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『茉莉花は月夜に微笑む―新・舞姫恋風伝―』深山 くのえ 

茉莉花は月夜に微笑む-新・舞姫恋風伝- (フラワーコミックス)茉莉花は月夜に微笑む-新・舞姫恋風伝- (フラワーコミックス)
(2012/07/26)
深山 くのえ

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『舞姫恋風伝』と世界観を同じくするラブロマンス、短編二編収録。
猿国第六代国帝には、男女あわせて92人の子どもがいる。その中のひとり、阿鷺は、姉妹に連れられ市へ遊びに行ったものの皆とはぐれて城へ戻れなくなってしまう。仕方なく飴細工の露店を営んでいた青年の家でお世話になることに……。(『琥珀の夢』)
宴の席で見初められ、兎国の太子殿下と親王殿下に同時に求婚されてしまった翠琴。断るわけにもいかずに困り果てる彼女だったが……。(『茉莉花は月夜に微笑む』)


『舞姫恋風伝』のキャラクターたちの祖父母世代、ひ孫時代のお話ということだそうで。
このシリーズ昔から何気に大好きなので、番外編の短編、楽しく読ませていただきました。(といってもキャラは直接かぶっていないんですが。)

はい、安定した深山さんワールドを楽しめる一冊でした(笑)。
少女小説の王道ストーリー、しっとり細部まで雰囲気ある文章で、ロマンスの行方に最後までどきどき読ませていただける、さすがです。
ヒロインの性格も毎度ながらにとてもいいです。私の大好物です(笑)。
キャラは直接はかぶっていないと上にも書きましたが、王家の名前や人の姓名などで、ああ、このひとは『舞姫』のあのひとの先祖(子孫)なんだなあ、と推測できるところもあって、頭の中でつなげて色々想像するのも楽しかったです。
地名や宮殿の名前もところどころ見覚えのあるものが。菊花坊って何か覚えがあるんだけど、何ゆかりの場所だったかな……。

前編の『琥珀の夢』は、華やかな同母姉妹たちに埋もれがちな公主さま・阿鷺がヒロイン。(なかなか彼女の名前の読み方を覚えられなくてちょっと苦労しました…笑)
お裁縫が得意で地味で大人しく思慮深いヒロイン、読んでいてとても好感が持てて良かったです。こういうお姫様いいですね~。
姉妹たちの夜遊びに無理やり連れだされて、はぐれた先で保護してもらった飴細工の青年・天鐘とのロマンスも、自然な流れでとても心ときめきました。ほんの一日共に過ごした(変な意味ではなく)ふたりの語らいも良かったし、別れた後、恋を知って相手のためにどんどん強くなっていく阿鷺の姿も、素敵でした。
愛する人のために、まさかここまで大胆な決意をするとは……、格好いいな、阿鷺。
天鐘も真面目で努力家でたいへん気持ちのいい青年で、これまた自然に好感が持てました。何より職業がいいです。きれいな飴細工もいいし、料理がとても美味しそうです!(笑)
お約束の気持ちのいいハッピーエンドにほっとしました。ラストの幸せモードににっこり。

脇役キャラも色々良かったです。
薄情なんだか愛情深いんだかよく分からない帝、味があって憎めないです(笑)。嘉恭とのコンビがまたいい!温家は相変わらず有能な側近で居続けているんですねえ。うふふ。(でも愛鈴たちの子孫の帝が子ども92人というのは、正直なかなか衝撃的……苦笑)
大人しい阿鷺さま一筋でどこまでもついてゆく侍女、秋絹もいいキャラクター。
考えなしで浮ついた姉妹たちも、なんだかんだで阿鷺のことをちゃんと大切に思ってるんですよね。
皆合わせて阿鷺はちゃんと愛されていて幸せを願われてて、ほのぼのアットホームな感じで良かったです。

後編『茉莉花は月夜に微笑む』の方は、好きでもない太子様と親王様に求婚され大迷惑を被った翠琴がヒロイン。
こちらは短いお話でした。あっさりしてましたが、これはこれで好きです。
幼なじみの彼が、大子様たちとは比べ物にならない好青年で。彼女の救出劇が上手くいって結ばれて、ほっとしました。茉莉花のお茶のエピソードも素敵。
確かにこの兎国はほろびても仕方ないというか、うん、ひどいですね。
翠琴の兄上も、こんな奥様もらって苦労だな……と思っていたら、そんなオチですか!こんな奥様でもちょっと気の毒な気がしないでもないです(苦笑)。
このお話、もっと続いていったら、『舞姫』本編と直接つながりがあるお話になったのかもですね。このふたりの子どもが、『舞姫』のヒーローのお父上なのかな。

まあひとつ言うことがあるとすれば、コミックス版?のかたちで出ている割に、中身にはイラストが一枚もないことかな……。シリーズの新装版の関係なのかな。
読書メーターで他の方も似たようなことを書かれていましたが、本文にイラストがない分、いつもの藤間麗さんのイラストを頭の中で勝手に当てはめて楽しんでしまっていました(笑)。


そんなことは言いつつも、お話的には私好みの少女小説で満足でした。
やっぱり自分の中では愛着があるなあ、『舞姫恋風伝』の世界。
なにかのかたちでまた『舞姫』の新しい話が読めたら嬉しいな。


一昨日と昨日にそれぞれの記事に拍手くださった方々、どうもありがとうございました♪

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カテゴリ: ルルル文庫

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