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『恋のドレスと秘密の鏡 ヴィクトリアン・ローズ・テーラー』青木 祐子 

恋のドレスと秘密の鏡 ヴィクトリアン・ローズ・テーラー (ヴィクトリアン・ローズ・テーラーシリーズ) (コバルト文庫)恋のドレスと秘密の鏡 ヴィクトリアン・ローズ・テーラー (ヴィクトリアン・ローズ・テーラーシリーズ) (コバルト文庫)
(2007/12/26)
青木 祐子

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ヴィクトリアン・ローズ・テーラー』シリーズ、再読10冊目。
伯爵令嬢・アディルのドレスが大評判だったクリスが次に作ることになったのは、モアティエ公爵家の長女でアディルの親友でもあるコーネリア・モアティエのドレス。
我の強い奔放な令嬢と評判のコーネリアは、ロンドンに引き取られることになった異母妹のアップルに複雑な想いを抱いているようで、クリスはモアティエ家にそこはかとない闇の影を感じ取りおびえる。
自分に近づいてきた財産のない子爵家の青年・ビアードと気ままに恋愛を楽しんでいたコーネリアは、あるきっかけで、アップルの方にビアードを近づけようとするのだが……?


※この記事も、シリーズ最新刊まで読んだ上で書いた記事なので、初読の方の場合はネタばれ注意です。
初読の方にもすでに読んだ方にもおすすめなのはやはり、『空夢ノート+』さまの素敵感想記事。→こちら


引き続き再読記事です。
この巻の表紙はシリーズ半ばあたりの中では特にお気に入りのものです。クリスとシャーロックの距離が近くてどきどきします(笑)。あとふたりとも、瞳の色がとても美しい。

前巻から連続していて、今度はコーネリアが初主役の巻。
この巻は、シリーズの中でもいまいちつかめないものが多い巻だったな、と私の中では記憶されていました。
コーネリアのドレス、「真実の鏡」「虚構の鏡」どっち?とまず混乱しましたし(笑)。
この巻あたりからクリスと闇のドレスとの関わりが本格的に見え隠れしてきて、全体が見えていなかった私はそのたび意味が分からなくていっそう不安感が増してきたり……クリスにも闇のドレスとのかかわりが?どういうこと?ミセス・コルベールって誰なのよ?アップルのドレスとコーネリアのドレス、闇のドレスなのはどちらなの?……などなど。

けれども今になって、シリーズの先の巻、特に『聖夜の迷宮』『聖夜の求婚』の内容も分かった上で読んでいると、なるほどそういうことだったのね…みたいに、ひとつひとつ納得していくことができました。
シリーズものの再読はこういう発見が楽しいですねー。

はじめのうちは意地悪で気の強い令嬢で正直苦手なタイプだな…と思ったコーネリアですが、後半にいくにつれ少しずつ素の顔も見えてきた感じで。読んでいてかわいそうになってきました。
闇のドレスの注文も、まさかそういう事情だったとは……いやはや。
この巻ではまだまだかくれているけれど、ドロシアさまが相当怖いです。はい。
恋に身をこがしてライバルに憎しみをつのらせる母親、それでも母を愛しているから逆らえずになんでもやってしまう、でも本当はやりたくなくって逃げ出してしまう……同じ人に恋したアディルとはまた違う意味で、クリスにはコーネリアの気持ち、それはそれは理解できるでしょう。納得。

そんな中で、アップルとコーネリアの母の違う姉妹同士が少しずつでも仲良くなれたのは意外で、だからこそというのか、貴くて、読んでいてとても良かったです。
アップルは、かわいそうと同情される立場にいるのだけれど、実はとても強い娘だなーと思いました。強くて賢くてとてもいいこ。
コーネリアが弱い娘かというとけしてそういう訳じゃないのですが。コーネリアはきっと、優しすぎて、大切なひとを誰ひとり見捨てられない子なんだな……。わーん、コーネリアもいいこだよ!(涙)
打算つきのゲームとしてつきあっていたはずのビアードと、いつしか本気で惹かれあい始めるコーネリア、このふたりのロマンスも、最初の内はいまいち共感できなかったけれど、今は本当に大好き。

