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ようこそいらっしゃいました。すてきな書物と美味しい食べ物をどうぞ。

『プチ・プロフェスール』伊与原 新 

プチ・プロフェスールプチ・プロフェスール
(2011/09/09)
伊与原 新

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貧乏理系大学院生の律は、デンマークへの留学資金を稼ぐため、馬渕家の娘の家庭教師を引き受けることに。
教え子の理緒は、「リケジョ」に憧れる少々変わった小学生で、律は彼女の行動力に振り回されつつ、身近で起こるちょっとした事件の数々を、科学の知識を用いて解き明かしていく――。

『かつくら』の趣味の本棚コーナーで存在を知って、タイトルも表紙もお洒落でかわいらしくて、ずっと気になっていた作品でした。
完全な文系人間の私、個人的事情で自然科学の分野に少しでも馴染みたい……という思惑もあり、何とはなしにこのタイミングで読み始めてみました。
小説なら、しかも女子学生と小学生の娘さんがメインのお話なら、読みやすいんじゃないかなーって。

そんな風に読み始めたのですが……、いやいやこの小説、予想以上に面白い!気がついたら一気読みしていました。
人付き合いが苦手で無愛想だけれど科学の知識は並々ならぬ律と、そんな律にきらきら憧れのまなざしを注いで「教授!」と懐く理緒ちゃんのコンビが、もう本当に好きです。かわいいっ!!
苦労性で真面目で賢い律は、考えてみればかなり私好みのヒロインなんですねえ(笑)。
好奇心旺盛でちょっとおしゃまで、律を振り回しつつ不思議な出来事にぐいぐい首をつっこむ理緒ちゃんも、かわいいんだー。
各話ごとにちりばめられた科学の各ジャンルの知識も、律が理緒ちゃんにその都度分かりやすく解説してくれるので、知識がほとんどない私にもとっつきやすくて良かったです。
理緒ちゃんの専属運転手?恵人くんや、律のアルバイト先の先生ことビッグママや、脇をかためる人たちも、ちょっと変わり者でも優しくって、いざというとき頼れる人で、好きでした。

連作短編形式なので、各話順に、感想を語ってみる。
『投げ出し墓のバンディット』
冒頭の、いちごショートケーキを上手にカットするため思案する律と理緒ちゃんの場面を読んだ時点で、物語にすっと惚れ込んでしまいました(笑)。
というか、誕生日プレゼントにもらったはんだごてを振り回して元気いっぱい得意げな理緒ちゃん、相当変わってる……!でもそこがいい!
気分はすっかり「リケジョ」でも、まだまだ知識が未熟な理緒ちゃんで、背伸びしてる感が読んでいてとてもかわいらしかった。
投げ出し墓事件の真相は、兄弟のお互いを思いやる姿がいいなあと思いました。
こんな私でも、『不思議の国のトムキンス』を読んでみたくなりました。

『恋するマクスウェル』
オタクの恋の行方はいかに。(何か違う……)
犯人は、そういうことね……。
なんだかんだで頼りにされると放っておけないお人好しな律がやっぱりいいです。
天文系は、私も小学生時代はまっていた時期があるのですが、やっぱり時代が進んでいるなあ。理緒ちゃんが夢中になるのもなんだか分かります。

『チェシャ猫マーダーケース』
才田君の知識量が半端ないなと思いました。あと十歳年上だったら、恵人くん、かなり強力なライバルだったと思うのです(笑)。
大人がよく調べもせずに決め付けるのはなんだかなーとか思いつつ、一応もう松野先生の世代になった私には、彼女の立場も理解できるので、なんとも複雑な気分(苦笑)。
戸田先生の過去話が意外で、ほろっときました。

『虹のソノリティ』
認知科学、この作品の中では重たい系の事件のお話。
虹の色の見え方云々は私も学生時代に勉強しましたが、律の解説にまでは到達していなかったので、今更ながらにへええーと。

『402号室のプロフェスール』
律の過去話、まさかこんなところで人間関係がつながっていたとは!予想外でした。
まあそうだよね、そうそう偶然にそんなうまい話は転がっていないか……でも理緒ちゃんの家族の人となりを知れて良かったです。このままでは子どもを放任気味の両親だと思い込んでいたところでした……(笑)。
律のお姉さんのようなエクルさん、手紙にもほろりときました。
ちょっとだけ『あしながおじさん』な設定だなー。
ほんのりロマンス的な流れもあり、読後感も良かったです。
トキノさんがまた予想外に良いお仕事してくれてました。

律と理緒のリケジョコンビと一緒に、カガクの世界にちょっと遊びに行ってみるのも、きっと楽しいですよ!
そんな感じでオススメしたくなるお話でした。
そして名古屋市科学館にまた遊びに行きたくなって来ました(笑)。
私にとっての『不思議の国のトムキンス』的存在は、図書館で借りたりして読んだかこさとしさんの科学の絵本だったのかなー。


ここ何日かにそれぞれの記事に拍手くださった方々、どうもありがとうございました♪


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カテゴリ: ミステリー・日常の謎系

タグ: 伊与原新 

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