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『恋のドレスと白のカーテン ヴィクトリアン・ローズ・テーラー』青木 祐子  

恋のドレスと白のカーテン ヴィクトリアン・ローズ・テーラー (ヴィクトリアン・ローズ・テーラーシリーズ)恋のドレスと白のカーテン ヴィクトリアン・ローズ・テーラー (ヴィクトリアン・ローズ・テーラーシリーズ)
(2012/03/01)
青木 祐子

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ヴィクトリアン・ローズ・テーラー』シリーズ、27冊目、本編としては22巻目。
シャーロックが父の命令でイギリスから旅立って、半年以上。
シャーロックはアメリカ・ボストンの片田舎で、機械工ラリーのパートナーとして、自動車の開発に携わっていた。
一方『薔薇色』では、パメラが結婚してアフリカへと旅立ち、クリスは新しくやとったお針子たちと共に忙しく働く日々。
手紙でやりとりはしてはいるものの、離れ離れのふたりはしだいにつのる気持ちをおさえられなくなり、ついにクリスはひとりで渡米する。
ハクニール公爵家の後継者問題とシャーロックとクリスのふたりの結婚、愛し合うふたりと『薔薇色』をめぐる人々が奔走し、つかみとる未来は、最終的にどうなるか!?
英国大河ロマン、ついに本編完結。


何年か前に出会って以来ずっと新刊を追いかけ夢中になって読み続けてきた、私がとてもとても大好きなこのシリーズ、ついに本編完結巻が出ました。
いつものように発売前からネットで見られるあきさんの表紙にうっとりし、発売日にどきどき高鳴る胸をおさえて書店へ行って本を購入し、頁をそっと開いて、いったん読み始めたらいつも通りにもう夢中になって、すべてを忘れて最後まで一気に読み切ってしまいました。

あきさんの表紙のすばらしい幸せ感や目次の各章の名前の雰囲気から、結末についてはまあ、ある程度安心していたと言ってもいいでしょうか、ね。
それでも実際にお話を読み終えて……うん。クリスとシャーロックのふたりが、『薔薇色』をめぐるひとたちが、27冊分のお話を経てついにたどりついたラストに、もう胸がいっぱい、としか言いようがないです。
再読し終えてあらためてあきさんの表紙をながめていたら、じんわり目がうるみました。
一回目に読んでいた時よりむしろ、二回目、三回目と読み返していくにつれて、お話のすばらしさ、完成度を実感し、じわじわと愛しさがあふれだしてきました。
『白のカーテン』、ああ、なんとなくですけれど、そういう意味だったのですね。
物語の幕引き直前、お城にさっと吹いた風。
クリスとシャーロックのふたりが、もう大好きすぎますよー最高だよーたまりません!!

そして感動の完結巻ながらに、ここ最近は特に恒例の笑えるシーンもまた同じくらいに満足でした。
シャーリーきみは最高だよもう最後まで……(笑)。読み終えるまでに何度吹き出してしまったか。
あきさんのあとがきとか、間違いなくシリーズ史上最高のインパクト。

ネットで他の方が書かれていたのを読ませていただいてあらためて気づいたのですが、読む前はシリーズが終わってしまうのをあんなに寂しいとブルーになっていたのに、いざ今読み終えてみると、感じるのは寂しさよりむしろ、この完結巻まで読みきることができたことへの、あふれるばかりの満足感。
こんなに素敵なお話に出会うことができて、読むことができたことへの、心からの感謝です。
ありがとう。おめでとう。この幸せ感を、ありがとう!(涙)


……なんだかお話への愛をぶちまけた前置きだけでいくらでも文章をうめていくことができそうですが、このシリーズへの私の個人的な思い入れもそれだけで長文記事になるくらい存在するのですが、この記事の本体は一応ネタばれ感想語りなので(笑)、以下、いつも通りの感じで追記に収録しますね。
ツイッターではあまりネタばれ語りはできないので、ここ数日本当にもどかしかったんですよー(笑)。
ええと、今回もお約束です。びっくりな長文です。
特に最後の方とか、書いていて感極まってどうしても冷静でいられなかったので、きっと読み辛いです。だってもう無理だよ、思い返すだけで感動で未だに泣けてくるよ……(涙)。
まあ、そんな感じなのですが、それでも読んでくださるというありがたいあなたさまは、追記より、どうぞです♪

