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『平安ロマンティック・ミステリー 嘘つきは姫君のはじまり 夢見るころを過ぎても/貴公子は恋の迷惑』松田 志乃ぶ 

嘘つきは姫君のはじまり 夢見るころを過ぎても 平安ロマンティック・ミステリー (嘘つきは姫君のはじまりシリーズ) (コバルト文庫)嘘つきは姫君のはじまり 夢見るころを過ぎても 平安ロマンティック・ミステリー (嘘つきは姫君のはじまりシリーズ) (コバルト文庫)
(2012/03/01)
松田 志乃ぶ

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嘘つきは姫君のはじまり 貴公子は恋の迷惑 平安ロマンティック・ミステリー (嘘つきは姫君のはじまりシリーズ) (コバルト文庫)嘘つきは姫君のはじまり 貴公子は恋の迷惑 平安ロマンティック・ミステリー (嘘つきは姫君のはじまりシリーズ) (コバルト文庫)
(2012/03/01)
松田 志乃ぶ

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『嘘つきは姫君のはじまり』シリーズ、本編完結後の短編集。
二冊同時発売です。わあ、豪華!嬉しいな!!
本編の後日談的なお話をメインに、昔雑誌の方で読んでいた短編や漫画や、楽しみどころがいろいろ盛りだくさんでお得感いっぱいでした。
あちこちで花開いたロマンスが楽しめて、幸せ感がすばらしかったです(笑)。いいですねえ、春ですねえ。
短編集でしたが、文章的にも内容的にも文庫一冊にぎっしりつまっていて、いつも通りになかなか読みごたえがありました。最後までこのシリーズらしいなと思いました(笑)。
時間をかけてゆっくり楽しませていただきました。短編集だから話と話の合間に区切りがあって、ひと息に読み切れなくても読みやすかったのがありがたかったです。

感想は、二冊分をこのひと記事にまとめて書かせていただこうかと思います。
ややネタばれありの感想、追記に収録します。よろしければお読みください~。


まずは『夢見るころを過ぎても』。

表紙の女の子たちがかわいいよ~!色づかいもいかにも春まっさかりで、桜の花も咲いていて、見ているだけで気分が明るく華やぎます。

『夢見るころを過ぎても』
宮子ちゃん&次郎君、嬉しはずかしの入内~はじめての夜のお話。
宮子ちゃんと次郎君、あの本編終了後からふたりが本当に結ばれるまでのあれこれのお話を、何の不足なく最後まで読むことができて、満足しました。
お祝いムードの中で、はじめてのことに恥じらいとまどいつつもやっぱり嬉しい宮子ちゃんの揺れる乙女心がよく伝わってきて、かわいらしくってとても良かったです。
もう周りのひとたち皆がふたりの仲を祝福していて、それぞれのやり方でお祝いしてくれたり応援してくれたりが伝わってきて、そういうのも読んでいて嬉しくなりました。なかでもやっぱり馨子さまの乳姉妹としての愛情と気づかいが素敵です。
次郎君は、もう……良かったよね。ようやくだよね。としか(笑)。
浮かれている彼の姿は微笑ましくも苦笑しつつも、これまでのことを色々思い返すとしみじみ幸せです。そして相変わらず台詞とか甘甘すぎて楽しい♪

「鳩の会」、かわいらしい女の子たちが仲良くしているお話は私的にとても好物なので、素直ににこにこしつつ読んでいました。鳩子さまはぶっとんでいて相変わらずだけど良い子だし、日の宮さまは素直におかわいらしいし、大姫さまもいかにも九条の姫君で、頼もしくって素敵!
裳着を終えられて少し大人になった日の宮さま、挿絵が本当に美少女で、きゅんとしました(笑)。
香合わせの勝負が開催される流れになるとは思わなかったけれど、この準備から本番までの描写も本当に丁寧で読みごたえがあって、平安もの好きにはたまらなかったです。雅ですね~いいですね~!

あとは、挿頭の君のロマンスとその後(?)まで読めるとは思いませんでした。ええ、満足です。

『ふつうの速さで歌うように』
蛍の宮さまと五節のその後は一体……?気になるカップルのお話でした。
こちらはもう、姫子ちゃんが最強ですねえ!
主役カップルとはまた雰囲気が違う、清々しいというか淡い想いがさらっとしていて心地よいというか、同時に読むと甘ったるい気分がほどよく中和されてちょうどいい感じだったな。いえ、甘甘大好きですが、そればっかりだとさすがにちょっとね……(苦笑)。
蛍の宮さまにしては破格の良い雰囲気になりつつ、結局進展はあったのかなかったのか……?といった終わり方でしたが、正直言うと、私、このカップルがこれ以上ラブラブになるお話を、どうしても上手く想像できないんですよね(苦笑)。
一足飛びに、結婚して子どもができて、子どもたちの世話に奔走している宮さまと傍らでそっとサポートしている五節のお話なら、わりと簡単に思い浮かぶんですが。

