Admin   *   New entry   *   Up load   *   All archives

ようこそいらっしゃいました。すてきな書物と美味しい食べ物をどうぞ。

『夢の宮 〜名はなき縁〜』今野 緒雪 

夢の宮 〜名はなき縁〜 (夢の宮シリーズ)夢の宮 〜名はなき縁〜 (夢の宮シリーズ)
(2013/03/30)
今野 緒雪

商品詳細を見る



中華風オムニバス王宮ロマンス『夢の宮』シリーズの新作。
琥古(ここ)は、鸞城で、王子の透佶(とうきつ)の乳兄妹として暮らしてきた娘。嫁に行き一旦城を離れていたが、透佶に呼びだされ、久しぶりに帰ってきた。
呼び出した透佶の相談内容というのが、彼のもとに異国から嫁いできた美貌の王女の身辺をさぐり、彼を拒み続ける真意を明らかにしてほしい、というもので――。


『夢の宮』シリーズの嬉しい新作。
発売日前にネットで読んだあらすじやコバルト文庫のブログの試し読みで判断する限り、私好みのお話っぽくって、楽しみにしていました。
相変わらず久下じゅんこさんイラストの表紙は麗しく、本の装丁もお洒落で洗練されていてすてきです。

実際に読み始めてみると、何人かの視点での一応それぞれ独立したお話がまとめられて、ひとつの物語の流れになっている構成。
単に順番に並べられているわけではなく、お話にいくつもからくりが仕込んであって、はっ、これはそういうことだったのか……!!読んでいて驚きの連続で、テンポよく飽きませんでした。
そんなに長いお話でもなかったこともあり、ひと息に読んでしまいました。
この巻は、うん、私好きだなあ!期待は裏切られませんでした。
読んでいて楽しくて、思わずにこにこしてしまいました。


以下の感想、一応注意したのですがやっぱりネタばれ微妙に混じってると思うので、読んでくださる際にはご注意を。中途半端に回避して書こうとしたので途中からよく分からないことになってきたけど、まあもういいや。
ヒロインやヒーローはじめとして漢字がとにかく難しかったのも含め(笑)、書くのには少し手間がかかりました。
でもとても楽しいお話だったから、少しくらい苦労してでも語りたかったの!


はい、今回は、あとがきにも描かれていたように、基本的に明るいのほほん系のストーリー。
そしてこれもあとがきに描かれていてやっぱりーとうなずきましたが、私が大好きな既刊『月下友人』と、色々共通点があるお話でした。
主役ふたりの立ち位置、似てますよね。特に恋する王子さまの微笑ましさが(笑)。
ヒロインの琥古の方は、大人しめだった樹寿の数倍上をいく、たくましい女の子でしたが。
このシリーズの姫君達がしばられがちな、身分とか立場とかややこしいしがらみを物ともせずに、のびのびーと好き放題に生きていて(いい意味でね)、読んでいてなんだかとても気持ちがよかったです。
頭の回転が早いのも情にあついのも、好感度高いです。

で、琥古がそんな風な娘さんに育った一因は、確実に、この時代の鸞王家の気風にあると思うな。
ええと、この時代の鸞の王さま一家は、一体どうなってるんだ!お妃さまふたりの真の事情が明かされた段階で、思わず突っ込みたくなりました(笑)。なんて破天荒な。
まあ本人や周囲の人含めて、皆いいひとで良かったですけれどね。
これまでのシリーズを思い返して、この国の跡継ぎ問題って、だいたいは切羽詰まってますよね……。
現在の王さまの懐深さが、素晴らしいです。

一体どうなってるんだー!と突っ込みたくなったあとひとつは、異国の本物のお姫さまの、育ちの良いわがままっぷり。
あまりにも突き抜けていてあっけらかんと悪気がなくって、ここまでくるといっそ清々しいです。
このお姫さまに人生まるごと巻き込まれて振り回されまくるふたり、気の毒すぎます。ふたりとも本当に、人がいいなあ。もう慣れちゃったんだな……。
それでもふたりっきりで窮地に放り込まれて協力しあって日々を過ごしてきたからこそ、生まれた想いもあって。
読んでいて、思わずふふふと笑ってしまいました。がんばれ、弟君!
姉姫の方も、なんだかんだでおさまるべきところにおさまったようで、良かったですね。けして悪い娘さんじゃないんですよ。うん。

主役ふたり、序盤では幼馴染みの親しさ以上のものは感じなかったものの、ヒロインとヒーロー扱いである以上、何かあるに違いない、と思って先々読んでいましたが……やっぱりね!
うふふ、こういう幼馴染みものは大好きです。美味しいです(笑)。
琥古の嫁入りって一体何のことか、と思って読んでいたのですが、旦那さんとの馴れ初めから最後まで、心温まるいいエピソードでした。あとになって知らされた透佶の気持ちを思うと同情を禁じえませんでしたが(苦笑)。
まあ、現王家をもってしても、ずっとまえから決められていた国同士の政略結婚は回避できなかったんですね。鈍い琥古が全然気づけずにあっさりお嫁に行っちゃうのも無理ないか。

エピローグでようやく王子さまの想いがはっきりと描かれていて、ときめきました。
子ども同士のたわいない口約束と流されても仕方がないような約束をこんなに楽しみにしてるなんて、可愛すぎます。
ただ、本人は絶対忘れてると思うのですが……さて、どうなるのかな。

あとがきの頁を開いた途端、今野さん自身が「えっ、ここでおしまい?」と書かれていて、まさにその通り、びっくりしましたが(笑)。
ですね、私も続編、とっても読みたいです!ぜひとも出してください!
幼馴染みふたりが、幸せな結末を迎えられるといいなと思います。もう一組のカップルも。
(実を言うと『月下友人』も、この先あともう少しが読みたかった、と今でももどかしく思っていたりします。王子さまがこのままでは少々不憫で。笑。)
今のところ、一番の壁は、ヒロインのお母さまなのかしら?

それにしても、久下じゅんこさんの挿絵の美しさは、素晴らしいです。
『夢の宮』のしっとりロマンティックな雰囲気によくあっていて、一枚一枚が目の保養です。
特に美貌のお姫さまとその侍女の挿絵には、うっとり見入ってしまいました。華奢な輪郭に惹かれます。
お着物の柄や装飾品や髪型もていねいに美しく描かれていて、すてき~♪

『夢の宮』シリーズは、平和な時代の明るくて幸せなお話が好きだなあと思いつつ、切なくてやりきれないお話も含んでいるからこその『夢の宮』シリーズなんだよなと、思ったり(笑)。
最近は『古恋鳥』をぱらぱら再読していました。切なく張りつめた禁断の恋、この話も昔から好きです。
国同士の位置関係の地図や鸞王宮の建物の配置図も、できればまた載せてほしいな。


ここ2日の間にそれぞれの記事に拍手くださった方々、どうもありがとうございました♪
コメントもくださった方、ありがとうございます!
返信もう少々お待ちいただけるとありがたいです~。

関連記事

カテゴリ: コバルト文庫

タグ: 今野緒雪 

この記事に対するコメント

コメントの投稿
Secret

トラックバック

トラックバックURL
→http://hananomi691.blog10.fc2.com/tb.php/1228-b7a2bc4a
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)