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『身代わり伯爵の婚前旅行 IV絡み合う恋の糸』清家 未森 

身代わり伯爵の婚前旅行  IV絡み合う恋の糸 (角川ビーンズ文庫)身代わり伯爵の婚前旅行 IV絡み合う恋の糸 (角川ビーンズ文庫)
(2012/12/28)
清家 未森

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ついに正体を見せた犯人に、リヒャルトの冷酷で大胆な行動と、ミレーユの命がけの執念で、シアラン国宝の宝石をなんとか無事に取り戻すことに成功。
リヒャルトの交わす歴史的な誓約の儀に、ミレーユが事前に準備を重ねに重ねてきたリヒャルトの誕生会も行われ、ミレーユの周囲の皆の恋愛にも、予想外の動きが……?


『身代わり伯爵』シリーズ、婚前旅行編の完結巻、ということで。
ああこのシリーズは、本当に面白いです。読んでいて、やっぱり私、少女小説大好きだー!!と声を大にして叫びたい思いでいっぱいになります。良質のときめきが盛り沢山(笑)。
ようやく、ようやく…!という思いがこみあげてくる誓約の儀、リヒャルトの誕生会、思いがけないところに花開いた恋模様など、読みどころ満載の巻でした。

表紙、ミレーユのきりっとした表情と、リヒャルトの不敵な感じが、ふたりそろっていいですねえ!
背景の色味がぶどう酒色、シックでお気に入りです。


以下の感想は、一応ネタばれ注意でお願いしますね。


前巻に引き続いていきなり大変な目にあってるミレーユですが、根性で、お妃のつとめを最後まできっちりやり切っちゃうミレーユが、読んでいてとっても素敵で格好良かったです!
変に背伸びをせずに、下町育ちの持ち前の美質はそのままに、よりよい大公妃を目指して前向きに頑張るミレーユの姿は、本当、読んでいて好もしいです。
昔に比べて、ひとつひとつの行動に、きちんと高貴な人の視点で考えて、成果も出せるようになったしね。傷めつけられたミレーユに暴走しそうになったロジオンとフィデリオさまを止めたシーンとか、とっさに機転をきかせて口止めしたシーンとか、まさに一国のお妃様。本当に偉かった!
お妃教育、周囲と本人の努力の賜物……ということが、前から読者的にも伝わってくるのが、良いですねえ。

リヒャルトの方も、ユーディアさまへの危なげない冷静な対応、さすがだなあ、と。
これ以上ないほど優秀で高潔で完璧な太公様で、だけどあまりわがままとか言えなくて一人くよくよと考えこんでしまう部分を、ミレーユが持ち前の明るさ、素朴な優しさでしっかりカバーしてくれていて、このカップルは本当にいいなあ!!と、読んでいて何度もにこにこしてしまいました。
あ、頑張って倒れてしまったミレーユを、リヒャルトが優しく慰めるシーンも、挿絵込みでとても好きでした。

そんな感じで宝石についての問題はひとまず解決して(それにしてもつくづくシュバルツ姉弟は最悪だったな…)、あとは、リヒャルトの誕生会に、誓約の儀。
ミレーユの誕生日プレゼント、そういえば以前の巻でそういう内容が描かれていましたねえ。忘れていました(笑)。
船に乗って星空を見上げる場面といい、ふたりの甘々な場面が今回はたっぷりあって、とても満足しました。
リヒャルトがいつになく悩ましげだったのは(笑)、ジークに一服盛られたの……かな?普段ここまで彼が弱音をはくことって滅多にないよなあと思うと、新鮮でした。彼の鬱屈した思いが、そういうところ疎いミレーユにもきちんと伝えられたのが、良かったね、と私もちょっと安心してしまいました。

そこ関係で、フィデリオさま。彼のエピソードはまた引っ張られるなあ……。
彼がいつも胡散臭い雰囲気をただよわせていた理由がようやく明らかになって、彼が予想外にいいひとでリヒャルトの味方だったというのが分かっただけに……、かえって複雑だなあと思ってしまいます。
ミレーユの破天荒な二重生活を知った上で、なお彼女に好意を抱いているっぽい感じ。リヒャルトの嫉妬心も分かるな。これからどうなっていくのか、ちょっと気がかりです。
彼の妹のアリアンヌさまは、ミレーユとも気が合いそうな女の子で、好印象でした。
フィデリオさまの家庭の事情ってどんななんでしょう。

