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『伯爵と妖精 新たなるシルヴァンフォードにて』谷 瑞恵 

伯爵と妖精 新たなるシルヴァンフォードにて (伯爵と妖精シリーズ) (コバルト文庫 た 16-56)伯爵と妖精 新たなるシルヴァンフォードにて (伯爵と妖精シリーズ) (コバルト文庫 た 16-56)
(2013/12/27)
谷 瑞恵

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伯爵と妖精』シリーズ33作目、今回は完結後の短編集。
幼い日のリディアのエピソード、新婚さんアシェンバート家のあまいひとこま、そして戦いの後に息子も無事に生まれ、シルヴァンフォードの地を再び訪れることになったリディアとエドガー夫妻とロタとポールの物語。
シリーズのしめくくりの愛に満ちた後日談。


何年も前から大好きで夢中になって読んできた『伯爵と妖精』シリーズ、待望の完結後の短編集。
このシリーズの新刊を手にするのがひさしぶりのことだったので、本当に嬉しく思います。
リディアもエドガーもニコもレイヴンもケリーも……(以下略)、おかえりなさーい!元気でいてくれて嬉しいよ!!みたいな感じ(笑)。

高星麻子さんの美しい表紙に、まずは酔いしれました。
エドガーは相変わらずきらきらでさすがエドガーで格好いいし、リディアも本当に目の覚めるような美人の若奥さまです。髪型がシックで可愛らしくて素敵。薔薇の花がよく似あってます。
そしてアルヴィン!リディアとエドガーがちゃんと三人で家族になっていて、おだやかで幸せそうな雰囲気に、うう、感無量。
そして背景の洒落たテーブルと椅子のところに、ニコがいるではありませんか。最初分からなかったので見つけて嬉しくなりました(笑)。

内容も、本編のプリンスやマッキール家関連のシビアで重たい宿命からようやく解放されて、終始おだやかであたたかな愛情に包まれたものでした。読んでいる私もしみじみ幸せ気分でした。
シリーズ完結した年の終わりに読むことができて、本当に良かったなと思います。

それでは以下、各話ごとに感想を書いていこうかと思います。
一応ネタばれ注意でお願いします。


『ウサギ帽子の内緒の話』
幼い日のリディアの日常のひとこま。
扉絵のふわふわもこもこの帽子をかぶって嬉しそうなリディアがすっごく可愛い!ニコも雪だるまもセットで可愛い!
リディアはこの年のころから、お人好しで優しい子だなとしんみり思いました。
カールトン一家のひとびとの家族愛にも読んでいてあたたかな気持ちになれました。リディアのおばあさまってこれまでほとんど出番がなかった気がするので、ちらりとでも読めて嬉しかったです。
アウローラさんもフレデリック氏も、幼くして難しい立場の娘リディアを大きな愛ですっぽり包み込んでいて、好きだなあ。
「リディア、あなた本当にお人好しね。誰に似たのかしら」ラストのアウローラさんの台詞が、本当にお人好しな旦那さんと娘が大好きなんだなーと伝わってきて、素敵でした。

『極上のパウンドケーキはいかが?』
こちらはアシェンバート家新婚さん時代のエピソード。
妖精のバターのパウンドケーキ、美味しそうですねえ!雑誌で読んだ時から私、甘いバターの香りがするふんわりパウンドケーキを食べたくって仕方がないのです(笑)。
序盤のリディアを15分おきにさがすエドガーとトムキンスさんの会話には笑っちゃいました。
料理長ははじめいけ好かないひとでしたが……、彼もこの家で働き続ければ、真の権力者、身をもって実感するでしょう(笑)。
エドガーと友人たちのイギリス料理の自虐ネタもおかしかったです。
タイトル通り、ケーキみたいにふわふわ甘くて幸せなお話でした。

『春を待ちわびて』
あとがきにも書かれていた通り、雑誌掲載時とは時系列的に変わっていました。
本編終了後、アルヴィンを身ごもっているリディアとエドガーの日常にあった妖精がらみのトラブル。
ビリジアンとヴァイオレットのすれ違う想いと、彼らのいざこざに巻き込まれたリディアとエドガー夫婦のこれまたすれ違い、読んでいて切ない気分になりました。エナメルの細工の美しくきらきら輝くイメージと相まって、相手への想いの美しさもまた光っていた感じ。
エドガーはもう本当に相変わらずなんだからーと呆れつつ。(リディアの自分への信頼をもっとちゃんと分かってあげてほしいよー。このエドガー相手にここまで信頼をおいてくれるリディアの心ばえの素晴らしさをもうちょっと理解してほしいよー。)上手く収まってくれてひと安心でした。
トラブルの中で、ケリーに忘れられてしまってがっかりしているレイヴンが、可愛かったです(笑)。しかしニコは本当に最強だな……。

