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『おこぼれ姫と円卓の騎士 臣下の役目』石田 リンネ 




『おこぼれ姫と円卓の騎士』シリーズ第11弾。
ソルヴェール国における豊穣を祈るミモザ祭りに向けて、レティと騎士たちは準備に大忙し。
一方で没落貴族の子息メルディは、レティの元婚約者が謎の死をとげた過去の事件を密かに調べなおしていた。しかしその最中何者かに襲われ——。

おこぼれ姫シリーズの新刊!だいぶ息の長いシリーズになってきました。
表紙の背景とレティのドレスの色の取り合わせが春らしくてミモザ祭という内容にもぴったりで素敵です。
そしてあとがきを読んではっとして、はじめて帯を外して……うわあ、こんなところにサプライズが!(笑)
本編読了後の雰囲気と相まって、ひとり心の中で思いきりときめきました。

今回のお話は、前の巻からの『軍師編』ひと段落となりました。
ミモザ祭りの準備に追われる表サイド、レティの元婚約者・マティアスの事件の真相をメルディが追いかけてゆく裏サイド、同時進行でお話が進んでゆきました。
闇に包まれていたマティアス変死事件の真相などかなりシリアスでずしりときましたが、今回もぐいぐい読んでしまう面白さ。
すべては、レティのために——言葉通りの一冊でした。

レティはもちろん、デュークはじめとするレティの騎士たち、メルディ、侍女のアイリーチェ、みんながそれぞれ優秀で、それぞれの信用を裏切らない活躍っぷりが、読んでいてとっても格好良く爽快でした。
特にレティが周囲に「頼る」ことを覚えたのが、なんか、しみじみしてしまうほど良かったなと思いました。
ミモザ祭りやメルディのことで色々な問題が発生してひとり抱え込んでいたレティが読んでいて危うくてはらはらしていたので。
デュークだからこそ許される「強硬手段」がとてもナイスでした。さすが!!
この場面の挿絵のレティとデュークの表情がどちらも新鮮でとても良いです。
ぽかんと少女のようなあどけない表情のレティと屈託ない少年のようなデュークの笑顔……特にデュークの笑顔は破壊力があって心臓に悪いです。
そして、これだけ信用に足る、これだけの働きをしてくれる人材が、確実に、レティの周囲にはそろっていたんだなあと。
レティの今までの地道な努力の賜物だなあと。
頼もしさに胸がいっぱいになってしまいました。

毒に倒れたメルディに、救いの手を差し伸べる段階の、レティの悩みも、難しい……!とうなりましたが。
レティのお人好しっぷり、誰かのために命まで懸けられるあの性格があったからこそ、今回ためらいなく差し伸べられた第三の支援の手に、これまた胸がいっぱいになりました。
ソレス王子、今回直接登場はしてきませんでしたが、彼が遠くの海からさわやかににっこりほほ笑んだような、そんなイメージが勝手に思い浮かびました。

メルディの身の振り方は、途中で「えええー!!」とかなり心臓に悪い展開にもなりましたが、最終的には、落ち着くべきところに落ち着いたな。と。
メルディが自分で納得できているようなので、良かったなと思いました。メルディとレティで「三人分」かあ。
確かに、グイード殿下もたどり着けなかった真相まで、今回いきつけた二人。今後の可能性を感じました!
クラインシュミット家の内情、マティアスの事件のこと、人間関係の複雑さとゼノンの性悪っぷりが……。
テオドールが、誰を想ってこのような行動を取ったのか。罪の意識に押しつぶされていったのか。真相が分かってみると、胸がふさがりました。
メルディがこの地位に納まることになって、テオドールも救われたんじゃないかな。そうだといいな。
ミモザ祭りで騒動を起こしてレティを悩ませたメアリ嬢にも、彼女なりの深刻な事情があって。彼女のことも、救いになったようで、良かったです。

騎士たちの中で、前巻に引き続いて特にアストリッドの活躍が光ってます。
明らかに他の誰にもできないことができるアストリッドは、かなり得難い人材だよなあ。
アストリッドとメルディ、そしてアストリッドとアイリーチェの組み合わせが、それぞれなんだか良かったです。
アストリッドとアイリーチェの184~185頁あたりの、本人同士はいたって真面目なのにはたから見ればずれまくりの会話が面白すぎる……。アイリーチェ、乗せるのは「一応」ウィル様なんだ……。
ずれてるけどやっぱり乙女なアイリーチェが可愛すぎてきゅんきゅんしてしまいました。彼女の「ずれ」が理解できず普通に受け入れて会話するアストリッドもやっぱりいい!
あとレティが馬に乗るのに頼るの、やっぱり一番はデュークなのを目にして、今度は私を頼ってもらうように早駆けの練習頑張ろう!とひとり決意をかためるアイリーチェも大好きでした。
シェランも、自らはったりでレティを助けたり、図太くたくましくなってきました。本当に美人さんでした。

ロマンス成分も相変わらず微糖でしたがそれでも今回はかなりきいてました。
従姉妹のシャルロッテと同じ、恋する表情を浮かべていた自分に気づいて動揺しまくるレティ。
ラストの場面などどきどきしました。
そんなに分かりやすく恋に甘い表情を浮かべているレティ、「見てみたい!」と私などはいちばんに思ってしまいます(笑)。
なんかもう、レティとデュークは、どういうかたちでもいいので、幸せなかたちで結ばれてほしいんですけどねえ。
なんとかならないのかなあ~!!
カールハインツ王の結婚歴エピソードも印象的でした。
王族の結婚はやっぱり難しいですね。ヴィクトル王子もなかなか苦労してるみたいですし。

レティの兄弟、今回はグイード殿下が渋く活躍されていて格好良かったです。
レオンハルト殿下も活躍が伝わってきました。
フリートヘルム殿下は……異国の地で何か厄介ごとに巻き込まれていないかどうか、地味に不安です。

続きもますます楽しみなシリーズです。


ここ一週間それぞれの記事に拍手くださった方々、どうもありがとうございました♪

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カテゴリ: ビーズログ文庫

タグ: 石田リンネ 

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