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ようこそいらっしゃいました。すてきな書物と美味しい食べ物をどうぞ。

『Unnamed Memory Ⅱ 玉座に無き女王』古宮 九時 




契約の下一年という期間をファルサスで共に過ごすオスカーとティナーシャ。
そんなふたりのもとに、魔法や禁呪絡みの不可解な事件が続いたのちに、ラナクという不審な魔法士の青年が現れる。
ティナーシャのかつての婚約者であったという彼は、大陸の完全支配を企てているようで——。


『Unnamed Memory』書籍化二巻目発売。おめでとうございます!!!
再びこの分厚くて重厚な雰囲気がふんだんに醸し出されている書籍を手に取れる幸せを、かみしめてしまいました。
やはり表紙のカラーイラストが秀逸です。
派手ではないけれど深さと重みとほの暗さを感じる背景の色遣いがたまらない。
戦いの姿勢のオスカーとティナーシャの背中合わせの構図も格好よくてしびれます。

表紙を開くと大陸の地図があってこれは嬉しい。
(そしてカラー口絵のラナクの麗しさにうっかり悶える)

さてこの二巻目の部分、Web版でも何度も繰り返して読んだお気に入りのエピソードが多くて、特に楽しみにしていました。
実際に読んでみると、書籍版の加筆エピソードが大小ふんだんにあって、読み応えも増していて、とっても面白かったです!!


以下は一応ネタバレ含みということで。お願いいたします。


最初の『魂の呼び声』は追加エピソード、かな?
魔女の時代のはじまりのエピソードも禁呪絡みの事件もヘビー。
そしてラナクの本格登場。オスカーの呪い解呪。ナークの引継ぎと去ってしまうティナーシャ。なかなか急展開だな。
オスカーの呪いの解除で、ラヴィニアの呪い(祝福か)にティナーシャが相殺の呪い(魔法?)をぶつけて相殺する詠唱が、意味を考えるとなかなか深い。女三人の愛情を考えてしまいました。そしてティナーシャ本当に優秀だな。
ティナーシャがオスカーに一度覚悟を決めて別れを告げる場面も、イラストも相まって印象的でした。
あ~、シルヴィア達が頑張ったティナーシャのおめかし姿を実際にイラストで見られる時が来ようとは、嬉しいものです。
加えて浮かび上がったティナーシャがオスカーの瞳をのぞき込むという構図が私はとても好き。

『深淵の生まれる時』(←章タイトルすごく好き)~『夢の終わり』
このあたり私本当に読み返して読み返しているので、あ、ここが加筆部分だ!とかある程度分かるのが、一層楽しかった。
ティナーシャがラナクと去った後、ルクレツィアさんがオスカーと魔法士たちに語るティナーシャの凄惨な過去。そしてオスカーたちの決意。そんな皆を満足そうに見つめるルクレツィアさん。何度読んでも好きです。
もちろんティナーシャの本名は私も暗記しています(笑)。
ティナーシャを救いに行くと迷いなく決意するオスカーの揺るぎない愛情、強さ、頼もしさに泣きたくなります。
十三歳の無邪気な少女であったティナーシャの孤独と絶望を思うと本当に心が痛い。辛い。
ティナーシャが四百年の後にオスカーとめぐりあえて、本当に良かったよなあ。
一方クスクルでティナーシャが得た忠実な臣下・レナートとパミラ。このふたりもすっごく好きなのです!
パミラの半ば押しかけ臣下なエピソードは微笑ましい。ティナーシャの優しい言葉は確かに私の心にも染み入りました。
魔法士憎しながらティナーシャに惹かれてしまい毎夜逢瀬を乞うルスト王子も、なんか悪い人ではないんですよね。彼の気持ちに全く気付かず律儀に毎夜訪れていたティナーシャの鈍さが彼女らしくて好き。
ラナクのあの詠唱、改めて読んでいくとなんだかな~という意味ですよね。まあ気持ちは分からないではないけれど。
ティナーシャの過去の清算の戦いの場面は読み応えがあります。オスカー頼もしい!!
ファルサスの宮廷魔法士なだけあるシルヴィアの戦いの実力のエピソードが加筆されていたのが個人的には嬉しかったです。
十二体の精霊継承格好いい!!

