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『浪漫邸へようこそ~初夏の嵐~ 』深山 くのえ 

浪漫邸へようこそ ~初夏の嵐~ (小学館ルルル文庫 み 1-24)浪漫邸へようこそ ~初夏の嵐~ (小学館ルルル文庫 み 1-24)
(2014/12/26)
深山 くのえ

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『浪漫邸へようこそ』シリーズ第2作目。
父親が失踪し、十六歳にして子爵家を背負うことになった紗子は、秘密の下宿屋「浪漫邸」をはじめることに。
集まった下宿人は個性的ながらに皆心優しい良い人ばかりで、弟妹、使用人も交えて、共同生活は上手く回っている。
そして紗子は下宿屋をはじめるそもそもの発端になった一人、伊織へのほのかな恋心を自覚する。
伊織の従弟の少年が突然傷だらけで転がり込んで来たり、下宿人の光也が美青年ゆえのトラブルに巻き込まれたり、次々事件が起きつつも、浪漫邸は今日もにぎやか——。

一巻目を読んでとても気に入った『浪漫邸へようこそ』、待望の二巻目です。
あきさん表紙の少女小説は、発売日前から、いつネット上に書影がアップされるのか、そわそわ確認する楽しみが……(笑)。
さわやかな好青年の伊織さんと優しいピンク色をまとった紗子さんのお似合いカップルが素敵です。美しいです。さすがです!!実物はやっぱりネットで見ているよりずっとずっと良いです。ふふふ。

お話の中身も、安定の深山さん少女小説&あきさん挿絵で、期待を裏切らない完成度。とても満足です。
紗子さんと伊織さんの初々しくゆるやかなロマンスをメインに、脇役キャラのドラマ(ロマンス含む)もあり。
皆いいひとで、ほのぼの仲良しで、かわいいなあ、もう!!読んでいて幸せ感いっぱいでした。しっとり落ち着いた品のある深山さんの文章で、疲れた心に染み入りました。
深山さんのお約束をはずさないキャラクターやストーリー展開は、これまでのどの作品でも私、好きなんですが、今回は特に上手くはまっていると思います。大正ロマンで和洋折衷な雰囲気もいいし、あきさんの挿絵との相乗効果もあるんだと思います。
あといちばん大事なところ、紗子さん清楚で健気で奥ゆかしくて可愛すぎる。伊織さんも硬派で穏やかで好もしい。年の差も良い!
どこまでも私好みの少女小説です。

今回のお話は、浪漫邸の日常にふりかかってきた、三つの嵐、事件をメインに。
『不機嫌な従兄弟』
伊織さんと光也さんの従弟にあたる少年・藤馬くん現る、の巻。
登場人物紹介とか挿絵の藤馬くんが思いっきり不機嫌な顔していて、その表情がいかにも思春期の少年で、ふふふ、微笑ましい。
読んでいくと少々不器用で愛想なしながらもまっすぐで心根優しい少年で、素直に好感持てました。誤解がとけてよかったです。
紗子をほんのり意識していて、やきもちやいてつっけんどんな態度とってしまったりとか、それも微笑ましかったです。
まあこの子の年齢じゃ、ライバルにもちょっとなりようがないですし……って、書いてから気づいたけれど、紗子さんからふたつ年下なだけでした。あら。まあこの年頃の二歳差は大きいか……というか、紗子さんが大人びているのかな。苦労してますね。
ここのあたりの紗子さんと伊織さんの、手が触れあってぱっとひっこめあったりとかのやりとりも、定番ながらに初々しくこそばゆい雰囲気がとても良くて、きゅんきゅんでした。
伊織さんをいそいそ待ちわびてる紗子さんも本当にかわいい。土曜日の午後の感覚ってなんか懐かしいなと思いました。
藤馬くん、個人的には、将来鞠子ちゃんとくっつくのもありだと思います。

