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ようこそいらっしゃいました。すてきな書物と美味しい食べ物をどうぞ。

『Rotted-S』no-seen flower 

またこちらのサイトさまの長編に、一週間のすべてをささげていました……。

Rotted-S』(no-seen flowerさま)
『Unnamed Memory』『Babel』と世界観を同じくする長編ファンタジーでした。

捨て子であった少年アージェには、物心ついた時より異質な感覚が備わっていた。
ひとつの事件の後に故郷を離れた少年は、傭兵の男と出会って旅をするうちに、一人の少女と巡りあう。
大陸最古の国ケレスメンティアと、国をおさめる女皇をめぐる、不思議な力。
神話の時代から続く伝説の世界に足を踏み入れ、アージェとレアリアが見るものは——。


以下、さらりとネタバレありで語っている感想なので(なるべく避けてはいるんですが)、要注意です。


『UM』や『Babel』と違って主人公が少年で、それゆえはじめのうちは読んでいて少し勝手が違うなあ……と思っていたのですが、いったん引き込まれてしまえばやっぱりノンストップで最後まで読みふけってしまいました。
現実世界を忘れてしまうというか、もうこっちのお話の世界の方がリアルに感じてしまうという、怖い怖い。

アージェの成長冒険物語であり、ひとつの国の神話と伝説の謎を追いかける物語であり、人の力をはるかに超えたままならない運命に必死にあらがう人々の物語であり。
いくつもの要素が複雑に絡み合って進んでいく物語。読み応え十分で、面白かったですー!!
大陸が違い神の姿勢が違うせいもあるのか、情け容赦のない残酷な展開も多め。
そんな中で、尋常ならぬ異能の主ながら精神は「普通」でありつづけ、淡々と真面目で根は優しいアージェと、可憐で寂しげなはにかみやの少女レアリアのふたりの関係とやりとりが、ほんわり優しくて微笑ましくて清らかで、うーん、とても良かったです。
アージェとレアがふつうに幸せに笑いあえるような未来を、もう無理なんじゃないか、と何度もあきらめそうになりつつ、ひたすら願って読み進めていました。
ヘビーな展開の中でも、キャラのかけあいの面白さは健在。

前半パートだと、ケグスとダルトンの傭兵コンビが格好良かった!ダルトンの重厚な魅力にはしびれました(笑)。
カタリナの普段ののんきさとたまに見せるちぐはぐな表情が不思議な魅力で。アージェへの情のあたたかみが好きだっただけに、最後は辛かったです。
後半パート、エヴェンがどんどん好きになっていきました。ミルザの「兄!」も良かったです。良かったです……(涙)。
ミルザとベルラは最後のあたり読んでいて、セットで昔大好きだった某少女漫画の侍女の女の子の姿にだぶって(たぶん服装がケレスメンティアのものに似ていたのもある)、もう涙がとまらなかったです。

アージェが自分の力をなかなか使いこなせず折り合いもつけられず苦しんでいる姿もつらかったですが、自分の力を飼い慣らして周りを容易にねじふせ殺戮を行うようになると、それはそれで、怖い。重い。
「彼女」の正体にはびっくりでした。親世代からのねじれも。
レアリアの戦いも孤独で泣きたくなるほど辛くて、近づきまたすれ違いを繰り返すアージェとレアのふたりの姿が切なかった。
クレメンシェトラとレアリア、アージェの関係も、ひとことで言い表せないものでした。
神話時代からの存在は、はじめはただ忌まわしく怖いものにしか思えなかったのですが、何か、情がうつってくるのでした。ダニエ・カーラですら。
無自覚に女ったらしで鈍感なアージェと、アージェ限定で挙動不審で揺れる乙女になるレアの小休止パートは可愛い。本当に可愛い。
傭兵として普通に生きてきてて普通に経験もある(おそらく)アージェに翻弄されまくっているレアが気の毒でした。ディアドと女皇の関係性にときめきますね!

苦く切ない終末をむかえて、それでも確かにぬくもりもあるしめくくりで、本当に良かったです。
言葉にあらわせないものがじんわりと。
そしてそうか、後の作品とそうつながるのかー!!最後の文を読んで叫びました(笑)。
すべてを終えたふたりが背負ったものは、あんまりにも重たく辛いものだけれど、それでも。淡々とあっさりとレアと生死を共にする誓いを守り抜くアージェの姿が格好良く優しい。
後日談のじれじれ、微笑ましくてきゅんきゅんでした。レア本当にかわいい。
クラリベルのことも、良かった。意外とこの兄妹似ていてびっくりしました。
番外編で垣間見たレアリアのアージェに見せていた姿と女皇としての姿のギャップにもびっくり(笑)。
お弁当とか本当に可愛いです。(事実なので何度も繰り返す)

読み終えてまた設定集に読みふけって復習のお楽しみ。
リィアのその後が意外な感じでした。
あと、ルクレツィアさんの正体というかなんというか……はあああ、またうなってしまいました。
なんだかんだ言って面倒見のいいルクレツィアさんが大好きです。

そしてさらにUMサイドストーリー『神に背く書』『鳥籠の女』『Void』とかさらりと再読してまたひたってました。
セーロンのアリスティドとエルのコンビも好きです。エルの苦労女房っぷりが気の毒で大好きです。エルは自分の結婚どうするんだろ。アナとセノワのふたりはああつながっていったんだなあ。
シェライーデとルースのふたりの切なくてあまりに切なくて美しい夢も、何度読み返しても本当に!好きです。
あとティナーシャとオスカーとルクレツィアさんの『奇跡』も、ティナーシャの歌がきれいで物悲しくて切なくて。
後の時代に行くほど鬱屈としたものが漂うUMのふたりのお話も、それでもやっぱり何度も読み返してしまいます。
『青の部屋』の静かなラブラブっぷりが好きです。
リウクレアもヘルジェールも好きなんです。

まだショートストーリーその他すべて読み切れていないので、読みます!
この世界観のお話はこれですべて読めました(やったー!)次に気になっているお話も読みたいです。


この一週間それぞれの記事に拍手くださった方々、どうもありがとうございました♪

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カテゴリ: オンライン小説

タグ: no-seenflower 

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