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『BLANCA エディルフォーレの花嫁』スイ 

BLANCA エディルフォーレの花嫁 (一迅社文庫アイリス)BLANCA エディルフォーレの花嫁 (一迅社文庫アイリス)
(2014/10/18)
スイ

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エディルフォーレ、あなたは雪女王の支配する国。
名前すら持たない奴隷の少女は、牢獄に囚われた青年軍人と出会い、ささやかな交流を持つ。
やがて彼に手をひかれて彼の故郷・エスペリアへ、光ある美しい世界に連れ出された少女。
「花」と名付けられ、強く美しく成長していく。
彼女が彼に抱く想いは、少しずつ、変わってゆき——。
最果ての北国での、少女と青年の8年間の軌跡をつづる、せつなくてうつくしいラブファンタジー。

オンライン小説の書籍化作品。(→『0℃の夢』様)
この作品も、かなり前に、ブログの読者様からおススメいただいていたオンライン小説でした。
ずっと読みたいなあと思い続けているうちに、書籍化の話が聞こえてきて、いい機会だから読んでみよう!
と、発売日前に読みはじめてみました。
ええ、とてもとても素敵なお話でした。
一気に読んでしまうのはもったいなく、少しずつ時間をかけてじっくり味わっていきたい、というタイプのお話でした。
この作品が松本テマリさんイラストで本のかたちで読めるなんて楽しみ!と、発売が待ち遠しかったです。

Webで読んでいたときは、オンライン小説らしい文章構成や雰囲気のお話だなあ……となんとなく思っていたのですが、こうして紙のページで読んでいると、まるで最初から少女小説文庫であったように違和感がなく、驚きつつ嬉しかったです。
丁寧なお話の流れとうつくしい言葉遣いその他もろもろ、どこか懐かしい感じがする極上の少女小説でした。

お話としては、エディルフォーレの監獄で、名前も与えられずこき使われている奴隷の幼い娘が、牢獄に囚われたまだ年若い異国の将軍の世話を命じられ、ぎこちなく心を通わせていくのが、はじまり。
過酷な環境で、言葉も通じぬふたりのやりとりがいじましくて優しくて。パンをぬくめるおさない娘の優しさに泣けてきます。
やがてリユンに連れ出され、与えられた名は「花(ブランカ)」。
灰かぶりの髪に緑の目をした娘は、リユンの養女となり、エスペリアの地で人々に愛情を注がれて、強く優しく美しく成長してゆきます。

なんといいますか、ストーリーも世界観もキャラクターも言葉遣いも、すべてが私の好みピンポイントなんです。
ブランカの一人称・独特のリズムで流れるような美しい言葉づかいは、読んでいてうっとり酔いしれてしまいます。リフレインやかなと漢字の使い分けのセンスが絶妙。
ふんわり少女らしく、ちょっと気取って背伸びしてみたい、そんな心もちも透けて見えるようで。
雪国の冷たさと花の描写が素敵です。寒い土地だからこそのあたたかみのある服装や食べ物の描写も良いです。

そしてメインはやはり、八年越しで育っていく、ブランカとリユンの家族の愛情、そしてロマンス。
年の差もの大好き!万歳!
八歳差ってよいですよね。ふたりの出会いのブランカ十歳、リユン十八歳にすでにときめくんですが(笑)。
成長するごとに、養父への想いをゆっくりと育てていったブランカに対し、リユンがいちいちどう思っていたのか、想像するとたいへんに微笑ましくにまにまします。
「ブランカさん」、リユンのおひめさま・ブランカへのちょっと気取った愛情たっぷりの口調が、とっても好きですよ!
いちばんのときめき場面は、舞踏会での花のやりとり、そして挿絵つきの手への口づけの場面。
リユンの雰囲気がさっと変わったのを肌で感じてどきどきしました。
ただロマンスのかけらが育ってきても、すぐに甘くなるわけでもなく。
秘する想いの痛いほどの切なさに、胸がきゅっとなりました。
大好きだからこそ、リユンのもとを離れて険しい道を選択するブランカの姿が強く眩しく格好良かったです。弱気に思い悩む姿も読めるからこそまたいとおしい。
看護学校でのつらいおつとめの日々の中、無理を重ねて調子を崩して何度も投げ出しそうになってもリユンのことを想い、踏みとどまって頑固に頑張り続けられる姿が、本当にいいなあ。一度のリユンの訪問も良かった。
ブランカ十八歳のラストあたりの一連、読んでいて本当に幸せな気分になれました。
ブランカにとってもよかったし、リユンにとっても良かったですよね。リユン、色々な意味で。いつから待ってたんでしょうね。ふふふ。

ポルコさんやラフトおじさん、フィア先生にゼノン、リーア、シオン、ニナ、脇役キャラも基本的にみんないい人ばかりで、特に最初の頃のブランカを皆が愛情たっぷりにくるみこんでいる様は、作中の手作りミルクシチューのように、おなかのあたりがほっこりとするあたたかさでした。
ゼノンは最初とことん意地悪で嫌いになりかけましたが、しだいに好青年に成長し、すっかり不憫な子に……。挿絵格好いいです。
リーアと仲良しになった場面が好き。ニナとついに心が通じ合った場面も。
リユンの兄妹たちもみんな個性的でみんないいひとたちで良かったです。シンシアさんがお気に入り。フローリアさんのつんけんっぷりも微笑ましい。

松本テマリさんの挿絵も雰囲気にあっていて良かったです。リユンが思っていたより意地悪っぽいイケメンでときめきました(笑)。
華奢で可憐なブランカのなんて魅力的なこと。おさげ髪最高です。

サイト様の方で、期間限定の番外編もアップされているので、読み終えられた方、早めに読んでみるのがおすすめですよ!
『マロニエ』のゼノンとリユンのやりとりににまにまします。リユンの大人げなさが笑える。
あと、最初の方の話のブランカとリユンのやりとり等の空白になっている台詞ありバージョンも読めるので、こちらもおすすめ。

たぶん、私のブログを読んでくださっている少女小説好きの方は、このお話、お気に召されると思うんですよね。
年の差もの純愛ストーリーと美しい言葉を愛する方に、おすすめです。


ここ一週間くらいにそれぞれの記事に拍手くださった方々、どうもありがとうございました♪

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カテゴリ: その他少女小説レーベルの本

タグ: スイ 

この記事に対するコメント

本屋で何気なく買った本ですが、とても切なく美しい物語に、ゆっくり時間をかけて、その場面に浸りながら読みました。
ところで、期間限定番外編は、もう見れないのでしょうか?
リユンとゼノンのやりとり??考えただけでわくわくします。どこかで読めるところがありましたら、是非教えて下さい<(_ _)>。

URL | まゆ #-
2015/03/30 00:56 * 編集 *

Re: タイトルなし

>まゆさん
コメントありがとうございます。

『BLANCA』、本当に、時間をかけてゆっくりじっくり楽しみたくなる、美しいお話でしたよね。
最近少女小説では珍しいつくりのストレートに美しいラブロマンスで。堪能させていただきました♪
期間限定番外編は、ごめんなさい、私は作家さんでも何の関係者でもないので、ちょっと分からないです……。
お役に立てずに申し訳ないです。
私もできるならもう一度読み返したい……。

URL | fallclover #SvKcs0as
2015/04/01 19:43 * 編集 *

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