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ようこそいらっしゃいました。すてきな書物と美味しい食べ物をどうぞ。

『公爵の花嫁』Crown 

オンライン小説の感想メモになります。

公爵の花嫁』(Crownさま)

舞台は大国エスティア。
エドウィン公爵家の切れ者と名高い若き当主ルーファスは、妾腹の王女セラフィーネを妻として娶ることに。
愛なき結婚として淡々と王女を迎え入れたルーファスだったが、大人しげな姫セラフィーネは、王家にまつわるある重大な秘密を抱えていて——。

今月のはじめのコミティアで、こちらの深森さんの同人誌を買わせていただいたのが、きっかけ。
とてもとても素敵なお話で、ほかにどんなお話を書かれているんだろう……とさっそくサイトの方にお邪魔して、あらすじにひかれ読みはじめたのが、こちらの『公爵の花嫁』でした。
大国の光と影、建国に関わった魔女の呪い、呪いに苦しめられつつも懸命に抗おうとする人々。
シリアス寄りの長編ラブロマンス。
現在連載中です。

たいへん私好みの少女趣味さじ加減と重みのあるストーリー。薄幸で健気なヒロイン。
案の定はまりこんで一週間くらい夢中になってひたすら読んでました!

少年時代に負った心の傷を癒せぬまま、心を凍らせて生きてきた切れ者公爵ルーファス。
あどけないまるでふつうの庶民の娘のような、心の中に救いようのない絶望を抱えて微笑むセラフィーネ。
どちらも決められた政略結婚に夢を持たずにまるでちぐはぐだったふたり。秘密を少しずつ分かち合い、助け助け合い、不器用に心通わせていく様が、とても優しく愛おしく、後半になってくると何度も涙がにじみました。
セラが自分の無力さを痛感しつつもたったひとりで必死にもがき物事をなそうとしている姿を、苛立ち、嫌味を言いつつも、結局は突き放さず手助けするルーファスは、屈折してはいるけれど、実は優しい人でした。
目と目をみかわす翠と青の美しい瞳の色の取り合わせが好き。

セラの呪いはあまりに救いがない残酷なものなので。セラの姿があまりに痛々しくて、彼女の幸せを願わずにはいられない。
セラの過去エピソードが辛い。シンシアさんは彼女なりに最大限に娘を愛し守ってきたわけで……でも残酷すぎる。フレッドたちのことも切なすぎました。
序章で語られた魔女と王様のお話、胸が悪くなりますね……なんでこんなのをセラが背負わなければいけないんだー!!
ルーファスの両親のエピソードもなかなか凄惨なものがありました。誰が一番悪かった、というのはないのかもしれないけれど。
セラとお父さんのつかの間の交流が好き。セラがいてくれて本当に良かった。これだけとってみても、セラはここに嫁いできてくれて本当に良かったと思う。

もどかしすぎる長いすれ違いを経て……。やがて開き直った(?)ルーファスのふてぶてしいほどの頼もしさと言ったらないです。
一度お屋敷を離れたセラを探し出し迎えに行って、再会したルーファスが、彼女のことをまず怒るのでなく、もっと早く見つけてやればよかったな、とぽつりと胸の中でつぶやく場面がとても好き。
これまで誰も愛さず氷の公爵様だった分、たったひとり見出した相手にそそぐ愛と執着は並々ならぬものがあり。
王太子殿下も言っていたけれど、セラはこれから一生大変だと思う……。彼の愛は絶対重いよ。
呪いに苦しみ臥せるセラを大切にいつくしむ姿を読んでいるととても心があたたまります。

あと私が好きなのは、エドウィン公爵家の使用人たち!
ルーファスの従者の少年ミカエル、セラ付きの女中で明るい少女メリッサ、頼れる執事スティーヴさんに女中頭ソフィー。
ルーファスの過去の傷を知るがゆえに冷たい青年と奥方となる王女の仲をずっと案じていた彼ら。セラとルーファスをいつどんなときも温かく見守っていたこのお屋敷の雰囲気が、とても好きでした。
ミカエルとメリッサの姉弟のような関係がかわゆらしい。メリッサのお日様みたいに明るいところがとても好きで物語の救いのひとつでした。実力主義者のルーファスの従者をきっちりつとめる優秀な少年だけどまだ年相応に甘いところがある14歳のミカエル君がたいへん可愛い。
仲良くなるほどによい人たちばかりで、だからこそ苦しまなければいけないセラの立場が、辛くてなりませんでした……。

ルーファスに巻き込まれるような形で友情を結ばされ何かと協力させられているハロルドさんも、貧乏くじですがよいひとです。彼にも春の予感がしていて見守りたいです!
セラの魔法のお師匠ラーグも好き。セラを溺愛する姿以外にも色々な面があるようで。ルーファスとの嫌味の応酬が楽しい。
ミカエルとリリィとディーのお話は、ほろ苦いものがありました。

王家の呪いのことは、まだ解決には遠そうで、でもセラとルーファスのふたりなら、なんとかできる!と信じたい。祈るような心地です。
続きがとても気になります~!!

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カテゴリ: オンライン小説

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