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『夢の上 サウガ城の六騎将』多崎 礼 

夢の上 - サウガ城の六騎将 (C・NOVELSファンタジア)夢の上 - サウガ城の六騎将 (C・NOVELSファンタジア)
(2012/04/24)
多崎 礼

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サマーアにアライスという「光」が現れ、人々は希望を取り戻した。
そのアライスをかつてサウガ城に庇護して騎士として育て上げたのは、誉れ高き女将軍イズガータ・ケナファと、彼女率いるケナファ騎士団であった。
中でも当時ケナファ騎士団の士隊長をつとめていた六人の英傑は、打倒光神王を掲げる救国軍の中心となり、王の誕生後もアライスを支え尽力したと言われている。
「サウガ城の六騎将」と後世に讃えられた彼らの物語を六編収録。


ここのところ夢中になって読みふけっていた『夢の上』シリーズの、つい最近出たばかりらしい短篇集。
私は最終巻を読み終えてすぐに、こちらにも手を出しました。
だって表紙に大好きなアーディンがいるんですもん、読みたくなるじゃありませんか(笑)。

実際に読みだしてぱらぱらしていると、アーディンのお話は一番最後にあって、これは全部読まないとたどりつけないでしょう!…みたいな感じで、短編集なのに最後まで一気読み。
いえ、どのお話も、私的な好みの差はあれとても面白かったです。
私の場合、最終巻の『光輝晶』の後半、光神王のもとに攻め込んでいくケナファ騎士団の大活躍から間を置かずに読めたので、あの場で格好良かった六士隊長たちの詳しいエピソードは嬉しかったです。
お話の分量的には少ないなあと最初思いましたが(本編に比べるとね…)、気軽にさらっと読んで楽しめたので、これはこれで。
過去から未来まで、本編では語られなかったけれど気になっていたことをちらちら知ることができて、嬉しかったな。
リレー形式と言ったらいいのか、登場人物が前後のお話で微妙に次々とリンクしていってて、つながりがあるたび行ったり来たりして読むのもまた楽しかったです。

私が読んでいて思ったのは、「強いお姉さんがいっぱいいる!」(笑)
本当の意味でのお姉さんも、強く存在感あふれる女性で思わず「お姉さん!」といいたくなるキャラの女性も。
魅力ある女性が活躍するお話が大好物の私なので、こういうのは嬉しいですねえ。
あと、こんなに様々な事情を抱えた男たちを騎士団に次々とスカウトしていったエズラ将軍が、面白くて懐深くて素敵なひとだなあと(笑)。

『世界で一番早い馬』
『蒼輝晶』のアーディンたちの初陣でもちらりと出てきたシャロームのお話。
シャルカの人生、何とも言えないやるせない気分になるお話でしたが、私の心にすごく印象に残りました。好きです。

『天下無敵の大盗賊』
ハーシンのお話。
これは大体明るくて愉快なお話で、シャロームとはまた違う風に楽しめました。家族の絆が素敵。
ハーシンって確かに子どもっぽいイメージが抜けない……本気で活躍しているシーンをそんなに読めていないからかも。扉絵のイラスト格好良くて好きです。

『汝、異端を恐るることなかれ』
本編でもアーディンの次に活躍していたトバイットのお話。
彼の詳しいエピソードは気になっていたので、読めて嬉しかったです。
アルカスさんもミアも好きですー。アルカスさんとトバイットの絆が良かった。

『あの日溜まりの中にいる』
弓矢の名手のイヴェトのお話。
無口なんですね、うん。……でもそこが好きです(笑)。
変わり者ぞろいの六人の中でも、一番と言っていいくらいに過去が変わってる……。
「姉ちゃん」がとても素敵な性格していて強く格好良く惚れ惚れしました。じいちゃんと姉ちゃんと、三人の絆がとてもいいなあ。
ラストはしんみりでしたが、タイトルの通り心あたたまるいいお話でした。

『約束』
これもアーディンのお話にちらりと出てきたラファスのお話。
大切に想い合ってる家族だからこそときに傷つけてしまう、苦しくなってしまう、あります。切ないです…。
でも、やっぱり、家族っていいなあと思いました。ラファスが自慢している家族のお話、読めてよかった(笑)。
フィトナが好きだったので、彼女のお話ももう少し詳しく読みたかったな。
あと、アライスとダカールのその後もちらりと……良かった、本当に良かったよダカール(涙)。
本編より、ダカールに残されている時空のことを思うと、末永く……とはいかないのかな、と思うと切なくて少々複雑にもなるのですが。それでもダカールが報われて、良かったな。他でもないアーディンが彼らの背中を押している感じなのも好き。

