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ようこそいらっしゃいました。すてきな書物と美味しい食べ物をどうぞ。

『天空のミラクル』シリーズ 村山 早紀 

天空のミラクル―タロットカードは死の歌をうたう (Dreamスマッシュ!)天空のミラクル―タロットカードは死の歌をうたう (Dreamスマッシュ!)
(2005/04)
村山 早紀

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さやかは、他の人には見えない「あやかしのもの」が見える力を持つために、いつもひとり心を閉ざして生きてきた。
越してきた風早の街の洋館でさやかは、江戸時代のお姫さま・桜子の霊に出会う。
桜子が昔封印した竜が街をおそうと聞いたさやかは、自分を優しくうけいれてくれたおじさんや大切な友人たちのために、何かをしたいと思いを変えてゆき――。


村山早紀さんの児童書シリーズ、今までに二冊出ているようです。
可愛らしくてはなやかなお姫さまや女の子のイラストを図書館で見かけるたびに、ずっと気になっていたお話でした。ようやく手をだすことができました(笑)。
児童書ということで、短い時間ですらすらと読めました。挿絵もふんだんにあって嬉しかった。
優しくていねいな文章で、けしてそれだけはない色々なものを包み込んでいる、村山先生のお話らしいお話でした。
女の子が主役のお話というのも個人的好み。

特に一冊目『タロットカードは死の歌をうたう』は、「私のために書かれたお話なのだろうか?」と読んでいて思わず何度も思ってしまうほど、私好みの素敵なおはなしでした。
和風の雰囲気、きれいなお姫さま、怖くない幽霊、女の子の友情もの、小説家の若きおじさま、古くて立派な図書室、おいしそうなお菓子……(笑)。
そしてなんといってもヒロインのさやかが良かったです。
彼女が抱える幼い頃からの孤独が、やっぱりさやかの年頃には友人を上手く作れずひとりぼっちだった私の姿と重なり合わさって、思い切り共感してしまいました。本の世界に逃げるのも、おんなじ(苦笑)。
だから、さやかが元哉おじさんの家に引き取られて、優しく受け入れてもらって、学校でもお友だちができていく、その過程が読んでいてただ本当にうれしくって、良かった良かった……と思いつつ、読んでいました。

元哉おじさんの担当編集者の桃崎さんが、さやかにタロットカードをプレゼントする場面が、お気に入りでした。
村山先生の書かれる児童書の、主人公のお姉さん的な立場の明るく元気な女の人が、やっぱり好きだな!
ヒロインから見れば頼れる大人で実際そうなんだけど、本当のところは多分ヒロインよりもおてんばでとんでもないことをやらかしかねないという(笑)。
風子と織姫のお友だちコンビもよかったです。ふたりともそれぞれ抱えるものがありつつ、普段はあっけらかんと楽しそうに過ごしている様が良いです。
守護霊たちも何気にいいですね!織姫の守護霊の狐さんが好きです。オカルト好きの織姫を、困ったものですねえ……と見守っている姿が微笑ましい。

竜がもたらした街の危機は、思っていたのと違う方向から来たかなー。
自分の恐怖の気持ちが増幅して恐ろしい魔性を作り出していくなんて、全くの別の存在の魔性や幽霊より、ある意味リアルで怖いです。
さやかが自分の気持ちで大切なものを守りたい、と勇気を出して踏み出した姿が、とても印象的で素敵でした。
さやかの力を自然と受け入れてくれる人たちで、よかったな。

あと、辛いことがあっても、不思議の力に頼る前に、自分自身で頑張ってみることが、いちばん大事。
村山先生のメッセージが、胸にダイレクトに響きました。
思えば昔の私は、自分のひとりぼっちの境遇を嘆きつつ、それを変えるための努力を、なんにもしていなかったよなあ……。と。
昔の私に読ませたかった。
小中学生のころの私なら、読んでどんな感想を持ったかな。

あと、プロローグからはじまる、桜子姫とお清のふたりの絆やお清のその後の人生も、直接語られている訳ではなかったのですが、素敵だなーと思いました。
ふたりの絆が年月流れて子孫のさやかに受け継がれているのもいいなあ。


そして二作目『月は迷宮の鏡』も。

天空のミラクル!―月は迷宮の鏡 (Dreamスマッシュ!)天空のミラクル!―月は迷宮の鏡 (Dreamスマッシュ!)
(2006/11)
村山 早紀

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女の子たちの友情&夏の不思議な怪談&ほのかな恋の物語。個性的なキャラがだんだん馴染んできて楽しかった。
この巻では個人的には、さやかとクラスメイトの涼くんのふたりの友情&淡い恋が、きゅんきゅんしてとても好きでした(笑)。
小学生の恋は初々しくて和むわ~。家族にさやかのことをべた褒めしていたらしい涼くんが可愛かったのですよ!
物静かで読書家の文学少年は良いものです。
『星の国の銀騎士』も、私好みの素敵なファンタジーロマンスの香りがします。読んでみたい!
涼くんのことと重ねあわせてお兄さんのことに思いをはせるさやかも、印象的でした。
いつかこの兄妹が何の隔てなく心を通わせられるといいのですが。

今回の不思議は、吸血鬼さわぎから、またも意外な方向へ。竜はやっぱり前面には出てこないのね。ラスボス?
満月横丁の住人たちの正体は、読んでいる内に、なんとなくそうかなーと思っていたら、やっぱり(笑)。とても村山先生のお話らしい設定だなと思いました。
涼くんとそのお母さんとお兄さんは結構複雑な立場だな……と思ったのですが、真実を涼くんが知っても親子の姿はやっぱりあたたかくて愛にあふれていて、良かったな。お兄さんの言葉が格好いい。
阿古屋先生の立ち姿も美しくて格好良かったです!途中かなり怪しげでどきどきしましたが、教師として凛と子どもたちを守ろうと戦う姿はとてもいいものでした。ロングヘアで楚々としたお姉さま大好き。
今回子どもたちの恐怖でどんどん増幅していくあやかしも、リアルでやっぱり怖かった。
でもそれ以上に、織姫が思いついた攻撃法がとても斬新で効果も抜群で……いいところもっていったな!

星くずコーヒーの新製品で作ったベトナムコーヒー、魅力的でおいしそうです。
なんだか、こんなほんのちょっとの不思議程度なら皆さらりと受け入れて楽しんでしまう、これも風早の街の人たちの気性でしょうか。やっぱりこの街の雰囲気好きです。

桜子姫は、今回出番少なめだったような。
さやかと涼の関係を面白がって不思議の力でこっそりけしかけてみたり、そんな姿がたのしかった!(笑)

タロットカードのことや赤い竜のことや、色々設定が美味しくてどんどんお話膨らませられそうなのに、続きが出ていないのが……うう、残念です。さやかの家族の今後のことも気になるのですが。
いつか読めるといいな。

読んだあとで、『かつくら』の村山先生インタビューを読み返していたり。
そしてこれは先の話ですが、ツイッターの情報によると、『竜宮ホテル』の徳間書店版が、近く読めるみたいで。これも楽しみです~♪


ここ何日かの間にそれぞれの記事に拍手くださった方々、どうもありがとうございました♪

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カテゴリ: 村山早紀さん

タグ: 村山早紀 

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