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『探偵・日暮旅人の宝物』山口 幸三郎 

探偵・日暮旅人の宝物 (メディアワークス文庫)探偵・日暮旅人の宝物 (メディアワークス文庫)
(2012/08/25)
山口 幸三郎

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『日暮旅人』シリーズ、セカンドシーズン第一弾。
一連の事件が解決した後も、陽子は旅人と灯衣親子の世話を焼くため、相変わらず探偵事務所に通う日々を送っている。
ある日、大学時代の友人の地元に出かけることになった陽子は、なぜか彼の恋人のふりをしてほしいと頼まれ——?(『夏の日』)
雪路と兄妹の物語『愛しの麗羅』、増子さんとの出会いの物語『花の名前』等、全五編収録。

先週の週末に四冊一気読みした『日暮旅人』シリーズ、セカンドシーズンを読みたくて読みたくてうずうずしていました。ようやく入手してきて一冊読了!
今回の表紙もとてもすてき。旅人さんと陽子先生の背中合わせの構図がふたりともおだやかに幸せそうで眺めているこちらも幸せです。花火と星空もきれいだなあ。
カラー口絵の花嫁さんとウサギさんもきれいだったし、裏側のおかっぱお着物姿の麗羅ちゃんが、もうそれはそれは可愛くてじたばたしました(笑)。

ファーストシーズンの脇役がメインのお話だったり、これまでの出来事の補足的なお話だったり。
いやあ、楽しかったです!
今回は特に大きな事件で引っ張られることもなく各話ほぼ独立したスタイルだったのですが、やっぱり途中で読むのをどうしてもやめられずに一気読みしてしまったのでした。

旅人さんが「復讐」という人生の重い枷からようやく解き放たれて、少しずつ普通の人間らしくなっていく様に、読んでいてほっとできました。
ダークな要素も控えめで、心ぬくもるおだやかなお話が多くて、読んでいて心にも優しかったです。
主に最終話、陽子先生と旅人さんのもどかしい恋愛模様もたまりませんでした。きゅんきゅん!

『六月の花嫁』
ゲストキャラ・お嫁さんになったばかりの愛歌さんが、男手ひとつで自分を育て上げてきてくれた父親の軌跡をたどっていく物語。
愛歌さんとお父様の関係がとても心ぬくもるもので、お父様がかつてこっそり仕掛けていたあれこれがとてもロマンティックで愛情にあふれていて、うん、良いお話でした。
旅人と灯衣親子と彼女とのやりとりの端々から、愛歌さんが、お父様の愛情をたっぷり得て育ってきた素直で人好きする方なんだなあ……と伝わってくるのが、読んでいてまたほっこりできました。
現在のしかめつらしいお父様と、思い出語りの中の年下純情少年・健也さんの人物像にギャップがありすぎて、微笑ましかった(笑)。

『犬の散歩道』
野良犬テリーが、私の中で川原泉さんの『笑う大天使』に出てくるふてぶてしい野犬・ダミアンに脳内変換されてしまう……(笑)。
子どもらしく駄々をこねているけど心優しい灯衣ちゃん、可愛いなあ。
また灯衣ちゃんが陽子先生に少しずつ心をゆるし懐いてきていて、微笑ましく思いました。
名前のセンスがすごいな。

『愛しの麗羅』
雪路と兄・勝彦、妹・麗羅の三人の不器用な兄妹関係が、切なくてでも愛情が確かににじんでいてとても良かったです。
麗羅ちゃんと猫の取り合わせがとても愛らしい。
兄二人とはまた別の賢さと芯の強さを持っている麗羅ちゃんがよいキャラだなと改めて思いました。
雪路の妹へのぶっきらぼうな優しさがとても良いです。ふたりの勝彦へのブラコンっぷりが読んでいて気持ちいい(笑)。
例の手帳の謎も、少しだけ補足されたり。

『花の名前』
旅人と雪路、増子すみれさんの、出会いの物語。
過去エピソードということで、黒い旅人さんが全開……正直殺人犯より誰より旅人さんが怖かったです。さくらちゃんにかつての自分を重ねる旅人さんが痛々しくて切なかった。
増子さんと旅人の緊迫感あるかけひきに、にやにや。

『夏の日』
智子先生に強引に巻き込まれて大学時代のサークルの同級生・牟加田君の田舎に旅行に行くことになり、そこでなぜか彼の恋人役を演じるよう頼まれ……そんな陽子先生の夏休みの物語。
牟加田君の陽子先生への態度は、最初から思わせぶりなものがあった……やっぱり。
まさかあそこでぴったりのタイミングで旅人さんが現れるなんて、思わないですよね!一瞬それこそ旅人さんが超能力をつかったのかとか思ってしまいました。
めちゃくちゃ格好良かったです。そのあと視線をあわせたふたりに拗ねたような態度をとる旅人さんもまたとても可愛かった(笑)。
確かに、ここまではっきりした行動と態度に出られると、旅人さんも陽子先生を憎からず思っていることは、間違いないなと。肝心の陽子先生本人は色々まだわかってないみたいですが(苦笑)。
帰り道の電車の場面も、ときめきました。
マコちゃんへの手紙のスタイルがだんだん変わっていってしまう様が、読んでいて切なかった。
花火と星空の美しさが印象的でした。

そして恒例のラストの引き。
うわあ、セカンドシーズンは時間をかけてゆっくり読み進めていこうと思っていたのに、もう続きが気になって気になって仕方がなくなってきました……。

旅人さんも陽子さんも、みんなみんな、曇りなく幸せになってほしい。


この一週間それぞれの記事に拍手くださった方々、どうもありがとうございました♪

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カテゴリ: ミステリー・日常の謎系

タグ: 山口幸三郎 

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