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『カーリー 3.孵化する恋と帝国の終焉』高殿 円 

カーリー <3.孵化する恋と帝国の終焉> (講談社文庫)カーリー <3.孵化する恋と帝国の終焉> (講談社文庫)
(2014/10/15)
高殿 円

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インドの王国のひとつ、パンダリーコットにあるオルガ女学院で、十四歳からの時を過ごしたイギリス人の少女・シャーロット。
彼女の得たものは、人種も性質も様々な同級生たちとの友情、何よりも大切な親友・オニキスの瞳を持つ美少女・カーリーとの絆——。
しかし第二次世界大戦の影響でオルガ女学院は閉鎖され、インドを離れたシャーロットは四年の後大学に進学する。
相変わらず英国からインドへの想いを募らせ、カーリーとの再会を願う彼女は、パーティーの席でインドのカプールタラの美貌の王子・ル・パオンに驚くべき提案を持ちかけられる。
インドに入国するためには、彼の婚約者となればいい、というもので——。

『カーリー』シリーズ待望の新作、第三弾。
私がこのシリーズを読みはじめたのは講談社文庫の新装版が出たあたりで、ファンになってからまだ日が浅いのですが、にわかファンなりにとても楽しみにしていました。

第三弾がシャーロットの大学生時代からはじまるということは、今年のかつくら春号ですでに読んで知っていたので、ふむふむと。
シャーロットがすっかり秀才の女子大生に成長していて、びっくり!頼もしいです!賢いヒロイン好きなので嬉しい。
それでもインド、カーリーへの情熱、カーリーのためならどんな大胆な行動も勢いでとってしまえるところは、昔のシャーロットのイメージそのまんまで、呆れるやら安心するやら(笑)。

読み応えのある歴史ものでありながら安定の少女小説ストーリー、堪能できました。すごく面白かったです!
歴史や国の制度やかけひきや、飛ばし読みしてしまった部分も多々ありましたが……。このあたりの世界史まったくわかってないな私……。


以降の感想は一応ネタバレありでお願いします。

シャーロットに驚きの提案をしかけたル・パオン。
価値観の違いにときどき唖然としつつも、シャーロットのことを常に面白がっている風情なのはおいといても、カーリーとはまた別な感じで魅力的な王子様でした。まさに孔雀。
彼もまた母親のことで屈折したものを抱えていそう。
シャーロットのおめかし攻めは、大変そう……と同情しつつも、豪華な衣装や装身具やあれこれの描写が豪華で美しくて素晴らしくて、これぞ少女小説!
インドの民族衣装がどんどん出てくる少女小説なんて読んだことがないので、よけい楽しかったです。

シャーロットがみるみるうちにカプールタラの王子様の婚約者に仕立て上げられ王宮に乗り込んでいくの、あっさり上手い具合にいきすぎてて何かの罠なんじゃ……とか若干不安に思いつつも、物語は止まってくれず、続きを読まずにいられません。
女同士の品定めも知略で乗り切ったシャーロット、すごいな!
ミシャー姫との友情は心和みました。ミルクのあれなんて、一読目ではもちろん全然わかりませんでした。

シャーロットと彼女のパパとのつかの間の会話が、なんかお気に入りの場面でした。私が思っていたより父親と娘としての情が感じられて。
シャーロットの家族といえば、ちらりと出てきたフェビアンも、子ども時代思っていたほど根性悪の男の子でもなかったのかなー。ヘレンにも何か事情はありそう。

そして、なかなか出てこないカーリーにシャーロット同様じれじれしていたら……そこから出てくるのか!やられました!ある意味昔と同じ手を使っていたのに、全然気づかなかったよ。
再会の場面は本当にわずかな時間でしたが、たいへん濃密な逢瀬で(変な意味ではなく)とても心ときめきました。
冷静沈着ですべてをわきまえている王子様なのに、シャーロットのことに関してだけはまるで子どもで、焼きもちもやいたり執着したり、昔と変わってなくて、たまらなく懐かしく嬉しい気持ちになりました。
……書いていて思ったけれど、逆にシャーロットも、まさにカーリーのことに関しては、そうなんだよな。

そのあとミシャー姫が語ってくれたりほかの人が語ってくれたりで、カーリーの背景の大部分が、ようやくつまびらかに。
「カーリー」という名前の由来や彼の特殊な育てられ方に、底知れないものを感じました。
ミシャー姫とシャーロットの友情が壊れなくてよかったです。

友情といえば、かつての友人たちとの再会の場も用意されていて、女同士仲良しさんたちの姿が大好きだった私はとても嬉しかったです。
とはいえ全員そろうのはかなわなかったというのが、時代や色々制約を実感させてくれて、せつないものがありましたが。
ミチルはシャーロットとはまた全然別な方向で素敵な女性に成長しているなあ。ミチルの生い立ちエピソードも読めました。行動派だなミチル!
あと、ベリンダがここまでパティのためによくしてくださるとは。素敵な女性だったんですねえ。
ヘンリエッタもミチルもパティも、皆優秀な分よけいに、複雑でむずかしい立場にいるようで、うーん、上手くいかなくて歯がゆい気持ちになりました。
再会後の事件で、シャーロットの立場もこれからどうなっていくか……といったところですが。
(いや、そもそもル・パオンとは、当初の計画通りすんなり離婚できるものなの?ほんとうに?)
ハリーの思惑も気がかり。

シャーロットのパパの告白からの真実は、ああ、やっぱりそういうことだったんだなー、と。
カーリーの態度から、そういう意味での禁忌をまるで感じなかったので、まあ、うん。
でも今の二人の立場だと、本当に、いっそ姉弟であったほうが、しあわせなのかしら。せつない。こんなにお互いがお互いしか見えていないのに。

ただひたすらカーリーのためだけにこれからも戦っていく決意をしたシャーロットの想いが、どうか、今のカーリーにも、きちんと届きますよう。
そして本当にハッピーエンドになりますよう!今一番気がかりなパティはじめ、みんな一緒に!

講談社文庫のサイトや小冊子やでイラストも楽しめるんですが、成長した登場人物たちの姿がもうみんな麗しくて素敵すぎます。必見です。
シャーロットの知的で楚々としたなみなみロングヘア姿もよいし、なによりカーリーの格好良さといったらもう言葉になりません。
やっぱり私はル・パオンよりもカーリーを押しますよ。うん(笑)。
ミチルのエキゾチックな美貌にもどきどき。
そしてカーリーは新聞でシャーロットの婚約記事を読んでおだやかではいられなかったんだな、やっぱり。

早く続きを読みたいです。どきどきどき。


ここ何日かにそれぞれの記事に拍手くださった方々、どうもありがとうございました♪

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カテゴリ: 歴史もの

タグ: 高殿円 

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