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『竜宮ホテル 魔法の夜』村山 早紀 

魔法の夜: 竜宮ホテル (徳間文庫)魔法の夜: 竜宮ホテル (徳間文庫)
(2013/12/06)
村山 早紀

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あやかしを見ることができる目を持つ作家・水守響呼と猫耳の少女・ひなぎくは、竜宮ホテルでクリスマスシーズンをむかえることに。
とあるパーティにひなぎくも連れて出かけていった響呼は、会場で幻のライオンを連れた不思議な少女を見かける。そしてなぜか自分に強い視線を送ってくる作家と彼に寄り添う優しげな女性との出会いも――。

村山先生の『竜宮ホテル』、待望のシリーズ続編。
f-Clan文庫版のころに出逢ってずっとひっそりファンでい続けていたので(笑)、今回こうしてお話の続きを本当に読めることになって、とっても嬉しいです。

一巻目もそうでしたけれど、今回も、遠田志帆さんの表紙がほんっとうに、ステキなんです!
美人でおしゃれな愛理さんと優美で存在感ある白猫さん、あと淡くひかえめなかすみ草や淡いピンクの薔薇の花の取り合わせの表紙に、今回も本屋さんで一目惚れでした。バックの影のあるむらさき色も、村山先生の作品にはちょっとめずらしい色かなあと思いましたが、大人っぽく洗練されててとても良いです。
ひなぎくちゃんも愛理さんも、長いまつげに縁取られた吸い込まれそうに大きな瞳、微笑み混じりで見つめられると、ちょっと私でもくらくらしてきます(笑)。

内容は、あらすじや事前の村山先生のTwitter情報の通り、クリスマスの祝福に満ち満ちた、いつもの村山先生らしい、優しく美しい物語でした。
いつまでも作品世界にひたっていたくて、ゆっくりペースで読みときどき余韻にひたりつつ……なんてやりたくなる作品は、やっぱりそうそうあるものではありません。
ときにほの暗い影も作りこまれているからこそ、光の部分がいっそう美しくてあたたかくて尊いものに思えるのかな、今回読んでいて感じました。

さて今回の第一話『死神の箱』は、竜宮ホテルのメンバーたちが、ホテル風早のクリスマスパーティにお呼ばれしに行く物語。
響呼さんとひなぎくちゃんのドレスアップの描写が楽しかったです。やっぱり女の子ですもん、きれいな格好はしてみたいものです。小公女セーラみたいなひなぎくちゃん、可愛らしいんだろうなあ!
佐伯老人の贈り物のアクセサリーもステキ。
前巻の番外編で初登場だった月村満ちる先生がかなりいい味だしていました。少々癖が強いものの根は世話やきな善人で、癖のある美人さんで(ファッションも個性的……)、響呼さん大好きなのに照れて素直に言い出せないところとかすごい好きでした(笑)。あとトラブルでホテルを抜け出す際にごちそうをもらってきてるちゃっかり加減も好き!(笑)
佐伯老人の物語でもありました。彼の過去話にしんみり。孫娘との思いがけない再会に、思いがけないトラブルに、竜宮ホテルのクリスマスは一騒動も二騒動もありましたねえ。
ひなぎくちゃんにも年が近い女の子のお友だちができて、微笑ましくて良かったです。日本語に慣れていないキャシーの口調が幼いながらに生真面目で古風で、ギャップがあって可愛らしいの。

今回初登場の安斎先生も、はじめは寅彦さんをいじめ倒しててなんだかなあ……でしたが(笑)、読んでいくごとに味が出てきて実はかなり好きなひとでした。
奥さんの美緒さんとのエピソードにほろり。ルリユール職人というのもリンクだし、「みお」さんというお名前も、『はるかな空の東』のミオとかぶってるー。なんだか嬉しい。
天に召されるのをこばんで旦那さんのそばに幸せそうに寄り添っている姿も、『コンビニたそがれ堂』の二巻目のふたりの薫さんの悲しいロマンスをちょっと思い浮かべてしまってしんみりと。
「死神の箱」云々のエピソードは重苦しかった。
今回響呼さんが実はホラー好きなんです、とか語っていたように、明るい癒しの物語がすべてではないところが、また物語を深くしていて惹かれるものがありました。