今回の表紙……夢のように美しいです。幸せですね。たまらないですね。
あきさん、間違いなく、今までで最高です。
透明感のある品のあるピンク色が画面全体に散っていて、花が咲きこぼれていて、本当に美しいです。美しいとしか書きようがない…。
クリスとシャーロックも最高です。
特にシャーロックがクリスへ向けるまなざしが、本当におだやかで深い愛情に満ちていて、ここが一番好きだなあ。
シャーロックに全幅の信頼をよせて目をとじておだやかな優しい表情でもたれかかっているクリスもとても良いです。
髪型もかわいいです~。お花が本当によく合っています。
帯の下のしっかりつながれた手も、すっごく良いですね。
もうこれだけでいくらでも見つめていられますよ。
「カーテン」の「ン」のリボンも素敵。いつもこのリボン、私、何気に好きなんです(笑)。


感想について語りだす前に、今回は何よりもまず、これだけは言わせてください。

クリスとシャーロック、結婚おめでとう!!本当に本当に、おめでとう!!!

シャーリーに関しては、とりあえず、ビアードに全面同意です。この幸せ者め~!(笑)
クリス最高にきれいだよーかわいいよーいい娘さんだよー(涙)。


ええと、ここからは一応順番通りに。

まずは、初回限定ミニ小説『月光の紳士』から読み始めました。
紫色の紙とあいまってなんだかあやしい雰囲気ただようタイトル(笑)。
このお話については、まあ、シャーリーの思考回路が面白すぎる!!……以外は特に、感想として語るべきことはないかな(笑)。読んでいて頬がゆるんできてしかたがありませんでした。
……あ、違う違う、忘れてました。
シャーロック、私が思っていたよりずっと、紳士でした。
だよね、シャーロックだものね。クリスも賢い娘さんだしね。
うん、本編も読んで、安心しました(笑)。


お話のはじまりは、『花ひらく淑女』から半年以上後。
シャーロックは本当の本当に、アメリカでラリーのパートナーとしてガソリン車の開発をがんばっていました!おお!
ほんのりと『若草物語』っぽいイメージがしたのは、アメリカだからか、その後で軍のエピソードがちらっと出てきたからかしら…。

というかこの辺りでは、クリスと離ればなれで、彼女を求めて予想以上の禁断症状をおこしているシャーロックが、読んでいて痛々しくて辛くって。
前巻では、別れ際がつらそうだったのはむしろクリスの方だったから、シャーリーについてはそんなに心配していなかったんですけどねえ。
『聖夜の迷宮』や『聖夜の求婚』で、クリスと逢えなくなって仕事に支障がでるほどがっくりしていた彼の姿を思い出しました……確かに彼は、クリスがいないと生きていけない、んだなあ。
手紙の内容とかあまりにせっぱつまっていたのでびっくりしました。
私は正直なところ、アメリカで他の女性に言いよられていないかとか少々心配だったのですが、実際彼はアメリカでも相変わらず王子さまで人気者みたいでしたが(笑)、そんな心配をするまでもなく、彼はひたすらクリスに一途で彼女のことしか考えられない状態だったのでした。
読んでる私まで辛くなりつつも、そんなクリス一筋なシャーロックが、読んでいてすごく愛しかったのでした。
クリスの愛の手紙に「ばかだな、あたりまえだろ。」とほほえんでいる80頁のシーンが好きです。
そんなクリスにべた惚れな自分を、隠しているらしいけど実はまわりに全然隠せてないあたりも、めちゃくちゃ愛しいです♪
ラリー、そうですか、シャーリーは病人ですか……(笑)。

写真に貼ってある紙に吹き出したり。
自分に憧れてるジェニーちゃんのたわいないひとことに本気で動揺していたり(笑)。(しかしせっかくおめかししたのに気づいてもらえないジェニーちゃんも気の毒ではあります…。苦笑)

クリスの方も寂しそうだったけれど、彼女のまわりには変わらずにあたたかく助けてくれる人がたくさんいてくれてたし、彼女自身強くなろうと寂しさを耐えて頑張ってるのが感じられて、こちらはシャーリーより安心して読んでいられました。
ヴェラ、まさかここで再登場してくるとは!
そしてハリエットって、クリスより少し年上だったのですね。そしてジェイムスと良い雰囲気になるとは予想外です。ほのぼの~(笑)。
アントニーとバーンズ夫人の親切は、ますます染みいりました。

