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『八百万の神に問う2 - 夏』多崎 礼 

八百万の神に問う2 - 夏 (C・NOVELSファンタジア)八百万の神に問う2 - 夏 (C・NOVELSファンタジア)
(2013/08/25)
多崎 礼

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天路の国の北の果てに、楽土の地はある。
その楽土の中でもナナノ里は、悲しみも苦しみもなく心穏やかに住人が暮らす「真の楽土」。
少年・シンはここで、伝説の最強音導師・イーオンと共に暮らし始める。
幼き少年は、なぜここまで絶望して「真の楽土」に迎えられたのか——。

『八百万の神に問う』、一巻目の世界にすっかり魅せられて、続きもさっそく読みました。
現時点で最新刊・四巻目が出て物語は完結したばかり。実はたった今、その完結巻を読んだばかりです。
感想はとりあえず、順番通りに二巻目から書いていくことにします。

一巻目の春爛漫のサヨの物語から季節はめぐり、今度は「夏」。
サヨが絶えず気にかけていた名無しの少年・シンが主役の物語でした。
表紙の赤と緑の鮮やかな組み合わせから、物語の中身まで、くっきり「夏」だー!
一巻目とは空気ががらりと変わっていて新鮮な感じでした。
イーオンみたく「夏休み」というにはシリアス成分も多く含まれています。まあ続く秋冬の物語に比べれば、確かにこの巻はまだ「夏休み」休息の巻だったかな。子どもが主人公ですしね。

相変わらず実際に読み始めてもとても面白いです。ずっとこの世界にひたっていたい。
心に深い傷を負った異境者の少年・シンが、過去を乗り越えて、ワンステップ成長していく物語でした。

人の気持ちを「味」で感じるというシンの特殊な能力が、読んでいてなかなか面白かったです。
たとえる食べ物が抜群にお上手だと思います。梅酢やみたらし団子や白蜜のかき氷や。
シンのこの特殊な能力と、あと一巻目にも登場した防人・トウロウさんが工夫をこらして作るごはんのおかげで、読んでいてやたらにおなかがすいてくる一冊でした。
誰からも信頼される最強の戦士なのに、川海老をどう料理するのかにいつまでもこだわり続けてシンにまで呆れられているトウロウさんの姿が愉快です。

舞台のゴノ里でシンが出会った、ゲイルにレイシャに、子どもたち。
レイシャと仲良くなるごとに、事情から一歩引きながらもだんだん年相応に遊び始めるシンの姿が、危なっかしくも嬉しくもあり。気分は見守るサヨです。
告解から、思いもかけない人間関係が明らかになり、加えてシンの辛い過去も語られ。
ずーん……。それでも最終的には、色々と救いがあって、良かったです。

「他人に完璧を求めれば、自分も完璧にならなければいけない。
けれどこの世に完璧な人間などいない。
何者も傷つけず、何者も裏切らずに生きていくことなんて誰にも出来ない」

207頁のシンへのイーオンのこの台詞がとても印象深く私の心に染み入りました。
今の私がちょうどほしかった言葉で……。
ふだんは飲んだくれで天邪鬼で分かりにくすぎるイーオンの、こういう要所要所での決め言葉が、本当にいいなと思います。
シンとイーオンの関係、良いです。

ディセント国にフィランスロ教に、楽土を取り巻く世界のあれこれも、明らかになってきました。
私が知っている世界の歴史と重なる部分もあり、なんとなくそういうものかと構えず読んでいます。
国を超えて出逢って結ばれたふたりのエピソードがまた良かったです。
しがらみの多い世の中でのユウナさんの生き方が素敵。
絶望で終わらなくて、良かった。

レイシャのことも、いつか上手くいくといいなあ。
名前をかわす云々のあたりが微笑ましい。いろいろ難しい問題をかかえているふたりだとは思いますが。

あと個人的にお気に入りキャラが、うら若き乙女ながらにトウロウの後輩防人をつとめている、ミズハさん。
素晴らしい不器用っぷりを披露してシリアスモードを和ませてくれる彼女に、どうか格好いい見せ場を!

サヨとカンナミの初々しくこそばゆい甘々夫婦っぷりも良かったし、ゴノ里でみんなでわいわい食べる食卓の安心感も良かったし、とにかくいろいろ満足でした。

ラストでのトウロウとムメイのあれこれ、イーオンの背景、次巻に続く!
私は読了しましたが、ここではまだ語らないでおきます。


ここ二日間にそれぞれの記事に拍手くださった方々、どうもありがとうございました♪
いただいた拍手数、気づけば四千回になりました。皆さまのぽちぽちクリックに毎日感謝です。


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カテゴリ: ファンタジー(和風)

タグ: 多崎礼 

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