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ようこそいらっしゃいました。すてきな書物と美味しい食べ物をどうぞ。

『道果ての向こうの光』シリーズ 秋月 アスカ 

道果ての向こうの光 (レガロシリーズ)道果ての向こうの光 (レガロシリーズ)
(2008/02/18)
秋月 アスカ

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平凡な町娘だったユーナの日常は、馬車に轢かれてある日突然失われた。
魂の存在になったユーナは、真っ白の空間で出会った正体不明の光に導かれるがまま、美しい聖女・シェリアスティーナの身体に入って、期限付きで彼女の代わりに生活することになってしまう。
聖女として再び世に戻ってきたユーナを待ち受けていたのは、聖女の婚約者である第一神聖騎士・アシュートの侮蔑の眼差しと、怯えを含む周囲の視線と態度。
訳の分からないユーナだったが、ある日、聖女の犯した罪を知ることになり……。


レガロシリーズの数年前のお話。現時点でシリーズ三巻出ていました。
以前から気になっていたお話で、読みはじめるとやはり面白くて、ひと息に読んでしまいました。
読みはじめる前は私、このシリーズ全三巻ですでに完結しているものだと勝手に思い込んでいたのですが、まだ続きがあるんですね!

オンライン小説系のレーベル、私はこのレガロシリーズとレジーナブックスの作品を気の向くままにちょこちょこ読んだり読まないまま書店で眺めていたりするのですが、やっぱり違いがあるかなーと思います。
レガロシリーズの方が、一冊の本として、ていねいに作られているような気がする。なんとなく。雰囲気も落ち着いている。
レジーナブックスの作品のノリも、自分の好みに合えば、いいと思うのですが(笑)。
あと個人的にはやっぱりレガロシリーズみたいにあとがきがある方が嬉しいです。

話がこの作品から逸れましたが。
そんな感じでやはりレガロシリーズらしい雰囲気のお話だったなと、読んでいて思いました。
作品全体を包む空気がおだやかで美しくて心地いい。
ヒロインは、最初からかなり過酷で救いのない運命に放り込まれていて、その後の展開も基本的にシリアス。
とはいうものの、実際の読み心地はけして重たすぎず、さらさらっと読めるお話でした。
ヒロインのユーナ筆頭に、基本的に登場人物皆いいひとばかりだからなのかなあ。少しずつ打ち解けてからは、ほのぼのしました。ユーナの前向きさにも救われているのかも。
巻が進んで、ロマンスのさじ加減もほんのりほどよくて、ときめきました。
でも基本シリアスなのは変わりないので、切ないんですけどね……!!主役カップルの恋は色々複雑で上手くいかなくてとても切ない。

なんといっても、ヒロインのユーナが好みだなと思いました。
彼女に用意された運命は、考えるほどに残酷であんまりだと思うのですが、周囲が敵意だらけの状況でもくじけることなく、自分にできることからひたむきに頑張り続ける彼女の姿が、愛おしかったです。しかもそれはすべて自分のためではなくシェリアスティーナのためというのが、ほぼ揺るがないのが、泣かせます。
健気で謙虚、お人よしの頑張る女の子が、私は大好きなのよー!!(笑)
彼女の言い分は、まあきれいごとだよな……と思いつつ読んでいて、それでもユーナ自身それを分かっているんですよね。それでもなお愚直なまでに貫き続ける彼女。もうだんだん心から、彼女の有り様そのものを、応援せずにはいられなくなりました。
彼女はあまりに善人で、ある意味とても、聖女という存在にふさわしいというか。
どこまでも前向きさを失わないのも、美しい。
タイトルの通り、確かに光があるのです。