アルフさんとソフィアさんの雨の日の訪問の場面、どきどきして、でも同時に好きな場面でした。
クリス、たったひとりでよく頑張った!最後にはたおれちゃったけど、頑張った!
そしてこの場面ではソフィアさんを、今までで一番好きになったかなあ。こまやかな気遣いが素敵でした。
「愛を杖にして」乗り越えていくという表現が、すごく好きで心に残りました。
息子の安否を知りたいあまりに夫に同行したと言う気持ちは、ああ、そうだよねえ……。
読んでいて私が感じたのは、アルフさんもソフィアさんも、クリスを、自分たちの娘として受け入れようと、愛そうとしはじめているんじゃないだろうか…と。
階級差とかもはや関係なく、息子が愛するたったひとりの娘として、クリス自身を見ていて。肉親に恵まれないクリスだからこそむしろ、進んで自分たちが親になろうとしている、そんな風にも思えて。
アルフさんの不器用な優しさも、ソフィアさんの品のいい優しさも、貴族としてのものには違いないんですけれど、すっと受け入れられました。
クリスに交渉にやってきた威厳ばりばりの公爵夫妻と言うよりは、ごくあたりまえにいるあたたかな夫婦、人の親という感じがして、うん、上手く言えないんですけれど良かったです。

そしてこの後に、シャーロックからのSOSをしっかり受け取って、急いで単身、渡米を決意するクリス。
こわがりでひとみしりな彼女なのに、たったひとりで外国へ行くなんて。昔からは考えられない行動力……。彼女、本当に、恋をして強くなりましたねえ。
そうしてついにアメリカでふたりが再会できました!やったー!(涙)

ここから先のふたりは、まさに、一足早くラブラブ新婚さん夫婦の生活を満喫している感じで(笑)、読んでいてとてもにこにこしました。
起きたらクリスが幸せそうにご飯を作ってくれてるとか……シャーリーが真剣にうらやましいよ(笑)。
「そのために仕事に出てきたようなものだ」にも、大笑い。
シャーロックの後悔とか笑えるよ……。この人は紳士なのかそうじゃないのか。いや、やっぱり紳士ですね。
クリスがやってきたとたんに元気になっちゃうシャーリーがかわいいです♪

ラリーとサーシアさま夫妻とシャーロックとクリスとのやりとりも、なんというか和んで面白かったです。
サーシアさま、威厳が出てきたなあ…挿絵とか。まさかシャーロックに、あんなに強く出るひとになるとは。
クリスを自分の家にひきとるためにサーシアさまに必死に交渉するシャーロックの図、というのが楽しいです。
そしてまさかあの傍若無人なラリーが、サーシアさまよりもシャーリーの意をくんで、奥さんをなだめすかすなんて!意外だ……でもこの夫婦はやっぱりいいなあと、改めて思ってしまいました♪

ここで、アルフさんがシャーロックとクリスのふたりに出してきた、結婚を認めるための条件が。
お互い不安に思っていること、悩んでいることは違っているのですが、対等にそれぞれの意見を出し合って、ふたりの意思で答えを出す、という感じが読んでいてすごくして、良かったです。
クリスのゆっくりときにもだもだするペースに辛抱強く付き合って、気持ちをしっかり聞いて、けして彼女を傷つけないように優しくするシャーリーの姿勢がとても良いです。
あんなに短気で強引だったシャーリーがねえ。うう、良い男になったなあ本当……。
この場面以外もあれこれ読んでいて、これから先にどんな試練があろうとも、このふたりならお互いを思いやりつつ協力しつつ、すべてのことを乗り越えていけるだろうな……と確かに実感することができて、とても安心できたのでした。