さてさて、今回のお話でなんといってもときめいたのは、響呼さんと寅彦さんの、とっても奥ゆかしく初々しい、ロマンス要素、でした!ふたりとも一応いい大人なのになんでこんなに可愛らしんでしょう。
ひなぎくちゃんを連れてのドライブで響呼さんの話ばっかりしていて彼女にまで想いを気づかれている寅彦さんがかわいいです。おめかし姿を寅彦さんに見せるのが楽しみな響呼さんかわいいです。
そしてドレス姿に本人を褒められなくて満ちるさんに突っ込まれて真っ赤になってうろたえる寅彦さんも、本当にかわいい!
竜宮ホテルの皆と一緒になって、ふたりの仲の進展を微笑ましく見守っていたい気分です。
ああ、このふたりのロマンス要素だけで、ごはんを何杯も食べられそうな私です(笑)。
改めて一巻目のふたりの出会いを読み返していると、寅彦さんは、桜のパーティーの席で、響呼さんに一目惚れだったんだなあ。うん、きっとそうですよ。
こんなところまで安斎先生にこっそりいじられている寅彦さんがちょっと気の毒ではあります。

『雪の歌 星の声』
愛理さんと元アイドルの幽霊・ことりさんのお話。
愛理さんの明るいほほ笑みが好きだなあ。ペルとのエピソードも良かった。『カフェかもめ亭』の『ねこしまさんのお話』をちょっと思い浮かべました。
ことりんも、やっぱりちょっと変わってるけどいい娘さんです。

『エピローグ 魔法の夜』
サンタさんをつかまえようと真剣にとりもちを使おうとしていたひなぎくちゃんがシュール……。
ひなぎくちゃんにうるうるされて、あわてて彼女の夢を壊すまいと取り繕うキャシーも、優しい子で好きでした。

響呼さんの書かれる小説、ますます読んでみたいなあ。人魚の恋の物語も楽しそう。
そして寅彦さんと一緒にお話を書くのはやらないのかなあ……(笑)。
村山先生のTwitter情報での寅彦さんの正体関連がとても気になります。

最近の村山先生の作品の中で、私がいちばん好みだったのは、この『竜宮ホテル』なのかなあと思います。
大人のための美しいファンタジー、堪能させていただきました。
この続きも楽しみにしています♪

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カテゴリ: 村山早紀さん

タグ: 村山早紀 

この記事に対するコメント

初めまして。
一昨日挿し絵が気になり竜宮ホテルを購入して読み、ドはまりしてしまい昨日二作目を購入しいま読み終えた所です(^^)

読書といえばマンガ本しか読まない私ですが普段はいつもかけてる音楽を切り本の世界に没頭してしまいました。

村山先生の描く世界観素晴らしいですね!!
こんなに本が楽しいと思ったのは初めてでした。
良い作品に出会えて本当に良かったです。
3部目とか続くのかなあ~?
気になる所ですね(* ̄∇ ̄*)

URL | まー #-
2014/01/19 05:09 * 編集 *

Re: タイトルなし

>まーさん
コメントありがとうございます。

こんにちは。こちらこそ、はじめまして♪
こんな辺境のブログを見つけて下さりコメントも…どうもありがとうございます!

『竜宮ホテル』本当に、楽しくていいお話ですよね!はまりますよね!
まずは挿絵が気になるって、分かります。独特の吸い込まれるような大きな瞳に私も書店で惚れ込んでしまいました(笑)。
村山先生が描かれる作品世界は、本当、すばらしいですよね。
私は中学生の頃出会ってからのファンです。出会えてよかった。

どうもこのシリーズは、3巻以降も読めるみたいですよ。
楽しみですねー!!

URL | fallclover #SvKcs0as
2014/01/21 21:15 * 編集 *

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