あと、今回のお話で私が特にお気に入りだったのは、エルミアーナさまのエピソード!
イルは、まあ前巻でなんとなく正体の予測はついていましたが……、国の事情がからんだ政略結婚で、こんなに上手い具合に、微笑ましく幸せなカップルが誕生するとは。読んでいて思わずにっこりです。
彼女のお相手が、こんな年下の朴訥な少年になるとは。予想外でしたが、予想外にお似合いです(笑)。
エルさまは、シアラン編の最初の方からミレーユとリヒャルト側のゆるぎない味方で、場をほわわんとなごませるのが上手なおっとり可愛いお姫様で、個人的にもお気に入りのキャラだったので、彼女の幸せは本当に嬉しく思います。
夜のふたりの別れの場面と、正式にイルが求婚に訪れる場面、セットになって、素敵でした。
できればふたりそろっての仲良しの場面の挿絵がほしかったな(笑)。

結婚相手は誰でもいいと思っていたけれど、でも、あなたが来てくれたのがこんなにうれしいなんて。不思議よねえ。 (164頁)

セシリアさまとフレッドのふたりも、微笑ましかったです。
このふたりも早くくっつかないかなあ。あんまりセシリアさまを待たせたらかわいそうでしょ、フレッド……(笑)。

あと、今回は出てこなかったけど、私の一押しカップル(候補)、アンジェリカとユーシスも、進展ないのかなあ……(笑)。

剣の誓約の場面は、描写はあっさりでしたが、これまでのシリーズのあれこれを思い起こすと、本当に、感慨深いです。

そして最後に、リゼランドの女王様からの親書!
これまで話題にはいっぱいのぼりつつも、直接登場は一度もなく謎に包まれているリゼランドの女王さま、ついにお姿を拝めるんですねっ!!楽しみです。
ミレーユをわざわざ指名して、「深く情熱的な交流を望みます。」……。いやあ、どうなるんでしょうねえ。楽しみなような、ちょっと怖いような(笑)。

今回の本は、最後に短編がふたつという構成でした。
はじめのエルさまの王子様とのお別れのお話は、彼女らしく微笑ましいお話でした。
エルさまは見た目以上に大人で一国の姫としての自覚をもっていて、その上で「王子様ごっこ」をやっていたんだな、と改めて思いました。

お次はお待ちかね(笑)ジャック団長の恋の顛末。
これまで一度も出てこなかった、ジュリアさんのエドさまへの想いが直接語られて、彼女の娘時代から変わらぬ一途で純粋な想いにきゅんときました。
そしてジャック団長の恋は……、ああ、やっぱりね。な結末。
団長、めちゃくちゃ格好いいのに……。不憫です。
しかも、今回だけじゃないのね!いつもこんなことを繰り返していたのだとは!
最後のイゼルスとの飲み会の場面が良かったです。なんだかんだでジャック団長にどこまでも着いて行くイゼルスの気持ちが、またひとつ、理解できたように思いました。
ジャック団長の男気あふれる良さを理解して、想いをかえしてくれる女性に、一日も早くめぐり逢えますように!祈るしかありませんね、本当。


お次は別シリーズが連続刊行のようで、『身代わり伯爵』が読めるのは、当分先のことになるのかな?
予想では、リゼランド編?楽しみに待っていたいと思います!!

(あ、あとできれば、各国の王家の全体の関係を見渡せる家系図がほしいです。誰が誰の従兄弟で叔父と甥かとか、もはや理解しきれずなんとなくの感覚で読んでいるので……。笑。
シアランのリヒャルトの兄弟姉妹と従兄弟たちがもれなく載っている家系図もほしいな。)


ここ数日の間にそれぞれの記事に拍手くださった方々、どうもありがとうございました♪
コメントも、ありがとうございました、とても嬉しいです!返信させていただきますので、できればあと少々お待ち下さいませ。

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カテゴリ: ビーンズ文庫

タグ: 清家未森 

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