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『おこぼれ姫と円卓の騎士 恋にまつわる四行詩』石田リンネ 

おこぼれ姫と円卓の騎士 恋にまつわる四行詩 (ビーズログ文庫)おこぼれ姫と円卓の騎士 恋にまつわる四行詩 (ビーズログ文庫)
(2014/09/13)
石田リンネ

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『おこぼれ姫と円卓の騎士』シリーズ初の短編集。
レティーツィアの侍女候補・アイリーチェと特殊嗜好の持ち主の伯爵令息・ウィラードが恋人同士になるまでの中編の他、アストリッドがワルツに悪戦苦闘するお話、かのノーザルツ公の奥方たちのお話、さらにレティがデュークを見初める(?)までのお話……「恋」がテーマの四つの物語。


『おこぼれ姫』シリーズ、サブタイトルの「恋」の文字にどきっとしましたが、今回は短編集でした。
表紙のレティと騎士たちの図がけっこうなインパクト。
レティとの距離がちかい、ちかいよ!そしてドレスとアクセサリーで飾り立てられた鏡の中のレティが美しい!
男を侍らす気位高い女王様の図でもありますが、レティのまだ初々しい生真面目で硬質な雰囲気のおかげで、そんなに怪しい雰囲気にはなってないのがさすがです。
眺めていると色々美味しい表紙です。



さて今回の短編集は、アイリーチェとウィラードの恋物語がメインで、そのあとみじかいお話が三本続くかたちになっていました。
では感想など少し。

『葡萄姫の恋愛未満』
王立騎士学校の女子生徒であったアイリーチェが、年齢一桁の幼女しか愛せない特殊嗜好の伯爵令息・ウィラードと出会い、恋に落ちるまでの物語。でした。
この嗜好の持ち主のウィラードが、何をどういう経緯をもって、かなり年下とはいえきちんと恋愛対象年齢のアイリーチェと恋人同士になったのか(そもそも本当に恋人同士なのか?)、アイリーチェ初登場時からずっと気になっていたので、こうして独立したお話として読めてうれしい!

恋愛「未満」とタイトルにありましたが、本編よりよほど少女小説らしい、初々しく微笑ましいラブロマンスを楽しめました。
はじまりは契約でかりそめの恋人同士、共に過ごすうちに心通わせ本気で惹かれていく……少女小説のひとつの王道パターンな物語でしたが、このシリーズらしいひねりのきいた展開もあり、主役カップルはじめ登場人物も好感度高く、良かった!
14歳のヒロイン・アイリーチェは、レティと似た系統の冷静沈着で生真面目な努力家の女の子。でもレティほど徹底はしていなくて普通の女の子らしいわきの甘さもあって、恋に関する感覚も庶民的で、それがとてもかわいいです。
ウィラードの性癖にはじめは思いっきりドン引きしていたのが面白かったですね。確かに胡散臭いですね。一見。
踊りが好きで、ワルツや剣舞や色々な踊りをしている彼女の姿はとても楽しそうで、それも魅力的でした。
ヒーローのウィラードも、徹底したロリコンな一面をのぞけば、穏やかで紳士的で優秀な青年貴族で、いいひとなんですよ!私好みなんですよ!実際前々からウィラードはシリーズの中でも好みなキャラでした。
それぞれの事情で恋には縁がなかったふたりが、少しずつお互いに本気で惹かれていき、ささいなことで舞い上がったり嫉妬したり沈み込んだり……している様が、もう本当に初々しく可愛らしくきゅんきゅんでした。
着飾って踊るアイリーチェの美しさに抱く感情が変化していくさまににまにま。
文通とか詩作とか、文学的なロマンティックな香りがするのも良い感じでした。本編の詩につながりましたね!

脇役キャラも総じて良かったです。
ジルベルトが最初から最後までいいひとすぎてとても不憫……人望もこんなにあるのになあ。
挿絵で一度登場できたのがせめてもの慰め?次は幸せな恋をしてもらいたいです。
王立騎士学校に通うアイリーチェの学園生活も、これまでのシリーズでは書かれなかった部分で、わりと普通ににぎやかで楽しそうなみんなの様子も、面白かったです。
そうか、ここにいるとアストリッドは憧れの先輩なのか……新鮮。あと騎士学校に女の子が普通に存在していて普通に馴染んでいる様も、なんだか新鮮。
ウィラードの性癖をばしばしけなしつつも付き合っているお偉いさんたちの姿も面白かったです。

ウィラードのために危険をおかして、最後にお互い気持ちを確かめあって……成就すると分かってはいても、きゅんきゅんときめきました!
看病の場面を目撃して痛手を負ったジルベルトが不憫不憫。

『ポラリスと恋のワルツを』
アストリッドのお話。
レティの妹コルネリアが、想像を超えてレティそっくりの雰囲気と話し方で、読んでいて間違えそうになりました(笑)。
相変わらずのずれっぷりとレティへの敬愛が微笑ましい彼でした。

『恋をしている銀色の狼』
ノーザルツ公の四人の奥方たちのお話。
謎に包まれていた彼の妻たち、優秀な一方で、ノーザルツ公をかわいいかわいいと愛でて楽しんでいる方々だったとは……!
ノーザルツ公の立ち位置がなんだかなあ……(笑)。微笑ましかったです。
ノーザルツ公の愛の対象は、正確には、ちょっと違うものみたいでしたけれど。彼らしいな。

『もしもわたくしの恋だったら』
レティとデュークの馴れ初めのお話。
最後はレティのお話で、きゅっとしめてくださいました。
レティがデュークの恋人に向ける無意識に複雑な感情に、「わたくしがデュークの恋人なら――」の仮定に、とってもきゅんきゅんしました!
この年頃のレティも可憐な美少女でかわいい!

各お話にそれぞれつながりのあるキャラが再登場してきたり、かなりお久しぶり感のあるレティの兄弟たちがそれぞれ一人ずつ登場してきたり、さりげない工夫もまた良かったです。
挿絵多めなのも嬉しいですね!
おめめがぱっちりなクールビューティーアイリーチェも、起家さんの挿絵によく合うキャラだと思いました。幼いドレス姿も可愛らしかったですよ?(笑)

改めて振り返ってみると、レティの騎士たちは、けっこう充実してきましたねえ。
予告を読むに次回の騎士候補も優秀な人っぽく、次の新刊の発売が待ち遠しいです。
あとレティのロマンスも少し、ほんの少しでいいので、いい方向に進んでほしい……!
ウィラードに負けずに、デュークも頑張れー!

ちなみにコミックスの二巻目も読みました。

おこぼれ姫と円卓の騎士(2) (KCx(ARIA))おこぼれ姫と円卓の騎士(2) (KCx(ARIA))
(2014/09/05)
暁 かおり

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『将軍の憂鬱』クレイグさんの渋い魅力が全開でした。
シャルロッテ姫のふわふわ甘く夢見がちなところも可愛らしかったです。


※名古屋の星野書店で購入したのですが、ちょっとした店舗購入特典があったので、お近くの方はこちらで買われると良いかも。

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カテゴリ: ビーズログ文庫

タグ: 石田リンネ 

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