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『シンデレラ伯爵家の靴箱館 荒野の乙女は夢をみる 』仲村つばき 

シンデレラ伯爵家の靴箱館 荒野の乙女は夢をみる (ビーズログ文庫)シンデレラ伯爵家の靴箱館 荒野の乙女は夢をみる (ビーズログ文庫)
(2014/09/13)
仲村つばき

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『シンデレラ伯爵家』シリーズ第二弾。
人を不幸にする「魔術師の靴」を蒐集するシンデレラの末裔・ディセント伯爵家の靴屋「ガラスドーム」で働き始めたエデル。
仕事はたいへんだしときどきアランの妙な行動に困惑することはあるけれど、充実した日々を送るエデル。
そんなある日、エデルは母との過去に関わりがあった女性・ジュディのための靴づくりを任される。
同時に竜巻と魔術師の靴「銀の靴」をめぐって、トラブルが発生する――。

『シンデレラ伯爵家の靴箱館』、続編が出てうれしいです~。
表紙の淡い透明感ある色彩と、アランの色っぽい表情と仕草に、さっそくときめきました(笑)。
あきさんの挿絵の少女小説を最近たくさん読めて幸せです!

前回に引き続きファンタジー要素やロマンスや色々ほどよくミックスされた少女小説、楽しめました。
架空の世界が舞台の少女小説ではあるのですが、仕事における姿勢とか、人間関係とか、シンプルによいことが書かれていて、私みたいなもはや少女とはいえない読者でも、ときどきはっと気づかされたり。
特に今回はサブヒロインの年齢も高めでむしろ私自身に近く、共感できることも多かったです。

今回のおとぎ話ネタは、『オズの魔法使い』!
ジュディという名前から最初は『あしながおじさん』だなあと思ってたら、なんだか違った(笑)。作者さんのコメントをあとで読んで納得。
魔術師の靴、やっぱり怖かったけれど、前回ほどまがまがしさは感じなかった。踵を打ち鳴らすと異世界に飛んでしまう、とか、いかにも私好みなメルヘン。143頁のあきさんの挿絵が秀逸です。

今回エデルが靴を作ることになったジュディは、劇団で会報誌を書いていたという女性。
エデルの母親の旧知の間柄でもあったようで。
少女というよりはしっかり大人の働いている女性で、年相応の落ち着いた魅力を醸し出している。
それでいて、普段はおさえている夢への思いはひたむきでかたくなで、確かに少女のような一面も持っていて。
「荒野の乙女」の名も自然な感じの、素敵な女性でした。
なんだか色々つい比べてしまうのですが、『ヴィクトリアン・ローズ・テーラー』シリーズにもいそうでいなかったタイプの女性だなあ(笑)。脚本を書くとはいえカリナはまたちょっと違うしな。
落ち着いて優しげなたたずまいの挿絵が美しかったです。
エデルに向ける気持ちも優しい人で、読んでいてほっとできました。

そしてヒロインのエデルの靴職人奮闘記も良かったです。
靴の構造や作り方のあれこれの描写が、細かくてていねい!全然わからないなりにも楽しめました。
貴族の靴と労働者階級の人の靴は、やっぱり違うものなんだな。
最後の頁の靴のスケッチがうれしかったです。
ジュディに作った靴とふたりの別れの場面も印象的で、ジュディの気持ちの前向きさと未来の描写に、すがすがしい気持ちになれました。

エデルとアランのふたりの仲も相変わらずで微笑ましくて、ふふふ。
真面目で仕事熱心でピンチのときはとても頼りになるアランですが、恋愛経験値があまりに低すぎて、奥手なエデルとの噛み合わなさが、読んでいておかしかったです。
恋愛指南書やルディアの助言を疑いもせずに信じ込んでしまう素直さが、それってどうなのよと突っ込みたくなりつつも可愛らしいです。
でもやっぱりそれ以外の面では有能で頼りがいのある素敵なヒーローなので、オッケーなのです!
魔術師の靴には容赦なく戦う一方で、エデルの出生やセスの秘密をあっさり受け入れてしまえる、懐の深さが良いな。

そう、セスさんのことも。
今回のお話でここまで決着がついてしまうとはちょっと予想外でしたが、最終的にはいい感じに。
確かに人間にはいろいろな一面がありますよ。ちょっとあっさりだったなあという感じもしましたが、セスさんの時に厳しくも親身な助言や後輩を見守る姿まで否定されなくて、ほっとしました。
残酷な面を全面的に押し出しながらも、エデルとアランを突き放しきれなかった彼の優しさが、印象的でした。
セスさん個人の決着はついたようですが、エデルの父親とか、背後にはまだまだ不気味なものが残っている感じなので、気になりますねえ。

アランの妹のルディアさんも直接エデルに接してきました。
癖のあるお嬢様ですね。靴作りに関しては天才的でルディアにも認められたエデルにほっとしました。ルディアさんのリボンの靴、素敵だな。
仕事とプライベートで兄と妹の上下関係が完全にひっくりかえるのがやっぱり笑える……。

事件が一段落して、ラストの舞踏会とエデルとアランのふたりきりの場面は、いかにも少女小説でロマンティックで良かったです~。
カーレンも再登場で、文句を言いつつもなんだかんだ幸せそうで、ほっとしました。
ラストのエデルとアランのやりとりは、恋愛初心者同士なだけに物言いがなんだか直接的で、読んでいるこちらがだんだん恥ずかしくなってきました(笑)。誤解がとけてなによりです。
アランは別の何かに頼るより、「おまえはきれいだ」みたいにさらっとストレートな物言いをするほうが、絶対いいと思うんだけどな~。きゅんときました。

購入者特典の『長靴を履いた猫』も、甘く可愛らしいお話で良かったです。

魔術師の靴や、エデルの能力の本当のところも気になるし、エデルとアランのいわゆる身分違いの恋も、どうなるんだろう。どきどきです。
続きが楽しみ!
そして靴はいいものをきちんと日常の手入れを怠らずに履かないといけないなーと思いました。


昨日記事に拍手くださった方々、どうもありがとうございました♪

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カテゴリ: ビーズログ文庫

タグ: 仲村つばき 

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