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『神様のカルテ 3』夏川 草介 

神様のカルテ 3神様のカルテ 3
(2012/08/08)
夏川 草介

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『神様のカルテ』シリーズ第3作目。
相も変わらず満員御礼の本庄病院、一止は妻と過ごすつかの間の休日にも呼び出され、院内を駆けずり回る日々。
だがついに、人手不足極まっていた内科に、新しい医師がやってくることに。木幡奈美、札幌の病院からやってきた、十二年目のベテラン医師である。
人当たりの良い美人で腕も確かで研究熱心な彼女なのだが、ときおり不可解に冷たい態度をとることがあって……。
彼女の医師としての強い持論に触れ、そしてある出来事を経て、一止は、かつてない重大な決意をすることに。


『神様のカルテ』シリーズの3作目、結局文庫落ちを待てなくて、手にとって、読んでしまいました(笑)。
相変わらずの読み心地のよさを堪能しました。一止の古風でユーモラスな語り調がやっぱり大好きです!
続きが気になってどんどん読んでいってしまうのに、この物語の世界があまりに心地良くて癒されて、残り頁が減っていくのがもったいなくて仕方なかったです。
ラストの一止の決断と相まって、読みきったあとは、満足感と少しの寂しさに、じんわり浸っていました。

今回のお話では、本庄病院の一止の周囲の人たちのエピソードが色々掘り下げられていて、面白かったです。皆いいひとで大好きなんですよね!一層好きになれました。
今回特に印象に残ったのは、しっかりものの東西主任さんでした、やっぱり。柳原さんの登場から、彼女にまさかそんな過去があったとは……。柳原さんにとっても東西さんにとっても、やりきれない過去だなと思いました。
過去のふたりの想いがそれでも美しかったのが救いかなあ。
『ジャン・クリストフ』の上下巻のエピソードも素敵でした。柳原さんや一止みたいに、ひとつの本をぼろぼろに擦り切れるまで大切に読み込む読書っていいなあと、読んでいて思いました。
東西さんの過去の恋話に興味津々の病院のメンバー達の姿にちょっと和んだり(笑)。御影さん意外にストレートで勇気があるな!噂話の現場を押さえられて逃げていく大狸先生の姿もおかしかったです(苦笑)。
そして東西さん、現在もやっぱり、男運のない……気の毒にとしか言いようがないです。前巻でなんとなくそんな感じがしていたのですが、やっぱり……。鈍い本人が全然気づいていないのが、いいのか悪いのか。
さりげない描写ですが、「世界で二番目に美味しいコーヒー」なのが、切ないな。
だからといって全然湿っぽくなく明るい印象ばかりの東西さんが、やっぱり素敵だなあと、改めて。

その他印象的だったのが、外村さん、そして後藤さん。
外村さんの過去の進路希望と、それを自分の中で評価する一止の場面が好きで、そして後藤さんの登場と外村さんとのやりとりに、あらあらあら(笑)。さりげなくきゅんとしました!恋の話題はいつでもやっぱり心ときめきます。

あとはですね、一止、砂山先生、進藤先生の同期三人組の友情が、良かったです。
今回は特に砂山先生に大きな見せ場があって格好良かったなあ。砂山ブレンドも健在で、笑ってしまいました。
ストレートに好青年でいいお父さんの進藤先生もますます素敵。夏菜ちゃんの成長も嬉しいです。
ホモ疑惑もおかしかった……(笑)。忙しい中にも皆ひとまず平和なんですね。
一止の学生時代の本の収納術、そうか、その手があったか!(笑)

一方、新登場の小幡先生。
真意がつかめず皆とトラブルばかり引き起こす彼女、正直ずっと共感できなかったのですが、彼女の事情が明かされてみると……、うわあ、お医者さんの事情って複雑だ……。私の言葉では単純に言い表せない。
こんなに頑張っている一止に、まだ足りないものがあるとは。
後半一止に持ち上がった問題と相まって、考えさせられました。
たしかに私も、実際この患者さんの家族の立場になったとしたら、主治医の先生にまっさきに非難の矛先を向けそう。ぎくりとしました。
そしてそのあと、事務長さんに非難されている一止を弁護する小幡先生の姿も、印象的でした。
色々激しいイメージのひとでした。
林檎博士ぶりはおかしみがあって良かった(笑)。砂山ブレンドを褒める小幡先生に一止と進藤先生がおののいている場面、面白かったです。

一止とハルさんの夫婦ふたり姿にも、今回も、ほっこりでした。
ハルさんに一止が癒される場面に、私も癒されるわ……。この夫婦のありようには本当に憧れてしまいます。
お祭り、花火のエピソードが、特にお気に入りでした。
御嶽荘メンバーで意外だったのは、屋久杉君でした。おおっ、予想以上に変わったなあ!
彼の姿には、私も清々しいものを覚えました。若さって素晴らしい。
落ち込んだイチさんを、逆に元気づける立場にまわった場面も良かったです。

酒飲みで苦しむ患者さん達、一方で美味しい酒を味わう節目節目の場面、とにかくお酒が印象的なお話だったなーと思いました。

ラストの別れの宴、姿を見せずに粋な贈り物をする東西さんが素敵で、大狸先生と一止ともうひとりの宴に、しんみりとして。
そしてエピローグの再会の場面、これも予想外で、何とも言えずにあたたかなものが胸に込み上げて、読み終えたのでした。

季節ごとにうつろいゆく信州の自然の描写も、相変わらず美しくて素晴らしいです。清涼な空気が心地よい。旅行に行きたい!
山も見たいし、お祭りにも行きたいし、温泉もいいなあ。

あ、そういえば三巻目を読む少し前に、DVDも観てみたのでした。

神様のカルテ スタンダード・エディション【DVD】神様のカルテ スタンダード・エディション【DVD】
(2012/02/24)
櫻井 翔、宮崎あおい 他

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私的には、東西さんと大狸先生と男爵様が、特にイメージぴったりだったなと思いました。特に男爵様の渋い格好良さがお気に入りでした。
安曇さんも雰囲気や所作ひとつひとつが美しくて素敵だったな。
三巻目、頭のなかで少々イメージ変換しつつ読んでいました……(笑)。


ここ何日かにそれぞれの記事に拍手くださった方々、どうもありがとうございました♪

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カテゴリ: 日常のお話

タグ: 夏川草介 

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