ユーナの周囲のキャラクターも、皆なかなかステキでした。
基本的に男性陣は騎士道精神あふれて強く凛々しく頼り甲斐あり、女性陣は素朴であたたかみのあるお人柄で。
アシュートも好きだし、イーニアスも好きですー!はじめはユーナが別人とは当然ながら思ってもいなかったのに、きちんと「彼女」を見出して心を寄せた彼らは、なんというか、人として度量がとても大きいなあと、感心してしまいました。
報われないと最初から分かっていても変わらずに献身的に仕えるイーニアス、切なくて、でも彼の優しさには心温まりました。
ライナスもジークも、それぞれのかたちで格好良くて優しくてよかったなあ。ロノさんも、なんだか憎めないです。むしろ好きです。
出番はあまりなかったですが、侍女のナシャも好きでした。ナシャとユーナが心通わせていく過程が好きでした。
シェリアスティーナも、二巻目の過去語りを読んだあとでは、とても憎み切ることなどできなかったです。まさかこんな辛くやりきれない経緯があったとは……。

ええと、順番とかすでに混じっていますが、二巻目以降の少しネタばれありの感想も。
『二人の聖女と遠い約束』

道果ての向こうの光 二人の聖女と遠い約束 (レガロシリーズ)道果ての向こうの光 二人の聖女と遠い約束 (レガロシリーズ)
(2009/08/22)
秋月 アスカ

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表紙の花の髪飾りがかわいい。
シェリアスティーナの過去が辛いお話でした。
それぞれ恋に揺れはじめるユーナとアシュートが良かったです。ふたりとも辛いけれど。
そしてこのふたりの少女の過去に、つながりがあったとは。正直予想外でした。
まさか、ユーナの死にも、彼女の力が関わっている可能性もあるの……?だとしたら、あんまりに辛すぎる。
でも彼女との友情を思い出したことで、迷いを吹っ切って覚悟を決めたユーナ。友のために力を尽くすと決意した姿は凛と格好良くて、それでもユーナ自身の未来を思うと……やり切れない。
ライナスの想いもほの見えて。きゅんとしました。
最後に収録されていた神話も、切なくて。でもいいお話でした。


『黄昏の花と暁の騎士』

道果ての向こうの光~黄昏の花と暁の騎士~ (レガロシリーズ)道果ての向こうの光~黄昏の花と暁の騎士~ (レガロシリーズ)
(2010/12/29)
秋月 アスカ

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ユーナの心ばえがひたすら美しくて、思わず涙。
アシュートのユーナへの想いがあふれるばかりに育っていて、読んでいてとてもときめきました……!
それにしてもアシュートの過去は悲惨ですね……。ミリファーレとの仲がこじれてしまったのもやりきれない。
ユーナと花の取り合わせがすごく好きだなあと思いました。アシュートが見たあの「奇跡」の場面が、この巻の中で一番好きだったかも。
主役二人の恋が切なくてもう。想いが重なったのは幸せでしたけれど、とても。
やはり避けられなかったユーナという存在の喪失、彼女のことで打ちひしがれる人間が確かに存在している、という事実をアシュートが心のなかで実感する場面、私も思わずほろっときました。
そしてシェリアスティーナのラストの言葉にびっくりし、そして希望が。
方法は分からないけれど、できるものなら、助けてあげてほしい。皆で力を合わせて。
これまで他人のためだけにひたすら力を尽くして、理不尽な境遇に文句も言わずに消えていってしまったユーナ、もうそろそろ、むくわれてもいいと思います。
間違いなく、彼女はむくわれるだけのことを、してきたのだから。奇跡にひとしいだけのことを。

刊行年月を見ていると、四巻目はいつ出るのかちょっと心配ですが、作者さんのサイトを読んでいる限り、いつかは読めそうな感じで良かったです。
そしてWeb上ではこの作品、完結しているんですね。
ラストとか書籍版とは違うようですが、時間があるときにまた読んでみたいなあ。


ここ数日の間にそれぞれの記事に拍手くださった方々、どうもありがとうございました♪

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カテゴリ: ファンタジー(西洋風)

