Admin   *   New entry   *   Up load   *   All archives

ようこそいらっしゃいました。すてきな書物と美味しい食べ物をどうぞ。

『灰色のマリエ 第2巻』文野 さと 

灰色のマリエ〈2〉 (レジーナブックス)灰色のマリエ〈2〉 (レジーナブックス)
(2014/12)
文野 さと

商品詳細を見る



『灰色のマリエ』シリーズ続編。
亡き祖父母の友人・ヴィリアンの願いを聞き入れて、彼の孫息子のエヴァラードと条件付きの結婚をしたマリエ。
ふたりの関係はかりそめのものであったはずが、いつしかふたりは、お互いに馴染み居心地のよさをかんじはじめる。
しかし最初の条件やプライドや周囲の横やりなどが邪魔をして、なかなか一歩を踏み出せない。
そんな中、ヴィリアンの容体が急変して——。


『灰色のマリエ』シリーズ、続編が出ました!嬉しい!
マリエとエヴァラードの関係がいったいどうなるのか、ふたりはきちんと幸せになれるのか、気になってたんですよ~。本当に良かったです。

一巻目に引き続き、しっとり落ち着いた少女小説風味ラブロマンス。
ちょうどこんなおだやかな優しいロマンスを読みたい気分だったので、ちょうどよかったです。読んでいてとても癒され、ラストでは幸せ感に心満たされました。

エヴァラードの方も、マリエの方も、心理描写がより掘り下げられ、お互いへの心の距離感がぐっと近づいてきました。
特にエヴァラード側からの歩み寄りが。
社交の場で、ぞんざいに扱われてもぐちひとつ言わずに耐えるマリエの性格をよく理解し、上手に気遣いかばえるようになったエヴァラード、成長したな!とても頼もしく良かったです。
家庭生活の方でも、頑張ってます。過去の自分のひどい取り決めにいちいち打ちのめされつつ(苦笑)。
自分の無神経さとマリエの女としての魅力に苦悩し続け、あと自分の気持ちを伝えたいのにマリエにスルーされるのが怖くてなかなか言い出せないエヴァラードが、読んでいてだんだんかわいそうになってきました……。
でもまあひどいとりきめをそもそも最初にしたのは彼なので、しょうがないよね。と。
でもエヴァラードみたいに過去の非を素直に認めることができるのは、いい男性ですよね。夫としての少し強引で不器用な愛情が読んでいて微笑ましい。
特に体調を崩したマリエへの必死の気遣いの数々は、読んでいて心温まるよいものでした。大量のおかゆとか。

マリエの方は、一巻目で思っていた以上に頑固で一途で意地っ張りな娘だったんだなあ。と。
彼女のできすぎにも思えた貞淑さも、ヴィリアンへの憧憬に加え、エヴァラードへの彼女の意地がひとつの理由だったのかな、そう思うとようやくマリエが年相応の乙女心を持った娘として、納得できるように思えたのでした。最後の最後の彼女の本音の叫びは良かった。
エヴァラードの思いがけない優しさに触れ、ヴィリアンへの想いとは別に少しずつ揺れるマリエの気持ちが良かったです。

ヴィリアンが天に召されて色々雪解けが進んできたところで、オーロールが最後にやらかしてくれて、最大のすれ違いが発生。彼女たちのマリエへを見下し切った態度と扱いがひどすぎる……。
このふたり、今までが今までなだけに、大丈夫なのかー??……気が気でなかったのですが、思っていた以上にエヴァラードが必死に頑張ってくれて、ようやく本音でぶつかって誤解も解けて、良かった良かった。
なんだかんだで似た者同士の夫婦だったんだなーと感じました。
その後ようやく本当の夫婦として歩み寄るふたりの様も、良かったです。
マリエを逃がさぬよう必死なエヴァラードの姿には笑えました。

あとサンドラさんが、予想とは違った方向に素敵な貴婦人で、よいキャラでした。
もしかしてヴィリアンよりも手ごわいおばあさま、か。確かに(笑)。
サンドラもヴィリアンも、これまでの重ねてきた年月を人となりにそなえている、いい夫婦だな。素直に思えました。最後に寄り添いあえている姿が、いいですね。
後日孫をからかって楽しんでいる彼女も楽しかった。

オーロールさんも、レジーナブックスの番外編を読んで、まあ同情の余地は少しはあるかな……。
したたかさもここまで徹底的だとかえって憎めないですね。
まあマリエは結局幸せになれましたし、ね。
モリーヌもハリィも出番がちょっと少なかったですが頑張ってくれてました。

あ、マリエの里帰り編は、マリエのパンツスタイルの挿絵が新鮮で可愛かったです(笑)。あとウサギ狩りが楽しそうでした。
カズの当て馬役っぷりがちょっと気の毒だな……。うむむ。

この作品、挿絵もお話の雰囲気にとても良く合っていて、そこもしっかり楽しめたのも、良かったです。
エヴァラードやヴィリアンの冷たくて端正な雰囲気がぴったりだ(笑)。
ぱっちりした明るい目の婦人方もいいですしね!
特に最後の髪をふんわり下ろしたおめかし姿のマリエがきれいで良かったです。

「灰色のマリエ」たるマリエの不思議な目のことは、お話自体にそう影響はしないんですが、エヴァラードの「色」がどんどんきれいに鮮やかになっていく様は、素敵だなと思えました。

古き良き英米少女小説の香りがする、いい作品でした。

ここ一週間くらいにそれぞれの記事に拍手くださった方々、どうもありがとうございました♪

関連記事

カテゴリ: ファンタジー(西洋風)

タグ: 文野さと 

この記事に対するコメント

コメントの投稿
Secret

トラックバック

トラックバックURL
→http://hananomi691.blog10.fc2.com/tb.php/1414-5299e53d
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)