Admin   *   New entry   *   Up load   *   All archives

ようこそいらっしゃいました。すてきな書物と美味しい食べ物をどうぞ。

『おこぼれ姫と円卓の騎士 皇子の決意』石田 リンネ 

おこぼれ姫と円卓の騎士 皇子の決意 (ビーズログ文庫)おこぼれ姫と円卓の騎士 皇子の決意 (ビーズログ文庫)
(2013/01/15)
石田 リンネ

商品詳細を見る



『おこぼれ姫と円卓の騎士』シリーズ第5作目。
ナイツオブラウンドの3人めの騎士が決まり、「おこぼれ姫」との評価も変わりつつある次期女王・レティーツィア。
そんな彼女の元に、東の大陸の凌皇国から、皇女シェランが訪ねてくる。
ただの諸国見聞とは思えない豪華な衣装をまとって護衛はたったのひとりだけ、突然の彼女の訪問に内心怪しむレティ。案の定、彼女はレティ達の予想外の思惑でソルヴェールにやってきていて――。


『おこぼれ姫と円卓の騎士』、前巻までは既刊をまとめ読みしたので、新刊を買うのはこれがはじめて。
楽しみにしていました!
(関係ないですけど、シリーズの通称『おこぼれ姫』って、本編中の意味はともかく、かわいらしい言葉の響きで、私好きなんですよね。かわいいかわいいと言われてもきっとレティにとっては不本意なのでしょうが……。
ツイッターとかネット上で皆さまとやりとりするのにも、『おこぼれ姫』が~とかなんとか、言葉の響きに和めるので、そういうところも好きだなあと思うシリーズです。)

さて今回の表紙、東洋風の格好をしたお姫さまがいらして、少々「あれ?」と思いつつ、手に取りました。きれいな女の子は個人的には大歓迎なのですが、このシリーズの世界観のイメージとは外れていて。
でも実際に読み始めてみると、このシリーズの楽しみどころは今回もばっちり決まっていて、やっぱりいいなあー!!と、思わずににこにこしてしまいました。
ストイックにきりきり頑張るレティが相変わらず格好良くて魅力的で、読んでいて惚れ惚れです。そんなレティの姿にころっといってしまう(既に転がされてしまった)優秀な男性陣も、いいですよねえ~。美味しいです。


ここから先は、少しネタばれありなので、ご注意くださいね。


そんな最初の疑問だった、東の国からやってきたお姫さま。
正体と目的は、わりとすぐに明かされました。すべてにおいて自信がない風情だったこの子の成長が、今回のお話のメインの一つかな?
気弱でも、陰日向のない心優しい真面目ないいこで、試練をあたえられてレティやレオンハルトと接していく内に、次第に感化されて真っ直ぐに成長していく様子が、読んでいて素直に良かったです。きちんと恩人に報いることができていて、良かった。
読んでいる途中から、まさかこの子が今回の……とか思っていたのですが、やっぱりラスト、ばっちり宣言してくれました!
本当に「名」の騎士としては十分すぎるほどの彼、レティにとっても心強いことです。
ふたりそろっての「学友」関係も、レティにとっても良かったなあと。

彼関連で、なんといってもびっくり仰天だったのが、「黒い手」の正体でした。
てっきり黒魔術とかそんな系統だと思っていたのですが……かなりいい方向に、予想が裏切られました(笑)。
たとえ正体が何であっても、レティのそばを離れがたく懐いている姿には、妙に和んでしまいます。

繰り返してますが、レティの頑張りは、今回もとても光っていました。
風邪を完璧に隠しての交渉も、誘拐犯のおびき出しに一旦失敗してからもぎりぎりの手段でつないで最終的に成功を手に入れるのも……、読んでいて、格好よくてしびれます。惚れ込んでしまいます。
常に気をはって女王様として完璧に振る舞っていても、未熟な小娘として、ほんの少しの隙があるからこそ、いいんです。
失敗してぐるぐるしつつも、それでも周囲の協力を得つつためらいなく進んでいく様に、今回も惹きつけられました。