その条件自体ですが、最初はクリスが伯爵令嬢ってどうなのよ?とちらりと思ってしまったのですが、読み返して考えてみると、うん、これはこれで妥当かなと。
確かにウォリンフォード伯爵にとっては妻子を守ってくれる後見人が必要で、それが優秀な男のシャーロックならまさに願ってもないことで、おまけにクリスは令嬢のフリルと仲良しで。
『薔薇色』の評判をおとしめないためにも仕事のためにもいいというのなら、最良、なんですよね。
もうひとつの条件の方は……ママになることが怖いというクリスの姿が、ああ彼女はそうなのか……と。
上手く説明できないんですが、クリスの生い立ちを考えると、なんとなくなんですが、怖い気持ちもわかる気が。(そして彼女、シャーロックがためらう理由の方も、無意識のうちに分かっているのかも…?)
でもけしてシャーリーはクリスに無理強いをしないので、安心して読んでいられましたよ。

子どものことは、ふたりで話し合った後に、ラリーたちの息子のマークと一緒にふたりで色々やったり話したりしている場面が、微笑ましくってなんだかすごくお気に入りなんです(笑)。
シャーリーが子どもが嫌いって、実は私、単にエドがきらいという意味だけかと今まで思ってたんですが……、そうなのか、子ども全般が苦手なのですね(笑)。
愛する相手の小さなころをイメージして、それなら愛せるかもしれない、と本人たちとしては必死に乗り越えようとしているクリスとシャーロックが、読んでいてすごく愛しいのです。
クリスはともかく、シャーリーは笑える……女の子じゃだめだって(笑)。

いったんクリスと別れるシャーリー、本当に寂しそうだな……。今回はクリスの方がしっかりしてる感じでした(笑)。
そしてアメリカ滞在中なんだかんだ言って良きパートナーとして友情をきずいていたっぽいラリーとシャーリーにほのぼのしました。ラリーもいいひとだよね確かに。
確かに、シャーリーは偉そうだからこそシャーリーというか。

この後の展開は、結婚へ向けてのふたりの最終的な行動あれこれと、しばらくぶりの親しい人たちとの再会。
ああ、とうとう本当に結婚するんだなあ……と感慨深くなりました。
繰り返しですが、本当に堅実な物語だなあと思いますこのシリーズ。結婚生活にむけて、住まいとか一緒にいる時間の調整とか、ふたり色々考えて、話し合って決めていく様子で(具体的にはそんなに書かれていないのですが)、その様子がなんというか、現代人の私にもしっくり馴染んで現実的で、良かったです。
シャーリーはもう相変わらずですが。仕事と俺とどっちが大事なんだ!とかまだ言ってるよ。でもようやく、言っていいことと言わないことを決めたのね。うふふ、彼はこういうところも成長したなあ…(笑)。
ウェディングドレスのことをシャーリーにもないしょにするクリスがかわいい♪

リンダとの再会は、平穏無事にあたたかい感じでほっとしました。
修道女って私は表面的な知識しかないのでなんとなくですが、この生き方は、リンダという人に合っていたのかなあとか、そんな感じがしました。

そして、パメラとの再会は、私も本当に本当に嬉しかったです!
パメラがアフリカへ旅立ってもクリスはきちんとひとりでがんばれていたけれど、やっぱり『薔薇色』といえば、クリスとパメラの親友同士がそろっているのが一番良いなあ、とかまだまだ思ってしまう私でした。
(でも、パメラが結婚して、大変そうだけど、幸せな夫婦生活をおくっている様子がうかがえたのもよかったのよ。読んでいる私まで幸せになったのよ。)
あと、リルちゃんとエドとの再会、私もびっくりしました!(笑)びっくりしつつもほのぼの。
シャーリーがとっさに分からなくなるほど美少女になったリルちゃんの挿絵、見たかったです……残念(苦笑)。
そして『薔薇色』で皆と再会しているシャーロックの図、に廊下に立ちつくして感動しているアントニーにも本当に和みました……うるうる(笑)。
従僕としてどんどん優秀になっていき、そしてどこまでもシャーロックに忠義をつくしてつくして尽くし続けるアントニー、私ももうありがたい、としか言いようがないです。
アントニーの忠誠心に言質をとってしまうようなことはできない、というシャーリーもなんだかんだでいい主人です。
あと、前後しますが、イアン先生との再会、度肝を抜かれました……わー、ここも挿絵が欲しかったー(笑)。でもそこまで変わっているなんて、実際に挿絵で見てしまうのはちょっと怖い気もしますねえ…。
思ったのですが、『つぼみの淑女』の初登場時のイアン先生の挿絵が、むしろイメージに近いんじゃないか、とか。