『或る二枚目の女難』
一話に引き続きタイトルそのままだな……(笑)。光也さんのお話。
お客さんに惚れられ付きまとわれても、なんかもう慣れきってる感じでのほほんとお茶をすすっている光也さん、いやあ、マイペースだなあ……。
そしておしのさんとりんちゃんに、危機が。
光也さん、動いた!!そして言っちゃったよ!!いやあ、格好良かったです!!
おしのさんの粘着質な元旦那さんと恋に酔ってるご令嬢、両人をドン引きさせるまでの迫力を見せてくれるとは、思いませんでした。ははは……。
前巻の時点からなんとなくな雰囲気はありましたが、そっか、やっぱりね。みたいな感じでした。でも年回りもいいし、お似合いだと思います。
さりげなく外堀をどんどん埋めていってる光也さんが策士です。りんちゃんと紗子さんから埋められてしまったら、それはしのさん、逃げられないでしょう。わかってるな!
浮かれているときの笑顔は、ほんの少しうさんくさく見えるって、なんか、本性が見えてくるような(笑)。183頁のあきさんの挿絵の笑顔が秀逸。
紗子さんと伊織さんの写真館デートも、相変わらず初々しくもだもだしていて最高でした!
あとから読み返すと改めて、光也さんはすぐには気取られぬ絶妙な具合で策をめぐらすのが上手だなあ……(笑)。とっさに婚約者なんて、ね。
写真にうつった伊織さんの表情が緊張してかたくなってて照れてて、それがいつもに比べてだいぶ幼く見えて、ああそういえばこのひとも学生さんだった……改めて気づき、また微笑ましくなったのでした。紗子さんは安定のかわいらしさ。
しのさんもりんちゃんもお気に入りキャラなので、幸せになってくれそうで何よりです。
それにしても、りんちゃんは全然父親に似ずにいいこに育ってるなあ……(ほろり)。

『七月のつむじ風』
三話目にして待ってましたの紗子さん&伊織さんが話のメインといいますか。紗子さんのおばあさまとおばさまが急におしかけてくるお話。
紗子さん自身に降りかかってきた危機に、毅然と立ち上がって彼女を守るため戦う伊織さん。
スローペースで進んでいたふたりの仲が、ぐっと進展しました!盛り上がりましたよ~!!
それにしても、実の祖母と叔母とは思えない身勝手さと情のなさだな……いやはや。
わがままに振り回されつつもしっかり立ち向かう紗子さんも健気でよかったし、彼女をサポートする伊織さん、あと尚彦くんが、とっても頼もしくて格好良かったです。
絶妙のタイミングでワッフルを買ってきてくれたり、紗子さんの危機に事を荒立てない方向でうまい具合に機転をきかせてくれたり……。うん。ひとつひとつがあざとくないぎりぎりのところで、最高に頼れるヒーローです。
そしてラストの伊織さんの独白が、想いが溢れ出してきていて、読んでいてときめいて仕方がなかったです。こんな美味しいところで終わるのか!心憎いです。
しっかり者の紗子さんがしおれている姿は、特に涙は、ぐっときますよね。うん。
尚彦君の、姉さんは好きな人と結婚してもらいますから……云々の台詞も頼もしいです。
彼が言うからには、きっと何か策があるんですよね。信じていてもいいですよね?
ちょっとお豆腐のステーキが食べたくなりました。普通に美味しいですよね。豆腐ステーキ。読んでいると、むしろ豆腐ハンバーグかな?

光也さんとおしのさん効果なのか、尚彦君の頼もしい言葉もあるのか、一巻目の時点では難しい身分差の恋かなあ……と思えていた紗子さんと伊織さんカップルも、まあ、なんとかならなくもない気がしてきました。
伊織さんの頑張り次第かな。
一応おうちの跡取りは、尚彦君ですしね。
まあ、父親が何か新たな問題をおこさなければ!(笑)

今回積極的に前面には出てこなかった下宿人の皆さんも、それぞれあまり目立たないところでちゃんといい動きをしてくれていて、皆、前巻の時点より好きになれました。
最初の方の植木の剪定をしている龍三先生の場面が良かったな。
同居人たちの危機には当たり前に知恵を出し合ってそれぞれの得意分野で協力し合う姿が、いいですね。
皆仲がよくて、読んでいて和みます。
いつの間にか名前を略称で呼び合っているのも、微笑ましいです。

あきさんの挿絵がふんだんに入っていてそれもとても満足で、欲を言えば、りんちゃんと鞠子ちゃんの挿絵もほしかったです!可愛い女の子大好き。

ああ、素敵でした。感想も心のままに好き勝手に書きました。満足。
続きの巻も、期待しています♪
紗子さんと伊織さんにははやくくっついてほしい、紗子さんに幸せになってほしいけれど、あんまり早く終わってしまうのも、寂しいなあ……ずっと読んでいたい。
少なくとも、春夏ときて、秋と冬の二巻は、ぜひに。

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カテゴリ: ルルル文庫

タグ: 深山くのえ 

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