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『おこぼれ姫と円卓の騎士 君主の責任』石田 リンネ 

おこぼれ姫と円卓の騎士 君主の責任 (ビーズログ文庫)おこぼれ姫と円卓の騎士 君主の責任 (ビーズログ文庫)
(2013/05/15)
石田リンネ

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『おこぼれ姫と円卓の騎士』シリーズ第6作目。
ソルヴェールの次期女王レティーツィアと、ノーザルツ公国君主の元に届けられた、キルフ帝国の建国祭への招待状。
差出人のサインに不穏なものを感じつつも、己の騎士を従えキルフ帝国に向かったレティ。彼女はそこで、皇帝に関するとんでもない噂を耳にする。
その真相を確かめるため、レティ達はある計画を企てるのだが……!?

『おこぼれ姫』シリーズ、待っていましたの新刊発売です。
前巻のからのお話の流れ上、今回の舞台は、ほぼ一冊分キルフ帝国に。

ああ、やっぱり、クールビューティーでお人好しな女王様・レティが格好いい!大好き!……もう、これに尽きます(笑)。
お人好しで優しい部分を、理論武装したりで分かりやすいかたちで見せたがらないあたりが、また一層愛おしいです。(そしてその辺りをちゃんと分かっていて、そんな彼女に惹かれて影でサポートしている騎士たちとの関係も、やっぱりほんとうに良い……!)
こんなに優しく思いやり深い彼女が、王様をやっていくのは、正直、きついのだと思います。
それでもこの時代の王がレティなのには、意味がある。
ラスト辺りのレティの決意表明?が、シンプルで共感できるもので、格好良かったです。

今回私的に特に楽しかったのは、レティと、キルフ帝国の薄幸の心優しいお姫様・アナスタシア姫が、徐々にお友だち関係を築いていく辺り。
読めば読むほどアナスタシア姫はかわいらしく気立てもよいお姫様で、とても好き!
彼女、いったいどこまでレティを好きになっていくんだ……と、思わないでもなかったですが(笑)。
それにしても前々から気になっているのが、レティと実の母親との過去の関係。
アナスタシア姫と切ない気持ちを分かり合えるレティは、素敵でしたが、同時に彼女の母親との過去にもつらいものがあったということで。うーん、何なんでしょう。

アナスタシア姫のために、レティが己の騎士たちや他国の面々も強引に巻き込んで実行した即興演奏会の辺りも、平和でほのぼの楽しそうで、良かったです。
レティの騎士たちは有能で最高に強いけど、けして万能ではないんだな……ふだんと違うイメージの皆を見ることができて、楽しかったです。
特に、デュークときらきら星との取り合わせが妙につぼにはまってしまい、電車の中で思わず吹き出してしまったのでした(笑)。
まあ、初対面の相手が自分のためにここまで行動にうつしてくれたら、それはアナスタシア姫じゃなくても大感激だよなあと、うなずいてしまいます。

さて今回の騎士の叙任、またしても予想外の方向からきました……!
実を言うと、もう今回は私、アナスタシア姫が女性ながらにレティの騎士になりますとか言いかねないよな……みたいな気持ちで読んでいたので、良い感じに裏切ってくれました。
改めて表紙を見ていると、実はしっかりいたんですけどね、彼は(笑)。
前回にひき続いて、お話の展開が簡単に読めそうで実は全然ぴったりに転がっていかないところが、このシリーズの面白さのひとつですよねえ。
ノーザルツ公も、はじめのうちは正直いまいち印象よくなかったキャラでしたが、可愛げが出てきたような。
少なくともミハエル王子よりはずっとレティ側の君主で、今後も上手くやっていって欲しいですねえ。
男性同士のやりとりも相変わらずなんだか面白い。クレイグさんがいつも良い味出しているんだ……(笑)。
今回は特に、アストリッドが大活躍していたような印象でした。
シェランも、ラスト辺りに彼にしかできない見せ場がきちんとあって、良かったです!
ヴィクトル王子も、思っていたよりきちんとした王子様でしたね(笑)。

そしてなんといっても気になるのが、レティとデュークの主従間の、ふたり微妙な気持ちの揺れ動き。(主従の絆自体はしっかりゆるがなくて、それもまたいいんですけどね!)
ピアノを弾くレティをじっと見つめ続けるデュークの場面もときめきましたし、ラスト付近のレティとアナスタシア姫との恋話に、またふふふとなりました。
「もし考えたら、好きになってしまうかもしれないでしょう?」(196頁)――なんて、レティは私が思っていたより、恋愛感情の一歩手前に来ていたんだな。そう解釈してもいいんですよね?
このあるかなしかの微妙なところが、本当にときめきますね!!じれったいのは大好きです。
ただ、そこを考えてはいけない、という事情も、レティの立場では、やっぱりあるんですよね。
諡のこともあるんでしょうが(笑)、レティの性格からして、大切な人にこそ、誰からも認められる幸せな結婚をしてほしい、そのためには自分の気持ちは押し殺す、みたいなことになりそうで。
切ないです。ふたりの気持ちが、幸せなかたちで実を結ぶことができるといいんですけれど、どうあるのがいいのかなあ。うーん。
読んでいて私が思い浮かべてしまったのは、榛名しおりさんのホワイトハート少女小説『リーズ チューダー朝の青い瞳』でした。
この作品のラストも、完全なハッピーエンドかといわれると違う気もする、でもふたりともあるべき立場で幸せそうだったように思います。
って、話が逸れました。

レティとデュークの先が現時点ではなんとも見えない分、ヴィクトル王子とアナスタシア姫のふたりは、きっかけは完全な政略結婚でも、いずれは心を通わせて幸せな夫婦になってほしいなあと、ラストでしんみり思いました。
このふたりなら、時間をかければけっこう上手くやっていけるんじゃないかなあ。
そしてできればアナスタシア姫には今後、レティの同性の対等な頼れる友人として、サポートしてあげていってほしいです。

少女と大人の女性の境目辺りの年頃だという、レティの可憐な美しさも、読みどころでした……!(挿絵含)
レティは生まれ育ちや立場上、自分をゴージャスに飾り立てるのにはためらいがないので、キラキラ感が十分堪能できて、いいものです。
起家一子さんは、レティやデュークのような感情をあまり表に出さない美人さんを描かせると、ぴったりはまるなあと思います。

それにしても今回のラストの引きは気になります。早く続きを読みたい!
次回も引き続きキルフ帝国編になるのかな。
レティの兄弟たちの出番がほとんどないというのだけは、正直ちょっと寂しいかな(苦笑)。

文庫に入っていたペーパー、レティが麗しくて、これまた堪能しました。
コミカライズもあるのですね。楽しみです。


昨日記事に拍手くださった方々、どうもありがとうございました♪

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カテゴリ: ビーズログ文庫

タグ: 石田リンネ 

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