そして、ある意味この巻でもっとも読みごたえがあった部分は、ガイアスタイン城でのシャーロックの廃嫡の儀式と、その前後のあれこれでした。
やっぱりアルフさんとソフィアさんは、クリスに優しいと思うのです。特にアルフさんは、クリスを気にいってるよね。うんうん。いい娘さんだもんね!(笑)
アルフさんの最後のシャーロックへの「命令」が、今までにない内容で。胸にぐっときました。なんというか、本当に不器用な人だな、アルフさんは。
さらさらとサインして笑顔で去っていくシャーリー……ああ、本当にこのひと、クリスのために爵位を捨ててしまったんだなあ…。格好良かったけれど、単純に格好良いとかそんな感想持っていいのか、とか色々考えてしまったり。
その後でシャーロックを待ち受けていたクリスとのふたりのシーンが、美しくて優しくて愛にあふれていて、すごく好きでした。

そのあとで。
……ソフィアさんー!!うわー、まさかまさか、そうきますか…!!
完全に予想外でした。度肝を抜かれました。スタンリー伯爵の反応が特におかしかった(笑)。姉に何か弱みを握られているんでしょうかこのひと…。
そしてソフィアさんに使用人たちが次々賛同していって、ローレンス卿も自分の思惑からあっさり賛同して。アルフさんも最終的に、本当は自分自身も望んでいた展開に持っていくために、腹をくくらざるをえなくなって。
何度か読み返したんですけれど、もしかしてソフィアさんと使用人たちは、あらかじめ一緒に考えた上での行動だったんでしょうか。それかソフィアさんの行動は別で、使用人たちの間にあらかじめなにか考えていたものがあって、結果ソフィアさんに賛同するかたちになったのかな。
それともその場で、全員の意思がぴったり一致した上での行動?それはそれですごいですね…。
してやられたアルフさんは、なんだかお気の毒でしたが、正直、ちょっといい気味だよなあ、とかも思ってしまいました。
『聖夜の迷宮』でふたりを無理やり別れさせて苦しめたアルフさんの行為、これで帳消し、くらいで良い感じじゃないでしょうか。世界はなにもかもアルフさんの権力で思い通りに動くものじゃないんだよ!(…とかわが身を顧みずにえらっそうに言ってみました。笑)
その場の最後をしめくくったクラウドさんも、最強すぎる……。最後まで本当に格好良いなあこのひと!
老フォークナーとアルフさん、アントニーとシャーロックのふたりも将来、こんな感じの主従になるのかな…とかなんとか思ったりしました(笑)。
そういえばアーサー・ローレンス卿って、マテアスの兄上でしたっけ。クリスをかばうようなことを言ってるのは、もしかして弟やクレアから、パメラやクリスのことを色々聞いているから、という理由もあるのかしら。
この場の結論。ハクニール家のひとたち、最高!!(笑)
読書メーターの他の方の感想も読ませていただいて、確かにちょっと力技的な解決法かなあ…と私も思いはしたのですが、とにかくこの展開に持っていく皆の連係プレーが鮮やかで素敵すぎて、そこまでされるほどに皆に愛され見込まれているシャーロック(と、クリスのふたりと言っていいかな?)が愛しくて、読んでいて、大拍手だったのでした♪

そしてお話はクライマックス。ついに結婚式です。
……結婚式。本当に結婚式、ですか。
まさか、クリスとシャーロック、身分違いのふたりの恋物語の最後が、結婚式までいきつくなんて……シリーズを何年も読んできたけれど、最初から終了直前まで、この未来が本当にやってくるとは、ぼんやりと頭の中で期待はしていたけれど、具体的には全然まったく想像もできなかったですよ。
どこまでもふたりの身分差がシビアで、その意味での甘やかな展開が全然ないお話で。別れるしかふたりの未来はない、としか思えなかった時期もありましたし。
ひとつひとつのステップを、ふたりで、周りのひとたちに支えられ支え合いつつ、乗り越えていって、ついにここまでたどり着いて。
こんなに明るく皆に祝福された、幸せなお式になるなんて。
うわあ、色々思い返すと胸にせまることがありすぎて今文字を打っているだけで泣けてきます……(落ちつきましょう私。)

