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『シュガーアップル・フェアリーテイル 銀砂糖師と銀の守護者』三川 みり 

シュガーアップル・フェアリーテイル    銀砂糖師と銀の守護者 (角川ビーンズ文庫)シュガーアップル・フェアリーテイル 銀砂糖師と銀の守護者 (角川ビーンズ文庫)
(2013/12/28)
三川 みり

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『シュガーアップル・フェアリーテイル』シリーズ、『砂糖林檎編』の第4作目。
ハイランド国王エドモンドは、妖精王としてのシャルの申し出を受け「人間と妖精に優劣はない」と誓約することを決める。それを成立させる条件は、シャルが、「最初の銀砂糖」を持ち帰ること。
「最初の銀砂糖」を求めてアンとシャルが旅に向かった先にいたのは、銀砂糖妖精筆頭という、途方もなく長い時を「最初の砂糖林檎の木」を守りながら過ごしてきた妖精。
銀砂糖を手にするために、持てる全ての技術をかけて、作品を作り始めるアンだったが――。


『シュガーアップル・フェアリーテイル』シリーズ、待っていましたの最新刊。
相変わらずあきさんの表紙イラストの美しいこと。
このシリーズのカラー特有な、ブルー系の透明で涼やかな色味がとても素敵です。

個人的にこのシリーズの魅力はやっぱり、困難な状況でも、無理だと嘲られても、自分ができることからとりかかり、まっすぐぶれずに最後まで頑張りぬく、アンの姿です。
どこまでも頑張るアンの姿を読んでいると、こちらも背筋がのびます。うーん、私もしっかりしなくちゃ。
(そんな感じで私自身をはげますために、休みの最後の日に感想を書いている訳です……笑。)
そして根っからの銀砂糖菓子職人であるアンが、持てる技術と真心のすべてをこめてつくり上げる砂糖菓子も、読んでいて独特の魅力を感じます。
シリーズが進むごとに砂糖菓子作りの技術も応用編が少しずつ増えてきて、素敵ですね!

前回、今回と、妖精と人間の関係のあり方で大きな話が進んできて、さてどうなるか。ぎりぎりの緊張状態です。
アンとシャルのふたり旅も、ラブラブな中にも(笑)、終始はりつめた雰囲気が漂っています。
このふたりの甘い関係にも、ふたりの未来、ひいては妖精と人間の未来のための、覚悟みたいなものが加わってきて、シャルがきりりと格好良く見えました。
そうは言いつつ、やっぱり単純に甘いけど。奥手なアンをからかいまくるシャルとか、読んでいてはずかしいですけれど!(笑)
カラー口絵のアンとシャルの「誓約」の場面が、とても素敵でした。
シャルの羽根の美しさを愛でる場面も好き。

ラファルとエリル、久しぶりに顔を見た気がしますが(笑)、相変わらずですねえ。
ラファルは怖いし、一方エリルの方は、妖精王としての存在感と同時に、根はあどけない子どもみたい。やっぱりこの子かわいいです。アンに懐いている感じが微笑ましい。不安定さが読んでいてどうなるかなという感じですが……。
ラファルの凝り固まった憎しみは、読んでいてどうしようもないなー、とかため息が出てくるものでしたが、最後のほうで出てきた妖精王の語りを読んでいると、なるほど、と納得できるものがありました。

で、今回私が一番印象的だったのは、アンのお母さまエマさんの、謎に満ちていた生い立ちでした。
何か事情があるんだろうなとは思っていたのですが……、まさか、ここまで特殊な生い立ちの方だったとは。
いや確かに、砂糖職人として、女というわけでさんざん拒絶されてきたアンの姿に、そのさらに前の世代のエマさんは一体どんな道を経て修行をして銀砂糖師にまでなれたんだろう……ずっと疑問ではありました。言われてみれば、とても納得。
そして銀砂糖妖精筆頭さんと長い時を過ごして心を分かち合ってきたという事実に、妖精との共存をとても自然なかたちで受け入れる、アンをそんな娘に育てたお母さんだったということに、また納得。
エマさんとの過去を追憶する筆頭さんの姿に、ほんのりあったかくなりつつも、切なかったです。

