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『おこぼれ姫と円卓の騎士 二人の軍師』石田 リンネ 

おこぼれ姫と円卓の騎士 二人の軍師 (ビーズログ文庫)おこぼれ姫と円卓の騎士 二人の軍師 (ビーズログ文庫)
(2015/01/15)
石田リンネ

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『おこぼれ姫と円卓の騎士』シリーズ第10弾。
ソルヴェールの未来の女王・レティが今回求めたのは、己の頭脳となる『軍師』候補。
レティが最終的に絞り込んだのは、神出鬼没で謎に包まれた天才軍師・ゼノンと、気ままに暮らす没落貴族の子息・メルディ。
ひとまずレティは、ソルヴェール国内の貴族であるメルディの方から接触することに決め、あまり乗り気でない彼を己の視察に同行させるのだが——。

『おこぼれ姫』シリーズ、番外編をはさんでの本編です。
今回の表紙の挿絵、淡い薔薇色がぱあっと全体ににじみ広がっていて、とてもきれいで一目で気に入りました。
レティのドレスも薔薇色で女の子らしく可愛らしくて素敵です。

さて今回のお話は、『軍師』候補選抜と言うことで、いつもよりもずっと「頭脳戦」。
私のほうも、読んでいてかなり頭を使いました。
いつもふわふわ難しいことは考えずに生きている私なので、ちょっとスムーズにはいかなかったですが、でも面白かったんですよ!剣を直接交えずのバトルも格好良くてしびれました。
レティが本当に何でもできちゃう女王さまで……!

新キャラ・メルディがまた今までいなかったタイプの青年で良かったです。
最初はなんだかやる気薄いひとだな……とぼやんと思っていただけだったんですが、レティたちと行動を共にし、危機に巻き込まれていくうちに、わかってくる人柄とか才能とか、ありまして。
ああこのひと、レティのそばに騎士として、ぜひ置いておきたい。ぜったい頼りになる。
読んでいくごとに、実感できるようになっていったのが、気持ち良かった。
若く世間知らずのお坊ちゃんで経験が足りてないのは事実なのですが、そこを下手にごまかさないのも好もしい。
レティに叱咤激励され、彼女の厳しい生き方に触れ、呪縛から解き放たれて一歩を踏み出せたメルディ、良かったです。
というか、一見ぶらぶら遊んでるばかりのお貴族様にしかみえなかったメルディに着目し、こうして拾い上げたレティ、すごい才能だな。恐れ入ります。

かつての家庭教師であった男とかつての教え子との関係と、そこにあった感情に新しい風を吹き込ませたレティ、という話の運びも、良かったです。
本当の下種な人間との駆け引きがあるからこそ、それでもなお彼の色に染まらなかったメルディの人柄が引き立ってくる。
ゼノンとメルディ&レティの攻防戦は、今回は完全勝利とはいかないものでしたが、メルディのあの達成感が読んでいてとても快いものでしたし、うん、楽しめました。
扉の遺跡とかなんか小道具の使い方が面白いです。レティにかかれば古代のロマンも十分生きた武器です。本当にレティは格好いいな!
アストリッドとメルディ、意外と相性がよかったふたりの取り合わせも、微笑ましくなんか味がありました。
お互い得意なことは天才的で突出しているけど、できないことはあからさまにだめだめで総合的にやっぱりまだちょっと頼りないところが、合うのかなあ。(デュークやクレイグの万能さに比べるとね……。)
今回騎士としていちばん活躍していたのはアストリッドですよね。彼の有能さは今でもなお未知数(笑)。
デュークとクレイグは、安定の強さと頼りがいが。言葉にしなくてもの信頼感が良かったです。

あと、レティのかつての婚約者・マティアスが、ここまできて話にかかわってくるとは!このシリーズ特有の読めないつながり!(笑)マティアスの家がクラインシュミットだったなんて、そもそもレティの元婚約者の存在自体、もうすっかり忘れていました……。
このあたりはレティと言う女の子にとってなかなかデリケートな問題だと思いますし。気になります。
ふたりで探った事実が将来どう結びついていくのか、何とも読めませんが。

今回はほんと、途中から少女小説であることをうっかり忘れて読んでいたくらいに甘い場面がなかったですが(笑)、最後の最後でお砂糖ひとさじくらいの場面が。
あああ、やっぱりそこで甘えきれないのがレティだよなあ……踏み込まないのがデュークだよなあ……。
あえて一歩踏み越えてしまえば、心は楽になるような気も、私的にはするのですけどね。
あ、いちばん最初のデュークのちょっとしたからかい心も、良かったです。このふたりの距離感、信頼感あればこそのやりとり。

最後で、手ごわい人がレティの敵に回ったようで……先行きがやや不安。
レティと言う主君を得た上での、メルディの成長を、期待しています。
(ところで、今回メルディは、騎士になった……のかな?いつ?あれ?)

表紙のふんわりかわいらしさに反して、女の子成分が今回ほとんどなかったのが、個人的にちょっと残念でした……!(笑)
唯一の女性キャラ・レティより、ヒロインポジションはむしろ、メルディだった気がします(笑)。

だいぶシリーズ進んできましたし、今後にもますます期待が!
そしてデューク、本当にがんばってほしい。


この一週間にそれぞれの記事に拍手くださった方々、どうもありがとうございました♪

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カテゴリ: ビーズログ文庫

タグ: 石田リンネ 

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