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『RDG レッドデータガール』シリーズ 荻原 規子   

RDG レッドデータガール  はじめてのお使い (カドカワ銀のさじシリーズ)RDG レッドデータガール はじめてのお使い (カドカワ銀のさじシリーズ)
(2008/07/04)
荻原 規子

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鈴原泉水子は、紀伊山地の奥にある玉倉山で生まれ育った少女。中学三年まで地元をほとんど出ることなく、静かで平穏な暮らしを営んできた。
しかし幼馴染みの少年・深行との再会、東京の高校への進学と、周囲に半ば仕組まれたかたちで、全く別の環境で生きて行かなければならなくなる。
引っ込み思案でこれといって取り柄もなく自分に自信を持てない泉水子、しかし彼女には、周囲が慎重に見守り隠してきた途方もない「秘密」を持っていた。
泉水子と深行は、はじめは反発し合い、ほんの少し、また少し距離を縮めていきつつ、特殊な環境下で学園生活を営み、運命に立ち向かっていく――。


荻原規子さんの現代が舞台の和風ファンタジー学園ものシリーズ『RDG』シリーズ、ようやく全六巻、読了。
「ようやく」というのは、数年前、二巻目まで読んだ段階で、ずーーっと積み本になっていたシリーズだったので(汗)。
まあ色々あったんですけれど、一番の理由は、荻原規子さん作品に思い入れがありすぎて、かえっていい加減な気持ちでは読めないと思いこみ、大事大事に取っておきすぎた……うん、そんな感じです。
でも、いざ再スタートしてみると、半ば思っていたとおり、今度はノンストップで、全六巻、一気に読了してしまいました。
ああ、面白かった!!
単行本六巻分、続き続きをどんどん読んでいけて、荻原規子さんのすみずみまで完成されたファンタジー世界にずっと浸り続けていられるなんて、贅沢!幸せすぎました。

六巻分の感想、本当ならひとつの記事で思いを語れる訳もないのですが、今の私にはいくつも書いている余裕がないので(書きはじめたらその都度長くなっていくに決まってる……!)、無理やりダイジェスト版でいってみます(笑)。
また後々読み返して内容を反芻して、はじめて出てくる感想も、あるでしょうしね。

ヒロインの泉水子ちゃん。『勾玉三部作』や『西の善き魔女』のヒロインたちと少し趣が違って、引っ込み思案で怖がりで地味な女の子。特にスポーツが苦手で仕方がないというのに、やっぱりとても共感を覚えます(笑)。
そしてヒーロー、泉水子のパートナーの深行くんは、特に最初のうちは泉水子にとことんきつくって、そして三巻目以降を読んでいってもなかなかきつい態度を崩さず打ち解けないので、読んでいて正直ちょっと辛くもありました。
でもだからこそ、ふたりの距離が縮んだ!そんなひとつひとつの場面に、たまらなくきゅんきゅんしました。

ふたり、特に泉水子ははじめのうちはかなり幼くて読んでいてもどかしくて、危うさにはらはらし通しでしたが、少しずつ成長していく過程が、良かったです。
『勾玉三部作』を読んでいた十代の頃と違って、主役二人にいくらか距離をおいて、青い部分とか客観的に読むようになったな、とこれは私が年取ったというだけの話ですが。

突然ですが、以下、私がときめいた、大好き!泉水子と深行のそんな名シーン、ベスト3(笑)。

ベスト1 『学園の一番長い日』で、別次元に飛んだ(?)泉水子を深行が追いかけてくる場面

RDG5  レッドデータガール  学園の一番長い日 (カドカワ銀のさじシリーズ)RDG5 レッドデータガール 学園の一番長い日 (カドカワ銀のさじシリーズ)
(2011/10/28)
荻原 規子