結婚式の部分の描写は特にもう、すべてのことに、これまでのストーリーを踏まえた意味が込められていて、何度読み返しても感慨深いのひとことです。
というか、何度も読み返して読み返して、ようやく色々なものが胸に落ちてきて、じわじわ実感ができてきた私です。(初読時はもういっぱいいっぱいで、すべて感じ取る余裕がなくって、けっこうさらさらっと読んじゃったんですよね私……笑)
ああ、ここまで完璧に満足できる大団円って、他にあるかしら。

これまでクリスがドレスを作って恋をかなえてきたお客さんに囲まれて祝福されて、というのがまずとても良いです。
パトリシアとライも上手くいっているっぽいですね。ケネスとファニーも、フローラとアンディも結婚したんですね。ビアードとコーネリア夫妻は相変わらずだけど幸せそうですね。ラリーとサーシアさまもアメリカから来てくださったのですね。ほろほろ。
風にのって派遣されてきたブリジットも素敵でした。当日にはアディルさまと一緒にいます、という彼女に、アディルさまへの彼女の思いを感じてまたほろっとしました。
そして、リーフスタウンヒルの街のひとたち勢ぞろい、というのも良かったです。プリアモスも忘れずに(笑)。

式の前のシャーロックのシーンも楽しかったです。女性たちに放っておかれるシャーリーって新鮮です。
って、エド、まさかクリスだったの?そうだったの?お姉さんはかなり衝撃を受けました……。リルちゃんだとばかり思っていましたよ(笑)。
あと、シャーリーの蝶ネクタイを結ぶビアードに、和んで笑ってしまいました。シャーロックとビアードの友情もなんだか素敵だなあ!
ビアードは本当にシャーリーが好きですねえ、変な意味ではなくて。青木先生のブログで以前読んだ内容を思い出してさらに笑えました。(そしてさらにその後でラリーにつっかかっていったらしいビアードに大笑。)
若奥さまになったコーネリアのシャーリーへの毒舌も、ますます冴えわたっていて最高です。お幸せそうで、なにより。

そして、はじめて自分のために「恋のドレス」を作ったクリスにも、感無量。しかもウェディングドレス!!
ネット上でどなたかがずっと前に、クリスが自分のために恋のドレスを作るのが物語の終着点だろう、と書かれていたのを目にして、その通りだなあとずっと思っていたのですが、ここへきてついに、実現しました。
色々描写を読み返していて、これはもしかして、私が大好きな『約束の手紙』でのクリスのシャーロックへの言葉「あなたは冷たくてきれいな水のようです」に、なんとなく合ってるかも?
なんにせよ、きれいだよー最高だよー(涙)。

花束を届けて去っていったジャレッド……ジャレッドの花を手にとるクリスの場面に、ふるえました。
そんなクリスにかけるパメラの言葉が優しくって、シャーロックを心底信頼していて、それがまたしみじみ嬉しくって。

クリスの恋のドレスに打ち抜かれるシャーリー……きみはもう本当に最高だよ!あきさんのあとがきを見た後は特に、笑えるシーン以外の何ものでもなくなっちゃったよ!!(大笑)
そりゃあ、クリスが、クリス自身の恋心をうつして作ったドレスだもの。今までで最高の恋のドレスにきまってるじゃん!
パメラの突っ込みまで含めてもう最高でした。

結婚式、あきさんの挿絵が素敵すぎます……ウェディングドレス姿のクリスが最高にきれいです。本文を読みつつじーん…。
アルフさんの登場も、思いがけなかったけれど、何と言ったらいいのか分からないのだけれど、良かったです。
信じてすべてを受け止めるクリスの姿が美しい。
その後のシーンのソフィアさんとアルフさんの会話もほのぼの夫婦で良かったです。ソフィアさん、それってどういう意味なのでしょうか…?育ちのいい天然の美人さんは、最後まで最高でした♪

最後の最後には、いよいよお待ちかね(笑)。ローストビーフ!!
なんだか笑えるんですが、これまでのシリーズを思い返してじわっともしてきて、もう泣き笑いで訳が分からない状態になりつつかみしめて読んでいました。

