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ようこそいらっしゃいました。すてきな書物と美味しい食べ物をどうぞ。

『裏切りの帝国』BARROCO 

新年早々一週間のほぼすべてをつぎ込んで読んでいた、長編オンライン小説。

裏切りの帝国』(BARROCO様)
『時々山椒時々砂糖』(感想)等現代ものを以前にも読ませていただいていたサイトさまの、異世界ものファンタジー。


水の帝国ブルークリッカァ。通称、裏切りの帝国。
いにしえからの裏切りの呪いに縛られ、貧困と混乱にあえぐ、最古の帝国。
病んだ国を立て直すため、若く有能な皇帝と宰相は奔走していた。
そんなある日、「滅びの魔女」の名を持つ娼婦がひとり、皇帝のもとに献上される——。

呪いや過酷な運命にあらがい、国を治める人たちと、彼らを愛し支える人たちの、長い長い物語。
各章ごとに、舞台になる国、主人公が、ゆるやかにうつろっていく構成。
上流のささやかな清水からはじまり、各地方の物語の細い流れがひとつひとつ、結びつき重なり合い、やがてひとつの大きな流れになり、はじまりの国の開けた未来へ導かれていく、そんなまさに「大河ロマン」みたいなイメージ。(う、うまく言えない)
政治の物語としても、恋愛ものとしても、たいへん読みごたえがありました。
すっごくすっごく面白かった!!

国でも人でも、自分の存在のすべてをかけて愛し、守り抜く存在があるって、素敵だな。
ときに、みっともなく泥の中を這いずり回ってもがきくるしんでいても、すべてひっくるめてきらきら輝いている。

魅力的な女の人が活躍する話をことに好む私ですが、このお話は大長編だけあって、ヒロインもひとりじゃないのです。贅沢!
哀しい身の上ながらたおやかで慈愛に満ちたティアレや、皆の母親役の超しっかり者女官・シノや、いちいち私好みのヒロインばかりで、読んでいてたまらなかったです。
なかでも私のお気に入りは、親の愛に飢えて窮屈な生き方をしてきた小国の娘・剣術つかいのシファカ。
シファカの健気さとさびしさと、優しい魂、そして彼女が出会った運命の恋が、もうほんっとうに、私好みで!!!
特に後半パートは、シファカがとにかく幸せになれるように、笑顔でいられるように、ただそればっかりを追いかけて、必死になって追いかけていった感じでした。
だってシファカ、本当に苦労ばっかりしてるんですもん。報われないんですもん。ジンが煮えきらなすぎるせいで……(でもそこも好きだから困っちゃいます)
ほんの少ーし挿入される、純度の高いお砂糖をまぶしたようにがつんと甘い恋愛パートがたまらない。
年の差もの大好きです。基本人を食った怜悧な男なのに、シファカだけにはめろめろなジンの姿が好きすぎる。
シファカを通して、ジンも本当に本当に大好きなヒーローになってゆきました。
ふたり分の旅の描写も、良かったです。
ふたりの旅の終着点には、静かに感動しました。

水の帝国のメインキャラ、ティアレさんもラルトもエイもヒノトもウルもみんなみんな大好き!!
全員ひとりひとり語りだすときっと終わらないので涙をのんであきらめますが(笑)、シファカとジンの次に私が好きだったのは、女官長シノと、数奇な出会い方をした男・イルバさんのふたりでした。
彼ら二人の、大人の熟成された結びつきというのでしょうか、読めば読むほど味わいがあって、これまたたまらないです。
ふたりが出会った島での、ゆったりした時の流れとあけひろげな自然、たゆたう追憶が、読んでいて静かに快い。

各国、脇役キャラの中では、『常闇の燈国』が特にお気に入りでした。
もちろんシファカが頑張るお話だからですけど(笑)、アレクとモニカの幼馴染同士の、ケンカするほど仲が良いの関係がほのぼの微笑ましく、国全体で見守っている感じなのもまた微笑ましい。
しっかり者で働き者でかわいくて、評判いまいちの幼馴染をたったひとりでひたすらに信じ切ったモニカが本当にいいこでですね!
雪国の描写も気に入りました。
あと、ロノプールのお姉さまが誰より大好きな王妃様・エイネイとかね……うん、陛下が不憫だ。

やっぱり最終章は印象深い場面が多くて、女性陣の運命の出会いと楽しそうなお茶の時間が、良かったです。ウルは役得ですね(笑)。
シファカを抱いての親友同士の再会の場面とか。
ラルトとティアレのすれ違いの修復にもはらはらしました。
イルバさんの途中参戦も心強かったです!

番外編も楽しかったです。アリガとキリコが好き。また好きな女の子キャラが増えました(笑)。
シファカとジンが里帰りしてエイネイがお姉さまにべったりなお話がかわいくていちばんお気に入りです。リカとルカのきょうだいもよい。
とにかくシファカが幸せそうなお話は全部好きです!

各国の文化や習俗も書き込みがていねいで、女の人の衣装や食べ物や、読んでいて楽しみどころのひとつでした。
林檎飴が食べたくなってきました。

ああ、いいお話を読めました。とても満足。
そのうち『女王の化粧師』の方も、読み始めてしまいそうです。


昨日記事に拍手くださった方、どうもありがとうございました♪

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カテゴリ: オンライン小説

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