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『ヴァーリアの花婿』あきづき 空太 

ヴァーリアの花婿 (花とゆめCOMICS)ヴァーリアの花婿 (花とゆめCOMICS)
(2012/03/05)
あきづき空太

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許嫁で幼馴染みだったジルが行方知れずになり、その弟・ルセルの許嫁になったヴァーリア。納得がいかないヴァーリアは、ルセルとともにジルをさがしに旅に出る――。
表題作『ヴァーリアの花婿』他、龍の子と幼い巫女の交流のひととき『龍の守唄』、雪に閉ざされた世界で少年と少女が巡りあい…『銀世界の証明』、ご神木を守る青年と神の物語『おとぎばなしの筆』、珠玉のファンタジー読み切り計四編収録。

今月は白泉社コミックスの新刊が私的に豊作で、ほくほくです(笑)。
私が大好きなあきづき空太さんの漫画も、この短編集に、『赤髪の白雪姫』の続きに、同時に二冊発売されて、豪華~!幸せな気分に浸りつつ読んでいました。
この『ヴァーリアの花婿』、表題作とあとふたつ、私は雑誌の方ですでに読んでいました。
どのお話もとっても素敵で、何度も読み返すごとにお気に入りだったので、こうしてコミックスとして一冊の本で読むことができて嬉しいです。

表紙がまずとても素敵。
春の季節にぴったりの、淡くて優しくて透明感のある色づかいに、細部までていねいに描きこまれている端正な絵は、眺めているだけでしあわせな気分になれます。ヴァーリアが本当にかわいい!瞳がきりっとしていて好き。
雑誌のカラーイラストも素敵だったよねえ……。
頁を開いて、『龍の守唄』のふたりのカラーイラストも、淡い青と紫の色づかいが涼やかで美しくて、見つめあうふたりの表情が優しくて、こちらもとても好きです。

それでは各話ごとに感想を。

『ヴァーリアの花婿』
『花嫁』と名がつく少女漫画・少女小説は多々あれど、『花婿』がタイトルのお話ってあんまりない気がします。はじめて見たとき新鮮な感じがして、読んでみたいなといっそう興味をひかれたのでした(笑)。
これはもう、読んでいて心地よく幸せになれる、良質の幼馴染みものラブロマンスでした。
お互い想いあっていて「許嫁」になっても、立場とか色々で言葉にできなくて。
「幼馴染み」としての絆は揺るがないけれど、恋心はすれ違ってしまってて。
それでも不器用にも想いを通じ合わせていくふたりが、本当にかわいかったです。きゅんきゅんしました(笑)。
そっけないけれど優しくて頼りになるルセル、大好きなヒーローです。ストイックなところがたまらない。
踊り子さんの場面で、ヴァーリアの満面の笑顔にルセルがかえした表情が特に好き。優しい想いがあふれていて、読んでいるこちらまで幸せですよー(笑)。
ヴァーリアもかわいらしくて意思の強さもひめていて、素敵なヒロインです。「けじめ」のためにジルを探すたびに出たのだとは、最初思いつかなかった。手紙もそうです。いい娘さんですねえ。複雑な乙女心もかわいいのです。
ジルも、ふたりが幼くも想いを通じ合わせはじめているのを感じて、行方をくらませたのかなあ……とか思ってしまったりして。それが理由、と言う訳でもないんでしょうけれど。
三人の出会い、ヴァーリアとルセルのかみあわない会話と大人視点で場を和らげるジルが、何気に好きでした(笑)。
ラスト、結婚式の直前のふたりのやりとりも、もう本当に大好き♪ときめきました。
決めるべきところではきちっと決めてくれるルセルが格好良い!

コミックスであきづきさんのコメントを読んでいて、なるほど、ブルガリアなんですねえ。
作品世界のエキゾチックな雰囲気も大好きです。服装や装飾品の細部まできめ細やかに描かれていて素敵だなあ。うっとり…。あの宿屋のとか食べ物もおいしそうでした。
踊り子さんの踊りのコマに、私も思わず見入ってしまいました。

『龍の守唄』
お話全体に、水が流れるような美しくすずやかな雰囲気がただよっていて、心地よくてうっとりしました。神秘的な作品設定も、ほどよく少女漫画で優しく馴染みやすい。
これは、きっと悲しいお話ではないのだけれど、読むたびに私の方までじわっと目がうるみます。ひとことでは言いあらわせない思いで胸がいっぱいになります。
龍の子の青年のキトと、泣き虫な巫女の少女のシュエン、このふたりならではの独特の絆が、あたたかくて優しくて、読んでいてとても愛しかったです。
シュエンがいたからこそ「守る」という役目を感情で理解することができた、というキトの気持ちは、自然に理解できました。
泣き虫なシュエンは素直にかわいらしいです(笑)。髪型が好き!
シュエンは、キトだからこそ、甘えられるんですよね。村人たちに接する姿は幼くとも尊敬に値する凛とした巫女さまだし。
どうしようもない強い気持ちで空を恋うキトの姿に、ぐっときました。
別れのシーンは特に、ひとつひとつのコマに込められたものを感じて、ひたすら美しくて、しびれました。
シュエンの強さとキトの涙、がとても良いです。
天からの贈り物のような、最後のほんのひとときのふたりの触れあいも、ああ、素敵です。
大切なひととお互いの名を呼びあうのは、魔法なのだなあ。とか。

『銀世界の証明』
一面の雪景色に魔法街のきらきらした街並み、星空に雪の結晶、すべてのアイテムがお話に調和していて白く美しくて、ロマンティックでした。
このお話は私、ストーリー自体よりどちらかというとこの銀世界の作品の雰囲気がとっても好みで、こちらを愛でて楽しませてもらっていた感じだったかな。
魔法を使うリアと、星空をふたりでみる場面が特に好きです。ステラマリスとか響きがきれいだなあ。
アルザに出逢って、疑問なく暮らしていたころとは違うものを知って、違う表情をするようになったリアが、とってもかわいらしい♪
「どうだ きれいだろう」のラストシーンもお気に入りです。

『おとぎばなしの筆』
このタイトルのあきづきさんのセンスが大好きです。
これはまた、独特の設定のお話だなあ……ちょっと某児童文学ファンタジーっぽかったです。和風ファンタジーぽいといいますか。
烙緋の服装の露出度にびっくりしつつも(笑)、彼女の無表情は、慣れてくるとなんだか心地よかったです。なんというか、お人よしの一途ないいお方だなあ。
ヒーローは、素直に好感を持って読める実に真っすぐなひとで、これまた好きでした。


四話の中で、個人的な一番のお気に入りは、やっぱり表題作でした。次点は『龍の守唄』。

どのお話も、ヒロインが凛としていて内に強さを秘めているのがはっきり感じられて、そして女の子っぽい可愛らしさもきちんと持っているところがとても好きでした。
台詞や口調がいかにも女の子、でかわいいんですよね。「お嫁さんになりたかったの」「帰り道は忘れちゃったわ」とか。
そして各話の感想でも色々書いてきてしまいましたが、それぞれのお話の作品設定も本当に素敵です。
『赤髪の白雪姫』も大好きだけれど、色々な設定の読み切りのファンタジーをこうして読ませていただいて、よりいっそうファンになりました(笑)。

これからもこういう読み切りファンタジー、ぜひ読んでみたいです。
『赤髪の白雪姫』の続きももちろん読みたいです♪気になります!!


一昨日と昨日にそれぞれの記事に拍手下さった方々、どうもありがとうございました♪

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カテゴリ: 漫画・白泉社

タグ: あきづき空太 

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