クリスとシャーロックの255頁あたりの最後の会話、ラストの文章の余韻まで、ラブラブで幸せ感にあふれていて、未来までの幸せも確かに実感できて、……物語は、おしまい。

いつもあきさんのあとがきばかりに話がいっちゃいますが、青木先生の書かれるあとがきも、毎回本文の内容に思いを馳せてしみじみかみしめられるようなことがごくシンプルに分かりやすく書かれていて、すごく好きなんですよね。
今回も何度も繰り返して読ませていただきました。改めて、この物語が愛おしくなりました。
あきさんのあとがきも、2頁。豪華!!
エドも格好良いです~ふふふ。

最後の最後でひっくりかえされたシャーロックの爵位問題、他の要素も色々踏まえたうえでのシリーズのこの結末は、この物語が許す限りの最高のハッピーエンドなんだろうなあと、読み返すごとにじわじわと感じいってきたのでした。
結局クリスの身分的には最後まで甘い展開はなかったけれど、パメラの素性とか、フリルちゃんのこととか、ささやかな甘い展開も折り込まれつつ、でもとにかくすべてのことがかっちりと丁寧に考え込まれていて、身分違いの結婚の実現に、ふたりの幸せに、すべて結びついていて。
物語の完成度の高さに、感服するしかないのです、もう。
ほんのり少女小説的な甘さも混じっているのも、また良いじゃないですか(笑)。
もしかすると、クリスは将来大変な苦労をすることになるのかもしれないけれど、それがちょっと気がかりだけど、でも185頁でクリスが感じているように、シャーロックがそばにいるかぎりはきっと大丈夫でしょう。すんなりと、そう信じられます。
この辺りはまだ私の中で消化しきれていないので、また後から感じ方が変わってくるかもしれません。

とりあえず思ったのは、「ということはシャーリー、これからもアントニーに最高級のウイスキーを飲ませてあげられるじゃん!」……(笑)。


ええと、もう最高にハッピーな物語のお終いでしたが、番外編も出るとか!!
わーん嬉しいですー、ものすごく楽しみです♪
とりあえず気になるのが、脇役キャラクターのエピソード。
一番読みたいなあと思うのは、アディルさまの東欧の王子さまとのロマンスと(ジャレッドが、一体どういう風に関わっているの……?)、リルちゃんのデビューとその後のロマンス、ですねえ。
リルちゃんが将来恋をしたときには、きっとお姉さんになったクリスが優しく相談に乗ってくれて、『薔薇色』のドレスを作って応援してくれるんだろうなあ……想像するとほんわかします(笑)。あ、そういえば、これまでリルちゃんをあらゆる場面で協力させてきたのとひきかえに、将来の約束をさんざんさせられてきてしまったシャーリーも、渋い顔をしつつ、きっと色々協力してくれるんでしょう(笑)。
バーンズ夫人の『幸福な淑女』とか、今回出てこなかったアップルとブライアンのその後とかも、気になります。あと、今度こそアントニーにも自分自身の幸せをつかんでほしいです(笑)。
クリスとシャーロックの未来のお話も、ものすごく読みたいです。新婚旅行のエピソードも読みたいし、子どものこととか甘い要素以外でもちょっと気になるよ。


……えー、この記事にここまで、私はいったいどれだけの文字数をつぎこんできたのか……(苦笑)。今までの記事で一番長いんだろうな、とは想像つきますが。
本当にこのシリーズに関しては、すべて、ストーリー全体から細部の一言一句にいたるまでが愛しくて、書いている内についつい何もかもを語りたくなってしまうので、どうしても簡潔に思いを述べる、ということができないのです。
まあ、私がこのシリーズをどんなに好きで愛しているのか、少しでも感じ取っていただけたのなら、それで十分満足です。
こんなところまでくじけずに最後まで読んでくださったあなたさま、本当にお疲れさまでした!心から、ありがとうございました♪
そしてきっとおまけ感想もありますので(名シーン・名台詞集かな)、もしお嫌になっていなければ、またお時間のあるときに読んでいただけると、もうとっても嬉しいです(笑)。


追記。
おまけ感想→こちら

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カテゴリ: 『ヴィクトリアン・ローズ・テーラー』シリーズ

タグ: ヴィクトリアン・ローズ・テーラー  青木祐子 

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