『お茶の時間』~
直前の戦いが大規模だった分ちょっと小休止的なエピソードが続く。
ルクレツィアさんの魔法入り菓子に毎回引っかかっているというティナーシャが可愛いのです。
そしてイカのイラストのインパクトがすごすぎる(笑)!
ニスレの夜の海のデートの場面、青の描写がとても美しくてふるえます。ティナーシャの衣装がなかなかきわどい。そしてナチュラルにラブラブ。
怪しい歌の持ち込み話。確かにラザルって、毎回オスカーに振り回されてるわりには毎回怪しげな話を自分から持ち込んできてますよね!吹き出してしまいました。
ティナーシャとオスカーにそれぞれ手伝わされたドアンとアルスのそれぞれの立ち位置と性格が出ていて面白いなと思いました。ドアンさすが優秀。
トゥルダールに保管されていた花嫁のヴェールのエピソードはじーんときます。

『緑の蔓』
Web版の記憶よりもずっと大物が背後に控えていてびっくりしました!(てっきり例のあれのエピソードがもっと膨らませられるのかと思っていた)
ハヴィとエルゼ達のエピソードは何度読んでも心がすこしざらっとする。ふたり自身というよりエルゼの周囲の感情を考えると……。
UMのさらりとしたロマンス描写だからこそさらりと読めるふたりの関係性なのかなと思います。
最強の魔女ではあるけれど相変わらず自分自身の傷には無頓着なティナーシャ、描写が痛い痛い。

一冊読み終えてみると加筆部分たっぷりですごいボリュームだったな!としみじみ思いました。
オスカーとティナーシャの少しずつ近づいていく距離感、無自覚ながらラブラブなやりとりもより丁寧に描かれていて、この点からも読み応えばっちりでした。

イラスト本当にティナーシャの服装が全部違っていて眼福でした。
ラナクがあんなに哀愁漂う美形でずるくないですか?(笑)確かにこんな優男風情ではティナーシャの手綱なんて取れそうもありませんが。
欲を言えばファルサスの臣下組のイラストもほしいです!!三巻ではぜひぜひ。
あとティナーシャのヴェールもイラストで見てみたい。

古宮先生のインタビュー記事と、書籍特典SSは、必見ですよ!!
SSのシルヴィアが元気がよくて優秀なファルサスの臣下っぽくて良かった。パミラとレナートもほっとしたことでしょう。
あと花嫁のヴェールで思っていたよりずっと表に出して喜んでいたティナーシャにもぐっときました。
本家サイト様の方の100題話には、ティナーシャの両親のエピソードもあったりするので、皆さまいずれ本家Web版の方もぜひ目を通されてみてくださいませませ(勧誘)。(ただし100題話あたりは全作品ネタバレごった煮状態なので要注意です)
他にもSSや企画ものネタやとにかく読んでも読んでも関連話が大量にあるので、読んでいて嬉しい悲鳴です。
今巻で出てきたキャラ同士の恋愛ネタ話もありますよ!!これは本編終了後に読んだ方がいいのかな。
最近ぽつぽつ『Unnamed Memory 』Web版読了されたという方をネットでお見かけするのでこっそりお仲間が増えて喜んでいる私です。
UMサイドストーリー、World Memoriae の一連作品は、すべて何かが繋がっているので、いずれすべて読んでいただきたいなあ。
なかでも『Void』はUMの外伝的な色が強い作品なので、サイドストーリーまで読まれている方には特におすすめ。綺麗で悲しい恋愛物語です。
書籍二巻目の内容に少し関係してくるのが『水の冠』。これも綺麗で悲しい恋物語です。この作品のヒロインは未だにつかみ切れない。


この一週間くらいにそれぞれの記事に拍手くださった方々、どうもありがとうございました♪


追記以下にWeb版すべて込みネタばれのつぶやき。

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カテゴリ: Memoriae シリーズ

タグ: no-seenflower