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ようこそいらっしゃいました。すてきな書物と美味しい食べ物をどうぞ。

『アリスズ』シリーズ 霧島 まるは 

オンライン長編小説の世界にどっぷりひたっていたここ最近。
番外編まで関連作をついに読破しました!ので、感想を書き残させていただきます。

アリスズ』シリーズ
『長靴をはいた侍女』『南の海を愛する姉妹の四重奏』等の作者さまで、いつもお世話になっている霧島まるはさん作の、異世界トリップものシリーズでした。
花屋の店先で桜の苗木の元に集った三人の日本人の娘は、不思議な力に導かれて異世界へ。
ひとりは植物を愛する風変わりな娘。
ひとりは自由奔放で凛々しく強い娘。
ひとりは体は弱くても賢く威厳を持つ娘。
三人の「アリス」たちによる、異世界冒険活劇。そしてその後のお話。

まるはさんの異世界トリップもので、しかもヒロインが三人!とか、読む前から絶対私好みだと思ってはいたんですが(笑)、今までちょっと長さにしり込みしていました。
いざ読み始めてみると、期待通り、いや期待以上に面白かった!まるはさんの地に足をつけ頑張るヒロイン大好きです!愛しています!!
一話一話の分量が少なめだったので、思っていたよりさくさく読みやすかったです。テンポ良く読めるって長編には嬉しい。
『アリスズ』から子ども世代の『アリスズc』、あと関連の短編まで、全部面白かったですー!!
ちょうどバーネットの『秘密の花園』を読んでいたタイミングだったので、なおさら植物や大地に親和性のあるこのお話、愛しんで読むことができたの、良かったなと思いました。

やはり一作目の『アリスズ』の景子と菊、梅の三人が、いちばんお気に入りで、いちばん身を入れて読んでしまいました。
三人が対等に主人公をはるバランスが絶妙で。
それぞれ違う魅力と強さをもった好感を持てるヒロインの物語を一気に三人分も読めるなんて美味しすぎる……。
中でもいちばん感情移入しやすかったのは、ごくふつうの花屋さんのお姉さん、景子さんでした。年齢も近いし。
どんな状況におかれようと、強烈なキャラクターたちに振り回されあわあわしようと、つねに植物を愛し大地にどろんこになって親しむ様が、とても好感を持てる姿で。
イデアメリトスの君との運命の出会いと恋は、もえますね!周りの反対をものともしない彼の優しさとひたむきで情熱的な愛にすっごくときめきました。年の差ものとしてもたいへん美味しかったです。景子の年齢と立場が私にとってはたいへんリアルで、とまどいや割り切り具合やとても感情移入できました。
どれだけ年が離れようとも、少女のような景子と彼女を可愛がって手放さないアディマのふたりにほのぼの。
景子が年の差を告白したときのアディマの反応とか色々お気に入りの場面あり。

菊と梅は、山本道場の双子姉妹。景子よりずっと年下の娘たち。
現代日本人ながらに少々特殊な家で育った姉妹は、それぞれ個性がたっててきりりと凛々しく格好いいことこの上ない。
菊のどこまでいっても日本人であることを捨てず曲げずに剣とともに自由に生きるさまは、読んでいて気持ち良かったです。
髪結いの特技もあったし(笑)。
菊とダイの関係も、最後まで彼ら二人らしくてあるがままで、とても良かったです。同士として、言葉が通じていないのに通じ合っている様がすてき。
梅も、精神的にとても強い子だなと思いました。アルテンとの出会いは最悪でしたが、まさかこういう道を歩むとは。
梅のことは最後の最後までじれったかったです。彼女のかたくなな強さが、あああ。

そしてアリスズc。
また個性豊かなメンバーでイデアメリトスの旅がはじまりました。
テルとハレの兄弟が、読めば読むほど違う人間で別の道を選び取って戦っていて、面白いなあと。
リリューも格好良く好きだったし(ダイより老成していない感じなのがまた好もしい)、桃ちゃん良かった!可愛がられながらも梅に厳しくしつけられて菊に鍛えられて謙虚さを失わずにまっすぐに育った彼女、読んでいて嬉しくなる女の子でした。
桃ちゃんだいぶ鈍かったですね。エインは途中からなんとなく察せられましたが、まさかあのひとからひそかに想いをよせられていたとは!桃ちゃんの最終的な選択が気になって仕方ないです。
桃とコーちゃんの女の子ペアが可愛らしくてなでなでしたい(笑)。

エンチェルクもヤイクもロジューも好きで、番外編も楽しんで読みました。
ロジューが続編の方では登場しないのが、その真実が、切なかった。オリフレアがあっさりあのポジションにいくとは正直予想外だったんですが、これで良かったんですよね。力を持たないわが子を思ってのぽつりとしたつぶやきが印象的でした。テルがよきお父さんになっててまたしみじみ。

名前を日本語として発音すること、特に梅や菊の所作、日本人としての美徳、何と言ったらいいのかわかりませんが、そういう描写が読んでいて素敵でした。
いくつもの「さようなら」の場面が、良かったな。「さようなら」ってこんなに美しい日本語だったんだな。

イデアメリトスの特殊な力や慣習もしっかり書きこまれていて面白かったです。
よくある中世ヨーロッパ風異世界とは趣が違って、エキゾチックで良いですね。名前も独特で格好いい。
現代日本とはあまりに違う国のあり方をあえて変えたりしようとはせず、それでも三人のヒロインは自分を保ち続け、この世界に知恵や力を落とし込む、その姿勢が、とても素敵でした。

アリスズAの三人のヒロインのその後の話もふんわり幸せになれてとても良かったです。
梅の夢の中での告白にはちょっと涙が。二人とも良かった。
景子とアディマの仲睦まじさも良かったです。

いつか書かれるという続編も楽しみ楽しみ。


ここ二日くらいにそれぞれの記事に拍手くださった方々、どうもありがとうございました♪

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カテゴリ: オンライン小説

タグ: 霧島まるは 

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