タグ: 秋月アスカ 

この記事に対するコメント

はじめまして

はじめまして、「秋月アスカ」さんを検索して辿り着きました。
私も「道果ての向こうの光」に感動して4巻を首を長くして待ち続けている一人なんです。

初めてこの本を読んだのが2009年。1巻と2巻を一気に読んでしまいました。
3巻は発売日に買って、少しずつ味わって読み、4巻はまだか~まだか~と呪詛を唱えるように待ち続けて4年。そろそろ私もユーナのように報われてもいいのではないかと思い始めた矢先、なんと2015年5月刊行予定との情報が出ており、おっいよいよか!と期待していたのですけど音沙汰無し!
えぇえぇ分かっていましたとも。秋月アスカさんのファンですけど、この方、読者を生殺しにするのがお上手で、幾度となく続きを待たされたことか(笑)

この小説は主人公の心情描写に引き込まれますよね。秋月アスカさんはその辺りが上手いなぁといつも思ってしまいます。気が付いたら夜通し読んでいたこともあるくらい、引き込まれるんです。
ユーナもそうですけど、主人公が困難や世の中の悪意等に出くわしても絶対捻くれない真っ直ぐなところが良いです。ああもういいやって投げ出しそうな状況になっても誠実に受け止めて向き合おうとするところが私は好きです。
あと、待ちきれずに私はネット版の「道果ての向こうの光」を完結部分まで読みまして、書籍版は違う結末を迎えるとの話を私も聞いてはいましたが、あれはあれでいい終わり方だなと感じました。

レガロシリーズはあまり読み込んでいないんですが、本のつくりは確かに丁寧に作りこまれていますよね。「道果ての向こうの光」は、1冊は読むために買って、もう1冊を開かずに保存用として置いています(笑)

秋月アスカさんの今連載中及び書籍化中の作品で、「異世界出戻り奮闘記」というのがありますが、「道果ての向こうの光」を気に入られた方はきっと楽しめますよ!
「小説家になろう」のサイトで連載中の話を読めるんですが、連載中なのでもちろん完結はまだしておらず、そして秋月アスカさんの得意技「生殺し」が発動中なので、そこはご注意を(笑)

URL | Sentimiento #CwgFBB8Y
2015/06/09 19:16 * 編集 *

Re: はじめまして

>Sentimientoさん
コメントありがとうございます。

こちらこそ、はじめまして♪
ネット検索の海の中からこんなブログを発掘してくださって恐縮です。どうもありがとうございます!

『道果ての向こうの光』を読み、感想を書いてから、いつの間にかこんなに時間が……。
私も四巻目をずうっと待っていました。
私もこの5月に4巻目が出るとの情報を得て、やったー!!と叫んだひとりです(笑)。
が、こちら、延期になってしまったようですね……。しょんぼり。
本当に、読者は生殺し状態ですね!
ユーナがあんな状態で何年も生殺し状態はとても辛い……(涙)。

秋月アスカさんのひたむきに頑張りぬくヒロインはとても魅力的ですよね。大好きです。
私はネット版の『道果て~』は、結末が違うということでなんだか読む勇気がなかったのですが、コメントをいただいてちょっとむくむく気になってきました。
秋月アスカさんのサイトの他作品も色々読んでみたいのです。
(『エリンギウムの雫』は読んでみました。ときめきました♪)

そして『異世界出戻り転生記』、ばっちり読んでいます!私も大好きです!
こちらはつい先日二巻目が無事に発売されましたよね!実は昨日買ってきたところなのです。
一応小説家になろうさんで続編部分は読んでいるのですが、書籍のかたちで読めるのもまた幸せです。
こちらのお話もハルカ、そしてアルディナ様が頑張る姿が大好きです。
こちらの連載も本当に、生殺しですよね……(苦笑)。

URL | ゆり #SvKcs0as
2015/06/13 14:01 * 編集 *

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