『新たなるシルヴァンフォードにて 旅立ちは青い空の下』
アルヴィンが生まれ、シルヴァンフォード公爵位を名乗ることになったエドガーとリディア夫妻が、ついにシルヴァンフォードの地に家族で足を踏み入れることになったお話。
アルヴィンが普通に可愛らしい赤ちゃんとなってリディアとエドガーのもとへやってきたこと、トムキンスとレイヴンの肩書が変わったこと、ニコのすがたが変わったこと、ひとつひとつの変化が、なんというか、感無量でした。
リディアのことになるとエドガーはもう相変わらずで笑ってしまいつつ、でもきちんとお父さんにもなっていて、不思議と矛盾していなくていいものでした(笑)。序盤のエドガーを呼びに来たリディアがいかにも若奥さまでお母さまで本当に初々しく可愛らしかったです……エドガーの気持ちもいくらかは分かっちゃうのでした。
シルヴァンフォードの地に帰ってきたエピソードも、いいものでした。
プライスさんの頑なな忠義心もそれはそれで好ましいのです。釣りをしつつの会話シーンが好きでした。
夜エドガーを探しに行くリディアが、昔からは考えられない遠いところにやってきたことを振り返り、しみじみ幸福感にひたるという場面が、読んでいて私も感無量でした。
エドガーとリディア、ふたりが出会うことができて、本当に良かったなあと改めて思いました。

あとこのお話、ロタとポールの物語でもありました。
ロマンスとしてはあっさり目のエピソードでしたが、このふたりには、これくらいのあっさりさでちょうど良かったんじゃないかな、と私は思いました。上手く収まって良かったです。
大公の孫娘への想いにしんみり切なくなりつつ。ポールとの会話シーンがあったのもよかったです。
あと、『遠き日のシルヴァンフォードにて』シリーズで出てきたマークね、懐かしい!(笑)
彼が久しぶりに元気な顔を見せてくれて、嬉しかったです!!
お墓参りの場面のあいさつに、イラスト込みで、ちょっとうるっときました。

ニコとレイヴンとケリーの仲良しさんに、相変わらずほのぼの。
アルヴィンにライバル心をもやすレイヴンがまた微笑ましい(笑)。
アルヴィンが猫とあくしゅするの、私も見たかった……(笑)。アルヴィンとニコたちの挿絵も本当に可愛らしかったのですよ。

「それはよかった。ニコが気に入って居着いてくれないと、レイヴンやケリーが出て行きかねないからね」
エドガーがそういうと、まさか、と向かい側に座っているケリーはつぶやいたが、その隣のレイヴンは難しい顔をして悩んでいた。 (129頁)

――そこで悩むのかレイヴン(笑)。そして、ごく自然に隣同士で座っているんだ、レイヴンとケリーは(笑)。

『小さな伯爵のぼうけん』
きゃー、アルヴィンのお話!かわいいっ!
公爵夫人になっても、いや公爵夫人の役目のひとつとして(?)、善きフェアリードクターであり続けているリディアが、やっぱりすごく素敵だなと思いました。
質素なドレスで妖精と仲良く付き合いつつ栗ひろいしているリディアの姿に、『花嫁修業は薔薇迷宮で』で出てきたオートレッド夫人の姿が、重なりました。お元気でしょうか、懐かしい。
リディアに近づく男へのエドガーの態度は相変わらずでしかも敵に対する容赦なさも相変わらずで……、それでもエドガーをパパとして大好きなアルヴィンが、いいなあ。
アルヴィンは、どうも外見はエドガー似でも内面はリディア似のようで、うふふ、お父さんによく思われたい姿が微笑ましい。リディアがお母さまである限り、エドガーの父親のように規格外の父にあんなに屈折した思いを抱くようにはならないでしょうし、微笑ましく成長を見守っていたいです。
ケルピーもちょい役で登場していて、嬉しくなりました。
双子ちゃんたちのイラストやエピソードも欲を言えば欲しかったな……。

このシリーズ、新作が出るのは、もしかしてこれが最後なのかなあ。
正直番外編とかもっともっと読みたいのですが、でも今回の文庫できれいにまとまっている気はするし……。名残惜しいけれど、存分に余韻にひたっていたいと思います。
個人的に今後一番気になるのは、やっぱりレイヴンとケリー。ケリーは本当に私のお気に入りキャラなので、幸せになってもらいたいんです。
うーんでもこのふたりの場合、当分の間は、このままアシェンバート家に仕える優秀な使用人同士として信頼し協力しあって日々を過ごしていくのが、合っている気がします。
ふたりとも、周囲が心配するまでもなく、自分の恋なんて興味も何にも持たずに、お仕事一筋人生を送ってそう。
そして、いつかとても自然な流れで、そっと寄り添って、家族になるんじゃないかな。その辺をのぞくのも、なんだかちょっと野暮な気がします(笑)。ということで。


そして谷瑞恵さんの新作、来年の二月に出るみたいで。楽しみ~♪


一昨日と昨日それぞれの記事に拍手くださった方々、どうもありがとうございました♪

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カテゴリ: 『伯爵と妖精』シリーズ

タグ: 谷瑞恵  伯爵と妖精 

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