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このふたりの再会の場面が、とにかく好き過ぎます……!!
荻原作品のこの手の主役二人の再会の場面って、本当に好きだな!部分的にすでに何度も読み返しちゃいました。
トトロが愛読書だったという深行くん、イメージが違いすぎて、ギャップが可愛らしいです。お父さんの膝の上で見ていたというのがまた。
おれが必要だと言えよ、とようやくはっきり口にした深行くんが、とてもきりっと格好良かったです。
今までの経緯を思い返すに、相当な覚悟で口にしている、わかるから。
泉水子ちゃんの衣装も雰囲気たっぷりでいいですね。

ついでに表紙イラスト、この巻のものが一番好きです。
お下げ髪が嫌いということではまったくないのですが!(笑)

ベスト2 『星降る夜に願うこと』のラストのふたりの場面

まさにココアのような甘さに、読んでいてほこほこして、幸せ気分でした♪
ふたりとも間違いなくしっかり恋をしていて、お互いへの想いが行動で伝わってきて……うん、良いものです。
泉水子のプレゼントの手袋、『ユリイカ』の荻原さんインタビューで語られていた裏エピソードに、とってもきゅんきゅん!!ちょっと某少女小説の恋人同士を彷彿とするエピソードではありませんか。(←どなたか分かってくださると嬉しい……笑。)

ベスト3 『学園の一番長い日』のホラーハウスにてのちょっとした仲たがい

明らかにやきもちを焼いている深行くんと、そこにある甘い感情に全然気づいていない泉水子ちゃんが、可愛すぎますね!

それにしても疑問なのが、このふたり、いったいいつの時点で、恋心を自覚したのか(笑)。
私の読解力が足りないだけかとも思いましたが、読書メーターでも皆さまけっこう同じように書かれているので。
想像の余地にゆだねられているのが、荻原作品らしくもあり、と言えるのかな。
再読したらもっと分かるのかなあ。
4巻目の最初の泉水子の日記、深行くんのことですっかり埋まっていて、想いを自覚したかまだあと少しか、ぎりぎりのところ、という気はしました。

お姫様役をやったり人前で思いがけず舞を見せたり、泉水子の輝きがどんどん周囲に放たれていく様を、深行が内心どう思っていたのか、気になるところです。
できれば深行視点からももっと読みたかったなー。

あと好きだったのは、泉水子とルームメイトの真響さんの友情とか。
ふたりとも異なる大きなものを抱えてて、周囲の思惑が微妙にぶつかり緊張をはらみつつも、ふたりの友情は不思議とあやうげなく揺るがなくって、読んでいてすごくいいなと思いました。
真響さん初登場時の「ぼたん色のセーター」、色味が鮮やかで響きがきれいで好きでした。イメージぴったり。
真夏くんののびのびとした雰囲気もとてもいいです。三巻目でかいま見えた、三兄弟の思いがけずに重く危うい背景も、ひっくるめて魅力になっていて、素敵だな。
ごく普通の女の子の友人として泉水子の恋を応援する真響さんが大好き!

高柳一条氏は、5巻目の変身が、すべてを凌駕してしまいました!以上。

ええと、お話は、私が思っていた以上に、「学園もの」だったなあと思いました。
少々(?)特殊な学園だったけれど、皆基本的には歳相応の普通の高校生で、仲良く青春している姿はいいものでした。
学園祭、規模がすごいなー。なんでもありだなー。と読んでいて感心しつつ、楽しげな雰囲気が伝わってきて、良かったです。泉水子たちが裏でとんでもないことを繰り広げていた割には学園祭は大きな破綻もなく、すごいな、とそこも感心。
和風ファンタジー部分は、『勾玉三部作』と同じものを何度も感じて、読んでいて嬉しくなりました。カラスとか(笑)。真夏くんの馬もそうですね。
現代学園ものと時代がかったファンタジー部分が違和感なく調和しているのが素敵だなとしみじみ思いました。