『手紙』
お話の締めくくりにふさわしい、一番未来のアーディンのお話。ようやくアーディン(笑)。イラストがまさに白皙の美青年!
内容的にはちょっと予想外でした。アーディンの両親の過去話が今になって読めるとは思いませんでした。
なんというか、トラグティさんは、息子に対する言葉が足りなさすぎな気が……奥さんにはちゃんと思いを伝えられてるんだし、息子にももう少し伝えていれば、あそこまでこじれなかったんじゃないかなー。とかつい思ってしまいました。でもアーディンとイズガータはすでに出逢っていたから……うーん。
愛する人と結ばれなかったけれど動乱の時代を長く共に過ごした、それを後悔していない、そんな彼の思いをここで改めて読めて、良かったです。
さりげなく時の流れに衝撃を受けたり。アーディン、きっとそんなに変わってないんだろうな…。
それでも三十五歳差は確かに厳しい、かな(笑)。
エスクエラ様とアーディンのラストシーンも、胸がいっぱいに。
うーん、エスクエラ様はこんなお方なのに、息子はなんでああだったんだろう……。そこは気にするところじゃないのかな(笑)。

この巻と関係ないのですが、一巻目を再読していて、「俺を喰ったら腹を壊しますよ?」なんてアーディンの台詞に思いっきり吹き出してしまいました…確かに!!
アーディン、最強過ぎて笑えます。
私がなんでこんなにアーディン好きなのかって、二番目のお話の段階で、純粋に微笑ましい恋をしていた若かりし日の姿を心に深く焼き付けられた上で読んでいるから、というのが大きいんですよね、きっと。
出逢ってばかりのイズガータ様も女の子らしくてかわいらしいんですよね…(笑)。
そんな私は、何度読み返してもやっぱり『蒼輝晶』が一番好きです。どのお話も捨てがたい魅力がありますけどねえ。

そんな感じで(笑)、イズガータ様が語り手になるお話がここにもなかったのがやっぱりちょっと残念でした、が、いい短編集を最後に読ませてもらえました。


ここ何日かの間でそれぞれの記事に拍手下さった方々、どうもありがとうございました♪
コメントもありがとうございました!返信もう少々お待ち下さい~。

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カテゴリ: ファンタジー(西洋風)

タグ: 多崎礼 

この記事に対するコメント

fallclover様こんにちは!
いつも素敵な感想、読ませていただいてます。

私も夢の上シリーズに最近どっぷりはまってしまって…
毎日ダカールのかっこよさについてばかり考えてます…笑
かつくらで短編集を知ってとびつきました(;´▽`A``

それにしても…アーディンが50歳の衝撃といったら。
ダカールとの結婚を後押ししたのがこの人、というところが切ないですよね…ものすごーく同感です。

「幽谷町の~」の感想も読ませて頂きました。
買おうかどうか迷っていたのですが…tiny gerden様ファンを
自称するなら買うべきですよね!!うずうず。

では長文失礼しました。
これからも更新楽しみにしてます!!

URL | ringround #-
2012/05/25 19:17 * 編集 *

Re: タイトルなし

>ringroundさん
コメントありがとうございます。

どうも、こんばんはです~♪
ブログの感想、読んでいただけているようで……わあ、嬉しいです。いつもありがとうございます!!

私もですよー、『夢の上』シリーズにどっぷりはまってしまって…まさかこんなにはまるとは、自分でも思ってませんでした(笑)。
ringroundさんのお気に入りはダカールなのですね。格好いいですよね!『黄輝晶』彼の謙虚で純粋な想いにぐっときます…。ああ、彼の思いが報われてよかったな。

そしてアーディン50歳……衝撃でしたね~(苦笑)。でもイメージ的にはあんまり変わってないんじゃという気もするのですが…。相変わらず笑顔で騎士団のみんなを脅してそうです(笑)。
背中を押したのがあのアーディンだからこそ、こみ上げてくるものがありますよね。

そして『幽谷町の気まぐれな雷獣』の感想も読んでいただけたようで、重ね重ねありがとうございます!
確かに単行本なのでちょっとお値段張りますしね……でも私の好みにはぴったりで、とても楽しめた一冊でした。
高校生の甘酸っぱい青春ものが読みたい気分のときに、おすすめだと思います♪

URL | fallclover #SvKcs0as
2012/05/26 20:02 * 編集 *

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