その筆頭さん、ラファルをあっさり追い払ったのには快哉を叫びたくなり(笑)、その後のアンへの意地悪な試練にはちょっと怒りたくなり、そして少しずつ彼の心が見えてきて……、なんだかんだでアンとシャルのことを応援してくれてるみたいな感じに最終的には落ち着いて、うん、嫌いじゃありません(笑)。挿絵のお姿のうるわしいこと。
アンみたいに、銀砂糖と銀砂糖菓子に愛情を持って身の全てを捧げ尽くして接してもらえば、それは筆頭さんの立場だったら、惹かれずにはいられないんでしょう。
ふたりの勝負を見ているしかなかったシャルの不安と嫉妬も、分かるなーと思ったのでした。
シャルといえば、アンへの想いではじめて「羞恥心」というものを覚えた場面が、印象的でした。
はじめは本当に無機質だったシャルがどんどん感情豊かになっていく様は読んでいて嬉しいです。

アンとシャル、今回の危機は脱することができたみたいですが、ラスト直前でまたいろんな方向から問題が発生してきて……うう、どうなるんでしょう。
前回登場してきた「紺の宰相」コレットさんの有能さが恐ろしいです。彼とヒューのやりとりにもぴりぴり。

銀砂糖菓子職人メンバーたちの方の出番は今回ちょっと少なくて寂しかった……。とはいえ、彼らもお話の裏側で、銀砂糖菓子を絶やさぬよう老いも若きも団結していて頑張っていて、その姿は読んでいてとても頼もしく嬉しいものでした。
ノアやミスリルたちが職人として受け入れられている感じでほんのり嬉しい。
ミスリルといえば、彼の今回の態度が、いやに静かで意味深で、ちょっと気になる……。思い過ごしだといいんだけどな。
ミスリルがアンとシャルのそばにいないと、どうも静かで、寂しいのですよ。
あと、キースは本当に、いつか幸せな新しい恋をしてもらいたいです。

さて、初回限定特典のペーパーのミニストーリーも、読みました!
わーん、ブリジットさんとオーランドが幸せそうで、嬉しい!良かったですー!
そして本編のあのシーンは、このお話を受けてのものだったのですね。確かに私もシャル、彼にしては気の利いたことをするなあと思ってました(笑)。でも本当に一番アンが喜びそうなかたちの贈り物で、良かったと思います。


結局感想を書きそびれていた『銀砂糖師と紺の宰相』。

シュガーアップル・フェアリーテイル  銀砂糖師と紺の宰相 (角川ビーンズ文庫)シュガーアップル・フェアリーテイル 銀砂糖師と紺の宰相 (角川ビーンズ文庫)
(2013/08/31)
三川 みり

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あとこちらも。シリーズのコミカライズ。

銀砂糖師と黒の妖精 〜シュガーアップル・フェアリーテイル〜 1 (花とゆめCOMICS)銀砂糖師と黒の妖精 〜シュガーアップル・フェアリーテイル〜 1 (花とゆめCOMICS)
(2013/08/20)
あき、幸村アルト 他

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『はちみつとバタフライ』の幸村アルトさんのコミック、期待通り、がんばる職人さんの女の子・アンのイメージがとても良くあっていて、メルヘンティックな少女漫画を楽しめました。
あきさんのイラストに比べて夢見がちな可愛らしさが前に出ていて、こちらもある意味話の雰囲気に合っていて、いいなあ。ジョナスもキャシーも元気かな……。


一昨日と昨日にそれぞれの記事に拍手くださった方々、どうもありがとうございました♪

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カテゴリ: ビーンズ文庫

タグ: 三川みり 

この記事に対するコメント

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 |  #
2014/01/05 20:27 * 編集 *

Re: タイトルなし

>コメントありがとうございます。

どうも、こちらこそ、はじめまして♪
ネットの情報の洪水の中でこんなブログを見つけてくださって、さらに読んでくださってコメントも、本当にありがとうございます!嬉しいです!
返事が遅くなってしまい、とても申し訳なかったです……。

中学二年生でいらっしゃるのですね。
私も『はるかな空の東』を図書館で借りて読んだのが、ちょうど中二のころだったような気がします。
あのころから大好きな作家さんの本を、十何年たってもまだ読むことができているなんて、とても不思議で幸せなことだなあと思います(笑)。それこそ、はるかな空の世界の、ハヤミさんたちの魔法みたい(笑)。
『文学少女』シリーズもいいですよね~!私はようやく最近『嵐が丘』の原作を読み終えてみたところです。

はい!私でよければ、オススメ本のお話とか、できれば嬉しいです!
『空の彼方』あらすじを調べてみましたが、面白そうなお話ですね。また読みたい本が増えて嬉しいです。ふふふ。

お忙しい毎日だと思いますが、気が向いた時にでもまたブログに遊びに来てくださいな。いつでも大歓迎です♪

URL | fallclover #SvKcs0as
2014/01/13 08:11 * 編集 *

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