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『比類なき翠玉 時間旅行者の系譜』ケルスティン・ギア 

比類なき翠玉 (時間旅行者の系譜)比類なき翠玉 (時間旅行者の系譜)
(2013/08/10)
ケルスティン・ギア

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『時間旅行者の系譜』シリーズ第3弾。
「時間消化」の最中に出会った若き日の祖父と協力して、ポールとルーシーの思惑やクロノグラフ、サンジェルマン伯爵の秘密をさぐるグウェンドリン。
「監視団」や従姉妹のシャーロットの激しい追求をかわしつつ謎にせまるグウェンドリンだったが、相棒のギデオンの不可解な言動のせいで、乙女心は落ち着く暇もなし。
謎と冒険とロマンスがぎゅっとつまったタイムトラベル・ファンタジー、ついに完結。


ドイツ産のタイムトラベルファンタジーシリーズ、第三巻目にして完結編。
二冊続けて読んできたら続きをすぐに読みたくてしかたなくなって、刊行されたばかりらしい最終巻もささっと入手してきてしまいました(笑)。
読む前から期待が高まるボリュームのある一冊です(笑)。

なんといいますか、グウェンドリンのいとこのシャーロットがとことん嫌な子で、グウェンドリンの足をひっぱろうと常に全神経とがらせて邪魔してくるので(なまじ賢くてなんでもできるのが手に負えない)、読んでいて途中で何度も本を投げつけたくなってきたのですが(笑)、それをぬかせば面白かったー!
特にロマンスが盛り上がりサンジェルマン伯爵の秘密が明かされていく後半部分からは一気読みしてしまいました。
夜遅く眠気とたたかいながら読んでいたので、何か伏線とか抜けてそうですが……だって面白くて途中でやめられなかったんですもの。

前半部分は特に、グウェンドリンと彼女の祖父のルーカス氏のやりとりが、とても好きでした。
おじいちゃん格好良くて賢くて大人で素敵なんですよ……!前半部分だけみれば、ヒーローの百倍くらい格好いい気がします(笑)。
出世欲ではなく、未来の孫娘の助けになるために監視団内部で力を持つように努力するようになったとか、いいお話です。
(そして意外だったのがレディ・アリスタとの夫婦仲がけっこう上手くいってる感じだったこと。後々のシャーロットやグレンダおばさんへの言動といい、レディ・アリスタは厳しいところはあれどもそんなに悪いひとじゃないですねえ。)
レスリーやセメリウスに加え、マディ大おばさんやグウェンの弟妹やミスター・バーナードや、きちんとグウェンドリンの味方になってくれてて、皆の機転と手際が読んでいて鮮やかでした。
いくつになっても少女っぽい無邪気さを変わらず持ち続けているマディおばさんがかわいいです。

そしてパートナーのギデオンとのロマンスも、スピーディーに進んでいきます。特に誤解がとけてからはすっかりラブラブです。お腹いっぱいです。
個人的には思いが通じ合うまでのあれこれをもう少していねいに書いて欲しかったかなと思うのですが、まあこれはこれで。
いまどきのドイツ?の女子高校生ライフってこんなものなのかしら。
ギデオンの不可解な言動は私も謎でやきもきしましたが、好きになった子を全力で守り傷ついたらやさしくなぐさめる彼の姿はなかなか好印象でした。グウェンドリンの家族に認められたのなら、大丈夫でしょ。
一巻目の例のキスシーンはここでつながってくるのね。なるほどね!

グウェンドリンの紅玉とサンジェルマン伯爵の真意は、二巻目を読んだ時点でなんとなく想像していたものに近かった……なんだかなあ。
というか、サンジェルマン伯爵の正体にはびっくりしました。そう言われてみればなるほどというひとではあります。過去のイタリアのエリザベッタお嬢様がかわいそうだな……。
マーリーの血縁関係も言われてみれば納得というか。マーリーはいいひとなのかと思えば次の瞬間には嫌なひとになったり、よく分からなかった(笑)。グウェンかシャーロット、どちらかが好きなのかしら。
フォーク・ド・ヴィリエ氏は、想像していたよりもかわいいひとでした(笑)。
彼のことをばっさり切り捨てた過去のレディ・アリスタには笑ってしまいました。
グレイスお母さんもやっぱり素敵なお母さんです。
シャーロットの嫌味な行動も、彼女がこれまで身をおいていた修行の日々と特別扱いを思えば、しょうがないかなーという気はします。

シリアスな使命を携えてのタイプスリップでも、マダム・ロッシーニのすばらしい衣装は、やはり健在で。やっぱり女の子的には服装にはとことんこだわりたいですよねー。
監視団の中でさりげにグウェンドリンの味方であり続けてくれているのも心強かったです。

グウェンドリンをめぐる血縁関係は前の巻からなんとなく予想できていたのですが、エピローグで明かされた人間関係には、びっくり仰天!
彼がまさか彼女とそういう関係であったなんて思いもしないですよ……(笑)。
グウェンドリンといえば、さらっと書かれていたけど彼女には重たい宿命が。
ギデオンの選択が良かったです。
あ、そういえば、レスリーとラファエルもちょっといい感じになってきてこのふたりも良かったです。

個人的好みで言うとロマンスはもう少し奥ゆかしくあってほしかったと正直思うのですが(笑)、それでもこれはたいへんに楽しいタイムスリップものファンタジーでした。満足。
過去の舞踏会に完璧なドレスでめかしこんで乗り込んでいくとか、読んでいてとても楽しいのです。過去から現在まで散りばめられた謎が少しずつほどかれていく過程もどきどき面白かった。
できれば過去のタイムトラベラーひとりひとりにもスポットを当てたエピソードも読みたかったな!
きれいに終わっているけれど、これにて完結なんて、ちょっともったいないなと思ってしまいます(笑)。

図解 貴婦人のドレスデザイン 1730〜1930年: スタイル・寸法・色・柄・素材まで図解 貴婦人のドレスデザイン 1730〜1930年: スタイル・寸法・色・柄・素材まで
(2013/06/20)
ナンシー・ブラッドフィールド

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マダム・ロッシーニの衣装ってどんなかなーと実際にデザイン画をチェックできて、この本、重宝しました(笑)。


この何日かにそれぞれの記事に拍手くださった方々、どうもありがとうございました♪

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カテゴリ: ファンタジー(西洋風)

タグ: ケルスティン・ギア 

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