Admin   *   New entry   *   Up load   *   All archives

ようこそいらっしゃいました。すてきな書物と美味しい食べ物をどうぞ。

『居酒屋ぼったくり 1~2巻』秋川 滝美 

居酒屋ぼったくり居酒屋ぼったくり
(2014/05)
秋川 滝美

商品詳細を見る


居酒屋ぼったくり〈2〉居酒屋ぼったくり〈2〉
(2014/10)
秋川 滝美

商品詳細を見る



下町商店街にひっそりと店をかまえる居酒屋「ぼったくり」。
今は美音と馨のまだ年若い姉妹が引き継いだこの店は、名には似合わぬお得感たっぷりの、人情味あるお店。
美味しい酒と料理を楽しみに、今日も常連客がのれんをくぐる——。

元オンライン小説が書籍化された、美味しいお料理とお酒がメインのお話。
以前、たぶんまだ書籍化の話も出ていなかったころに、ブログの読者様からおすすめいただいていて、ずっと気になっていたお話でした。

書籍をぱらりとめくってみて、お酒についての解説が詳しくて。食べ物系のお話大好きな私だけど、お酒はまったくわかんないんだよな……と、しばらく様子見してしまってました。
でもいざ手に取って実際に読んでみると、お酒についての薀蓄も、まったくわからないなりに楽しめました。こういう世界があるのかあ、なるほど……感心。日本酒やビールなど本当に色々な種類があって別な魅力があるんだな。
そしてお酒を抜きにしても、各種お料理の描写がまたとても美味しそうでていねいで、こっちがとても楽しかった!
気取りのない手ごろな素材しか基本的に扱わぬ「ぼったくり」だからして、出てくるお料理は、ほとんど家にふつうにある食材で、すぐに真似できそうなお料理ばかり。
もちろん美音さんほど上手には作れないだろうけれど、それでもすごく美味しそうで、色々試してみたくなりました。

メインはお料理の描写でしょうが、お話の雰囲気も、良かったです。
美音さんと常連さんたちのやりとりが親しみこもったものであたたかくて、読んでいておだやかに心安らぎました。
持ち込まれる悩み事を、常連さんたちも美音さん姉妹も親身になって一緒に考え解決まで手助けしてくれる、みんなのおせっかいやお人好しさのさじ加減がほどよいです。
思い出料理の再現も楽しい。本当に、その人自身のドラマもついてくるからこその味わいがありますよね。
文章もやわらかくてさらさらと読みやすく。
特に疲れた夜、何も考えたくないときなどの読書にいい感じ。

親の店をそのまま継いだ身、自分はまだまだ至らないことばかりで……と謙虚な美音さんが、お客さんひとりひとりのことを思いやり、工夫した料理を作り、ぴったりあうお酒を選び供する様が、魅力でした。
譲らないところは絶対に譲らない頑固さもよし(笑)。
しっかり者のお姉さんキャラなところがまた私好みです。
ある日ふらりと現れた、ちょっと訳あり(かもしれない)紳士・要さんとの関係も、お互い気を許し合っている居心地よさが感じられて、気になります。どうにかなりそうな気配は今のところないんですが……。

一巻目で一番好きなお話は『丑の日の孝行娘』。
頑張っている親にうなぎをごちそうしたいと必死な早紀ちゃんがとても健気で、できる限りのサポートをしたいと思ってしまう美音さんがよくわかりました。本当に最近のうなぎは高いですよね……。
ちらし寿司とは、言われてみれば、ナイスアイディア!ひつまぶしもおいしそうです。
何気にスーパー呉竹での美音さんのバトルも楽しかったです。
枝豆の枝つきのゆで方とか、ゆかりとおかかのおむすびとか、すぐにでも真似してみたい。
スパムも、一度挑戦してみたいアイテムなんですよね。読んでいると作りたくなってきた……ゴーヤの季節はもう終わっちゃったよな……なんだか夏の料理が多くて、もっと早いタイミングで読めばよかった!と若干後悔したのでした。

二巻目で一番好きだったのは、アキさんのお話。今のわが身にいちばん近いといえば近いお話で。
アキさんみたいに職場で認められるのって、いいなあ。
お料理で読んでいていちばん楽しそうだったのは、サンドイッチをたくさん作っている美音さんの場面でした。
時間があるときに何種類もサンドイッチをはさむのって楽しいんですよね……(最近自分で作るときは常に時間に追われまくってて楽しいと思う余裕ないな……)焼き卵にケチャップのサンドイッチは、私にとっても母の味で、今でも私、好きでよく作ります。簡単で美味しいんですよね。カツサンドもおいしそうだな。
トマトとナスのグラタン、ポテトのパンケーキ、厚揚げの肉詰め、焼き餃子……ああ、おいしそう。
鉄板スパゲティも、それっぽいものをうちで作ったことはあるのですが、お店できちんと食べたことはないんですよね。
せっかく本場のを食べられる環境に住んでいるので、一度くらいは挑戦してみたいなー。

お酒飲まない私は、出てくるお料理、お弁当のおかずによさげだなあという目線で読んでました。どっちかというと。
サンドイッチのお話を読んでいたら特に作りたくてたまらなくなって、翌日のお弁当は焼き卵(いつもの塩麹)のフランスパン(家にあったから)サンドイッチになりました。

色々聞いていると、ネット版ではもっと恋愛色が強かったみたいで、そっちも読んでみたかったかなあ。
いまくらいのさじ加減も心地よくて好きなのですが。

日常のほっこり美味しいささやかな幸福を、おすすめです。

関連記事

カテゴリ: 日常のお話

タグ: 秋川滝美 

この記事に対するコメント

コメントの投稿
Secret

トラックバック

トラックバックURL
→http://hananomi691.blog10.fc2.com/tb.php/1392-bf073561
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)