Admin   *   New entry   *   Up load   *   All archives

ようこそいらっしゃいました。すてきな書物と美味しい食べ物をどうぞ。

『リリーベリー―イチゴショートのない洋菓子店』大平 しおり 

リリーベリー―イチゴショートのない洋菓子店 (メディアワークス文庫)リリーベリー―イチゴショートのない洋菓子店 (メディアワークス文庫)
(2013/03/23)
大平 しおり

商品詳細を見る



北部大学の女子大生・中屋明海が長年の片思いの相手と共に訪れたのは、地元の山の中腹にある「リリーベリー洋菓子店」。
一見ケーキ屋とは思えない店に不機嫌そうな店主の出迎えに加え、一年間限定開店、店に置かれるケーキは一種類のみ、何よりスイーツの主役である「イチゴショート」がない。
そんな奇妙なお店で食べたケーキは、けれども、とてもとても美味しくて。
そして明海はなりゆきから、その店のパティシエ兼店長でもあった青年・竹下望と一緒に働くことになってしまう――。


メディアワークス文庫の作品、再び(笑)。
こちらの作品も、本屋さんで見かけたときからずっと気になっていたものでした。
表紙もタイトルも、とにかくキュートで美味しそう!
さる人のオススメ感想を読みまして、実際に手にとってみることに。

うーん、本当に、楽しくて可愛らしいお話でした。
思っていたよりも、どたばたコメディ。元気よくストーリーが進んでいって、飽きませんでした。
出てくる人たち皆が皆変人奇人で、笑えました。でもひとつのことに一心に突き進んでいる人が多くて、時に暑苦しくても、読んでいて楽しくて気持ちよかったです。そして皆いいひとなんだ!
期待通りに、出てくるスイーツ皆美味しそうで魅力的だったし、ラブコメ要素もありで、きゅんきゅんしました!
それぞれのケーキに、心温まる素敵なストーリーが内包されていて、いいですねえー。

ヒロインの明海からして楽しい子で。長年の片思いの相手に失恋しようが恥じらいもなくケーキも焼肉もお餅もどんどん食べて食べて食べまくる姿が、おかしくて好感持てました。
「リリーベリー」の店主・竹下さんは、表紙のイメージとは違って明海にはスパルタで全然優しくなかったですけれど(笑)、言い合いしつつなんだかんだふたり力を合わせて店を切り盛りしていくうちに、内に抱え込んでいた父親との過去を乗り越えて、明海の存在をかけがえのないものとしていく様が、良かった。
一見がさつにも思える明海の、情の深さや家族想いのところが、なんだかとても健康的で好きだなと思いました。
そして竹下氏の商才のない凝り性加減には笑えました……そんな高級なりんごあめ、私も食べられません(笑)。(でも明海みたいにケーキ屋さんの屋台で焼肉するのもどうかと思わなくもない……)
でもね、ラストで竹下氏が明海に贈ったプレゼント+演出が、また彼らしく思いっきり凝っていて、男の人にここまでされたら、明海じゃなくてもそれは落ちてしまいますよ。幸せ感いっぱいの素敵な場面でした。

東京の店から突然姿を消した竹下氏を追ってやってきたパティシエ仲間?の宮舘さんに安倍川さん、明海の長年の親友で絵描き命女子大生の杏奈さん、明海のゼミの教授で失踪癖のある鈴木教授にあと美人で押しの強い院生の先輩さんに彼女に片思いして追っかけしている青年に……、脇役陣も本当に面白い人ばっかり。
鈴木教授が語る花見の伝説とか一見まともそうででもうさん臭くて笑えました。
失踪で授業が休講になったら嬉しいけど、でもやっぱり補講が伸びるのはやですねー。
個人的には明海と杏奈さんの友情が好きでした。杏奈さんの恋のお相手……そっちでしたか!うーんちょっと切ないなあ。
なんというか、大学生って楽しい時代だったなあ。どんな変なことをやっても、過ぎ去ってみれば楽しくてきらきらした思い出なんだから。

鈴木教授の話に関連して、作品舞台の北部市や地元の大学である北部大学とか、地味に面白いのも良かったです。
分からないけれど、作者さんの出身地の岩手がモデルなのかなあ。りんごが美味しい雪国、りんご大好き人間の私は、単純に憧れてしまいます(笑)。
なんというかこのいかにも地方都市という感じの雰囲気、そして皆(作者さん?)がなんだかんだここに愛着を持っているのが伝わってくるのがまた好き……!
「花かんむり」というケーキの名前の由来エピソードが良かったです。明海がナイスです。

花かんむりもオレンジピールが隠し味のイチゴショートもとても魅力的でしたが、個人的にいちばん食べたいなと思ったのは、「リリーベリー」(りんごのレアチーズケーキ)!
ネーミングセンスも素敵だし、りんごもチーズケーキも大好きだし、お客のエマさんのロマンスと家族愛のエピソードも良かったです。

まあひとつ言いたいことがあるとすれば……和志は、結局あれからどうなったんだ?(笑)
あともう一組のカップルの恋の行方も、このままだとちょっと寂しいので、進展あるといいんだけどな。

メディアワークス文庫のサイトで読んだ番外編も良かったです。
これはまた初々しくて美味しそうな(笑)ラブストーリー!


ここ一週間くらいの間にそれぞれの記事に拍手くださった方々、どうもありがとうございました♪


関連記事

カテゴリ: 日常のお話

タグ: 大平しおり 

この記事に対するコメント

コメントの投稿
Secret

トラックバック

トラックバックURL
→http://hananomi691.blog10.fc2.com/tb.php/1262-e209ed9b
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)