ま、これまで苦労してきた五節の君も、お似合いの相手ときちんと幸せになれそうな余韻を味わえて、私はとても満足です。

漫画『尼姫さまがやってきた!』、五節の君と姫子、そういえばこんな出会いだったよね~と、ほんわか思い返せました。


今度は二冊目『貴公子は恋の迷惑』に移ります。
こちらは男性チーム、女性チームとはまた違った凛々しいさわやかな色味の表紙で、並べてみると映えますねえ。

『馨子姫と恋知らずのご兄弟』
高階家のご兄弟、確かに、どちらも優しくて素敵ないいひとたちでした。
馨子さまと宮子ちゃんとこの兄弟のやりとりは、色恋にどきどきするというよりは、なんというか、ほっこり心あたたまりました。
こんな話でも全然嫌みじゃなく良い女な馨子さまが素晴らしいです。しかしこれで十五歳ってすごいですね(笑)。
できればちっちゃいころの宮子ちゃんを挿絵で見たかった……春人さまと宮子ちゃん、の取り合わせが何気に好きでした。

『貴公子は恋の迷惑』
このお話は一応雑誌の方で読んだ覚えがあります。
もしかするとこれは主人公たちの親世代のお話……?と読み進めていって、でも最後まで読んでも結局、いまいち良く分からない(苦笑)。全然関係ないのかもしれませんね。
でもやっぱり珠子さまは馨子さまを彷彿とさせるし、紅子ちゃんと和人のふたりも、宮子ちゃんと真幸をどうしてもイメージして読んでしまいます。
紅子ちゃんと和人、上手くいってなによりです。
できればこのお話の続きも読んでみたかったな、この続きも面白そうだよな……と、あとがきを読んで思ってしまいました。
方言の使われ方も粋で良かったです。

『愛しき言つくしてよ』
番外編が読めるときいてから、実は他の誰よりいちばん気になっていた、有子さまと真幸のそのあとのお話。
番外編二冊分の中で、これが一番好きなお話でした。
本当にもう、有子さま、良かったです。本当に良かったです……(涙)。
真幸も本当に良かった!!
お人よしで自分の気持ちに不器用で、自分の恋心を犠牲にしてまで大切な人の恋を心から応援してしまうこのふたりが、自分自身の想い人と素直に心を通じ合わせ、幸せをつかめたラストには本当、胸がいっぱいになりました。
川遊びの場面がきらきらとまぶしく輝いていて、有子さまの幸せな気持ちが本当によく伝わってきて、とても好きです。
その後の辛い展開、有子さまは本当にどこまでも有子さまで、愛しくも胸が痛くて仕方がなかったです。
そして大姫さまがあそこで頑張ってくれるとは思ってませんでした。彼女の一生の恋も、改めて語られるとぐっとくるものがあります…。不器用でおひとよしな親友のために、身をはって加勢してくれる彼女の姿が格好良かったです。なんというか、まさに薔薇の君でした。
最後の最後の兼通さまも良かったです。何だかんだ言って憎み切れない愛すべきおひとでした、最後まで。

お話の中にいくつか散りばめられている『万葉集』の恋の歌が、意味も分かりやすいものばかりでお話にもそれぞれぴったりで、これも良かったです。
特にタイトルにもなっている「愛しき言つくしてよ」の歌、以前別作品で読んでそのときから良い歌だなあと思っていましたが、いっそうお気に入りになりました。読み終えた後も、幸せな余韻にひたって口ずさんでしまいました。
恋忘れ貝の歌も好きだな。
なんというか真幸は、潮の香りとか浜辺の日差しとか、そういうのが似合うように思います。叶わぬ恋をしていても、常にまっすぐ明るくて健康的と言うか。

完結フェアのミニ小説三話、それぞれ楽しめました。
私は『恋忘れ草』が好きです。「忘れ草」という花の名前が上手く生きていて切ない…けれど幸せ。

『夢で逢えたら』も、雑誌の方で読んでいました。
ぼくの可憐な撫子の君、な宮子ちゃんの魅力を存分に堪能できて、とても満足です(笑)。宮子ちゃんもだけど、小さな宮さまたちも本当にお可愛らしい…!!次郎君もまだまだとってもかわいいよ。
四位広猫さんの嘘姫シリーズの漫画は、どのキャラクターも原作のイメージそのもので(担当イラストレーターさんご本人だから当たり前と言えばそうなのでしょうが)、繊細で可愛らしくって品もあって、いくらでも読みたくなってしまいます。
そして最後は、まさかの蛍の宮さまミニ漫画でした(笑)。(あれ、雑誌の方にはありましたっけ?)思わず吹き出してしまい和みつつ、短編集読了。


途中からでしたがいつも楽しみに新刊を追いかけて読んできた、この平安もの少女小説シリーズ。
おひとよしで純情で働き者の宮子ちゃんがかわいくて、美しい女君たちがいきいきと魅力的で、ヒーロー達も負けないくらい格好良くって、盛り上がる恋にうっとりしときに切なさにこちらまで涙ぐみ、そして史実との兼ね合いも絶妙で、いつもわくわくどきどき読ませてもらえました。
『コラリー&フェリックス』シリーズでも好きだった四位広猫さんの挿絵、平安時代ものでも予想以上に素敵でした。カラーイラストも色味がいつもすばらしくて。
これでお終いとは寂しい思いもありますが、すっかり愛着がわいた登場人物ひとりひとりの幸せな姿を、最後に不足なく拝めて、満ち足りた気分です。


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カテゴリ: コバルト文庫

タグ: 松田志乃ぶ 

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