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ようこそいらっしゃいました。すてきな書物と美味しい食べ物をどうぞ。

私の好きな美味しい物語7 パーキンとミートパイ(『英国マザーグース物語』久賀理世) 

ここ何年かのコバルト文庫の中ではトップクラスにお気に入りの『英国マザーグース物語』シリーズ。
ひみつのパートナー兼婚約者生活の微笑ましいやりとり、思いがけない突き落としにロマンス展開、マザーグースの歌になぞらえた謎解き、貴族のお嬢様の友情、色々楽しみどころが多いシリーズですが、作中に出てくる食べものがいつもさりげなく美味しそうなのも、魅力の一つ。

英米の方ではない国産の少女小説って、お菓子やお料理の描写自体は多くの作品にあるのですが、その美味しさがきちんと質感まで伝わってくる作品となると、意外にとても少ないんですよね。
久賀理世さんは、描写自体はさらっとしているのですが、食べものの描写がお上手だと私が感じる、数少ない作家さんのひとり。

なかでも私が気になったお菓子、それは『裏切りの貴公子』に出てきた、ガイ・フォークス・デイの「パーキン」。



ヨークシャー名物、糖蜜たっぷりのパーキン。
ほかほかふっくらしっとり、屋台で保温されたパーキン。
飲み物はココアで。
描写がお上手なのはもちろん、「パーキン」ってなんだろう?……はじめて目にした名前に首をひねる。
字面だけではまったく想像がつかず、そこがよけいに心惹かれた菓子でした。

ネット検索し、さらに図書館でイギリスのお菓子の分厚いガイドブックみたいな本を借りてきて、調べてみる。



オートミールにショウガ、ブラック・トリークル(糖蜜みたいなの)、ゴールデンシロップ、小麦粉に砂糖に卵に牛乳、重曹でふくらませた、ブラウニーみたいな形状の濃い茶色の焼き菓子であるらしい。
やはりお祝い、お祭り用のお菓子として知られているみたい。
ちょっと材料が色々特殊なので再現するのは大変そうですが。オートミールやスパイスケーキみたいなのが好きなので、なかなかおいしそうだなと思いました。
(そしてこの本、パーキン以外にもイギリスの新旧スイーツが豊富に紹介されていてとても楽しいです。本場のクリームティーにカップケーキに色々食べてみたい)

あと次の巻『聖夜に捧げる鎮魂歌』での、パーキンの包みを抱えて微笑むセシルのスケッチの場面は、名場面ですよね!
思い出すたびに胸がいっぱいになります。
あそこのイメージも相まって、よけいにこのお菓子への思い入れは強くなったのでした(笑)。

あとこちらのシリーズでおいしそうな食べ物と言えば、アクロイド社の食いしん坊先輩・ポールさん絶賛『三匹の子猫』の「ミートパイ」!
おかあさんの手作りのこだわりの味・ミートパイの描写がまた心憎い。



読んでいてどうしてもミートパイが食べたくなって、買いに行ってしまいました。
タカキベーカリーのミートパイが美味しかったです。

久賀理世さんは、オレンジ文庫の『倫敦千夜一夜物語』もとても好きで食べ物もやはりおいしそうだったので、続編等今後も期待させていただいてます。


ここ一週間くらいにそれぞれの記事に拍手くださった方々、どうもありがとうございました♪

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カテゴリ: 私の好きな美味しい物語

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