泉水子のご両親や、雪政さんサイド(というか、世代?)も、魅力的でした。
紫子さんが、わかりにくくも泉水子をちゃんと母親として愛して大事にしているのが分かる場面が、好きでした。ほっとしました。
雪政さんのきらきら胡散臭い、けれどいざというときちゃんと頼りになるところ、読んでいくごとに不思議とやみつきでした(笑)。深行の父への複雑な感情は、笑ってばかりもいられないなと思いましたが。確かにこんな父親嬉しくないよな……。
私もご両親と雪政さん、あと香織さんのお話、気になります。
(でも私は、どちらかというと、真響さんと真夏くんが、いつかお互い以上に大切に想えるひとを見つけるまでの物語の方を、読みたいかなー。)

姫神のこととか、結局決着がつかなかったな、あのひととあのひとの恋の行方はどうなったのかな、読み足りない部分はいくつも残っているものの、泉水子というひとりの少女の物語としては、きれいにまとまっていて、良かったんじゃないかな、とひとまず私は思いました。
『西の善き魔女』みたいに、外伝集とかいつかまた出るといいな。

アニメは今のところ見ていないのですが、岸田メルさんのスニーカー文庫版のイラストをぱらぱらめくって、泉水子ちゃんが清楚な美少女でびっくりし、ほうっとため息……(笑)。お下げ髪のお嬢さんはよいものです。


また読み返したり色々なもので鑑賞したり、じっくりこの作品と付き合っていけると嬉しい、そんな魅力的なシリーズでした。
ラストまで読み終えることができて、本当に良かったです。


ここ何日かにそれぞれの記事に拍手くださった方々、どうもありがとうございました♪

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カテゴリ: 荻原規子さん

タグ: 荻原規子 

この記事に対するコメント

私も...!!

ゆりさん,読み応えのある長文の感想をありがとうございます~!私もうんうんと,頷きながら拝見しました。
そして手袋...!私もやっぱり反応しちゃいましたよw
手袋って,直接身に着けるものだから,ある意味とってもパーソナルな小物ですよね...とくに異性にプレゼントする場合は,限られた間柄にだけ許される,特別な贈り物って気がします(それなりに親密じゃないとサイズもわからないですし...!)。深行にしろシャーリーにしろ,贈られた手袋はとっても大切にするだろうな~って思いました。
ちなみに...私の中でのヒーロー二人の共通点は,ヤキモチ焼きなところかなw
泉水子ちゃんにしろクリスにしろ,本人無自覚にモテてそうなので,きっとはらはらすることも多いんじゃないかなって思いますw
(最初の投稿内容は,手袋とは関係ない文章だったので,編集して再投稿しました...とっちらかっててすみません!)

URL | yuko #XZKWQtew
2013/04/29 22:11 * 編集 *

Re: 私も...!!

>yukoさん
コメントありがとうございます。

どうも、こんにちは♪
主にツイッターの方でいつもお世話になっています。yukoさんの召し上がっている食べ物がいつも美味しそうでお洒落で、楽しませていただいています(笑)。改めましていつもありがとうございます(笑)。

さてさて、『RDG』の感想、お待たせいたしました!
『RDG』にとてもお詳しいyukoさんにそんな風に読んでいただけると、こんな記事でも書いた甲斐があったというものです(笑)。
手袋ーー!!やっぱり、反応しますよね!yukoさんに同意していただけて、とても嬉しいです。
本当に、仰るとおり、手袋って、それなりに親密な間柄でしか、おくれない品ですよね。
内気で男性に全く慣れていない泉水子ちゃんやクリスみたいな女の子が贈り物にすると、普段の彼女たちとのギャップがあるようないやいやさりげなさがかえってぴったりなような、上手く一言で言い表せないのですが……、読んでいて本当にきゅんきゅんです♪
そして確かに、深行くんもシャーリーも、ヤキモチ焼きで困ってしまいますねー(笑)。

以前お話していたyukoさんセレクトのみつあみ少女、泉水子ちゃんの物語をようやく読めて、私は満足です♪
きちんと編み込んだ姿も清楚でいいものですし、こう、みつあみをほどく行為にも、ロマンが……(笑)。

URL | fallclover #SvKcs0as
2013/05/03 20:48 * 編集 *

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