手の気持ちに不安に揺れている様に、いちいちきゅんきゅんときめいてしかたがなかったです(笑)。
それでも「くそ真面目」なのは彼の本質なので……そこがしっかりしているからこそ安心してときめくことができるというか。もっと積極的になってもいいのにな~とか思いつつ、これ以上だと読んでいるこちらが恥ずかしすぎる~とかも思う訳で、心の中で葛藤が(笑)。
そして澪人さんの雰囲気が自然体になったと同時に、彼の京都ことばがぐっと優しく柔らかく響くようになった気がして、読んでいて心地よかったです。雅ですねえ。基本が丁寧口調のホームズさんとはまた別のはんなり艶っぽい色気が。
小春ちゃんはなんというか、恋に関しては動じなくなったな。という印象。澪人視点が多めだったからかもしれませんが。
和人さんとのデートの顛末がラスト近くまで引っ張られていたのもあって。読者の私も澪人さん同様やきもきしてしまいました。
というか、和人さんとのデートで小春ちゃんの中では自分の気持ちにひとつの決着がついて、この時点では心が決まっていた、ということだったんだろうな。とラストまで読んでから改めて思いました。

結界補強対策チームの合宿、チームの五人のやりとり、わいわい楽しそうで良かったです!!
深刻な状況を「不謹慎」ととらえることなく、「ワクワク楽しい気持ち」を肯定的に、実際のパワーとしてとらえる澪人さん達のスタンスが、とてもいいなあと思いました。
そうか、こんなにシンプルでいいんだ。現実世界でもこんな風に考えていきたいな。
いかにも学生さん達の合宿というエピソードの数々がいい。
五人とも程度の差があれ特殊な立場の学生さん達で、気心や事情を打ち明け合ったうえで素直にみんな楽しんでいる様が、可愛らしく微笑ましくいいものです。特に澪人さん良かったよね……(おばさんのような視点)
そして可愛いものには即反応するクールビューティー由里子先輩が至る所で可愛らしくって、これまたきゅんきゅんときめいてしまいました。ちゃんとみんなのお姉さん役なのも頼もしい。(朔也君の姉ちゃんみたいと指摘されて少し嬉しそうにしている場面とか本当にもう可愛らしい……!)
朔也君のちょっとチャラいところも、もう彼の個性として私も自然に受け入れられるようになってきました。
でも今回、彼の以前の行いのある意味報いとも思える出来事があって、彼がそこに自分自身できちんと落とし前をつけていった展開、良かったです。(由里子先輩の補助が格好よかったです!!)
あと自分できちんと考えて、コウメちゃんに謝りたいと思う、心根のまっすぐさも、見直しました。
朔也君と八雲さんの仲良し姉弟も好きだな。小春ちゃん達の家のごはんに誘われたもののふたりですたこら逃げ出した場面が微笑ましくて笑えました。ふふっ、皆普通じゃないんだな(笑)。
愛衣ちゃんも、そんな普通でないメンバーの中で大健闘です。
特に小春に悪意が向けられた場面での彼女の友情の頼もしさといったらなかったです。彼女の賢さとまっすぐな正しさが好き。

五人チームでの結界の補強、和人さんの危機を救いに駆け付けた澪人と小春ちゃんの戦い、おもてだったストーリー的にもかなり盛り上がりました。皆本当に頑張った!おつかれさま!!
安倍晴明のこと実は私もあまり基本的なこと分かっていなかったので今回とても勉強になりました。やっぱりすごいひとだったんだな~。
和人さんと澪人さんの危機的な状況での兄弟思いあう心に目頭があつくなりました。
玉椿の知識を得て澪人の助けとなる小春の立場も、とても自然で良かったです。いざというときの度胸!やっぱり恋する乙女は強くなりますね。
というか、最後にすべてを持っていったのは、宗次朗さんと杏奈さんでしたけどね!!
宗次朗さんはもう持っているオーラからすべてが格好いいというか、別格というか。今回色々納得してしまった。

宗次朗さんといえばやはり今回もおいしそうなお菓子がいっぱいでわくわくしました。
飴細工のドームに入ったアイスクリームって想像するだけで魔法みたいなデザートですねえ。
そしてやはり私はシリーズの最初の方に出てきたミニあゆが気になる。ふわふわもちもちのあゆ、絶対美味しい。

玉椿姫と左近衛大将の前世の清算の場面、そこからつながるふたりの場面、繰り返しですが良かったです。
ストレートに想いを告げる姿にぐっときました。
あとようやく和人さんの前世での役割が明らかに。
そういうことか!そういうことだったのね!!納得。
現世の和人さん自身の想いを考えるとちょっと切ないのですが、なんだか泣き笑いのような幸せな気分で満ちてきたのでした。
そして小春ちゃんが賀茂兄弟に対してちょっと強くなったなと感じるようになったのも、自分の中で納得。お母さんはつよい。

皆の前で小春との交際を宣言した澪人さんやるな~と思いつつ(個人的にここがいちばん「あざとい」と思った)、バージョンアップした(?)コウメちゃんのもふもふ可愛らしさが、最後まで最高でした。
というかコウメちゃんがずっと大事に守っていた秘密にびっくり仰天。由里子先輩とのご縁はもしかしてここつながり?
若宮君コウメちゃん達サイドの意味深な会話もありつつ。

本当にすべてがきれいに収まってこれで完結といっても良いかと思うような七巻目でしたが、どうやら続きが読めるようで、わあ、嬉しい♪
またこのメンバーが元気で色々頑張っている姿を見守っていけるのを楽しみにしています。

書店応援特典のペーパーも『寺町三条のホームズ』とのコラボでお得感いっぱいで楽しかったです。
こちらのシリーズの新刊もとっても楽しみです~。


一昨日昨日と記事に拍手くださった方々、どうもありがとうございました♪

カテゴリ: ファンタジー(和風)

タグ: 望月麻衣