クリスとシャーロックのふたりも……この辺りが一番もだもだしていたかなあ?(笑)
お話の一番最初のおだやかなデートの場面はお気に入りです。約束をすっぽかしたのをあやまってもクリスがあまりにおだやかなので、かえって不安になるシャーロック、そうだよね、気持ちはわかる…。
ジェイムズに嫉妬している場面は再読するまで忘れていたな…。
雨に濡れての逢瀬も、どきどきしました。シャーロックの最後の言葉とクリスの返事のずれが、なにげに痛くて苦しかったけど。でも良かった。
シャーロックのはっきりしなさ加減は正直いらいらもするのですが(苦笑)、この巻のラストで、何の迷いもなくクリスを公衆の面前でかばったシャーロックがもう本当に格好良くって、これはずーっと印象に残っていました。
それをアディルさまが見ていた……という構図がね、緊迫感ありますよね!
あきさんの挿絵が本当に良いです。クリスを守って歩いていくシャーロックの、決意を秘めた冷たい横顔が格好良い……!

そしてこの巻はもう本当、パメラの活躍が光ってましたね!
シャーロックへのしょうがの香りのパンチ、読者の思いを代弁(言葉じゃないけど)してくれたと言いますか。すかっとしました!あまり痛くなさそうですけどね(笑)。
あと、園遊会ですみっこでため息をついていたビアードとのやりとりも素敵だったなあ……ビアードは時間つぶしですか、そうですか(大笑)。
あとリルちゃんも大活躍でした!難しい立場のクリスやアップルの味方として、さりげなく常に上手く立ち回ってくれて……十歳とは思えないほどの有能っぷりです。

あと、ユベールも、意外といいひとだったのかもしれないなあ、なんてね。
後々書かれていたように、金でやとわれて闇のドレスの仲介人をしていたらしい彼ですが…クリスのことは、彼なりに真剣に身を案じているっぽくて。
森の中でコーネリアと会話していたシーン、ああ、そういう意味!

アップルのドレスが闇のドレスじゃなくて、ということはもしかしてクリスが作ったコーネリアのドレスが闇のドレス…?みたいにすごくぐらついてて不安でしたが、今読んでいると、そうではないか。
このドレスを着てコーネリアは、母の呪縛からいっときでも解き放たれて、ビアードに救われて、夢うつつに?彼の愛の言葉を聞いたんだから。心の中で、自分に素直になれたんだから。
やっぱり恋のドレス、だったんですよね。
そっか、だからこの段階では「虚構の鏡」だったのか…なんとなくわかったようなわからないような(苦笑)。

そうそう、コーネリアの採寸の場面で真珠の粉が出てきて、雑誌の短編のコーネリアのお話を読んだ私としてはとてもにこにこしました(笑)。
この場面を読んでいた時は、近い将来このふたりがまさかあんなに仲良くなるとは……夢にも思わなかったよね(笑)。

エピローグに出てきた「おやすみなさい、美しい夢を」は、未だにちょっとよく分からない…。


以下、お気に入りの場面・台詞をセレクト。

「わたしは小説よりも、詩が好きです。文字が時間を切り取っているようで。」
「詩か。誰が好き?」 (16頁)

――この辺りのクリスとシャーロックの会話がいちいちすごく好きです。何度も読み返しているので、やりとりをなんとなく暗記しています(笑)。
シャーロック……シャーリーって言ってくれ……お決まりのやりとりも美味しいですよ(笑)。
私も正直、いいところを邪魔してくれたエドには文句を言いたい……。


「もしリルのお披露目パーティーがあったら絶対クリスとパメラをいちばんいい席で呼びますわ。えーと……五年待ってくださる?」 (202頁)

――リルちゃん素敵過ぎる…!お姉さんは五年も待てません(笑)。


メモ。
ドロシア・モアティエ、ミセス・コルベール(リンダですかつまり)、本格的には初登場。


一昨日、昨日とそれぞれの記事に拍手下さった方々、どうもありがとうございました♪
コメントもくださった方、本当にありがとうございました!一週間前にくださった方共々、お返事は少々お待ち下さい…!

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カテゴリ: 『ヴィクトリアン・ローズ・テーラー』シリーズ

タグ: ヴィクトリアン・ローズ・テーラー  青木祐子 

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