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ようこそいらっしゃいました。すてきな書物と美味しい食べ物をどうぞ。

『Unnamed Memory』周辺色々語り 

去年どはまりしたno-seen flower様のオンライン小説『Unnamed Memory』。
先日通販で買わせていただいたサイドストーリーが届いたのもあり、また広がった作品世界にどっぷり浸りきる日々です。
現実に戻ってこれなくて真剣にまずいレベル。

後々の時代の番外編はとくに、何か少しでも語ると即本編のネタばれになってしまい語りづらく、でも繰り返し読んでいるうちにもう思いがぐるぐるはちきれそうで。
ここらで一度、最初からネタばれ全開記事で心置きなく語ってみよう!という趣旨です。
最後の方の時代から語りだしてみる。

以下はすべてたたみますので、本編ならびに番外編、全ストーリーネタばれ大丈夫という方のみ、よろしければ。


『紅毒の眠る床』
まずは最新の同人誌から。
これまでも百題話などで何度か名前が出てきていたヘルジェールの物語。
長い長い時の重みがティナーシャの精神を押しつぶしていった過程を、はっきり目の当たりにした、そんなお話でした。
このブレーキのきかなさは怖い。悲劇に自分自身で絶望して自分を意識下に殺したティナーシャがめちゃくちゃ辛い。
ロウグレはこのシリーズにはめずらしい(?)、素直にまっすぐで善良な王子様で、しかもヘルジェールやオスカーはじめ宮廷の食えない面々の中にいてもけして埋没していないのがすごいです。彼はいい統治者になれるでしょう。
マルトが意外といいひとで和みました。
そしてオスカーのゆるぎない強い愛情に泣けてくる。
オスカーとヘルジェールのかけあいもこれまでの繰り返しにもれずに大好きです。
あの悲劇の後で、きちんと人を好きになって、人の輪の中笑っている妻の姿は、それは、嬉しいものでしょう。
オスカーは、結局、悲劇のときに、死んでいなかったということ?あれ?

こんな話を読んだ後では、それは、くるってしまったとき自分が何をしでかすか怖い……というティナーシャの思いも、分かりすぎるほどわかります。

『鳥籠の女』
なんかこの順番で語るのがいいのかどうかわかりませんが。
初読時は、正直、気分がすごくふさがる話だな……みたいな感想の話でした。まだ別大陸がどういうものなのかもわかっていなかったしね。
Rotted-Sも読んでからサイドストーリーも読みこんでから改めて読むと、またこのお話も良いです。澱の部分もまた魅力なのですね。
青い塔でのすべてのはじまりの時を思い出させるラストシーンには涙がにじみました。
『青の部屋』の静かなふたりのラブラブがとても好きです。オスカーの「答え」が。

間間のルクレツィアさんとティナーシャの会話。少しずつまた少しずつ傾いているティナーシャの心というか雰囲気に、えぐられます。ルクレツィアさんの忠告も届かなくなっているのが。

『Aeterna』
去年、本当に良いのでしょうかと言う経緯で手元にいただいた同人誌。ふたりの道行の岐路の物語。
ティナーシャのかつての名がタイトルで読む前は過去編だと勝手に思い込んでいたのですが、全然後の時代のお話でした。
好きすぎる。もう何度読み返したことでしょう。お気に入りの会話や場面はいくつかすでに暗記しています。
鳥籠の時代からまた進みましたね……繁栄の追憶の花街というそれだけで影をおびた場所が舞台。
アーティの正体にはすっかり騙されていました。寝起きの良さか!そこですか!
雨の中、滅びた国の中心で、時を巻き戻していく歌を歌うティナーシャ、というオスカーの過去の追憶の場面が、幻想的でうつくしくてひどく印象的で、心に残っています。
この辺のお話もできれば読みたかったな。
アーティとの戦いの場面も、どこからどこまでティナーシャと同一なのかあいまいなのがまた何とも言えず複雑な感想だったのですが、さらに山場が、外部者の世界に渡らんとしたふたり、その挑戦の結果。
オスカーのあの究極の選択が、何度読んでも、狂おしいほどに愛おしくて切なくて、胸がきりきりします。何度読んでも泣いてしまいます。
ティナーシャを想うなら、最良の選択は、どっちだったんでしょう。
悠久のときを、変わらぬ理性を持って、公正な決断をしてきたオスカーですが、ティナーシャに関してだけは、彼女の安寧と引き換えにしても、やっぱり手放せなかった。
あああ、何とも言葉ではどうしても表せないんですけれど!オスカーほどの男に、永遠に変わらずここまで深く深く愛されるティナーシャは、幸せだな、と、なんかそんなことしか出てこないです。とにかくこの夫婦のすべてが愛しすぎる、としか。
でもなんか、この状態になっても、ふたりなりにしあわせそうな感じもします。特にティナーシャは。
魔法の世界での逢瀬、百題話での顔をくっつけてイメージを共有し合うティナーシャが可愛らしくてとても好き。
愛しているとは、永遠に手放せないと渇望する欲だ。とは、ずーんときますね。
しかしエイリアドという存在は、希望を持たせてこんな選択をさせて、なんか優しいのか残酷なのか……さすがエルテリアの人(でしたよね、たぶん)
『End of Memory』の続きが激しく気になります。
というか、外部者ってそもそも本当になんなんでしょう。

あ、あとおまけ本のAquaeのお話も、まだ何もしらないふたりの会話がせつなくていとしくて、胸がいっぱいになりました。
あと何百年もなんて、疲れますよ、とぽつりとこぼすティナーシャに、後の永遠の時の積み重ねでそれでも笑顔でい続けた姿を重ねると、またこみあげてくるものが。

今さらこちらのサイト様にあったFlashを発見してめちゃくちゃ格好良くてはまって、常に音が頭の中でリピートされてる状態で色々書き連ねてきてしまいました。
Aeternaの最後のふたりの会話にまた涙がじわりと。


たぶん懲りずにまた別のサイドストーリーや短編の感想を書きにきますので、よろしくです!(誰に向かって言っているのか)

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カテゴリ: オンライン小説

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