Admin   *   New entry   *   Up load   *   All archives

ようこそいらっしゃいました。すてきな書物と美味しい食べ物をどうぞ。

『猫乃木さんのあやかし事情』望月 もらん 

猫乃木さんのあやかし事情 (角川ビーンズ文庫)猫乃木さんのあやかし事情 (角川ビーンズ文庫)
(2014/10/31)
望月 もらん

商品詳細を見る



七海は育ててくれた祖母を亡くし、大学進学を期に、遠縁をたよって京都にやってきた。
居候先は、祇園白川の『猫また堂本舗』。
店主の青年・猫乃木千歳はおだやかな好人物だったが、『魔除け屋』という裏の顔も持ち合わせていた。
あやかし達をめぐるトラブルに、七海もいつしか巻き込まれるように——。


はじめて作家さんのビーンズ文庫。
こちらも、あきさんの挿絵につられて購入しました。
あらすじも面白そうだったですしね!

基本、ふんわりと微笑ましい、ゆるい和風ファンタジーもの少女小説でした。
読んでいて毒がなくて、あたたかく幸せな心地になれるお話でした。うーん、良かったです!
猫さん成分多め。可愛い~!
ほんのり切なさが混じっているのがたまらないです。
時々文章が飛んでいるような感じなのが気になるといえばなりますが、連作短編形式なので、それほどは目立たなかったかな。
作品全体の雰囲気で楽しめればまあ大丈夫。
平易な言葉ですらすらと読みやすい文章でした。
京都が舞台ですが、登場人物たちはほとんど京都言葉は話していません。
ていねいな言葉づかいも、それはそれでキャラに合っていて良かったんじゃないかなと思います。特に千歳さん。

主人公の七海は、京都の大学に入りたての女の子。
ちまちまとしてかわいらしいヒロインでした。ゆるいウェーブがかったおかっぱ髪にワンピース姿がちょっと古風で素朴で本当にかわいい。
そんな七海が京都で世話になることになった猫乃木千歳さんは、穏やかで優しげで、ちょっと不思議だけどとても頼りがいのある好青年。
あきさんの挿絵の和服姿の端正なたたずまいがとても素敵です。青が似合いますね。

一つ屋根の下、七海と千歳(と猫の雪平)のたわいない日常のやりとりが微笑ましくて、読んでいて本当に癒されました。
特にごはんの話をしている場面が良かった。
ツナマヨご飯とか、妙に美味しそうに思えてくるんですよね……。
千歳さん作の味噌汁のなれの果てには笑ってしまいました。これは確かに料理はできない。
あやかし関連のことに、七海はわりと無謀に突っ込んでいくので、読んでいてはらはらするのですが、その都度猫乃木さんがさっと助けに入ってくれて、七海を大切に大切に守ろうとしている千歳さんの姿勢がとても良いものでした。

四話目の『狐火』が特に好きでした。
狐賀冬夜先輩が、味方?敵?やっぱり敵……?いまいちつかめず翻弄されました。七海の弓道部の先輩としては、少なくともきちんといい先輩なんですよね。まあ、長年のライバル?
七海を助けにきた千歳さんが例によって非常に格好良く、今回の戦いはこれまでと違ってハードでどきどきし……。そして千歳の正体を七海が知ることになった場面が、ごく自然な流れで千歳の正体を受け入れた七海が、この本の中で私がいちばん好きなところでした。
千歳の正体を七海が知ってからの、ふたりの距離感が、こう、たまらなくってですね……!
猫姿で「チトセ」と呼ばせてすまし顔していた千歳さんににまにましました。
たいの塩焼きをお願いします、と本当に嬉しそうな千歳さんも良かった。

千歳の幼馴染……実はそれだけでもなかった健吾さんも、優しく渋く格好良いご近所のヒーローで素敵でした。彼に寄り添っていた女性の正体はいかに。橋姫ちゃんもちょっとかわいそうだったかも……。
七海の友人の奈央ちゃんもとてもいい子でした。スペシャルパンケーキを食べに行くとか本当に大学生活っぽくて良いな。

天神さんの記憶、赤い鯛の夫婦茶碗のやりとりもとても微笑ましく、もうちょっと色々読みたい~!というところで、おしまいでした。
恋のまだはじまりのうち、淡いほのぼの優しい関係のふたり、想いがこれから育ってくると、少女小説として面白くなってくるのかなあ。あやかし、猫設定ももっと色々読んでみたいし。
と思いつつ、これくらいで余韻を残しておしまいにしておく方が良いのかなあ、という気も。

ちなみに読んでいて『幽谷町のきまぐれな雷獣』シリーズが思い浮かびました。
現代日本のひとと違う存在のキャラが織りなすほのぼのときめきストーリー、設定がお好きな方におすすめ。

幽谷町の気まぐれな雷獣 (レガロシリーズ)幽谷町の気まぐれな雷獣 (レガロシリーズ)
(2012/05/18)
森崎緩

商品詳細を見る



ここ何日かにそれぞれの記事に拍手くださった方々、どうもありがとうございました♪

関連記事

カテゴリ: ビーンズ文庫

タグ: 望月もらん 

この記事に対するコメント

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

 |  #
2014/11/15 19:54 * 編集 *

コメントの投稿
Secret

トラックバック

トラックバックURL
→http://hananomi691.blog10.fc2.com/tb.php/1402-bf75e305
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)