そんな彼女を常に見守り絶妙なタイミングで助けにまわる、それぞれ有能な男性陣も、やっぱりたまらない。
レティの騎士三人も、兄弟たちも、良かったですねえ。繰り返しですが、皆本当にレティ大好きですねえ(笑)。
個人的に、今回特によかったのはレオンハルトでした。シェランと共に襲撃されたシーンの挿絵、めがねをはずした顔が本当にレティそっくりの美人さんで、おおっと(笑)。
アストリッドにも、予想外にまともに良い先生をしていたんだなあ、と。
シェランとレオンハルトの気安い会話の場面もなかなか良かったですが、確かに、レオンハルトにお嫁さんが見つかる日ははたしてくるのでしょうか……。彼の姉上大好きっぷりを見ていると、私も正直不安だよ(笑)。
グイード殿下のわかりにくすぎるレティへの手助けも、良かったです。「一生に一度しか使えない手紙の仕掛け」なんて、それだけでときめいてしまいます。

あとは、なんといってもデュークですよ、デューク。今回も地味な有能さとレティとの間の信頼関係が、好もしかったです。
前巻のラストの胸中の告白からどうなっていくのかが読む前とにかくどきどきだったのですが、プロローグのワインのやりとりの場面から、ときめきました~!!

だがレティのは可愛らしいだろう……と思いかけて首を振る。
「……いや、微笑ましいだ。六歳年下のひねくれは十分微笑ましいの範疇だ」 (15頁)

――ええっと、とにかくデュークは、レティのすべてが可愛くって仕方がないということで、いいんですよね!六歳年下の(ほぼ確実に)恋する少女に向ける想いに、とてもきゅんきゅんしてしまったのでした。このカップルの年の差って、実はすごく美味しいのかもしれない。
そして、ラスト近くの薔薇園での秘密の告白の場面も、最高でした。
デュークって、本当に面倒くさい手順で恋愛する男だなあと、思わず苦笑い。でもそういう真面目で堅物なひとが、私は好きよ。まだ無自覚のレティにはちょうどいいと思います。
レティの方の気持ちが動くのは、いつになるのかなあ……。この雰囲気だとまだちょっと先のことなのかな。
ふたりの想いが通じたとして、そのときにどんなカップルになるのか、まったく読めなくて、楽しみです。
あ、そしてクレイグさんは、本当に、デュークの想いをどうやって知ったんでしょう。まあこのひとの有能さは底を読めなさすぎなので……。年の功ってすごいです。

ウィラードさんも、初登場ながらに色々な方向で活躍して、楽しいキャラクターでしたねえ。
彼の恋のお相手、プロローグでは微笑ましいなあいいなあと思っていただけだったのですが、読んでいく内に、あ、あれ……?(笑)結局、彼のお相手は誰なのでしょう。ね。
それにしても彼とフリートヘルムの喧嘩は、うん、迷惑ですね。

過去の王との会話は、今回はちょっと少なめだったかな?
でも幼いレティが腹をくくって、アレクサンデルに教えを乞うた場面が、イラスト込みでとても良かったです!さすがです。同時に彼女の覚悟の痛切さにちょっとひりひりしました。それまでのお姫さま人生とのギャップを思うと……。
アレクサンデル王の過去も、予想外に壮絶だなあと思ったり。

マティアスのこと、彼の死の謎は、ちょっと気になるところ。
気になるといえば、ラストのラストでもたらされた懸念事項も、どうなっていくのやら。


今回も色々満足の巻でした。次回も楽しみです~♪
個人的には、今度こそ、素敵な女性キャラが増えないかなあと……本人も言っていた通り、レティに有能な侍女をつけてあげてほしいです。褒める言葉しか発しない騎士たちも良かったけど(笑)、やっぱりそれだけだと役に立たないときもありますものね。……とか知った風に言ってみる。

関連記事

カテゴリ: ビーズログ文庫

タグ: 石田リンネ 

この記事に対するコメント

コメントの投稿
Secret

トラックバック

トラックバックURL
→http://hananomi691.blog10.fc2.com/tb.php/1198-87631b41
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)